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「じんけん通信」(第41号)

「わからない」だから「かわらない」そんなあなたの人権意識

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じんけん通信

平成23年(2011年)9月(第41号)

  • 9月15日は「老人の日」です。
  • 日本では少子高齢化が進み、総人口1億2,806万人(平成22年(2010年)10月1日現在)に対して、65歳以上の高齢者人口は過去最高の2,958万人となりました。このため総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は23.1%と、5人に1人が高齢者という超高齢化社会を迎えています。
  • そこで今回は、地域で高齢者を支えるグループホーム事業や地域交流事業をされている特定非営利活動法人(NPO法人)しみんふくしの家八日市を訪問し、雲川副理事長にお話しを伺いました。

特集 高齢者と地域社会

外観

Q: 活動を始められたきっかけを教えてください。

NPO法人として発足したのは、ちょうど介護保険制度がスタートした平成12年(2000年)4月1日です。しかしそれ以前から、「やらねばならない」と意気込むのではなくて、肩肘を張らずにできることをやろうと活動をしていました。
その中で、子育てに苦労する2児の母親や認知症の方の介護に大変な思いをされている方との出会いをきっかけに、自分たちの町を住みやすくしようという思いで市民活動を発展させ、NPO法人として活動するようになり、最終的に“住み慣れた町で自分らしい生活がいつまでも続けられるように”という今の理念につながりました。

Q:いろいろな活動をされていますが、まず何から始められたのですか。

NPO法人の認証を受ける前から保育や介護に関する相談を受けたことがあったので、最初は『駅前保育』から始め、介護保険制度の発足と同時に認知症の方の『デイサービス』を開始しました。どちらも身近な相談が出発点だったので、あまり気負わず始めました。

Q:その後どのように広げていかれたのでしょうか。

認知症の方の介護をする上では、言葉や行動による意思表示をとらえたり、意思疎通を図ることが大切なため、その方の今までの生活を知らなければ適切なケアを行うことができません。また、‘記憶障害’や‘見当識障害(現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなど基本的な状況把握ができなくなること)’があるため、認知症の方の行動範囲はごく限られた狭い地域です。健康であれば自分の行きたい所を伝え、楽しむこともできますが、認知症の方は生活範囲が限られているので、地域がその方にとって居心地のいい、温かな場所に変わらないと、その方の望む生活にはならないと感じました。そうして翌年の12月から24時間介護のグループホームを始めることになりました。
その時に、やっぱり高齢者だけで集まって住むというのは普通の暮らし方ではないですよね。高齢者も子どももいて当たり前という思いから、『駅前保育』や『学童保育』と併せて同じ場所で取り組むことになったのです。
それ以外では、地域の高齢者の方に集まっていただく『あったかサロン』(週1回)や子育て中の親子に集まっていただく『親子サロン』(月1回)など地域との交流も盛んにやっています。

Q:『あったかサロン』や利用者同士の交流を通じてどのようなことがありましたか。

『あったかサロン』では『グループホーム』の利用者や地域の高齢者、親子、学童の子どもたちや保育の赤ちゃんなど本当に様々な人が集まり、みんな互いを認め合うことで、温かく居心地のいい雰囲気が作れていると思います。
それぞれの関わりを見ていくと、まず学童期の子どもと保育所の子どもでは、初めは「汚い、あっち行け」と異質なものとして拒否していた学童期の子たちが、次第に受け入れて「ちょっと臭うみたい、先生見てやって」など少しずつ年長者らしくなっていくのが興味深かったですね。幼い兄弟がいれば慣れているのでしょうが、今は一人っ子も多くなっているので。そういう意味ではよい影響があるのだろうと思います。

交流の様子

Q:おもしろいですね。高齢者との関わりはどうでしょうか。

保育所の子どもと高齢者はもう何も言わなくても笑顔になれる、とても穏やかな関係です。
そして学童期の子どもと高齢者なのですが、ここが少し難しい関係で、子どもにとって高齢者はやっぱり尊敬すべき大人で、ある程度きっちりしているものだと認識しているところがあります。ところが認知症の方の場合はそうもいかなくて、すぐに怒ってしまうとか間違ったことを言うことがあったときに、「なんで怒られなあかんの」とか「何で大人やのに違うこと言ってるの」となってしまうのです。そこで病気だということを説明するわけですが、子どもたちは風邪や腹痛など自分がかかったことのある病気を想像するので、認知症という身体的でない病気を理解させるのは簡単ではありません。でも、そこはただ一緒にいればいいということではないと思うので、きっちりと説明するようにしています。

Q:なるほど。他には何かありますか。

高齢者同士(グループホーム利用者と地域の高齢者)の関係を見ていて感じることは、みなさんが「自分は認知症にはならない」と思っておられるということです。口では「自分もなるかもしれんなぁ」とか言っておられても、本心では「自分は違う」と少し優越感を感じておられたり、他人事だと考えておられる方が多いと思います。私たちとしては、認知症は誰でもなるもので、その時にどういう介護ができるのかなど、いろいろと考えてもらうきっかけになればと思っているのですが。親の介護等を考えるような少し若い世代なら積極的に学習してくださるのですが、高齢の方にご理解いただくのはなかなか難しいです。

Q:活動されている中で、高齢者を取り巻く課題と感じておられることはありますか。

定義としては65歳以上が高齢者ですが、定年後すぐの頃ならまだ何でもできる時期です。みなさん最初は自分の好きなことをされると思いますが、やっぱりそれだけじゃなくて、社会や周りの人のために自分ができることにも目を向けるべきだと私は思います。
そこで、私たちのところに少しでいいので来ていただけませんか、と声をかけたりもするのですが、なかなか来ていただけないのが現状です。まだまだそういう意識が浸透していないということだと思います。またサロンのお手伝いなど、決まったメンバーで場面や役割を設定すると来ていただけるのですが、自分の意志で進んで何かをするということはハードルが高いらしく、あと一歩が進んでいかないのが残念に思えます。

Q:心がけておられることはありますか。

やっぱり“その人らしい生活を大切にする”ということでしょうか。高齢者の方には何かしらの生活しづらい部分があり、介護という枠から外れて自分らしい生活をしようとするとなかなか難しい問題があります。グループホームなら24時間対応できますが、例えば、独居の高齢者の場合、いつでも必要なときに介護が受けられ、往診に来てもらえるということにはなっていないわけです。一人ひとりが自分らしい生活を実現できるよう、これからも取り組んでいかなければいけないと思います。

雲川さん

Q:高齢者が生き生きと暮らしていける社会づくりのためには何が必要でしょうか。

高齢者の方々とお話をしていると、「自分はこの先どうなるのだろう」という漠然とした不安を抱えていらっしゃるのがわかります。言葉では「子どもに任せるから安心」と言っておられても、子どもが自分の希望通りにしてくれるかどうかはわかりません。
日頃から自分がどう生きたいのか、家族に自分の希望を伝えて話し合うことが大切です。選択肢によっては家族への負担が増えるかもしれませんが、それは環境が整っていないからであって、老後も安心して所得が保障され、自分の望む選択ができる環境を整備していかなければなりません。

Q:今後の抱負をお聞かせください。

これからも《予期しないことが起きたときに、安心できるものを一つでも増やしていきたい》と考えています。そうして出来た一つひとつの点をつないで線にし、面に広げ、不安のない生活が営めることを願っています。
また活動していく中で「自分が行動する」という思いを強く持って頂くことが本当に大事なことと思っています。

Q:県民の方にメッセージをお願いします。

やはり《地域の方にもっともっと活動に参加していただいて》、気軽に訪れていただければと思います。交流行事などをきっかけにして、輪が広がっていけばと思います。
こうした場所があることによって、家から出て行くところがあり、行けば誰かに会って話ができる。それが実はとても価値のあることなのではないかと感じています。
誰にとっても住みやすい地域を自分たちで作っていくことの大切さをわかっていただけることを願っています。

☆☆☆人権カレンダー9月☆☆☆

  • 同和問題啓発強調月間

県と市町では、県民のみなさんが同和問題についての正しい理解と認識を深め、県民一人ひとりが部落差別をはじめとするあらゆる差別の解消に向けて主体的に行動できるよう、毎年9月を「同和問題啓発強調月間」として、さまざまな啓発事業を集中的に実施します。

  • 8日国際識字デー

1965年のこの日、イランのバーレビ国王が軍事費の一部を識字教育に回す提案をしたことを記念しています。1990年に国連が識字国際デーとして定めました。

  • 10日世界自殺予防デー

10日~16日自殺予防週間

平成19年(2007年)6月に閣議決定された「自殺総合対策大綱」において設定され、当該期間中における集中的な啓発事業等の実施を通じて、国民に自殺や精神疾患についての正しい知識を普及啓発し、これらに対する偏見をなくしていくとともに、命の大切さや自殺の危険を示すサイン、また危険に気づいたときの対応方法等について国民の理解の促進を図ることを目的としています。

  • 15日老人の日

15日~21日老人週間

詳しくは以下のじんけん豆知識で。

  • 21日国際平和デー

1981年、国連総会は9月の通常総会開会日を「正式に『国際平和デー』とし、すべての国家と民族内で、またそれら相互の間で、平和という理念を称え、強化していく日とする」ことを宣言しました。そして1998年にも、通常総会の開会日を引き続き国際平和デーとして記念すべきことを再確認しました。
2001年9月7日には、国際平和デーを2002年から毎年9月21日とし、すべての人々の関心を喚起し、この日に平和を祝い、祈念することを決定しました総会は以後、この国際デーを全世界の停戦と非暴力の日とし、一日、戦争行為を中断するようすべての国家と人民に呼びかけていくものとすると宣言しています。また、加盟国や国連機関、地域機関、NGOに対して、この日を祝し、世界規模での停戦を確立するために国連と協力するよう呼びかけてもいます。

■じんけん豆知識 「敬老の日」?「老人の日」?

特集にもあるとおり9月15日は「老人の日」です。ここで「あれ、敬老の日じゃないの?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

老人の日は、兵庫県のある村で行われていた敬老行事がきっかけとなり、昭和25年(1950年)9月15日を「としよりの日」にしようと、兵庫県内でいう敬老・福祉の県民運動が開始され、全国社会福祉協議会の後押しなどもあって全国に広がっていきました。

そうして、国民の祝日となる2年前に「老人の日」と改称され、昭和41年(1966年)に国民の祝日「敬老の日」へと発展したのです。「国民の祝日に関する法律」(以下「祝日法」という。)では、敬老の日を「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」としています。

ところが、平成13年(2001年)の祝日法の改正(いわゆるハッピーマンデー制度)により、平成15年(2003年)から敬老の日が9月の第三月曜日という移動祝日となりました。それに併せて「老人福祉法」の改正により、15日を改めて「老人の日」とし、そこから一週間を老人週間とすると定められました。法律ではその目的を「国民の間に広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促すため」としています。

お解りいただけたでしょうか。いつかは、「敬老の日」と「老人の日」が重なる年もあるかもしれませんね。またどちらの日も、「高齢者の尊厳」というベースにあるものは変わらないと思います。超高齢化社会を迎える中で、いくつになってもいきいきと安心して暮らしていける社会を目指していきましょう。

■イベント・行事案内

県内外で開催される研修会、啓発イベント等を案内します。

県内

「じんけんフェスタしが2011」開催迫る!!!

フェスタロゴ

「じんけんフェスタしが2011」を、9月10日の土曜日に県立文化産業交流会館(米原市)で開催します。
詳しくは、下記リンクをクリックしてください。
じんけんフェスタしが2011

  • Gネットシネマ「なくせ!ストーカー!」

日時:9月16日(金曜日)10時00分~
場所:滋賀県男女共同参画センター

  • 障害者就職面接会を開催します

(草津会場)
日時:9月27日(火曜日)13時00分~15時30分
場所:草津エストピアホテル

(彦根会場)
日時:9月29日(木曜日)13時00分~15時30分
場所:ビバシティ彦根 ビバシティホール

県外

  • 堺市立舳松人権歴史館企画展「塩穴村の歴史から部落差別を考える~前近代~」

期間:5月2日(月曜日)~10月29日(土曜日)

  • ピースおおさか

ウィークエンドシネマ「命のビザ」
日時:9月3日(土曜日)・9月10日(土曜日)14時00分~

編集後記

いよいよ「じんけんフェスタしが2011」が近づいて来ました。

今年は「音楽と人権」をテーマに、メインゲストである日野皓正さんのジャズコンサート以外にも、民族音楽やポップス、ビッグバンドなど様々な音楽をお楽しみいただける、音楽好きにはたまらないイベントになっています。

そして、その中で一人ひとりの「個性」や「自由」を大切にして、自分を表現することなど、人権に関わる色々なことについて気づき、考えていただくきっかけになると思います。

入場無料で、事前のお申込は不要です。皆様のご参加をお待ちしております。

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編集・発行/滋賀県総合政策部人権施策推進課

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