11月は「仕事と生活の調和推進月間」です。
現在、働きながら介護している人は、滋賀県で3万4千人にのぼり(総務省「平成24年就業構造基本調査」)、家族の介護のために退職せざるを得ない人もいます。仕事と介護の両立は、誰もが直面する可能性のある問題です。仕事と介護が両立できる社会をつくるために必要なことは何か、立命館大学教授の津止正敏さんにお話をうかがいました。
立命館大学産業社会学部教授
津止 正敏さん
1953年生まれ。立命館大学大学院修了。京都市社会福祉協議会を経て、2001年より現職。2009年に「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」を発足。
現在、働きながら介護している人は、全国で290万人。これは働いている人の約20人に1人にあたります。かつては、「男性は仕事、女性は家庭」といった固定的な性別役割分担意識などの影響もあって、仕事と介護は切り離して考えられていました。しかし、家族の形が多様化した今、男女にかかわらず 一 人で働き手と介護者の両方を担う人が増加しています。
一方、仕事と介護の両立を可能にする社会的な仕組みはまだまだ整っていません。短時間労働など「働き方が多様化してきた」とはいうものの、それは非正規雇用などの“不安定さ”と引き替えになっているのが現状です。「介護しながらでも、いかに安定した働き方を継続できるか」ということが社会的な課題となっています。
親や配偶者の介護が始まることで仕事と介護の板ばさみになり、結局退職に追い込まれてしまう人は、全国で年間10万人にのぼります。退職してしまう前に、男性も女性もS0Sを発して、仕事と介護の両立を続けてほしいと思います。介護による退職は、介護者の経済的安定を奪うばかりでなく、同僚や友人という親しい関係をも奪っていきます。特に、地域コミュニティとの関係(縁)を作ってこなかった男性介護者の孤立は、虐待などの不幸な事件につながることもあります。
介護は誰もが直面する可能性があります。介護はつらくて大変ですが、それまで見えなかったものが見えるようになったり、自分の生き方を見つめ直す機会となるものであって、人生の中で排除すべきものではありません。
突然介護に直面しても退職することなく、介護保険等のサービスを活用しながら安定した働き方で仕事と介護が両立できる社会。そんな社会をつくるためには、雇用の安定を確保した上で、勤務時間の多様化や柔軟な休暇制度の導入など個々の介護スタイルに合わせた支援制度を整備する必要があります。それと同時に、社会を構成する一人ひとりが仕事と介護の両立を身近な問題として捉え、介護者の多様な働き方を理解し、支援することが重要であり、そのためにも、自らを含めた従来の働き方を見直していくことが必要です。そして、こうした働き方の見直しは、介護だけでなく家事や育児、地域活動等と仕事を両立できる社会、つまりワーク・ライフ・バランスが実現した社会につながっていくのです。
滋賀県内で働きながら介護する人は、34,600人。うち男性は、15,800人。全体の約4割が50歳代で、働き盛りが介護に直面している現状が見てとれます。また、ここ5年間で5,100人の人が、介護・看護を理由に離職しています。
平成24年就業構造基本調査(総務省)より作成
「あなた自身が切り開く これからの生き方とキャリア」
働きながら介護する
~仕事と介護の両立のために必要なこと~
わたしたち「仕事と生活の調和推進会議しが」の構成団体は、“仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進”に取り組んでいます。
仕事と生活の調和推進会議しが 構成団体
滋賀県商工会議所連合会/滋賀県商工会連合会/滋賀県中小企業団体中央会/滋賀経済同友会/一般社団法人滋賀経済産業協会/公益社団法人びわこビジターズビューロー/日本労働組合総連合会滋賀県連合会/滋賀県社会保険労務士会/滋賀子育てネットワーク/有限会社でじまむワーカーズ/特定非営利活動法人しみんふくし滋賀/生活協同組合コープしが/滋賀県市長会/滋賀県町村会/滋賀労働局/滋賀県
~考えよう 相手の気持ち 育てよう 思いやりの心~
12月4日~12月10日は人権週間
国際連合は、世界人権宣言が採択された日である12月10日を「人権デー」と定めています。また、我が国では、毎年12月10日を最終日とする一週間を、「人権週間」と定めており集中的な啓発活動を行っています。
人権週間は、家庭や職場、学校など様々な場面でみんなで人権を考える一週間です。この機会に人権を考えてみませんか。
期間中は、特設人権相談所も開設されます。人権相談を希望される方は、お近くの法務局、人権擁護委員、市町役場人権担当課までお問い合わせください。
全国共通人権相談ダイヤル
電話0570-003-110(ゼロゼロみんな の ひゃくとおばん)
※電話をおかけになった場所の最寄りの法務局につながります。
12月1日~12日まで人権啓発テレビ番組を放送します! 詳しくは人権施策推進課HPへ
■最寄りの相談窓口については、
滋賀県人権啓発活動ネットワーク協議会 ホームページ(外部サイトへリンク)
お問い合わせ:人権施策推進課
2013年人権週間協賛
日時 12月8日(日曜日) 10時15分~
場所 滋賀県立文化産業交流会館(米原市下多良二丁目137/JR米原駅西口から徒歩5分)
10時15分~ オープニング、開会行事
10時50分~ 意見発表/「勇気を持って」稲田 彩香さん(立命館守山中学校3年)
11時00分~ 地域からの発信1
13時00分~ 地域からの発信2
13時30分~ 記念講演/乙武 洋匡さん(作家)「みんなちがってみんないい」
終日
[小劇場] 人権ラブソングフェスティバル
[ロビー] 県内人権センター展、物産展
お問い合わせ:(公財)滋賀県人権センター TEL077-522-8243 FAX077-522-8289
北朝鮮による日本人拉致は決して許されない犯罪行為です。未だ北朝鮮に残されているすべての拉致被害者の方を速やかに日本に連れ戻さなければなりません。
そのためには、私たち一人ひとりが関心と認識を深めることが必要です。
お問い合わせ:県庁健康福祉政策課 TEL:077-528-3514 FAX:077-528-4850