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しがの風ふわり

近江・匠の風土 人と木の共生

木の食器

滋賀県の森林面積は琵琶湖の3倍、県土の約半分を占めています。雨は森の土で浄化され、120本以上の川となり湖に注ぎ、多くの恵みを与えてくれます。そして、木もまた家屋や家具、工芸品、船、仏具などとなり、近江の生活と、そこに息づく匠の技が文化形成の一翼を担ってきました。

鈴鹿山麓の君ヶ畑・蛭谷(東近江市永源寺)は、木を削り椀や盆を作る「木地師」発祥の地として知られ、その活躍は東北地方にまでおよんだとされています。木地師の歴史は平安初期にさかのぼり、この地に幽棲した惟喬親王が、木を回転させて削る木地製法を発案したと言われています。他にも上丹生(米原市)の彫刻など豊かな森や木が、木地師を後押しし、木製品の発展に繋がりました。

また、大名から庶民にまで広く愛用された朽木盆や、湖上交通で活躍した大型船舶丸子船、今も国産扇骨の多くを占める高島扇骨など、滋賀の木と森は匠の技を育み、人の暮らしと共にあり続けています。

木をろくろで回転させて削り、椀や盆を作る木地製法
木をろくろで回転させて削り、椀や盆を作る木地製法。

森が育む近江「匠」の技

上丹生の彫刻 (米原市)

寺社仏閣といった大きなものから欄間や仏壇、美術工芸品まで多様な彫刻が受け継がれている。

上丹生の彫刻

朽木盆 (高島市)

朽木盆

16弁の菊紋が特徴。盆だけでなく椀などもある。黒や朱の漆器が多く残されている。

丸子船(大津市・長浜市)

丸子船

湖上交通、運輸、漁に活躍した木造船。江戸時代には1,300隻以上が運行していた。

高島扇骨 (高島市)

安曇川流域の竹を使った扇の骨。今も国産扇骨の約90%を占める。

高島扇骨

(公社)びわこビジターズビューロー