造林公社問題の解決に向けて

「造林公社問題」とは

戦後の木材不足解消と、琵琶湖の水源かん養などを目的に、昭和40年に(社)滋賀県造林公社が、昭和49年に(財)びわ湖造林公社がそれぞれ設立され、約2万ヘクタール(県土の約5%)の造林を行ってきました。
この造林事業は国がビジネスモデルとして政策金融の整備などを行い推進してきたものであり、両公社もこうした制度を活用しながら造林を進めてきました。しかし、事業開始から40年が経過し、この間、木材輸入の増加や人々のライフスタイルの変化などの影響により、木材価格は大きく下落し、当初予定していた収益が見込めなくなり、借入金をすべて返済することが不可能な状態になりました。
両公社は、これまで経費削減など経営改善に努めてきましたが、両公社が管理してきた森林を引き続き守っていくためには、これまでの多額の債務を整理することが大きな課題でありました。そこで、裁判所の仲介で債権者と債務の返済について話し合う「特定調停」を平成19年11月に申し立てました。

伐採収益見込と債権放棄額平成22年3月末債権額1,126億円滋賀県造林公社391億円元金254億円利息137億円びわ湖造林公社735億円元金637億円利息98億円放棄後の債権額189億円債権放棄額(団体別内訳)滋賀県770億円下流8団体167億円(滋賀県公社)68億円(びわ湖公社)121億円伐採収益見込額189億円(公社別内訳)滋賀県公社68億円びわ湖公社121億円(収益見込には積立預金も含む)※

債務処理案の内容について

今年1月、両公社は調停委員会に調停条項案(債務処理案)を提示しました。その内容は、両公社の平成21年度末の債務残高約1126億円に対し、伐採収益でまかなえない約937億円について債権放棄していただきたいというものです。
滋賀県としては約770億円の債権放棄が必要になりますが、多額の債務問題を先送りしていれば、更に利息が増加し、県民のみなさんに今以上の負担がかかるおそれがあることなどから、今回の調停条項案を受け入れることとしました。
また、(社)滋賀県造林公社の債権者である下流8団体からもこの内容を受け入れるとの回答があり、現在、各議会で審議がされています。今後、全ての議会において可決されれば特定調停が成立することになります。今年1月、両公社は調停委員会に調停条項案(債務処理案)を提示しました。

”債権放棄”を真摯に受け止め 新たなスタートラインに立つ

滋賀県知事 嘉田 由紀子 

今回の債務処理で、最大の債権者である滋賀県は両公社合わせて約770億円もの債権放棄が必要となりました。財政難の時代にこのような巨額の債権放棄をしなければならないことについて、県民のみなさんに対してしっかりとした説明をしなければならないという責任を感じています。

こういう事態に至った背景として、私は国が作り上げたこの造林公社のビジネスモデルに課題があったということを以前から指摘してきました。国策としてこの事業を推進してきた国が責任ある対応を取らず、課題の先送りに終始してきたことに強い憤りを感じています。

こうした背景を踏まえて、これまで本県独自の取り組みはもちろん、他府県と連携しながら知事会などを通じて国に対して様々な要請を行ってきました。しかし、時間を置けば置くほど毎年約20億円もの債務が膨らんでいく状況を看過するわけにもいきません。将来世代にツケを残さないためにも、下流団体のご協力をいただきながら速やかな債務処理を進めるべきと判断させていただきました。

今後、両公社が取り組むべき課題として大きく2つあり、県として必要な支援をしていきます。

  • 森林の水源かん養機能の維持…森林管理のあり方やそのための取り組み方針など、将来ビジョンを早急にとりまとめます。
  • 確実な伐採収益の確保…生産から流通まで総合的な木材生産のための取り組みを進めていきます。

今回の債務処理で県民のみなさんに大変なご負担をお願いすることに、心からお詫び申し上げます。今後とも、琵琶湖の森林の重要性や県産材の利活用へのご理解、ご協力をお願いいたします。

□ お問い合わせ

県庁森林政策課林政企画担当

TEL:077-528-3913

FAX:077-528-4886

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