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じんけん通信

「わからない」だから「かわらない」そんなあなたの人権意識

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あなたの「わかりたい」を応援したい。人権施策推進課では、そんな思いで毎月「じんけん通信」を発行しています。ブラウザの「お気に入り」に入れていただければ感激です。 

5月号の内容

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平成28年(2016年)5月(第97号)

平成27年(2015年)4月に株式会社電通が20~59歳の約7万人を対象に行ったインターネット調査では、日本では7.6%(13人に1人)の人がLGBTを含む性的マイノリティ(性的少数者)(※1)の当事者であるという調査結果が出ています。

平成27年(2015年)1月には東京都渋谷区が同性カップルをパートナーとして認定する証明書を発行するなど、いくつかの自治体でも同様の制度が始まっています。また、国会では、超党派の国会議員連盟が差別解消の活動を始めるなど、性の多様性を認め、性的マイノリティの人々への理解や配慮を求める動きが広がっています。

平成29年度(2017年度)から高校で使われる教科書には、「LGBT」という言葉が初めて取り上げられています。

民間にも同様の動きが広がっており、その背景には、多様な人材確保の視点やオリンピック憲章に性的指向への差別を禁じる規定が盛り込まれたこともあるようです。

このような中、滋賀県人権相談ネットワーク協議会(※2)の第4回講座(平成28年(2016年)3月3日に開催)では、「『多様な性と性的マイノリティ』理解と対応~LGBT・ALLY(アライ)(※3)になろう~」をテーマに、相談や啓発・講演活動に携わっておられる大阪私立学校人権教育研究会指導員の川西寿美子先生を講師に招き、お話をいただきました。

今回のじんけん通信では、川西先生のお話から、「性」についてさまざまな切り口からその多様性を考えるとともに、だれもが自分らしく生きられる社会について考えます。

※1 LGBT等に関して「マイノリティ(少数者)」という表現を用いることに疑問をお持ちの方もおられることから、平成28年(2016年)3月に策定した滋賀県人権施策推進計画では、「性同一性障害者・同性愛者等」と表記することとしていますが、今回は、平成27年度(2015年度)滋賀県人権相談ネットワーク協議会第4回講座の講演テーマに合わせて「性的マイノリティ」と表記しています。

※2 滋賀県人権相談ネットワーク協議会について
滋賀県では、さまざまな人権に関する悩みに対して解決のお手伝いができるよう、国、県、市町などの48の関係機関で滋賀県人権相談ネットワーク協議会を組織し、連携を図っています。事業内容等の詳細は「滋賀県人権相談ネットワーク協議会について」をご覧ください。

※3 「LGBT」とは、女性同性愛者(Lesbian:レズビアン)、男性同性愛者(Gay:ゲイ)、両性愛者(Bisexual:バイセクシュアル)、性同一性障害者など性別違和感を持つ人(Transgender:トランスジェンダー)の頭文字を取った総称です。

「ALLY(アライ)」とは、英語で「同盟、支援」を意味する「ally」が語源で、LGBTの当事者ではない人が、LGBTに代表される人たちを理解し支援するという考え方、あるいはそうした立場を明確にしている人々を指す言葉。

特集 「多様な性と人権」

「性」って何だろう?

そもそも何のために「性」はあるのでしょうか。川西先生は次のように説明してくださいました。

「生物学的には、無性生殖の生物は環境の変化に対する適応能力が低いことに対し、有性生殖の生物は適応能力が高いと言われています。つまり、遺伝子を残し、生物として生き残るため、いろんな染色体の組合せを有する『性』ができたと考えられます。

ヒトの細胞の核の中には46本の染色体があり、そのうちの2本の染色体を性染色体と言い、その人が女性になるか男性になるかを決めています。ちなみに、一般的な女性はXX、男性はXYと表現されます。

しかし、生物が細胞分裂をするとき、何らかの原因によって染色体の数や形が変わってしまうことがあります。つまり、性染色体はXX(女)やXY(男)だけでなく多様な組合せがあり、外性器・内性器も男女いずれかにはっきりと分けられないこともあります。

生物の性は多様であり、生物の一員であるヒトの『性』もまた多様なのです。」

平成27年度滋賀県人権相談ネットワーク協議会第4回講座風景

多様な性

「性とは『男』と『女』の2つだけであって、どちらかにはっきり分類できるもの。そして、恋愛対象は異性である。」と、多くの人は思っておられるかもしれません。しかし、実際は、身体の性(生物学的な性別)や性表現(服装やしぐさ、言葉遣いなど見た目の「女らしさ」や「男らしさ」)、性自認(自分の性別をどう思うかという主観的な性別)、性的指向(恋愛対象)などによりそのあり方はさまざまです。

(表)
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ここでは、「性的指向」と「性自認」についてもう少し考えてみましょう。

法務省人権擁護局発行の「人権の擁護(平成27年度(2015年度)版)」によると、「性的指向」とは、人の恋愛・性愛がどういう対象に向かうのかを示す概念であり、具体的には、恋愛・性愛の対象が異性に向かう異性愛、同性に向かう同性愛、男女両方に向かう両性愛、同性にも異性にも向かない無性愛を指します。

また、「性自認」とは、自分の性別をどう思うかという主観的な性別を示す概念ですが、身体の性と自認する性は必ずしも一致するとは限りません。

身体の性別に対して違和感があり、違う性または性別にこだわらない生き方を望む人もいます。性別違和感が強い場合は「性同一性障害」という診断名で医療機関による治療を受ける人もいますが、性別違和感のある人すべてが治療を望むわけではありません。

このように、「性のあり方」は実に多様なのです。

私たちは、まずそのことを知っておく必要があります。

(表)
大まかな定義
L(レズビアン)…女性として女性を愛する 性的指向※同性愛は、性自認と性的指向が同じ性別である状態。
G(ゲイ)…男性として男性を愛する
B(バイセクシュアル) …好きになる相手の性別にこだわらない人
T(トランスジェンダー) …身体の性別に対して違和感があり、違う性または 性別にこだわらない生き方を望む人 性別違和※身体の性と性自認が一致していない状態。※トランスジェンダーであることが、特定の性的指向(恋愛対象)を指すわけではない。つまり、トランスジェンダーの人々は異性愛者であったり、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアルあるいは無性愛者であったりする可能性がある。

現状を知ってほしい

性的マイノリティの人々には、ありのままの自分の性を前向きに捉え、周囲もそれを受け入れ暮らしておられる方もおられますが、中には偏見を持たれたり、不当な扱いや差別を受けたり、社会においてさまざまな悩み・生きづらさを感じている人、差別や偏見を恐れて打ち明けられずに苦しんでいる人もたくさんおられます。

学校や職場等で嫌がらせやいじめを受けたり、じろじろ見られたり避けられたり、あるいは昇進を妨げられたり、職場を追われるなど職場・就職で不利な扱いを受けることもあるようです。

【平成25年(2013年) 学校生活実態調査】

「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」が、小学生から高校生の間を主に関東地方で過ごした10~35歳のLGBT等当事者609人を対象に行ったインターネット調査

(表)
いじめや暴力を受けたことがある 68%
いじめや暴力を受けたことによる影響
学校に行くのがいやになった 43%
人を信じられなくなった 37%
クラスで孤立した 28%
今でも、その経験をときどき思い出す 44%
今でも、その経験を思い出すとつらくなる 33%
自殺を考えた 32%
わざと自分の身体を傷つけた(リストカットなど) 22%

多様性を認め合い、だれもが過ごしやすい環境づくりを

私たち人間は、だれ一人として同じ人はいません。顔や性格、体つきなどがみんなちがうように、「性のあり方」も人それぞれちがいます。

(表)
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そして、だれもが、自分の「性のあり方」を尊重される権利を持っています。

一人ひとりの性の多様性を認め合い、だれもが過ごしやすい環境をつくるため、性的マイノリティの人々の思いに対して、私たちはどのように寄り添うことができるのでしょうか。川西先生は次のように話してくださいました。

「『性的マイノリティの子ども・人はどこにでもいる』と思うことが一番大事です。自分のありのままがわかってしまうとあなたとの関係が壊れるのではないか、偏見を持たれたり差別されたりするのではないかという怖さから、不安な気持ちを抱えながら、心から打ち解けられずに生活している人がたくさんいるということをまず知ってください。

本人が『ありのままの自分を受け入れてもらえるんだ』と安心できるような環境をつくることが大切です。

1 見た目や声で性別を判断しないでください。

あえて、『くん』『ちゃん』などの呼び分けはしないようにしましょう。

2 だれにでも快く受け入れられるような言葉を使いましょう。

『レズ』と略したり、『ホモ』『オカマ』『オナベ』などという呼び方は、人によっては侮蔑的なニュアンスととられることがあります。そういう言葉を使っているのを聞いたら、その場で『違う』と言いましょう。たとえ傷ついていても、本人が声をあげるのは難しいです。

3 カミングアウトするかどうかは本人が決めることであって、周りの人が踏み込んで聞くことではありません。

カミングアウトできるまで、本人の心の中で葛藤があります。待つ姿勢が大切です。

4 理解しているよ、支援するよという意思表示『ALLY(アライ)』を表明しましょう。

ALLYを表明することで、本人が安心できるような環境をつくりましょう。LGBTの尊厳と社会運動を象徴する旗『レインボーフラッグ』を机の上に立てている企業もあります。

5 もしカミングアウトされたら、その人の話に耳を傾けましょう。

どうしてほしいかは人によって違います。決めつけずに、じっくり時間をかけてどうしてほしいかを聴きましょう。

ただ話を聴いてもらうだけでホッとする人もいます。相談先などについて尋ねられたら、情報提供してあげましょう。

ここで、2つ注意していただきたいことがあります。

1つ目は・・・『わかるよ』ではなく『大丈夫(私は受け入れる)』

本人は『理解』ではなく、『受け入れ』てほしいと思っています。ずっと一人で悩んできた辛さ、孤独感をわかることなどできません。学校の教員の方などで、もし生徒さんからカミングアウトされたときは、安易に『わかるよ』と言わない方がいい場合があります。『わかろうとすること』が大切です。『わかる』ではなく、『言いにくかっただろうに、よく言ってくれたね。』と受け止めてあげてください。

2つ目は・・・『先走らない』

若いうちは特に、本人の心の中でも自認する性別が揺れることがあります。同性愛なのか、トランスジェンダーなのかわからない人もいます。先走って決めつけないことが大切です。」

最後に・・・

身体の性や性表現、性自認、性的指向など性を考える切り口はさまざまあり、性のあり方は人によりさまざまです。一方的な見方で相手を判断してしまうのではなく、多様性を受け入れることで、だれもが自分の性のあり方を尊重され、自分らしく生きられる社会に、みんなでしていきたいものですね。

人権カレンダー 5月

  • 1日~7日 憲法週間
  • 昭和22年(1947年)5月3日、「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」を3つの基本原則とする日本国憲法が施行されました。毎年、この日を中心とした5月1日から7日は「憲法週間」です。週間中は、憲法の精神や司法の機能に対する理解を促すため、全国の裁判所及び法務省の機関で、講演会、無料法律相談などのさまざまな行事が開催されます。
  • 3日 憲法記念日
  • 3日 世界報道自由デー
  • 平成5年(1993年)の国連総会において宣言された記念日です。これは、自由かつ多元的で独立した報道がどの民主社会においても不可欠であるという平成3年(1991年)の「世界の報道の自由促進に関するUNESCO総会議決」に由来するものです。
  • 5~11日 児童福祉週間
  • 少子化の進行や児童虐待の増加など児童を取り巻く環境は大きく変化しています。家庭や地域における子育て機能の低下が指摘されるなかで、夢や希望を持ちながら子育てができる環境を整えるためには、社会全体での取り組みが必要です。毎年5月5日の「こどもの日」から1週間は「児童福祉週間」と定められ、国や地方公共団体、家庭、学校、地域社会全体が一体となって、児童福祉の啓発事業や行事を展開します。
  • 8日、9日 第二次大戦中に命を失った全ての人に追悼を捧げる日
  • 平成16年(2004年)に国連総会はこの日を追悼と和解の日と指定すると宣言し、加盟国や国連諸機関、NGOなどに、ふさわしい形で祈念し、戦争でなくなった全ての人を追悼するよう要請しました。戦争を過去のものにしないために今一度振り返り平和について考えましょう。
  • 8日~14日 看護週間
  • 毎年5月12日の「看護の日」を含む1週間は「看護週間」と定められています。週間中は、「看護の心をみんなの心に」をテーマに、各媒体での広報や、中学生・高校生などを中心とした、病院や老人ホームなどでの一日体験ボランティア活動や「一日まちの保健室」「ふれあい看護体験」など、看護に対する理解と関心を高めるためのさまざまな行事が行われます。
  • 12日 看護の日
  • これからの高齢化社会を支えて行くためには、国民一人一人が、ケアの心、看護の心を理解することが大切です。近代看護の基礎を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなんで、毎年5月12日は「看護の日」と定められています。この日を含む看護週間を中心に、各媒体での看護に関する広報や一日看護体験ボランティア活動などが各地で行われます。
  • 12日 民生委員・児童委員の日
  • 各地域で住民の相談や支援の担い手として活動する民生委員・児童委員は、全国で約23万人。この日から18日までの1週間を「活動強化週間」として積極的な活動を展開しています。
  • 15日 国際家族デー
  • 毎年5月15日を「国際家族デー」とすることが平成5年(1993年)の国連総会で決定しました。総会は平成元年(1989年)の決議によって、家族問題に対する認識を高め、包括的政策を持って家族に関する問題に取り組む各国を支援するべく、平成6年(1994年)を「国際家族年」と宣言しました。
  • 21日 対話と発展のための世界文化多様性デー
  • 国連総会は平成14年(2002年)12月20日、繁栄や持続可能な開発、平和的共存を実現する手段としての文化の潜在的能力を高める必要から、5月21日を「対話と発展のための世界文化多様性デー」と宣言しました。平成14年(2002年)「国連文化遺産年」の幕を閉じるにあたり、総会では文化の多様性を保護することと、文明間の対話の枠組みを拡大することとに密接な関連性があることを認めています。
  • 25~31日 非自治地域人民との連帯週間
  • 平成11年(1999年)、国連総会は毎年5月25日から始まる一週間を「非自治地域の人々との連帯週間」とするよう非植民地化特別委員会に要請しました。この週間はもともと昭和47年(1972年)に、「自由と独立と平等な権利のために戦う南部アフリカ、ギニア(ビサウ)およびカーボベルデの植民地人民との連帯週間」として、アフリカ解放記念日である5月25日から開始されることが宣言されていました。
  • 29日 国連平和維持要員の国際デー
  • 平成14年(2002年)国連総会で国連の平和維持活動に奉仕したすべての人の高いプロ意識、献身および勇気を称え、平和のためにその命を失った人々を追慕するため宣言された記念日です。

ジンケンダーのちょっと一言

性同一性障害や性的指向・性自認に係る児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について、教職員の理解を促進することを目的として、文部科学省が教職員向けの周知資料を公表しました。

☆文部科学省ホームページ http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/28/04/1369211.htm(外部サイトへリンク)ひとりで悩んでいる子どもたちの気持ちが少しでも楽になり、安心して過ごすことができればいいなと思うのだー

ジンケンダー1

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お問い合わせ
滋賀県総合企画部人権施策推進課
電話番号:077-528-3533
FAX番号:077-528-4852
メールアドレス:cf00@pref.shiga.lg.jp
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