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広報誌「滋賀プラスワン」2014年9・10月号掲載

湖国をeyeして

俳優 中井 貴一さん

中井貴一さん

なかい きいち さん

1961年東京都出身。1981年成蹊大学在学中に映画「連合艦隊」でデビュー。以後映画、テレビ、舞台で活躍し、日本アカデミー賞ほか受賞多数。9月公開の映画「柘榴坂の仇討」では、主君井伊直弼の刺客を探す志村金吾を演じる。

撮影中ふと見上げれば、変わらぬ滋賀の風景があった

9月公開の映画「柘榴坂の仇討」の主役として、彦根藩士を演じた俳優の中井 貴一さんに滋賀の印象や映画について伺いました。

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幼い頃から滋賀に親しみ、高校総体では彦根へ

両親が京都出身で、大津には親戚もいましたから、滋賀には馴染みがあるんです。大人になってからも撮影や友人とのゴルフでたびたび来る機会があって、よく「滋賀は地味」なんていう人もありますが、私にとっては印象深い土地ですね。
高校時代にはテニスで東京予選を勝ち抜き、滋賀で行われた高校総体(全国高等学校総合体育大会)に出場しました。彦根城の近くのコートで試合をして、その時に「花の生涯」の碑を見つけました。第1回の大河ドラマ「花の生涯」に父(俳優の故佐田 啓二さん)は長野主膳役で出演していましたから、父のドラマの名がここにあると初めて知って、感慨深かったですね。
今回「柘榴坂の仇討」(浅田次郎原作、若松節朗監督)の撮影で、その彦根城や八幡堀を訪れました。彦根での休憩時間にふと空を見上げた時、初めて来た気がしなくて、周囲を見てみたら試合をしたコートがあった!そう、テニスでサーブをする時に見上げた風景とイメージが一致したんですよ(笑)。30年ほど経っても変わらない風景があるなんて、びっくりすると同時に、とても懐かしい気持ちになりました。

井伊大老と彦根藩士の気概を感じてほしい

映画で私が演じるのは彦根藩士です。この映画では井伊大老の取り上げ方がおそらく今までとは違っていて、井伊大老の人間性というものを深く描いています。その主君の人間性に惚れながらも守りきれなかった男が、永遠に主君を心にもって遺志を継いでゆくという物語です。地味ですが、こういう心の機微を見せるものが、日本映画の本来の姿かもしれないと思っています。
映画の中に出てくる井伊大老たちは、日本をよくしていくことに向き合っていました。この映画が、私たちが今何をすればいいのか考えることの提案になればと思いますし、日本を思うって何だろうとか、今という時代のありがたみとか、映画を見た方の千人に一人でも感じていただけたら幸せですね。
子どもの頃、滋賀で日本の原風景を見てきました。滋賀は他の県と同じようになろうとしなくていいですよね。日本一の琵琶湖、滋賀にしかないものを大切にしていただきたいと思います。

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「柘榴坂の仇討」
滋賀先行ロードショー決定
9月13日(土曜日)(全国は9月20日)公開

主君・井伊直弼を失い、敵を探し続ける男。大老暗殺後、身を隠し孤独に耐える男。江戸から明治へ激変する時代のなか、13年後、二人を待ち受ける運命とは!? 浅田文学の最高峰、完全映画化!

出演:中井 貴一 阿部 寛 広末 涼子 髙嶋 政宏 真飛 聖 藤 竜也 / 中村 吉右衛門

原作:浅田 次郎 監督:若松 節朗 音楽:久石 譲 配給:松竹


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