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広報誌「滋賀プラスワン」2012年1・2月号掲載

滋賀の風ふわり

未来に響く伝統の音色 近江の楽器糸

和楽器弦メーカー「丸三ハシモト株式会社」(長浜市木之本町)は、絹糸から350種類以上の楽器糸を製造する老舗。ウクレレや中国伝統楽器の二胡にも進出し、伝統の技を生かした楽器糸づくりに取り組んでいる。

豊かな自然に育まれた風土を生かし、滋賀県では数多くの優れた工芸品が生み出されてきた。彦根仏壇をはじめ信楽焼、近江上布など熟練の技による素朴ながら優美な品々は、交通の要衝という地理的利点も背景に全国に行き渡り、今日まで受け継がれている。

古典芸能に欠かせない三味線や琴に張る楽器糸も、近江の技を今に伝える工芸品の一つ。賤ヶ岳の麓、長浜市木之本町では養蚕や製糸に適した気候にも恵まれ、平安時代から楽器糸づくりが始まったとされる。長年培われた技と手仕事により紡ぎだされる高品質の弦は深みのある余韻と妙なる音色を生み出し、人間国宝をはじめ、名だたる演奏家から高く評価されている。

近年は伝統の技を生かし、中国伝統楽器の弦を作る新たな試みに挑戦。中国の音楽用品展示会に出展したところ、優れた品質が評判となって数多くの引き合いが舞い込み、国内のみならず世界からも注目を集めている。

滋賀県は全国有数の「ものづくり県」として、環境分野を中心に先進的で優れた技術を誇る製造業が点在するほか、伝統技術や地域資源の強みを活用した意欲的な動きも広がりつつある。恵まれた風土の中で、自分たちにしかできない技術に誇りを持ち、新たな活路を切り開くことで、滋賀県の未来を奏でる新たな音色を高らかに響かせたい。

同社独自の伝統技法「独楽撚り(こまより)」。約100年前から受け継がれ、職人が独楽のような重りを糸の端に結び、特製の板で挟んで絹糸を撚り合わせる。この技法により微妙な撚り具合を調整できるため、こだわりの音色を生み出すことができるという。

滋賀県の伝統的工芸品

長い歴史の中で培われ、地域の人々の生活と密着しながら受け継がれてきた工芸品を、滋賀県知事(39品目)、 経済産業大臣(3品目)が伝統的工芸品として指定しています。

詳しくは県庁商業振興課ホームページをご覧ください。