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じんけん通信

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9月号の内容

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平成28年(2016年)9月(第101号)

9月は「障害者雇用支援月間」です。

この4月には、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」が施行されました。この法律では「不当な差別的取扱い」を禁止し、「合理的配慮の提供」を求めています。そのことによって、すべての人が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合える共生社会の実現を目指しています。

雇用の分野においても、「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」が改正、この4月から施行され、雇用の分野で障害者に対する差別が禁止され、合理的配慮の提供が義務付けられたところです。

滋賀県では、社会における障害者雇用の理解が広がり、障害者の雇用・就労が促進されるよう、各種啓発活動や様々な相談・支援活動を行っています。

一方、県内民間企業における障害者の実雇用率は1.98%(27年6月1日現在)で、なお法定雇用率2.0%を下回っており、法定雇用率達成企業の割合も59.1%にとどまっており、障害者の就労については依然として厳しい状況が続いています。

そこで、今回は、県内7地域で活動されている「滋賀県障害者働き・暮らし応援センター」のバックアップ機関として、県内作業所や企業、行政等さまざまな団体等の橋渡し的役割を担うほか、障害者の就労・定着に向けたさまざまな取組を行っておられる「特定非営利活動法人滋賀県社会就労事業振興センター」を訪問し、障害者雇用の現状や支援のあり方などについて、常務理事兼センター長の城貴志さんにお話を伺いました。

特集 「障害者の労働と人権」

法人ができた経緯について教えてください。

NPO法人滋賀県社会就労事業振興センター

法人ができたのは1998年10月1日。社団法人としてスタートし、現在は特定非営利活動法人(NPO法人)として事業運営しています。

設立当時、県内には無認可の共同(働)作業所がたくさんありました。養護学校を卒業した子どもたちの進路保障として、親御さんや先生方、福祉関係者が手弁当で、場所を借りて作業所をつくろうと運動をされ、そうした作業所が80カ所くらいありました。

月額平均工賃は、当時約12,000円(現在約19,000円)だったと思います。また、作業所から就職していかれる方の割合は0.6%程度、100人おられればお1人いるかいないかというような状態が続いていました。そこを何とかしていかなければいけないということで、1996年から2カ年に渡り、県の障害福祉課で「共同作業所等のあり方に関する検討委員会」による議論が行われました。

そこで出された提言の1つが、作業所を機能により類型化しようということ。しっかりと最低賃金以上の工賃を支払う事業所型共同作業所、就職するための就労移行型の共同作業所、障害の重い方向けの創作・軽作業型の共同作業所に分けることが提案されました。

そして、もう1つが、事業協同組合のような機能としての「振興センター」を作ろうということでした。小規模で経営している無認可の共同作業所が単独で利用者の就職支援や工賃向上に向けた企業との共同事業、商品開発等をしていくには限界があります。一つの共同作業所では難しい事業を複数の共同作業所が共同して障害のある人の就労支援や工賃向上に取り組むため、98年10月に当センターが設立されました。

当時の活動内容は?

当時は、作業所利用者の方の工賃をどうにかして向上させようと闇雲に営業活動をしていました。電話帳や地図帳で事業所を調べ、作業所でつくられた商品の営業や下請け作業を受注したり、スーパーや百貨店の催事場をお借りしてバザー(作業所商品の展示会)を月一回開催したりしていました。

当時を振り返ると、夢中でやっている自分と、その反面で疑問を持ち自問自答している自分自身がいたことを覚えています。

それは、スーパー等で作業所商品の販売活動をすると、売上はそれなりにあるのですが、お客様の購入動機は「障害者が作ったから」であり、商品が欲しくて買っていただいている訳ではないということに気付きました。障害者が作った商品だから、作業所の商品だから「買ってあげよう」と募金・寄付のような感覚で買っていただいているのを目の当たりにしました。

作業所や当センターは、私たちなりの努力で商品の製造・販売をしていましたが、やはり福祉の視点しかなく、企業と同じような商品をつくるには限界があります。「これなら何となく作れそう。」という理由のみで製造・販売をはじめ、夏だろうが冬だろうが、ずっと同じ商品。企業や店舗なら商品やパッケージを変え、いろいろ工夫しながら販売し、商売は成り立っていくものですがそれが私たちにはできていませんでした。また、自分なら一人の消費者としてお金を出して作業所商品を買おうとするだろうか考えるようになりました。これでは作業所利用者の方の工賃は上がっていかない、それどころか障害のある人がいつまでも保護の対象でしか見られないことに気付きました。

■地域の中で「働く」ということ

当時からいろいろと商品開発には取り組んでいましたし、それはもちろん現在もしています。ですが、目指さないといけないのは、「雇用」であると思っています。ご本人が会社で雇用されるようになるか、自分たちで雇用できるくらいの事業を展開するか。つまり「雇用に繋げる」「雇用を創る」。

それに気づかせてもらったのが、介護の事業でした。知的障害のある人たちに、ヘルパー等の資格取得講座を開催し、介護現場で就職をしていただこうという事業を、県の委託事業として2000年からさせていただいています。

そこで、化粧をせず、毎日ジャージ姿でおられた女性が、ホームヘルパーの資格を取って就職され、電車通勤されるという生活スタイルになると、年相応のファッションをされたり、化粧もされるようになり、段々その方の生活の質や幅が広がっていくのを目の当たりにしました。

貯金して自分で稼いだお金で欲しいモノを買い、旅行に行き、家にお金を入れて、ということをされていく中でどんどんその方が輝いていかれたのです。その方にとってのモデルとする憧れの先輩ができたり、職場で恋をしたり、ごく普通のことを普通にされるようになっていくのを見ると、やはり「働く」ということ、作業所や福祉施設の中だけでなく、「地域の中で働く」ということがとても大切であると感じました。

そこから、障害のある方も施設の中から飛び出せるような事業をしたい。そのためには受け入れる地域をどう耕していくか、そこが重要で、私たち福祉関係者が地域の企業や団体、他業種の方、住民の方との繋がりを積極的に創る必要があると感じています。

■成功も、失敗も、様々な経験の積み重ねがあって自己決定、自己選択が生かされる。

障害のある人は、子どもの時から養護学校のスクールバスで通学し、地域の子どもたちと違う場所で学ぶ。卒業してからも作業所によっては送迎バスで作業所に通い、障害のある方が集まって仕事をし、送迎車で帰る。致し方ないことではありますが、場合によっては地域との接点がどんどん少なくなっていきます。福祉施設の中でずっと暮らしておられたりすると、すごく狭い範囲の人間関係しか構築する機会がない。知らないこと、経験したことがないことが、障害のある人はあまりにも多い。つい最近も20代後半の女性でしたが、ハンバーガーショップに行ったことがないと聞きました。また、生卵を割ったことがない人とも出会いました。

近頃、「自己選択」、「自己決定」とか言われますが、経験したことがなければ選択しようにもできません。そして、いろんな経験はやはり社会の中でしかできない。社会性は社会の中でしか身につかない。社会にどう出ていただくか、そこで様々な経験をいかに積んでいただくか。

人は失敗も含めてしたらいいと思うんです。転ばないようにと先に杖を渡してしまうのではなく、どんどん失敗もしていく。誰にでも「愚行権(愚かな行いをする権利)」があります。

城さん1

「ノーマライゼーション」とか、「普通さ」とかよく言われますが、そういう普通さを奪っているのは私たち関係者でないかと思うことがよくあります。決して悪気があるわけでなく、支援者としての熱心さ、ひたむきさの結果で「障害のある方を支援してあげなければならない。」、「福祉の制度で支援者が守らなければならない」と。もちろん障害福祉制度や施設でしっかりとした医療的・福祉的支援が必要な障害のある方も多くおられるのも事実です。しかし、支援者によってはどこかパターナリズム(温情主義)で本人の意志に反して行動に介入・干渉し、守られすぎな状況をつくっていないかを意識しないといけないと思います。

本当にしなければならないのは自分たちがいなくなってもいいように支援していくこと。それが本当の支援だと思います。そして、それは子育てや社員共育(教育)と全く同じだと思っています。

子育ては、親として自分がいなくなっても自立して生活できるように子育てをする、社員共育は、上司として自分が指示しなくても自主的に考えて、失敗も経験しながら自分でいろんな事が出来るように社員共育する、障害のある人の支援も全く同じこと。「合理的配慮」と言えば難しく感じるでしょうが、普段の子育てや社員共育と変わらないことだと思っています。

例えば、当センターの職員も一人ひとりいろんな個性があって、得意なことがあって、苦手なこともあって、親の介護や子育て中等様々な家庭環境がある。適材適所の仕事は何か、いいパフォーマンスが発揮できるために配慮できることはあるか、働きやすい体制をどうつくれるか等を考えるのが経営者、上司の役割。その「働きやすい環境づくり」が一人ひとりを成長させ、一人ひとりの成長が組織を強くする。それは障害がある人に対しても同じ視点で、どのような配慮があると働きやすいか、得意なことは何か等の視点は同じなのです。このような視点が当たり前になっていけば、「障害者雇用」が促進され、冠の「障害者」が付く「特別な雇用」ではなく、普通の「雇用」となっていくのだろうと思っています。

これまでに関わってこられた障害者の方や受入れ先事業所の方のお話など、就職支援の現場でのエピソードなどをご紹介いただけますか。

先ほど少しお話した介護職員養成講座の事業は、高齢者が増えていくなかでマンパワーは不足していく、そこに知的障害のある方が入っていければいいという発想から始まったのですが、いざ資格を取られて介護の現場で働いておられる姿を見ると、単純に人手不足を補う以上に、知的障害のある方は介護の現場に向いているなあと思うことが多くあります。

知的障害の男性と一緒に、ホームヘルパーの実習としてお年寄りのご自宅に何日か通った時の話ですが、認知症の方なので同じ話を何度もされます。私は傾聴しなければと思っても「またや」という思いがどうしても滲み出てしまうのでしょうが、横にいる彼を見ると、あたかも初めて聴くようにふんふんと頷き聴いている。そのうち、お年寄りとの波長が合い、私よりも男性との関係が強くなり、私は二人の関係に入っていけなくなりました。認知症の方は短期記憶が苦手な方が多く、直近のことは記憶が難しいものですが、なぜか彼の名前だけは覚えられたんです。


また、デイサービス施設に就職した女性は、お年寄りと本気で喧嘩口調で言い合いになったりする。普通介護サービスとしてサービス提供者とサービスの受給者ではあり得ない話です。偶然その現場に居合わせ、お年寄りが怒っておられる姿を見て「これはまずい。大丈夫か。クビにならないか」と心配しましたが、施設の方に聞くと、「喜怒哀楽が殆ど出なくなったお年寄りだったのに、彼女が来てからは怒るわ、一緒に喜ぶわ、彼女が休みの日は悲しむわ、彼女のことが気になり非常に表情が豊かになった。」と言っていただいたんです。そこの介護事業所の方たちが一生懸命やってもダメだったのに彼女は自然にやる。私たちはどうしても、お年寄りたちにはこういう声かけをしなければならないとか、支援者としてこうしなければということを先に計算してしまうが、彼ら、彼女らは素でぶつかっていく。

先のことを見通す、推測するということが不得意な方が多い。逆にいえば、先のことではなく、今目の前におられるお年寄りに向き合い一生懸命仕事をする。支援者とか、サービスを受ける側とかではなく、人と人との関わり、それがきっとお年寄りに響くからこそ怒ったり、一緒に大声で笑われたりするのだろうと思います。


他にも現場へ行くと面白いことがたくさんあります。他のデイサービスへ行くと、皆で戦中・戦後の昔の歌を歌っておられ、そこで働く男性が一生懸命やろうとして大きな声で歌われていたのですが凄く下手。お年寄りに「お前、へたくそやで。」と言われ、「すいません。」と小さな声になるんですが、段々のってくるとまた大きな声で歌われる。「音痴やなあ。声が大きすぎるで。」と言われているんですが、逆にそれがいい雰囲気をつくっているんですよね。

また、彼は、囲碁や将棋をお年寄りから教えてもらいながら、利用者のお年寄りとやっているんですが、対局されていると、いつの間にか彼の後ろにお年寄りたちが集まって「頑張れよ!」「そこはそうしたらあかん。」とやいやい言っておられる。上手にお年寄りたちの出番をつくっているんです。

「一方的にサービスを受ける側」だけでは誰でもつらい。自分が役に立つとか、あてにされるとかがないと人間生きていく張りがない。彼ら、彼女らはそれを上手に仕向ける。そういうつもりなく、自然に、さりげなくお年寄りに出番をつくる存在になっているんです。それは、「職員と利用者」ではなく、「人と人としての関わり、ぶつかり合い」の中から出てくるものだと思います。その関係は水平な関係なんです。

自然に引き出す能力というものがあるのでしょうね。天職というか、向いているんじゃないかという仕事は他にもきっとあるのでしょうね。


リハビリを全くしようとせず一日中座ってテレビを観ているお年寄りが、障害のあるスタッフが昼ごはんを調理するのに野菜を切っていると、心配になって調理場に行き一緒に包丁を握り手伝われようとする。お茶の時間にお茶、珈琲、紅茶等人によって出すものが異なるのを間違えて出しているのを見て、「あんた違うやん、この人はこっちやで。」とお年寄りが自然と動き出される。「あんた、ちゃんと覚えいや。私も覚えるようにするし。」と一生懸命頭を使って「○○さん、コーヒーな。」とお年寄りも一緒に覚えようとされる。リハビリを嫌がっていたお年寄りが、自然にリハビリをされているんです。

資格や知識も重要ですが、「介護の質」とはどのようなものか、いつも考えさせられます。

その人に合ったものを見つけていける、そんなつなぎができるといいですね。

■地域の中で誰もが当たり前のように働き、暮らし、しあわせを実感できる社会を目指して

「障害者の」という冠がつくと何でも福祉になってしまうことが、そもそも違う気がしています。自分たちが目指している社会というのは、いずれ作業所が無くなる社会。私たち自身の組織自体が必要でなくなる社会です。

「昔、障害者と言われていた人が作業所というところで働いていた。」と過去形として言われるような社会が自分たちが目指すところです。50年先、100年先になるのかわからないが、福祉が充実、施設が増えていくのではなく、逆に施設が必要でなくなるような社会。障害者が地域の中で普通に暮らしたり、働いたりしている社会。地域の中で誰もが当たり前のように働き、暮らし、しあわせを実感できる社会をめざして、事業を発信していきたいと思っています。

目が悪い人は、眼鏡やコンタクトを利用すれば支障がありません。誰だってしんどい時がありますが、不便ささえ感じなければそれでいい話。障害があることに大変さや不便さを感じない社会にしてしまえば、「障害者」という概念すらなくなるかもしれませんね。

いろいろ経験していただき、選択肢を増やしていくこと。ただ、障害者の方とこれまであまり関わりを持ってこられなかった人たちはどう接していいのかわからないですよね。

お会いしたこともない人が、いきなり「ある国の方を雇用してくれ。」と言われてもどういう言葉が通じるのか、どういう配慮をさせてもらったらいいのか、その国の文化や習慣はといろんな事が不安になる。障害者雇用もきっとそんな感覚なんだろうと思います。

企業の方と障害のある人の雇用の話をしても、これまで障害のある方と接したことのない方にいきなり障害のある方を雇ってくれといっても躊躇されて当たり前。学校や地域などで小さな頃から接する機会があればいいですが、大人になるまで障害者の方と接することなくきて、急に職場でそういう話になると戸惑われるのは当然だと思います。


障害のある方を雇用して会社がよくなった話があります。

ある企業では、昔は文字だけの分厚い作業手順書を見ながら仕事をされていたそうですが、障害のある人たちが働く職場になり、手順書を変えられたそうです。それは知的障害の方向けにつくった手順書で、写真があって見やすく、言葉も短く端的でわかりやすいということから、いつの間にか障害のある社員だけでなく誰もがそちらを見るようになり、その結果、ミスやロスが減ったということがあります。

障害者のための配慮が、社内全体の効率化につながりました。障害者の方がいきいきと働けるようにと考えた結果が、会社として良い結果につながった話です。こうした話を聴くと嬉しいですね。

今の現状と課題は?

城さん2

障害者の方と接したことがあまりない企業の方にとっては、なかなか一歩が踏み出しにくく、その壁をどう取り払っていくかが重要ですね。実習や見学をさせていただいたりして、ハードルを下げていきながら、企業と障害のある方が繋がっていければと思っています。

県のトライWORK推進事業(職場体験実習)の事業の他に、当センターが実施している事業で「エコラボハート」というものがあります。これは、コピー用紙を配達する事業で、ご注文いただくと、作業所が通い箱に入れてお届けする事業です。コピー用紙1箱で300gの段ボールが無駄になりますが、共用の通い箱で届けるのでエコにもなる。

障害のある方が仕事としてコピー用紙を届けに行き、企業の方と接する。企業と作業所の地域での接点をつくることで、大きな収益にはなりませんが、作業所が地域のなかで身近な存在になります。障害のある方を身近に感じることができるのです。


こうした事業をやっていく中で、障害者の方と企業さんが近くなっていって、実習を受け入れてみようとなればいいと思っています。福祉と企業がもっともっと近づいていかなければと思います。それには私たちの方が企業団体や経営者団体に飛び込み、共に学び、共に地域に目を向け、社会的な問題を発信していかなけばいけないと思っています。


また、福祉の方も地域に対して汗をかかなければいけないと考えています。商店街の活性化、街づくりに私たち福祉関係者が何か提供できるものがあるかもしれません。地域づくりの中で障害のある方が活躍できる場を探し、創っていければいいと思っています。

今、これだけ人口が減っていって、人手不足で企業も困っておられる、この機を逃してはいけないと思っています。


もう1つの課題は、私たち自身の問題です。私たち福祉関係者が、根拠も無く「この人たちは就職は難しい」という見立てをしていることがあります。

私自身の反省として、作業所利用者の方が一度実習してみたいと言われ、企業の方に紹介する時に、経営者の方に、「おそらく就職は難しいと思いますが、実習の2日間だけお願いします。」と言ったことがありました。正直、自分はその時、何の根拠もなく、ただ何となく、自分の主観だけで「この人は就職は難しい」という見立てをしていたんです。

でも、実習をすると、その方は就職しました。他、何名もの方が就職していかれる姿を目の当たりにしました。ある経営者の方からは、「なぜこの人はずっと作業所にいる必要があったんや。」と質問を受けたことがあります。この人は施設の中にいた方がいいと誰が何の根拠で思っていたのか、自分のことですが思い出すと恥ずかしくなります。実は地域や社会ではなく、私たち福祉関係者の問題ではないかと思うこともあります。

県内には今、180カ所くらいの作業所があり、利用者は約3,500人です。でも、本当に、全員の方が作業所や施設にずっといるべき人なんだろうか、福祉の受け手として暮らしておられるべき人なのだろうか、なかには企業で活躍出来る人も多くおられるのではないか、社会の担い手として活躍される可能性を秘めた方がおられるのではないか。私たちが障害のある方の可能性を閉じ込めてしまっている可能性も直視しなければならないと思います。

もちろん、福祉的支援、医療的なケア・介護が必要な方は多くおられます。その方々にはしっかりと福祉や医療の支援が必要です。一方で地域の支え手、地域の担い手として活躍できる人たちも多くおられるのも事実だと思います。


いきなり、「障害のある人の理解をお願いします。」と言っても、なかなかそれは広まるものではありません。障害のある人たちが働ける、地域の担い手になっていける姿を一つひとつ積み上げていくしかないと思っています。

研修で企業さんを呼んでもいつも同じ顔触れ。どうやって広げていけばいいかと考えると、時間のかかることですが、障害のある方たちが社会で、地域で働いている姿を増やし「当たり前」にしていく、積み重ねていくしかないと思っています。

■「就労支援」にこだわりたい。「働く」ということにこだわりたい。

人は誰もが共通の願いとして「幸せになりたい」と思っています。じゃあ、どんなときに幸せを感じるかといえば、人から「あてにされる」とか「頼られる」とか、「ありがとう。」と声をかけてもらうとか、自分の役割があると感じる時に一番充実感があるんだろうと思います。「働く」中でそういう幸せを感じてもらいたい。守られる幸せでなく自分があてにされる幸せという部分を障害のある方に感じてもらえる社会になればいいと思っています。だから「就労支援」にこだわりたいのです。

人権カレンダー 9月

  • 同和問題啓発強調月間
  • 県と市町では、県民のみなさんが同和問題についての正しい理解と認識を深め、県民一人ひとりが部落差別をはじめとするあらゆる差別の解消に向けて主体的に行動できるよう、毎年9月を「同和問題啓発強調月間」として、さまざまな啓発事業を集中的に実施します。
  • 「じんけんフェスタしが2016」を開催します。
  • 障害者雇用支援月間
  • 事業主のみならず、広く国民の皆様に対して障害者雇用の機運を醸成するとともに、障害者の職業的自立を支援するため、厚生労働省や独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構をはじめとする関係機関が協力して、さまざまな啓発活動を行っています。
  • 滋賀県の障害者雇用に関する各種情報
  • 8日 国際識字デー
  • 世界には貧困など様々な理由により学校に行けない子どもがたくさんいます。学校へ行けないまま大人になり字の読み書きができない人が、世界の人口の5人に1人いるといわれています。昭和40年(1965年)のこの日、イランのバーレビ国王(当時)が軍事費の一部を識字教育に回す提案をしたことを記念し、平成2年(1990年)に国連が国際デーとして定めました。
  • 10日 世界自殺予防デー
  • 9月10日はWHO(世界保健機関)が定めた「世界自殺予防デー(World Suicide Prevention Day)」です。我が国では、平成28年4月1日施行された改正自殺対策基本法において、9月10日から9月16日までを自殺予防週間として新たに規定され、国や地方公共団体の連携により、幅広い国民の理解を促進するための啓発活動が強力に推進されます。
  • 10日~16日 自殺予防週間
  • 平成28年4月1日施行された改正自殺対策基本法において、9月10日から9月16日までを「自殺予防週間」とすることが新たに規定されました。我が国の平成27年中の自殺者数は24,025人となり4年連続で3万人を下回っていますが、依然として多くの人が自殺で亡くなっていることに変わりありません。悩みを抱えた人たちに広く支援の手を差し伸べていくことで、「誰も自殺に追い込まれることのない社会」を目指しましょう。
  • 15日 老人の日
  • 15日~21日 老人週間
  • だれもが健康で安心して生きがいをもった生活を送ることのできる長寿社会を築いていくことが求められています。このため、9月15日を「老人の日」、この日から21日までを「老人週間」とし、この期間を中心に、国民の間に広く高齢者の福祉について関心と理解を深めるとともに、高齢者に対して自らの生活の向上に努める意欲を促すための広報・啓発活動が展開されます。
  • 19日 敬老の日
  • 多年にわたり社会に貢献してきた高齢者を尊重し、長寿を祝う日。毎年9月の第3月曜日。
  • 21日 国際平和デー
  • 昭和56年(1981年)の国連総会で9月の通常総会開会日(9月の第3火曜日)を「正式に国際平和デーとし、すべての国家と民族内で、またそれら相互の間で、平和という理念を称え、強化していく日とする」ことが宣言されました。
  • その後、平成13年(2001年)9月7日に、国際平和デーを平成14年(2002年)から毎年9月21日とし、すべての人々の関心を喚起し、この日に平和を祝い、祈念することを決定しました。国連総会で以後、この国際デーを全世界の停戦と非暴力の日とし、一日、戦争行為を中断するようすべての国家と人民に呼びかけていくものとすると宣言しています。また、加盟国や国連機関、地域機関、NGOに対して、この日を祝し、世界規模での停戦を確立するために国連と協力するよう呼びかけてもいます。
  • 21日 世界アルツハイマーデー
  • 1994年「国際アルツハイマー病協会」(ADI)は、世界保健機関(WHO)と共同で毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー」と制定しています。1994年のこの日、スコットランドのエジンバラで第10回国際アルツハイマー病協会国際会議が開催されました。会議の初日であるこの日を「世界アルツハイマーデー」と宣言し、アルツハイマー病等に関する認識を高め、世界の患者と家族に援助と希望をもたらす事を目的としています。

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お問い合わせ
滋賀県総合企画部人権施策推進課
電話番号:077-528-3533
FAX番号:077-528-4852
メールアドレス:cf00@pref.shiga.lg.jp
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