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じんけん通信(第57号)

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平成25年(2013年)1月(第57号)

  • 滋賀県の平成23年における刑法犯の認知件数は13,762件です。
  • 事件がこれだけあったということは、その被害に遭われた方やその家族がそれ以上にいらっしゃるということを意味します。
  • そこで今回は日々被害者と接しておられる警察の取組について、警察県民センターの酒部さんにお話を伺います。

特集 犯罪被害者と人権

Q:犯罪被害者はどういった状況におかれるのでしょうか。

酒部さん

A:犯罪被害者(御遺族を含む。)は、命を奪われる(家族を失う)、けがをする、物を盗まれるなどの直接的な被害だけでなく、事件に遭ったことによる精神的ショックや身体の不調、医療費の負担や失職、転職等による経済的困窮、捜査や裁判の過程における精神的、時間的負担、周囲の人々の無責任なうわさ話やマスコミの取材、報道によるストレス、不快感など、被害後に生じる様々な問題に苦しめられます。このような問題は総じて「二次的被害」といわれています。

犯罪被害者が抱える問題の中でも、精神的被害は深刻です。

先の地下鉄サリン事件の被害者や阪神淡路大震災の被災者が様々なトラウマやPTSD(外傷後ストレス障害)の症状を訴えたことにより、精神的被害の深刻さが広く認識されるようになりました。

平成20年10月に、内閣府が行った「犯罪被害者等に関する国民意識調査」によると、事件後の心境や状況については、犯罪被害者やその家族の6割以上の方が「不安を抱えた」と回答されているなど、多くの犯罪被害者やその家族が深刻な精神的被害を受けていることが明らかとなっています。

Q:犯罪被害者支援のために具体的にどのようなことが行われていますか。

A:まず、犯罪被害者への情報提供として「被害者の手引き」があります。これは、刑事手続の概要、捜査への御協力のお願い、被害者が利用できる制度、各種相談機関や窓口についてわかりやすく記載したパンフレットです。犯罪によって受けた被害を回復・軽減するために受けることのできる支援の内容や刑事手続きに関することは、あまり馴染みのないものです。このパンフレットはこのような情報を、早期に包括的に提供するために作成されています。原則として、殺人や傷害、性犯罪などの身体犯の被害者や交通死亡事故などの重大な交通事故事件の被害者などの方に対して、事情聴取に当たった捜査員等が配付し、その内容について説明しています。

また、捜査の状況や加害者がどのような処分を受けたかなどに関する情報は、犯罪被害者等の方々にとって非常に関心の高いものです。警察では先に述べたような犯罪被害者やその御遺族に対し、被疑者検挙までの捜査状況、被疑者の検挙状況、逮捕被疑者の処分状況について、事件を担当する捜査員等が連絡するようにしています。これを被害者連絡制度といいます。

Q:被害の軽減。のためにどういったことをされていますか

A:犯罪により大きな精神的被害を受けた犯罪被害者に対しては、心理学的立場からの専門的なカウンセリングが必要になることがあります。そこで、犯罪被害者やその遺族の方々の精神的被害の回復・軽減を図ることを目的に、臨床心理士によるカウンセリングを無償で受けることができる制度を運用しています。

経済的被害については、犯罪被害給付制度があります。殺人などの故意の犯罪行為により亡くなられた方の御遺族や重傷病を負い、または身体に障害が残った犯罪被害者に対して、加害者から十分な損害賠償を受けることができなかった場合等において、国が犯罪被害者等給付金を支給し、その精神的、経済的被害の軽減を図ろうとするものです。

Q:捜査などの際、気をつけていることはありますか。

A:捜査過程における捜査官の言葉や行動が、犯罪被害者の心理状況に及ぼす影響は大きいものです。そこで、犯罪被害者が捜査によって余計な負担を負わず、二次的被害を受けないよう、犯罪被害者に接する際には、犯罪被害者の気持ちに配慮した方法により事情聴取を行うなど、警察ではできる限りの配慮をするよう努めています。

また、司法解剖後の御遺族宅等への御遺体の搬送に要する経費等を負担する制度を設けているほか、パトカーが自宅に来ることを犯罪被害者が望まないような場合には、できる限り私服の警察官が目立たない車両でおもむくようにしています。

特に、性犯罪、未成年が被害にあった犯罪等できるだけ事件のことを他人に知られたくないと思うような場合は、犯罪被害者が周囲の好奇の目にさらされないようプライバシーに配慮をしています。


さらに、犯罪被害者の協力が必要な事情聴取、実況見分等においては、その都合をできるだけ考慮して日時を選定するなど、犯罪被害者等の心情、便宜に配意した捜査を行っています。

Q:性犯罪の場合は特に慎重にならなくてはいけませんね。

A:性犯罪の被害者が捜査の過程において受ける精神的負担を少しでも緩和するためには、被害者の望む性別の警察官によって対応することが必要です。このため、性犯罪が発生した場合に捜査に当たる性犯罪捜査員として女性の警察官を指定しており、これらの女性警察官は、性犯罪被害者からの事情聴取を始め、証拠採取、証拠品の受領、病院などへの付添い、捜査状況の連絡など、性犯罪の被害者に係わる様々な業務に従事できるようにしています。

Q:他にどのような取組をされていますか。

A:教育委員会等関係機関と連携し、平成23年度から「命の大切さを学ぶ教室」を開催しております。

この教室は、犯罪被害者の御遺族の方を講師としてお迎えし、命の大切さを直接語りかけていただくことにより、犯罪被害者に対する正しい理解を深めるとともに、社会全体で被害者を支え、被害者も加害者も出さないまちづくりを推進していくことを目的としています。

聴講された生徒さん達にアンケート調査を行ったところ、「命を大切にしなければならないと思った」「友達や家族を大切にしようと思った」「被害者にも、加害者にもならないようにしようと思った」という回答の比率は、いずれも90%を超えています。

また、「大切な人を失ったとき、一人では決して立ち直れないということがわかった。友達や人が悩んでいる時には、皆で手を貸してあげることが大切だと思った。」「普段、あまり命のことは考えないけど、改めて命の大切さを考える時間があってよかった。」等の意見が寄せられています。

平成24年度は、11月末現在で、年間計画35校中、29の中学・高校に対して実施しており、平成25年度は、35校の中学・高校を対象に実施を予定しています。

Q:関係機関とはどのように連携を取られていますか。

A:関係機関、団体による綿密な連携と相互協力によって、犯罪被害者の視点に立った支援活動を効果的かつ総合的に推進することを目的に、「滋賀県犯罪被害者支援連絡協議会」が平成10年10月に設立されました。現在、検察庁、弁護士会、医師会、臨床心理士会、報道機関、経済団体、知事部局、警察等46機関・団体で構成されています。


毎年、総会及び実務担当者研修会を開催し、会員相互の連携を図るとともに、「犯罪被害者週間(11月25日~12月1日)」に合わせた広報啓発活動等を行っているほか、犯罪被害者の多様なニーズに応えるため、関係機関・団体が連携・協力して犯罪被害者支援活動を行っております。


Q:民間団体としては、特定非営活動利法人「おうみ犯罪被害者支援センター」がありますね。

A:おうみ犯罪被害者支援センターは、平成21年7月16日に、「犯罪被害者等早期援助団体」の指定を受けています。これは、被害に遭われた方の支援を、適正・確実に行うことができる非営利法人を、滋賀県公安委員会が指定するものです。


警察が支援を必要と判断した場合、被害者や御家族の同意を得たうえで同センターへ情報を提供し、必要とされる支援を行っていただいています。

けいたくん

Q:今後の抱負、メッセージをどうぞ。

A:犯罪被害者の方々のニーズは、生活支援等多岐に渡っているため、警察のみでは、それに応えることができません。犯罪被害者の方々に、1日でも早く犯罪被害から立ち直り、元の平穏な生活を取り戻していただくとともに、社会全体で犯罪被害者の方々を支え、被害者も加害者も出さない地域社会を実現するため、県民の皆様方の深い御理解と協力をお願いいたします。

☆☆☆人権カレンダー 1月☆☆☆

  • 15日~21日防災とボランティア週間
  • 17日防災とボランティアの日
    政府、地方公共団体等防災関係諸機関を始め、広く国民が、災害時におけるボランティア活動および自主的な防災活動についての認識を深めるとともに、災害への備えの充実強化を図ることを目的として、週間と日の設定が平成7年に閣議了解されました。
  • 27日ホロコースト犠牲者を想起する国際デー
    ホロコーストとは第2次世界大戦中、自国民族の優越性を謳い、ナチス・ドイツによって行われた国家的大量虐殺のことです。ユダヤ人のみならず、多くの少数民族、政治犯、異教徒、同性愛者がその犠牲となりました。 2005年、国連総会は1945年にナチス・ドイツのアウシュヴィッツ強制収容所が解放された1月27日を「ホロコースト犠牲者を想起する国際デー」と定めました。国連総会はこの決議の中で、その程度に関わらず、歴史的事実であるホロコーストの存在を否定する意見を拒絶しました。そしてホロコーストが行われた強制収容所などの歴史的遺産の保全に取り組む政府を賞賛しました。

じんけん豆知識色々なリボン

みなさんは児童虐待防止を訴えるオレンジリボンや乳ガンの早期発見を訴えるピンクリボンなどを身につけたり見かけたりしたことはありませんか。このようなリボンをアウェアネス・リボンといいます。

アウェアネス・リボン(Awareness Ribbon)とは輪状に折った短い一片のリボン、もしくはそれを描いた絵などで、着用者(使用者)が社会運動、もしくは社会問題に対してさりげない支援や賛同の声明を出す方法として使用されており、日本では一般的に「リボン運動」と呼ばれています。

社会的運動に色つきのリボンを使うことはアメリカで始まったといわれており、現在、世界中でさまざまな色のリボン運動が実施されています。いくつかを御紹介します。

  • レッドリボン…エイズへの理解・支援
  • ゴールデンリボン…小児ガンへの理解・支援
  • グリーンリボン…移植医療の普及
  • ホワイトリボン…開発途上国における妊産婦の命と健康を守る
  • イエローリボン…障害者の自立と社会参加
  • ブルーリボン…拉致被害者の救出を願う

リボンの色によってはたくさんの運動に使われているものや国によって大きく意味の異なるものなどもあります。またこれ以外にも空色、シルバー、レインボーなど様々なものがあります。ぜひこれを機会に自分の考えにあったリボンを探してみませんか。

■イベント・行事案内 県内外で開催される研修会、啓発イベント等を案内します。

県外

  • 大阪人権博物館

共催展「企業とCSR~さまざまな取り組みの現場から」
期間:1月29日(火曜日)~3月17日(日曜日)
 

  • ピースおおさか

収蔵品展3
期間:1月15日(火曜日)~3月31日(日曜日)まで
ウィークエンドシネマ「重被爆語り部 山口彊の遺言 」
日時: 1月12日(土曜日)・26日(土曜日)14時~
 

  • 舳松人権歴史館企画展 「舳松の伝統料理~食肉文化を支えた人びと~」

期間:9月28日(土曜日)まで
 

編集後記

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。


昨年はオリンピックイヤーということで、オリンピック、パラリンピックともにたくさんの感動がありました。しかし一方で、虐待やいじめ、交通事故など痛ましい事件も県内外で頻発してしまいました。世界でも紛争や内戦によって多くの命が失われています。

今年一年このじんけん通信でみなさまにできるだけ明るい話題をお届けできることを願っています。

編集・発行/滋賀県総合政策部人権施策推進課

お問い合わせ
滋賀県総合企画部人権施策推進課
電話番号:077-528-3531
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