自分らしい最期を迎えるために「在宅医療」から看取りを考えてみよう

社会の高齢化が進み医療や福祉に対する人々の関心が高まる中、住み慣れた場所で安らかに過ごしたい人の希望を尊重するため、県は看取りまで含めた在宅医療の仕組みづくりを進めています。県内でかかりつけ医として在宅医療に取り組む滋賀県医師会の橋本修医師に、自分らしい最期の迎え方についてお話をうかがいました。

滋賀県医師会 橋本 修さん

理想と現実のギャップ

滋賀県民の看取り理想と現実のギャップの円グラフ〈どこで最期を迎えたいか?〉・自宅50.2%・病院17.3%・介護老人保健施設2.3%・特別養護老人ホーム 3.8%・その他(ケアハウスなど)1.0%「人生の最期を迎えたいと思う場所は?」 滋賀県政世論調査(平成21年度)↓県民の半数が「自宅での看取り」を望んでいるが、8割が「病院」で亡くなっています。↓〈実際に最期を迎える場所〉・自宅15.2%・病院

滋賀県政世論調査(平成21年度)によると、県民の約半数が住み慣れた自宅で最期を迎えたいと希望しているにもかかわらず、実際は約8割の人は病院で亡くなっていることがわかります(上図参照)。
その理由の一つとして、介護する家族の負担があります。また、患者の意思を尊重して在宅医療を選択しても、在宅医療に対する周囲の無理解から、「病気なのになぜ入院させないのだろう」という声を気にして入院させたり、患者自身が家族に遠慮して病院や介護施設に行くこともあります。

在宅医療の実態を正しく理解

在宅医療では従来の往診方法とは異なり、通院が困難な患者の病状に応じて、継続的・定期的かつ計画的に訪問診療を行います。また、医師や看護師だけではなく、訪問介護やリハビリなどさまざまな専門職が患者を支えていきます。
病気の状態は人それぞれ違いますが、点滴などさまざまな医療が自宅でも受けられます。何が何でも病院でないと医療が受けられない、というわけではありません。
在宅医療という選択肢を普及させるためには、介護保険を活用するなど家族の介護負担をできるだけ減らす工夫も必要ですが、在宅医療が「治療を放棄しているわけではないこと」「在宅でも幅広い医療が受けられること」をまずは県民のみなさんに広く知ってもらうことが大切だと思っています。

自分らしい最期を家族、地域で考える

患者が在宅医療を選ぶためにも、普段からかかりつけ医を持つことが必要です。かかりつけ医は患者が元気だった状態からだんだん弱っていく経過を把握し、また、本人や家族の思いも受けとめやすい立場にあるため、終末期医療の中では心強い存在です。
高齢化社会を迎え、今後老衰や病気などで亡くなる方がさらに増える中、病院以外の場所として自宅や介護施設などで、どのように看取りをサポートしていくかについて地域で考える必要があります。病院より自宅で療養した方がいいと思われる患者には、強制的な延命措置をやめ、在宅で安らかに過ごすことも選択肢の一つだと思います。
患者本人の意思が尊重されるよう、本人が元気でしっかりしているときに、家族全員でどのような医療を受けたいかを率直に話し合うことが、自分らしい最期を迎えるための第一歩となります。

在宅医療の整備を目指して 滋賀県医師会の取組

滋賀県医師会では、県の在宅医療体制を整えるために、平成25年までに在宅療養支援センターの設立を計画。地域間の連携など医療体制の充実をめざし、整備を行っています。また、毎年、終末期医療に関する公開講座を開催し、県民に広く啓発を行っています。

□お問い合わせ

在宅医療に関するお問い合わせは

県庁医務薬務課医療福祉推進室

電話:077-528-3581

ファックス:077-528-4859

メール:eh00@pref.shiga.lg.jp

HP:http://www.pref.shiga.lg.jp/e/iryoseido/index.html

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