淡海のひと・とき

小堀 宗実さん(茶道家元)

Soujitsu Kobori

1956年東京生まれ。440年の歴史を持つ遠州茶道宗家13世。流祖の小堀遠州は現在の長浜市小堀町の生まれである。『茶の湯を通して心を豊かに』をモットーに、伝統文化の普及と精神文化の向上に努め、海外においても文化交流活動を積極的に行っている。

受け継がれた伝統と心、移りゆく時代に合った世界観

三大茶人の一人で、滋賀県出身の小堀遠州が流祖の遠州流茶道。家元の13世小堀宗実さんに、遠州流茶道の精神を通じた心の在り方や、滋賀の印象について語っていただきました。

******

小堀遠州と遠州流茶道

小堀遠州は、戦国時代の終わりから徳川の時代を生き、今日に至る茶道を体系づけた人物です。戦国時代の個性を競いあった茶道から、平和に向かう心の拠り所、文化的なサロンの場としての世界観を作り上げました。

遠州が志した精神の在り方は「調和の美」。「綺麗さび」という言葉で表現される調和とは、茶道具の取り合わせや茶室と庭とのつながりから、人と人との関係性までを包括した誰からも美しいといわれる世界観でした。

伝えたい心の在り方

家元として大切にしていることは、遠州なら、父ならどうするかと先祖に思いを馳せながら物事を考えること。それは同じことを繰り返すという意味ではなく、変化する時代の中で今あるべき遠州流の世界観を作り上げるということ。決まりきった型ではなく、精神の在り方を継承することが、遠州流のバトンのつなぎ方なのです。

続けてきた活動の一つに「遠州流茶道こども塾」があります。茶道普及の一環で、「3つのあいさつ」を通じて、大事にしてほしい心の在り方を伝えています。「いただきます」「大変結構です」「ごちそうさまでした」。それぞれお茶をいただく際の挨拶ですが、周りの方への敬意や、関わる全ての人たちや物事に対する感謝の言葉でもあります。

子どもたちには、そのとき感じた思いや感謝をしっかりと相手に表現してほしいと思います。

滋賀は滋賀らしく

滋賀県は小堀遠州の生誕の地であり、自分の原点ということで思い入れのある土地です。また、日本の歴史が詰まった場所でもあります。

近隣の府県と比較してしまいがちですが、滋賀には滋賀にしかない素晴らしさがあります。遠州流の精神にもあるように、各人の思い、特徴や共存を大切にし、滋賀の豊かさを十分に発揮してください。

小堀遠州の建築・作庭

作事奉行としても才能を発揮した遠州の建築物、庭園を紹介します。

水口城(甲賀市)、大徳寺孤篷庵、南禅寺金地院、仙洞御所、二条城(京都市)

小堀家の菩提寺 近江孤篷庵(長浜市)/近江八景を模したといわれる「遠州好み」の庭園は県の名勝に指定されている。

******

キャッチコピー「母なる湖・琵琶湖。-あずかっているのは、滋賀県です。」