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財政構造改革プログラム

平成14年12月滋賀県 

1.財政構造改革プログラムの策定について

2.財政構造改革の推進期間

3.財政構造改革の取り組み方策

(1)効率的な行財政運営の徹底

(2)施策の重点化

(3)投資的経費の重点化、効率化

(4)歳入の確保等

(5)地方税財政基盤の充実・強化

4.取り組みのまとめ

5.今後の取り組みに当たって


1. 財政構造改革プログラムの策定について

・本県の財政は、近年、非常に厳しい状況にあることから、平成10年度以降「財政構造改革の指針」や「当面の財政運営方針」を策定し、平成14年度までの5年間、財政構造改革に取り組んできました。

・このため、時代の変化に的確に対応して、活力ある地域社会の創出を図るため、現行の県の長期構想「新・湖国ストーリー2010」の見直しを行い、長期的な視点から滋賀県の将来像を描き、中期的な県政の基本方向を明確にしつつ、各年度の予算編成を通じまして、限られた資源を必要とされる施策に重点的、効果的に投入し、緊急かつ重要な課題に積極的に対処するとともに、新しい産業の育成など、経済の活性化のための取り組み等を進めつつ、県税収入の回復に努めていきたいと考えております。

・しかしながら、新しい産業の育成などによる県税収入の急速な回復に、全てを期待することは困難であり、平成15年度以降も一層厳しい状況が見込まれますことから、新たに「第2次財政構造改革の指針」を策定して、さらなる財政構造改革に取り組むことといたしました。

・財政構造改革プログラムは、「第2次財政構造改革の指針」でお示しいたしました「現行の取り組みを前提とした財政試算(一般会計)」および「財政構造改革に向けた方針」に基づき、平成15年度から平成17年度までの間に取り組む内容と削減等の見込額を具体的にお示しをして、財政構造改革の道筋を明らかにするため策定したものです。

・財政構造改革プログラムでは、人件費の抑制や経常的な内部事務費の見直しによる行政のスリム化、県有財産の売却等による歳入確保など、内部からの見直しを一層進めることとしておりますが、あわせて、投資的経費の縮減や、市町村および県民の皆さんへの補助金等についても、これまでより負担をしていただく内容となっております。

・改革の実行に当たりましては、事務事業の廃止や縮小、公共事業の進度の調整、負担区分の変更など、痛みを伴うものとなりますが、現下の国、地方を通じる厳しい財政環境を克服するため、県自らの責任による自主的な努力をし、次の世代に負担を転嫁することにならないようにする必要があります。

・改革プログラムを着実に実行することによりまして、自立的に運営することができる財政体質を早期に確立し、今後の新しい行政課題にも的確に対応し、県政の持続的な発展につなげてまいりたいと考えております。

・社会経済情勢が激しく変化する中で、改革プログラムを進めるに当たりましては、予測しがたい状況変化も発生することが考えられますが、毎年度の予算編成や執行の中で点検や見直しを加え、また、進行管理に努めることによりまして、改革を推進してまいります。

・県民の皆さんには、ご期待にお応えすることができないことや、がまんをお願いすることとなりますが、財政健全化に向けた取り組みに、ご理解とご協力をお願いいたします。

2. 財政構造改革の推進期間

平成15年度~17年度

3. 財政構造改革の取り組み方策

(1) 効率的な行政運営の徹底

縮減見込額 約58億円 (一般財源ベース(注) 、以下同じ)
縮減見込額は、構造改革プログラム実行後(平成17年度)の見込み数値です。


1事務事業、施設の運営など経常経費の削減約5.6億円

2職員給与等人件費の抑制約49億円

3公営企業会計等に対する繰出金の削減約1.3億円

4公社、事業団等に対する財政支出の削減約1.5億円


限られた財源を有効に活用して、新しい行政ニーズに応えていくという経営的視点を取り入れて、最少の費用で県民の皆さんの最大の満足を得ることを念頭に置きながら、県の内部努力の徹底による見直しや減量化などを進め、より効率的な行政運営を目指しますとともに、職員給与等人件費の抑制に努めます。

1事務事業、施設の運営など経常経費の削減約 5.6億円

 内部的な事務管理、施設管理経費について、一層の効率化、合理化を図ることとし、経費を削減します。

  • 事務執行方法の改善、効率化、電子化などによる削減5%

  • 県立施設について、県の役割、あり方などを見直すことにより、市町村や民間への移管、廃止などを進めます。
    対象施設:福祉施設、文化施設、文化財施設

2職員給与等人件費の抑制約60億円
約60億円のうち国庫:約11億円、一般財源:約49億円

 職員給与について、次のとおり削減します。

  • 給料、調整手当の削減
    知事15%削減
    副知事、出納長、代表監査委員、教育長10%削減
    一般職員 部長・次長級6%削減
    課長・参事級5%削減
    その他の職員4%削減
    (平成15年度は3.5%、平成16年度は4%、平成17年度は4.5%)

  • 早期希望退職制度の実施
    40歳から55歳までの職員の早期希望退職制度を実施します。

3公営企業会計等に対する繰出金の削減約 1.3億円

 公営企業会計等において、一般会計と同様に効率的な運営や減量化を徹底するなどにより繰出金を削減するとともに、現行の繰出金の基準についても、見直しを行います。

4公社、事業団等に対する財政支出の削減約 1.5億円

(表)
上記の数値は、組織等のあり方の見直しによる削減額を含んでいません。

公社、事業団等において、一般会計と同様に実施する事業の徹底した見直しや減量化を進めるなどにより、公社、事業団等に対する財政支出を削減するとともに、職員給与等人件費についても調整を行うことにより、財政支出を削減します。

 また、公社、事業団等の組織や経営のあり方については、「公社・事業団等外郭団体の見直しについて(第三次)」(平成14年5月県行政経営改革推進本部決定)に基づき、廃止、統合などの見直しを積極的に進めます。

(表)
(注)用語の説明:「一般財源ベース」県の収入には、県税や地方交付税、使用料・手数料、国庫負担・補助金、県債などいくつかの種類がありますが、このうち、県税、地方交付税など、使途が特定されずにどのような支出にも使用することができるものを「一般財源」と言い、収入全体の約半分程度を占めています。この「一般財源」の額と、財源不足を補うために基金を取り崩している額等をあわせたものを、ここでは「一般財源ベース」と言っています。なお、収入全体の残りの約半分程度は、国庫補助・負担金や県債など、使途が特定されたもので、「特定財源」と言います。特定財源のほとんどは、その使途となっている支出を削減すれば、併せて収入も

(2) 施策の重点化

縮減見込額約27億円

(表)
1事務事業、補助金等の削減約27億円 2国庫補助負担事業の削減的確に反映

すべての事務事業、補助金等について、ゼロベースの視点から見直し、施策の重点化を図ります。

1事務事業、補助金等の削減約27億円

 県の裁量的な経費について、限られた財源の中で最大の効果を得られるよう、優先順位の選択を行うとともに、県の役割、受益者負担のあり方などの見直しを行い、15%程度の削減を行います。

 あわせて、団体への運営費助成については、県の関与を見直すこととし、原則として、その15%を削減します。

(主な具体の見直しの概要)

 事務事業の廃止・縮小によるもの

市町村振興資金貸付事業特別会計繰出金
地域情報化対策事業の推進
流域下水道事業特別会計貸付金
介護家族ホリデークーポン事業
公園維持管理費
教育広報番組テレビ放映費
基礎学習講座推進事業
勤労者住宅建設資金
個人住宅融資基金預託金

 補助率、補助内容の見直しや事業の縮小等によるもの

市町村振興総合補助金
私立高等学校授業料軽減事業補助金
びわ湖ホール自主事業補助金
し尿処理施設NP除去高次処理施設維持管理費補助金
福祉医療費補助金
高額医療共済会事業費補助金
市町村等観光客誘致促進整備事業費補助金
高年齢者就業機会確保事業費補助金

2国庫補助負担事業の削減的確に反映

 国の制度改革等については、県の施策の見直し等に的確に反映します。

(3) 投資的経費の重点化、効率化

縮減見込額約65億円

(表)
1社会資本整備の重点化、効率化約65億円 2PFI手法等の活用引き続き推進・検討を進める

1 社会資本整備の重点化、効率化約65億円

 一定の整備が進んできている現状や、投資的経費の財源として活用した県債の償還が、今後とも大きな額で続く状況を踏まえ、これまでの事業費について、進度の調整、重点化、コスト縮減などを行うとともに、補助制度を見直すことによって、30%程度の調整を行います。
なお、現在着手済みの事業や取り組みが具体化している大規模な事業については、計画的に推進します。

(主な具体の見直しの概要)

  • これまでの普通建設事業費
    △約65億円(公共事業の減に伴う人員減約40人)

 進度調整、縮小等によるもの

林野公共事業
土地改良公共事業
土木公共事業
空港整備推進対策事業
リゲインハウス(仮称)整備事業
交通安全施設等整備経費

 補助率、補助内容の見直しや事業の縮小等によるもの

市町村振興総合補助金
合併処理浄化槽設置整備事業費補助金
鉄軌道関連施設整備補助金
都市計画事業費補助金
地域文化拠点整備事業

  • 新たに取り組む普通建設事業費
    +約26億円

 着手済みのもの

県立大学看護学部整備
済生会滋賀県病院整備補助

 取り組みが具体化しているもの

(仮称)琵琶湖環境科学研究センター整備
警察本部庁舎整備
合併特例支援特例交付金
東海道新幹線(仮称)びわこ栗東駅
琵琶湖環状線

2PFIの手法等の活用引き続き推進・検討を進める

 公共工事において民間の資金やノウハウを活用して社会資本を整備するPFI の手法等の活用について、引き続き(仮称)滋賀21会館の整備を推進するとともに、新たな取り組みについても検討を行います。

(4) 歳入の確保等

見込額約59億円


1 新たな税源の確保 約3億円

2 使用料手数料の見直し 約1億円

3 未利用県有地の活用 3年間で約18億円

4 公債費の平準化 約54億円

5 収入未済額の縮減(県税、貸付金等) 計画的に推進


1 新たな税源の確保約3億円

 学識経験者等で構成する「滋賀にふさわしい新税創設懇話会」からの提言を踏まえ、広く県民の皆さんや関係者のご意見等を聞きながら、小型船舶の湖面利用に関する税や産業廃棄物に関する税など、本県にふさわしい新たな政策税制の検討と導入を積極的に進めます。(概ね2~3億円)

2使用料手数料の見直し約1億円

 受益者負担の原則に基づき、適正な原価計算により所要額を把握し、これに対する負担のあり方を検討した上で、計画的な改定を行います。

 ア 受益者負担の基準の明確化

 これまでの改定に際しては、消費者物価指数等を勘案して改定率を定めてきたところですが、利用する方などに負担していただくことが適当な金額との差について、計画的に確保することとし、原則5%の改正を行います。
なお、国に準拠するもの(政令等で定める標準額があるもの、授業料、入学考査料、入学料等)については、別途改定を行います。

 イ 建物使用料等について、土地、共有部分にかかる分を設定

 建物使用料等については、これまでの許可専有面積に係る分に加えて、土地使用料、共有部分(15%)に係る分を加算します。

 ウ 電柱、電話柱使用料に電気通信事業法の基準を適用

 電柱、電話柱使用料については、現在、道路法の基準を適用していますが、電気通信事業法の基準に改めます。

 エ 営業行為にかかる料金体系の設定

 建物使用料等のうち営業行為に係るものについて、これまでの一律の基準金額による使用料の設定を改め、設置場所等に応じた使用料とします。

3未利用県有地の活用3年間で約18億円(注)

 未利用県有地の有効活用を図るとともに、将来にわたっても利用計画がない財産については、計画的に売却に努めます。

 売却対象財産14件、約3万平方メートル

(主なもの)
旧大津土木事務所
旧警察会館おおみ荘敷地
近江八幡市鷹飼町県有地

4公債費の平準化約54億円

 発行済みの10年債に係る最終償還分の借換について、県債充当施設の耐用年数の状況を踏まえ、償還方法などについての検討を進め、公債費の平準化を図ることとします。

5収入未済額の縮減(県税、貸付金等)計画的に推進

 県税滞納額、貸付金等の未納額について、徴収対策を強化し、収入未済額の縮減に向けて、計画的に取り組みます。

(表)
(注)6ページの「歳入の確保等」の「見込額」には、平成14年度を上回る額を算入しています。

(5) 地方税財政基盤の充実・強化

(表)
1 地方税の充実 (1)国から地方への税源移譲(2)法人事業税の外形標準課税の導入 2 地方交付税の確保

1地方税の充実

ア 国から地方へ税源移譲を国へ要請

 地方団体が自立的な財政運営を行うことができるよう、国から地方へ税源を移譲するなど、安定的な地方税財源基盤の充実に向けて、国へ要請等を行います。

イ 法人事業税の外形標準課税の導入

 法人事業税の外形標準課税の全国的な制度としての導入について、国へ要請等を行います。

2 地方交付税の確保

 地方自治体の行財政運営に支障が生じないよう、地方交付税による財源調整について、国へ要請等を行います。


4.取り組みのまとめ

(表)
区分 平成15年度 平成16年度 平成17年度
現行の財政構造のままの財源不足額A △320 △270 △300
各種の取り組みによる縮減見込額B 152 173 211
差し引きA+B △168 △97 △89

改革プログラムを実行することによって、現時点で見込むことができる効果を折り込んだ場合の財源不足額の状況は、上記の表のとおりであり、財源不足額を全て解消できるには至っておりません。
このため、自立的な行財政運営の確保のため、安定的な地方税財政基盤の充実・強化について、引き続き国への要請等を行っていくとともに、毎年度の予算編成や執行の中で、点検や見直しを行い、必要な経費であっても歳出が平準化されるように検討をするなど、歳入と歳出の両面での努力を行っていく必要があります。
なお、その後示された平成14年度の地方財政対策の変更により地方財源の減額が見込まれ、本県の場合にあっては、さらに約28億円が減じられることとなり、これによって差し引きの財源不足額は、平成15年度196億円、平成16年度125億円、平成17年度117億円となりますが、これについては、歳出の更なる精査を行うとともに、国に対して税源移譲を求めるほか、県税収入の動向を見極めながら、基金の活用をはじめ、財政健全化債の発行について検討し、対処していくこととします。


5.今後の取り組みに当たって


・全庁が一丸となって、県民の皆さん、県議会をはじめ、市町村、関係団体等のご理解とご協力をいただきながら、推進していくこととします。

・景気の動向や国の状況等に十分配慮し、適切に対処することとします。

・また、新規の県債の発行については地方財政対策に基づく特例的なものを除いて極力抑制することとし、県債に依存しない体質を目指します。


  • 現在の国、地方を通じる厳しい財政環境を克服し、県自らの責任による自主的な努力によって、自立的に運営できる財政体質を早期に確立し、県勢の持続的な発展につなげていくとともに、次の世代に負担を転嫁することにならないようにするため、全庁が一丸となって、県民の皆さん、県議会をはじめ、市町村、関係団体等のご理解とご協力をいただきながら、推進していくこととします。
  • 我が国の経済情勢は、政府の月例経済報告によると、「引き続き持ち直しに向けた動きが見られるものの、そのテンポはさらに緩やかになっている。雇用情勢は一部に改善の動きが見られるものの、失業率が高水準で推移している。輸出は弱含んでおり、景気の先行きについては、環境が厳しさを増しており、最終需要が下押しされる懸念が強まっている。」と、依然として厳しい状況にあります。このため、こうした景気の動向や国の状況等にも十分配慮しながら、適切に対処することとします。
  • 県債は、世代間の負担の公平を図る観点から必要な制度ですが、県債残高が増嵩し、これに伴って公債費が急激に増加してきている状況を踏まえ、新規の県債の発行については、地方財政対策に基づく特例的なものを除いて極力抑制することとし、県債に依存しない体質を目指して取り組みを進めます。