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広報誌「滋賀プラスワン」2012年7・8月号掲載

湖(こ)の人タイムス

映画監督 大友啓史さん

安楽律院 写真:滋賀ロケーションオフィス

おおとも けいしさん

NHKにてドラマ・映画「ハゲタカ」、大河ドラマ「龍馬伝」などを演出。イタリア賞、文化庁芸術祭賞など国内外で受賞多数。2011年NHKを退局。フリー第1作となる映画『るろうに剣心』(佐藤健主演)は8月全国公開。来春には『プラチナデータ』の公開も控えている。

近江には文化のルーツ手つかずの魅力がある

8月に公開される人気コミックの実写映画「るろうに剣心」。迫力あるアクションと人間ドラマ、その中心となるシーンの撮影を県内各地で行った大友監督に、滋賀の印象と思いを語っていただきました。
 

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滋賀の古寺が物語に力をくれた

ロケ地を探して様々な土地を訪ねる中で、石や石垣の文化が実に良い雰囲気で残っているのが、滋賀だったんです。滋賀の古寺仏刹は手つかずな感じというのか、表立ったアピールはしないんだけれども、日本文化のルーツがあるような気がした。そのことが大きくて、今回重要なシーンを、滋賀で撮影することになりました。

冒頭のシーンは三井寺ですが、人があまり訪れないような裏手の場所。クライマックスの安楽律院も、ひっそりとしていて、見つけた時は興奮しました。古い文化の匂いがあるんです。場所がいいと、美術チームも含めてエキサイトして、インスピレーションが湧いてきます。滋賀という場所が与えてくれる力が大きくて、物語のスケールも深みも出たと、僕は思っています。

白洲正子さんに導かれた出会い

八幡堀でも予定以上に長くカメラを回してしまったほどで、滋賀には撮りたくなる自然物があふれていました。水場の美しさや生活感もそうですし、琵琶湖もあって、ここには水と暮らす豊かさがあるんです。

そういう滋賀を見る眼には、実は白洲正子さんの影響があります。ドラマ「白洲次郎」も作りましたし、以前から正子さんの著作をよく読んでいたので、僕の中で「かくれ里」のイメージが広がっていて、今回、正子さんのご縁で、イメージ通りの滋賀にたどり着けたと感じています。

滋賀の良さは本物があるところ。理屈なんていらない、人が愛おしく思う本物を、堂々と知らせていけばいいんです。

撮影中は自由な時間があまりありませんでしたが、合間に食べた近江牛がおいしかった(笑)。また滋賀に来て、食べものはもちろん、滋賀のよいものに出会いたいと思います。

るろうに剣心 2012年8月公開

るろうに剣心 2012年8月公開
配給:ワーナーブラザーズ映画 
(C)和月伸宏/集英社 (C)2012「るろうに剣心」製作委員会

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