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滋賀の風ふわり

人々の生活と歴史を映し出す近江の水

写真提供者 川岸 春喜 氏

写真奥に見えるのが西の湖水郷地帯にある湖上の水田「権座」。現在も、田舟に農業機械や収穫したお米を載せ、権座と陸地を行き来する昔ながらの光景が見られる


古来、琵琶湖の水はこの地の隅々を潤し、人々の生活と歴史を映し出してきた。琵琶湖の水と人々の結びつきを物語るように、県内には琵琶湖と水にかかわる風習、史跡、建築物などが今も受け継がれている。

琵琶湖最大の内湖、西の湖に浮かぶ飛び地「権座」は、県内で唯一残る湖上の水田として、今なお田舟で農業機械や米を運ぶ昔ながらの農業が営まれている。通常の稲作より労力がかかるが、琵琶湖の原風景を残すため、権座で育てた酒米で地酒をつくるなど地域で工夫を凝らしながら守り続けている。

このように水と深く関わる暮らしを未来に伝えようと、滋賀県では県内にある多様な文化的資産を、「琵琶湖や水とのかかわり」という視点から再評価するとともに、その地域の特色を良く表す特に優れたものを「近江水の宝」に選定する事業を2008年度から開始。最終年度となった今年、6つのテーマから全64件が出そろった。今後、「近江水の宝」を、地域学習や観光等の素材として積極的に活用していく。

水と琵琶湖に培われた豊かな風土を地域の誇りとして大切に守り続ける人々の姿を、未来の琵琶湖にも映し出していきたい。

重要文化財景観「近江八幡の水郷」を北から望む 写真提供者 寿福 滋 氏

近江水の宝

人と水の関係性が理解できるように6つのテーマで構成されています。

うやまう…天台薬師信仰やアミニズム信仰など、琵琶湖や水に対する信仰により生まれた宝
延暦寺(大津市)、白髭神社(高島市)など(14件)

くらす…文化的景観や伝統産業、井戸、湧水など琵琶湖や水に関連する生活の中から生まれた宝
近江八幡の水郷(近江八幡市)、びわ湖の伝統的漁法(全県)など(14件)

ゆきかう…古墳や城郭、港湾など、琵琶湖と河川を利用した交通や交流から生まれた宝
斎王郡行(甲賀市)、丸子船(長浜市西浅井町)など(14件)

つくる…灌漑施設や堤防・堰堤・橋梁など琵琶湖や水に対する土木工事から生まれた宝
天井川と大砂川隧道(湖南市)、大門池と敏満寺(多賀町)など(10件)

めでる…名勝地や庭園・絵画など、琵琶湖や水の美から生まれた宝
烏丸半島のハス群生(草津市)、浮御堂ー堅田落雁と芭蕉ー(大津市)など(11件)

おくる…未来におくるべき宝
琵琶湖(全県)(1件)

「近江水の宝」について詳しくは、県庁文化財保護課ホームページまで