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「じんけん通信」(第26号)

「じんけん通信」は、県職員の人権意識の高揚と人権の視点に立った行政の一層の推進を図るために、人権施策推進課から定期的に発信してきたものですが、平成22年度からは、このホームページ上に公開していくこととしました。ブラウザのお気に入りに入れていただければ感激です。

じんけん通信タイトル

平成22年(2010年)6月(第26号)

  • 人権をもっと身近に学び、理解を深めていくために、国や県、市町などでは、さまざまな取り組みが行われています。啓発ポスターや人権作文、研修会、講演会などが行われており、皆さんも一度は目にされたり、参加したりといった経験がおありかと思います。
  • 毎回、さまざまな人権の分野で、取り組みを進めておられる方々を訪問し、現場の声を届けていきたいと思います。どうか、よろしくお願いします。

特集 家庭と人権

長浜キヤノンの全景写真です
  • 6月23日から29日にかけて、男女共同参画週間があり、また、改正育児・介護休業法が6月30日に施行されます。しかし、男性が育児休業をとるケースはまだまだ少なく、県内で男性が育児休業を取られている事業所を探しても、大手企業でもまだまだ少ない状況です。そこで、今回は、3年前に1年間の育児休業を取得し、今も子育てに積極的に関わられている長浜キヤノン(株)総務部安全衛生課の岡本さんに、父親として育児休業を取ろうと思ったきっかけやその時の周囲の反応、あるいは、育児休業を取ろうとした時に何か問題になることはあるのか、など実際に育児休業された方にしかわからないことや子育てに対する思いなどをお聞きしました。

岡本さんへのインタビューに先立ち、長浜キヤノン(株)の育児支援体制やCSR活動(社会貢献活動)などについて総務部総務課の方に説明をいただきました。

【勤務時間や休暇制度など、ワークライフバランスの観点から取り組まれていることを教えてください。】

キヤノングループではワークライフバランスといった観点からは早くから様々な取り組みをしています。長浜キヤノンでは、有休を3日連続で取得できるフリーバカンス制度など慰労休暇の取得促進も積極的に行っています。

『働くときはしっかり働き、休むときはしっかり休む』というメリハリをつけ、より充実した生活を送れるよう会社としてもバックアップしています。

【長浜キヤノン(株)のCSR活動や独自の取り組みを教えてください。】

『共生』という企業理念の下、地域貢献・社会貢献といった分野でさまざまな取り組みを行っています。たとえば、年2回行っているクリーンアップ活動です。地域の環境保護を目的に行っている会社イベントの1つで会社周辺地域をゴミ拾いをします。社員とその家族によるボランティア活動ですが、毎回200名を超える参加があります。他にも、近隣小学校へ出向き、出前授業を行ったり、デイサービスへの訪問ボランティアなども行っています。地域社会があっての企業です。「私たちにできる地域への恩返しとは何か?」という視点から、今後も展開していきたいと考えています。

さて、いよいよ岡本さんに登場いただき、育児休業体験についてのインタビューです。

【育児休業を取られた経過を教えてください。】

子どもは小学校3年生の女の子と保育園の年中組の男の子の2人です。育児休業は、下の子どもの時に取りました。

育児休業を取るきっかけは、もちろん下の子どもが生まれたことです。同時期に私が地域自治会の役員になったこともあって、家族で相談し、妻ではなく私が取得することを決めました。

もともと育児に興味がありましたので、役員になっていなくてももしかしたら育児休業を取っていたかもしれません。

生産革新発祥の地の碑の写真です

【育児休業を申請したときの会社の反応はどうでしたか。】

1年間の休業となると、やはり職場には負担をかけてしまいます。取得することについては、半年ほど前から上司に相談していました。最初に相談した時も反対されることもなく、 職場の同僚からも快く応援してもらえました。ただ、知り合いの男性からは「主夫なんてきついことやるね。仕事のほうがいいのに。」と言われたことはありました。(笑)

【育児休業の取得が進まない要因として、まだまだ世間では「男は仕事、女は育児・家庭」ということが言われていますし、「仕事面の評価が心配」ということが調査結果に出ていますが、そういった点についてはどうでしょうか。】

仕事面の評価に不安がなかったわけではありませんが、私自身が「子育てをしたい」と思ったことなので取りました。

実際に復職しても、特に困ったことはありませんでした。1年間、職場にスパッといなかっただけで、職場の同僚も育休取得前と何も変わったことはありませんでした。

【1年間のブランクということで、仕事で困ったことはありませんでしたか。】

はじめは、会社のスピードについて行くのにとまどって、育休前の感覚に戻るまでに時間がかかりました。でも、同僚たちにフォローしてもらえたので、特に問題はありませんでした。

【女性は育児休業を3年間取られる人も多いですが、3年間育児休業を取るというのはどうでしょうか。】

3年間育児休業を取ると、会社から取り残されるのではないかという不安もありますが、それ以上に、経済面での不安が強いのではないかと思います。

【育児をしてみて、とまどいとかはありましたか。】

子育てに関しては、上の子どもが生まれた時から関わっていましたし、育児休業についての周りの反応は先ほどお話ししたように特にありませんでした。

しかし、世間一般には「育児休業は女が取るもの」という意識があるようですね。「何で奥さんが育児休業をとらないで、旦那さんがとっているの。」と聞かれたことがありました。

【育児休業という形で子どもに関わってみて、仕事では得られないものはありましたか。】

日々、子どもが成長する姿を見ることができたことが良かったと思います。

よく世間では「子どもが泣いたりした時など、やっぱり最後は母親やないと」と言われているのを聞きますが、わが家は父親のほうにもかなりなついています。

寝る時は父親のふとんに入ってきますし、服の着替えも頼みに来ます。これは、やはり子育てに関わってきたからだと思います。世間で「最後は母親」と言われますが、それは母親が子育てに関わった結果だと思います。こういう風に言われるのは、世の中が、あるいは男たちが、勝手に育児を女性に任せていたからだと思います。

【男と女は肉体的な違いはあれ、女性にも父性があり、男性にも母性があると思いますがいかがですか。】

子どもが今でもなついてくれているというのは、うれしいですね。下の子はまだ保育園ですが、どっちに迎えに来て欲しい?と尋ねると、9割方、自分に迎えに来て欲しいと答えてくれます。育児をがんばった甲斐があったなぁと思います。

育児はやってみるといろいろ楽しいことが多かったのですが、四六時中、一緒というのは結構きつかったですね。でも、今思うと、やっぱり良かったという思いです。

世間的にはいままでの日本社会がそのまま残っていて、男性が育児休業を取りにくい状況を勝手につくっているように思います。それを、今、急に取れと言われてもきついだろうなと思います。

【最近、核家族などで子育てノイローゼになられる親も多いようですが、育てやすいお子さんでしたか。】

上の子どももそうでしたが、楽でしたね。小さい頃から自分の友達のところにも連れて行っていましたし、人見知りもしないんですよ。

たまたまうまくいったのかもしれませんが、私はできるだけ子どもは放っておくようにしています。どうしても「危ない」とか、「それしたらダメですよ」とか言いたくなりますが、私は方針としてあえて自由にさせました。子どもが遊べばケガくらいしょうがないというような感じでした。

【こういった工夫をしてもらえたら子育てがもっと楽になるのにということはありますか。】

法律的な面はありますが、経済的な支援をお願いしたいという思いはあります。今は給料が30%に減ってしまいますが、50%くらいになるとありがたいなという思いはあります。

よく、「主婦は3食昼寝付き」と言われていますが、それはうそだなと思いました。家事というのは自分がイメージしていたよりかなり多く、時間はすぐに経ってしまいます。朝、奥さんを送り出して、子どもと何かしているとすぐ昼になり、また何かしているともう夕食と大変でした。

これから育児休業を取られる男性の方へ・・・

【6月から育児休業に関する法律が改正されて、父親が育児参加すれば育児休業期間が延長される制度などができますが、取りやすくなると思われますか。】

育児休業が取りやすい職場環境でなければ、いくら制度が整っていてもダメだと思います。私の場合、会社の理解がありましたが、会社によっては、制度があっても取りにくいというところもあると思います。

あと、制度が整っても、経済面の問題もあると思います。

また、会社によっては、この人に休まれたら困るというようなこともあると思います。

育児休業を増やすには何をすればいいのかといわれると難しいのですが、本人の意思を変えることが必要と思います。男性の中には、育児は大変なものと思っている人もいますし、女の仕事と思っている人もいます。こういった意識を変えることが必要なのではないでしょうか。

社内風景写真です

【よく母親同士のコミュニティが大変だとか、公園デビューという言葉も聞きますが、ほかの母親とのコニュニケーションはどうされましたか。】

私のまわりでは母親同士のコミュニティはあまり見ませんでしたし、特に聞くこともありませんでした。あったとしても入らなかったと思います。

公園デビューもありませんでした。子どもは、放っておいても初めて出会った子ども同士ですぐに友達になれるという特権を持っていますので、心配はしていませんでした。

【法改正後で、生後1年経過後の2ケ月における男性の育休取得を制度化していますが、男性が子育ての実感をもてたり、本質を理解するには、どの時期に、どのくらいの期間子育てに関わるといいのでしょうか。】

寝ているところ、ハイハイするところ、つかまり立ちするところ、そして立って歩く、ここまではすべて経験したほうがいいと思います。歩き始めてから関わっても遅いと思います。

また、最低半年、子育てしてはじめてやっと、「関わったな、携わったな」という気になるのではないでしょうか。大人の分とは別に赤ちゃん用の食事をつくったりとかの大変な思いを経験する必要があると思います。

【育児休業を経験された先輩として、これから子どもを持とうという男性にアドバイスはありますか。】

自分にとってもすごく貴重な時間ですが、それ以上に子どもの人間形成面など、子どもにとっても非常に大切な時期だと思います。だから、今も、あの時子どもに関わっておいてよかったなと思っています。

その時はわからないかもしれませんが、2年、3年経つと、あの時は良かったなと思える時が来るので、仕事のことは頭から消して、できるだけ子どもに関わっていただきたいと思います。

【仕事のことは忘れて育児に専念するべきというお話ですが、やはり、会社のことが気になるという人もおられると思いますが。】

おられるかもしれませんね。

私の場合は、毎月会社から給与明細が届くのですが、その時に必ず会社に顔を出すようにしていました。「最近、どう?」という感じでしゃべったり。あと、クリーンアップなどの会社行事に子どもを連れて参加したりして、会社とのつながりを持つようにしていました。

【会社によっては、男性の育児休業は珍しいので、体験談を書かされたりするということもあると思うのですが。】

それはなかったですね。そういったところでの特別扱いはありませんでした。この会社では子どもが生まれれば、育児休暇を取得することが「当たり前」です。私の場合、父親が取得したということが変わっただけです。 当社は、結構、横のつながりが強くて、育休中でも会社行事に参加など交流があったりします。

【条件さえ整えば、育児休業を取る男性は増えるでしょうか。】

子どもが好きな男性や子育てに興味のある男性は、条件が整えば育児休業を取るのではないでしょうか。男性の育児休業については、家庭の事情ももちろんですが、会社の環境も重要です。条件さえ整えば、あとはきっかけとか勇気だけかなと思います。

【育児休業をして貴重な体験をされたと思いますが、他の人にも勧めたいとお思いですか。】

ぜひ、お勧めしたいと思いますね。

最近、よくテレビで児童虐待が報道されますが、私にはなぜ虐待が起こるのかがわかりません。子どもと向き合ってきちんと接すれば虐待なんか絶対起こるはずはないと思います。ですから、育児休業を取って、子育てを経験されることをお勧めしたいですね。

最後にしつけ、子育てについて・・・

【今問題となっている虐待については、親の子どもの頃の虐待経験などが影響しているのではないかと言われており、行政もいろいろな取り組みをしています。育児休業を体験されて、これから日本の子育てについて、これを重視していかなければいけないかということはありますか。】

子どものうちに教えたことは、大きくなっても守ります。ですから、しつけが大事と思います。

ただ、たとえば、子どもがうるさければ、「黙っていろ!」と頭ごなしに叱るだけではなく、私は、「ここは、みんながふれあう場所なのでうるさくしてはダメですよ。」と大人と同じように扱い、話をします。CMか何かで、困ったことをする大人にしないために、「子どものうちにきちんとしかろう!ちゃんとほめよう!」といったのがありますが、「悪いことは悪い、やっていいことはやっていい」とちゃんと教えていきたいと思っています。

【うまく子どもが育たないと、何でも保育園や学校のせいにされることがありますが、やはり、しつけということが大切ではないかということでしょうか。】

そう思いますね。

この前、下の子どもが保育園でケガをした時に、保育園の先生全員が頭を下げるんですよ。私は、別にちょっとケガをしただけなので何とも思っていないのですが、あそこまで先生が謝られるということは、ちょっとしたことでも怒鳴り散らす親がいるんだろうなと思いました。だから、ああいう対応をとられているんだろうなあと。

私はケガをした子どもの顔を見て思わず笑ってしまって、逆に先生に「お父さん、笑わないで」と言われてしまいました。保育園や学校で教わることと、親が教えるべきことを区別することが必要かもしれません。

しつけに関しては、育児休業時も、「恐い父親」というものが必要であると私は思っていたので、悪いことをしたときは怒りました。でも、怒る反面、めちゃくちゃ子どもと遊ぶんですよ。とっつきにくいお父さんというのではなくて、怒る時は怒る、遊ぶ時は遊ぶ、というように、何が良くて、何が悪いのか、子どもにもわかりやすく接することが大切だと思います。

【今の話は、OJTにもつながりますし、悪いことは悪い、ちゃんとできたらほめるということは親としても社会人としても基本の部分だと思います。二人目のお子さんの時に育児休業を取られ、取る以前と現在とでは、家事に対する関わり方は変わりましたか。】

もともと私の家庭は、共働きなので、以前から家事もしていました。だから、料理することに関しては全然抵抗がないですし、掃除などもします。

うまく家庭の中で家事を分担して、お互いを支え合うことも大切なんだということを育児休業を取得して改めて実感しました。

【育児休業を広げていくには、意識を変えることが大切だと言われましたが、岡本さんが、従来から家事をされているなど、ご自身の子どもの頃はどうだったのですか。】

子どもの頃、母親が働いていたので、学校が終わって、家に帰ってもだれもいません。だから自分のことは自分でしないといけなかったわけです。

このような環境だったので、自分のことは自分でやらないと、という思いがありました。自分で進んでやることで教科書に載っていないことをいろいろ経験しましたし、そういった子どもの頃の生活が、今の考え方に影響しているのではないかなと思っています。

【団塊の世代では、妻がなくなればどうして食べていくんだという人がいるようですが、やはり男も家事ができたほうがいいのでしょうね。】

家事は、できないよりできたほうがいいと思います。

炊事・洗濯・掃除などの「家事」というのは人が生きていくために欠かせない要素です。奥さんに頼りきりになっているから不安になるのであって、いざ自分でやる時がくれば、誰だってできるようになるのではないでしょうか?

【正に、男女共同参画を実践しておられて、私どものほうが見習わなければいけませんね。お忙しいところ、長時間にわたりましてどうも、ありがとうございました。】

☆☆☆人権カレンダー6月☆☆☆

◎6月は外国人労働者問題啓発月間、男女雇用機会均等月間です

  • 1日人権擁護委員の日

人権擁護委員は、法務大臣の委嘱を受けて、地域の人に人権に関する啓発活動や人権相談などを行っています。全国人権擁護委員連合会では、人権擁護委員法が施行された日を記念して、毎年6月1日を「人権擁護委員の日」と定め、「全国一斉人権擁護委員の日特設人権相談所」を開設したり、人権への理解を深めてもらうための活動に取り組んでいます。

  • 4日侵略による罪のない幼児犠牲者の国際デー

1982年8月19日、パレスチナ問題に関する国連緊急特別総会において、非常に多数の罪のないパレスチナとレバノンの子どもがイスラエルの侵略行為の犠牲になったことに震撼させられたことから、毎年6月4日を「侵略による罪のない幼児犠牲者の国際デー」と定めることを決定しました。

  • 5日世界環境デー

1972年12月15日の国連総会決議により、環境保全の必要性に対する一般の意識を高めるため、6月5日が「世界環境デー」に指定されました。6月5日という日付は、国連環境計画(UNEP)の創設につながった国連人間環境会議(1972年、ストックホルム)の開会日に由来しています。

  • 12日児童労働反対世界デー

2002年にILO(国際労働機関)が最悪の形態の児童労働廃絶を呼びかけるために定めました。毎年世界各地で様々な活動が展開されます。詳しくはこちらのキャンペーンサイトをご覧ください。
http://stopchildlabour.jp/

  • 20日世界難民の日

2001年が難民の地位に関する条約(1951年)の50周年にあたること、また、アフリカ統一機構(OAU)が6月20日の「アフリカ難民の日」と同日に国際的な難民の日を設けることに同意したことに留意し、国連総会は2000年12月4日、翌2001年より6月20日を「世界難民の日」と定めることを決定しました。[注:OAUは2002年7月9日にアフリカ連合(AU)へと改組]

  • 20日~26日ハンセン病を正しく理解する週間

厚生省(現厚生労働省)が1964年(昭和39年)に制定。1931年にらい病(ハンセン病)の予防と患者の救済に深い関心を寄せられていた大正天皇の后・貞明皇后の誕生日(6月25日)を記念して始められました。その後ハンセン病に対する正しい知識をさらに普及させ偏見をなくしていくために、6月25日を含む一週間を「ハンセン病を正しく理解する週間」として、いろいろな行事を行うようになりました。

  • 23日~29日男女共同参画週間

男女共同参画推進本部が2000年12月に制定。「男女共同参画基本法」の公布・施行日である1999年6月23日を踏まえたもので、2001年から様々な取り組みを実施しています。本年度のキャッチフレーズは「話そう、働こう、育てよう。いっしょに。」に決まっています。

  • 26日国際薬物乱用・不正取引防止デー

国連総会は1987年、薬物乱用なき国際社会という目標の達成に向けてさらなる行動と協力を促進する決意の表明として、6月26日を「国際薬物乱用・不正取引防止デー」と決定しました。この決議は、1987年6月26日に「薬物乱用統制における将来の包括的多面性アウトライン」を採択した「薬物乱用・不正取引防止に関する国際会議」の勧告に従い、同12月7日に採択されたものです。

  • 26日拷問の犠牲者を支援する国際デー

国連総会は1997年、経済社会理事会の勧告を受け、6月26日を「拷問の犠牲者を支援する国際デー」と宣言しました。この日を設けるねらいは、拷問を根絶させ、また1987年6月26日に発効した1984年の「拷問およびその他の残虐な、非人道的なまたは品位を傷つける取り扱いまたは刑罰を禁止する条約」を有効に機能させる点にあります。

■じんけん豆知識「育児・介護休業法の一部改正」

今回特集では「家庭と人権」ということで男性の育児について取り上げましたが、この度育休法が改正され、その一部を除き6月30日に施行されます。より子育てしやすい環境作りのためにどのような変更があったのか解説します。

  1. 子育て中の短時間勤務制度・残業免除の義務化
    3歳までの子を養育する労働者が利用できる短時間勤務制度(1日原則6時間)を設けること、またその者から請求があった場合残業を免除することが事業主の義務となりました。
  2. 子の看護休暇の拡充
    就学前の子どもが2人以上の場合年10日(一人の場合は5日)取得できるようになります。
  3. 父母ともに育児休業を取得する場合の休業可能期間の延長(パパ・ママ育休プラス)
    父母ともに育児休業を取得する場合、子が1歳2ヶ月に達するまで育児休業が取得できるようになります。
  4. 出産後8週間以内の父親の育休取得促進
    出産後8週間以内の期間内に父親が育児休暇を取得した場合は、特別な理由がなくても二回目を取得することができるようになります。 ※産後8週は母体ケアのため重要な時期であり、家事・育児を協力することが大切です!
  5. 専業主婦(夫)除外規定の廃止
    配偶者が専業主婦(夫)または育児休業中であっても、労働者からの育児休業の申し出を断ることができなくなります。
パパママ育休プラス表画像です
父親の育児休業取得促進図の画像

■イベント・行事案内 県内外で開催される研修会、啓発イベント等を案内します。

県内

  • G-NETシネマ「ファーザーズ・デイ」

日時:6月18日(金曜日)10時00分~
場所:滋賀県立男女共同参画センター“G−NETしが”視聴覚室
http://www.pref.shiga.lg.jp/g-net/seminar/103537.html

  • 上野千鶴子さん講演&シンポジウム『自治のチカラでまちづくり』

日時:6月20日(日曜日)13時30分~16時30分
場所:滋賀県立男女共同参画センター“G−NETしが” 大ホール
参加費:1000円

県外

  • 講座・人権ゆかりの地をたずねて『朝鮮通信使と本能寺―1719(享保4)年の出来事― 』

日時:6月5日(土曜日)14時~15時30分
場所:池坊学園(室町通四条下る)美心館4階42教室
受講料:1000円

  • 京都部落問題研究資料センター部落史出張講座-地元で学ぶ地元の歴史-

日時:6月11日(金曜日)・25日(金曜日)6時30分~8時30分
場所:崇仁コミュニティーセンター多目的ホール
http://www.asahi-net.or.jp/~qm8m-ndmt/setumei/index.html

  • 舳松人権歴史館 泉野利喜蔵と水平社運動-人の世に熱あれ、人間に光あれ-

期間:5月1日(土曜日)~10月29日(金曜日)

  • 大阪人権博物館 企画展「韓国併合100年・親子で学ぼう! 日本と朝鮮半島の歴史―古代から現代、そして未来へ」

期間:6月22日(火曜日)~8月29日(日曜日)
料金:250円など(下記リンク参照)

  • 水平社博物館 第13回特別展『大逆事件』と部落問題 ―熊野・新宮グループを中心に―

期間:5月1日(土曜日)~8月31日(火曜日)
http://www1.mahoroba.ne.jp/~suihei/sui04.html

編集後記

みなさんは「キウイ・ハズバンド」という言葉をご存じでしょうか?働く女性の多いニュージーランドでは、国鳥であるキウイがメスに代わってオスが卵を暖め子育てすることに似せて、家事や育児に協力的な男性のことをそう呼ぶそうです。

日本では最近イクメン(育児に熱心な男性)という言葉がはやり始め、注目を集めています。しかし現実には約3割の男性が育児休暇を取りたいと考えているにもかかわらず、実際の取得率は1.56%しかなく、家事や子育てに費やす時間も先進国の中で最低水準です。

そのような中で、今回の改正が日本版キウイ・ハズバンドであるイクメンが増えるきっかけとなることを願うばかりです。そうなることで女性への負担が減り、少子化や虐待など様々な問題の解決につながるのではないでしょうか。皆様のご意見をお待ちしています。

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編集・発行/滋賀県県民文化生活部 人権施策推進課
 

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