ふれあいプラスワン

同和問題啓発強調月間特集

自分の言葉で語り合おう”同和地区”ってどんなところ?

「暗い」「貧しい」「閉鎖的」――こういった同和地区に対するイメージは、果たして本当の姿を表しているのでしょうか。関西大学で同和問題を研究されている石元清英教授に同和地区の実態や問題解決のためのヒントについて伺いました。

石元さん写真
関西大学社会学部教授 石元清英さん

実態とかけ離れた同和地区に対するイメージ

みなさんは「同和地区」と聞いてどんな場所を想像するでしょうか。
私が授業の最初に学生に聞くと、返ってくる答えは「暗い」「貧しい」「閉鎖的」というものが多くを占めます(表1)。
では、小・中学校でどんな教育を受けてきたかと聞くと「江戸時代の身分制度の話」「『差別はいけません』という注意」「差別はいまだに厳しいという話」といった抽象的な話で終わっていることがわかります(表2)。
同和地区の今の様子など具体的な話がされていないため、非常に理解が一面的で、いまだに「みんなが就職で差別される」「地区外の人とは結婚できない」と思い込み、「そういった差別を受けるのはよっぽど変わったところなんだろう」と同和地区を異質視してしまっているのです。

実態を知り、 判断する力を育てる

では、今の同和地区とはどんなところなのでしょうか。
授業のフィールドワークで大阪や京都などの都市部の同和地区に行くと、住宅は1960年代以降に建てられた市営住宅がほとんどです。「スラム」のようなまちを想像していた学生たちはイメージと全然違うことに驚くようです。
差別の実態も同様です。企業が「この人は同和地区の出身かどうか」を調べ、同和地区出身者だと思われるという理由で採用しないケースは非常に少なくなっています。また、結婚についても「当事者2人の問題」として祝福されて結婚するケースが増えてきています。
こういった正しい情報や知識を持っていれば間違った情報や偏見は跳ね返すことができるのです。これからの教育・啓発では外部からゆがんだ情報が入ってきてもそれを間違いだと判断するだけの力を育てることが求められると思います。
普通「差別」とされるのは「性別」や「肌の色」「障害の有無」など、いずれも「人」に対するものですが、同和地区に対する差別とは「人」と「地域」に対する差別なのです。
1990年に大阪府が行った調査があります。府内の同和地区に住んでいて、自分は同和地区の出身ではないと答えた世帯のうち13・8%が「差別を受けた家族がいる」と答えています。大阪市などの都市型の同和地区では、そこに住む人のうち、その同和地区で生まれたという人は40%台ほどだと思いますが、そこに住んでいることで地区外の人からは「同和地区の人」と見なされる。こういう同和地区に対する差別の特徴を伝えていく必要があります。

自分の言葉で話すことが最も効果的な啓発になる

これからの教育・啓発は、こうした同和地区の実態を伝え、それらの情報を受ける側は“自分の頭で考える”ということが大切です。
地域や職場、学校、家庭など日常生活の中で同和問題について自分の考えを述べ合う場を作っていければすごく違ってくると思います。もし、自分の考えを述べる場があれば、そこで同和問題に対する誤解を指摘されることも出てくると思います。誤解していることを内にしまっていると、正される機会もなくなってしまう。講演会や啓発誌なども誤りを正す機会ですが、私は身近な人から誤りを正されることが一番効果的な啓発になると思います。
この誌面も自分の意見を述べる場づくりのきっかけになればいいなと思います。

9月は同和問題啓発強調月間です
同和問題啓発強調月刊ポスター 「同和問題 まっすぐ見つめて 解決に向けて走るのだ!」

県では、県民一人ひとりが同和問題の正しい理解と認識をもとに部落差別をはじめとするいっさいの差別の解消に向けて主体的に行動していただけるよう、毎年9月を「同和問題啓発強調月間」と定め、集中的に啓発行事を実施しています。
今年度は県内公共機関やJRの駅などへの「強調月間ポスター」の掲示や、テレビスポット放送(※)、「じんけんフェスタ」の開催、街頭啓発などを実施する予定です。
※ びわ湖放送、ZTV、東近江ケーブルネットワーク、甲賀ケーブルネットワーク

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みんなが安心して暮らせるまちづくり 住民同士の支え合いを目に見えるマップ(地図)に

日野町清田福祉会の取り組みから

 藤澤さん
清田福祉会 会長 藤澤克美さん

県では、一人ひとりの人権が尊重される社会の姿の一つとして「誰もが安心して暮らせる社会」の実現をめざしています。東日本大震災の発生もあり、県民のみなさんの防災に対する関心も高まる中、地域のつながりを生かした防災・福祉マップ作成に取り組んでいる清田福祉会(日野町)を取材しました。

人口285人、約60軒の家が並ぶ日野町清田地区。3世代同居の家庭が多く、昔ながらの近所づきあいが今も続く地域です。

この地区で防災マップを作り始めたのは今から3年前。周辺8地区の福祉会代表者による淡路島での防災研修がきっかけでした。

研修に参加した清田福祉会の藤澤克美会長は「阪神淡路大震災の際、日ごろからの近所づきあいが密接だった淡路島は神戸市内と比較して人的被害が少なかったという話を聞き、日ごろからの意識付けと体制整備を進めておく必要性を感じたことから、防災マップづくりに着手しました」と振り返ります。

しかし、日ごろからの付き合いが密接な地域だけに「いざというとき誰が何をするかは、“暗黙の了解”のようなもの。これまで大きな災害に見舞われたこともない地域なので、わざわざマニュアル化するということに対して住民の関心は薄かった」と話すのはこの地区で民生委員児童委員を務める清水寛義さん。

清水さん
清田福祉会 民生委員児童委員 清水寛義さん

しかし、作業を進める中で「避難場所や経路がわからない」「避難する時に支援を必要とする人(災害時要援護者)が把握できていない」などそれまで気づかなかった課題が浮き彫りになりました。

そこで、防災マップと並行して福祉マップの作成にも取り掛かりました。当初は「かかりつけ医」「持病」「介護時の留意点」「必要な補装具」などを記入する「災害時要援護者登録申請書」を全戸に配布し、登録を呼びかけましたが申請者が2人しかいなかったため、一定の年齢以上の高齢者や障害者をリストアップし、一人ひとり訪問し登録を呼びかけた結果、最終的に18人の方が同意し登録。「連絡先や持病などは言わば『個人情報』。申請をためらう人もいますので、福祉マップに掲載されている内容は関係者だけが厳重に管理しています」と清水さん。

着手から約2年。防災マップ・福祉マップはようやく完成を迎えようとしています。「マップは、一度配ったら終わりではなく、毎年情報を更新する必要があります」「今は“暗黙の了解”でよくても、世代が変わるとそうもいかなくなるので、見える形で残しておくことが安心して暮らせるまちにつながります」と藤澤さんは話します。

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キャッチコピー「母なる湖・琵琶湖。-あずかっているのは、滋賀県です。」