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滋賀の風ふわり
琵琶湖の形

気品ある香気と深い滋味 近江の茶

茶畑の様子
初夏の陽光に輝く新芽。県内の各産地では、5月に一番茶の収穫風景が見られる。

滋賀県は日本茶発祥の地といわれ、805年に延暦寺を開いた最澄が、中国から持ち帰った茶の種子を比叡山麓の日吉大社あたりに蒔いたのが始まりとされている。県内で作られた茶は「近江の茶」と称され、全国茶品評会などで上位に入賞する銘茶として知られる。
日本五大銘茶の一つ、甲賀市信楽町で栽培される朝宮茶は、独特の風味で「香りの朝宮」と言われ、愛好家に定評がある。県内最大の茶産地、甲賀市土山町では、茶園に覆いをかけて日光を遮る栽培法で、旨み成分を増した「かぶせ茶」が生産されている。東近江市政所町で生産される政所茶は、「宇治は茶所、茶は政所…」と茶摘み歌にも歌われた銘茶で、今でも昔の栽培方法を受け継ぐ希少な茶だ。
近年は、長い歴史に培われた味と香りを保つだけでなく、「※環境こだわり農産物」として、環境に配慮して作られた茶が増えている。品質、栽培技術ともに誇りある、近江の茶。古人の心を潤してきたその味わいを、食卓でも受け継いでいきたい。
※化学合成農薬と化学肥料の使用量を通常の5割以下に削減し、琵琶湖と周辺環境への負荷を削減する技術で栽培された農産物を県が認証したもの。

お茶

味わいさまざま

朝宮茶/県南部で生産される。涼やかな香りと後々まで残る甘みに気品が感じられる。

土山茶/雨の多い県南東部の丘陵地が生産地。葉の味が濃く、まったりとした口当たり。

政所茶/県東部の高地で作られる。花のような香りが大きく広がる、華やかな味わい。

産地や製法による風味の違いを楽しめる近江の茶。上級茶をおいしく飲むには、70℃前後の湯で2分程度、じっくり葉から旨み成分を抽出すること。一煎目、二煎目と、変化する香りや味も趣深い。