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淡海の人

このコーナーでは首都圏でご活躍中の滋賀県ゆかりの人、滋賀県出身有名人にインタビューしています。

NECキャピタルソリューション株式会社 代表取締役常務兼CFO 枩山 聡一郎さん

枩山 聡一郎さん

まつやま そういちろうさん

  • NECキャピタルソリューション株式会社 代表取締役常務兼CFO
  • 滋賀県長浜市湖北町出身
  • 県立虎姫高等学校卒業
  • 慶應義塾大学経済学部卒業
  • 1979年 日本電気株式会社 入社
  • 1990年 NEC Capital UK Senior Manager
  • 2000年 日本電気株式会社 財務部財務室長
  • 2005年 NECUSA,Inc SVP&CFO
  • 2009年 NECキャピタルソリューション株式会社 執行役員兼CFO
  • 2012年6月から現職

環境に対する思い

私は、母の出身地でもあり、当時事業をしていた祖父の大阪の自宅で生まれましたが、実際に育ったのは今も父が現役で頑張ってくれている長浜市湖北町です。実家の二階の勉強部屋から竹生島を望むことが出来ます。

当時琵琶湖の水質の悪化が問題となっていた頃でもあり、水質を守る為に「粉石けん運動」に関わる母の姿を見て育ちました。琵琶湖の北側で暮らすということは、自分達の使った水が琵琶湖を通じて京都・大阪まで流れていく。自分達がここで水を汚すと下流域の人達に迷惑を掛けることになる。琵琶湖を通じて、環境に対する思いが深まり、自分のDNAに刷り込まれました。

上京、就職

大学進学に際し、祖父が「勉強するなら関西の第一志望だが、人生勉強するなら東京に行きなはれ」と勧めてくれました。

祖父は滋賀の人のことを鮎に例えて、「琵琶湖を出ることでまた大きくなって戻ってくる」、と言っていました。祖父自身が滋賀の銀行員から転身し大阪で事業を始めた、という経験もあって、人生勉強なら滋賀より大阪、大阪より東京と考えたのかも知れません。とにかく「人生勉強」とは大きな話だと考え、祖父の勧めるまま東京の大学に進学しました。

今振り返ると、祖父のこの一言は、私の人生の大きな転機になったと思っています。

上京して経済学部に進学し、国際経済や資源論などの本を読み漁りました。

その頃注目されていたのが、スイスに本部を置くローマクラブ発行の「成長の限界」という報告書です。資源枯渇や環境破壊に対して警鐘を鳴らした、当時としても衝撃的な内容のものでした。

当時NEC社長の小林宏治氏が、そのローマクラブの日本人会員だったのです。こんなに環境意識の高い、素晴らしい考え方の経営者のもとで働きたい、と就職を決めました。

三方よし

実際に配属されたのは財務部でした。以来ずっと現在に至るまで「メーカーの財務」を軸に資本市場や金融市場・外国為替市場などと関わる仕事に携わって来ています。

また英国、アメリカと延べ10年に亘る2回の海外赴任中、偶然にも欧州通貨危機やリーマンショックという歴史的に大きな出来事に遭遇しました。

企業ですから利益を追求するのは当たり前ですが、特にリーマンショックを経験すると、本当にそれだけで良いのだろうか、と考えるようになりました。利害、儲けだけでは世の中は上手く行かない。そういうところを突き詰めていくと、近江商人の「三方よし」に象徴される近江商人の価値観に立ち戻ってきます。

利益至上主義だけでは駄目だ、「世の中に貢献してナンボ」、これがないとバランスが取れないというのが、リーマンショックを経験した金融関係者の端くれの、儲け主義とは異なる感覚です。

現在公益資本主義の考えのもと、CSV(Creating Shared Value:共通価値)創造企業として、当社では経済価値の追求はもとより、環境活動や復興支援などの社会価値の活動にも積極的に取り組んでおります。

ご縁

ご縁、という言葉があります。

これまで本当に様々なご縁に恵まれてきたなと思います。

上京したのは、祖父が背中を押してくれたから。

そのお陰で、大学時代や海外勤務含めた企業人としても様々な人達と出会うことができ、今でもお付き合いが続いています。

思えば行き付けの店で紹介された人物との仕事の繋がりや広がり、取引先の相手方が偶然高校や大学の同級生だったり、町や外出先で有名人にばったりあったり。その他、これまで出会った多くの方々とのご縁が、また新たなご縁に繋がります。

人生どこで繋がっているか判らない。これはきっと偶然ではなく、赤い糸というか、必然なのかも知れません。

そうしてご縁のあった方々からのパワーを貰って、今の私があるのかな、と思っています。

滋賀県の人は、意識しているかどうかに関わらず、琵琶湖の周りで育った瞬間に、環境に対する意識や三方よしの精神が刷り込まれていると思います。

どちらもこれからも更に大事なキーワード。

これからは滋賀県の時代、「淡海の人」の時代です。

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