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「じんけん通信」(第39号)

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じんけん通信

平成23年(2011年)7月(第39号)

  • 7月は企業内同和問題啓発強調月間です。
  • 最近ではCSR(企業の社会的責任)という言葉も浸透し、それに関する様々な活動がなされるようになりましたが、採用や労働という場面において企業は人権問題に深く関わっています。
  • そこで今回は滋賀同和問題企業連絡会代表幹事会社である関西電力株式会社を訪問し、代表幹事の高嶋さんと事務局長の高尾さんにお話を伺いました。

特集 企業と人権

Q: 滋賀同和問題企業連絡会(以下「滋賀同企連」といいます。)の成り立ちについて教えてください。

滋賀同企連が設立される3年前の昭和60年に、彦根ブロックにおいて53社の加盟のもと滋賀県(彦根ブロック)同和問題企業連絡会が設立されました。その後全国同企連を作ろうとする動きを受けて、昭和63年に219社が集まって全県組織として設立されたのが始まりで、現在は417社まで広がっています。
他府県ではどちらかといえば部落地名総鑑に関わった企業を中心に…というのに対して、滋賀県では当時「滋賀方式」といわれるなど、多くの企業の賛同を呼びかけられたため、他府県の同企連とは異なり格段に多い会員数となっており、これは全国的に見ても最大規模といえます。

Q:会員数の推移はどうでしょうか。

最近は若干の減少傾向にあります。主な理由は事業所の統廃合や人員削減などです。

Q:具体的にはどのような活動をされていますか。

まず年に1回5月に総会を行い、そこで設立宣言を再確認したり、記念講演を実施しています。それから、新入社員、各ブロック幹事会社、人事・労務担当者、経営者などを対象とした研修会を実施しています。今年度については、差別と闘ってこられた方の生の声やなぜ企業が人権に取り組むのかなど、原点に立ち返ってもう一度認識を深めていただけるような内容にしたいと考えています。また各ブロックでもそれぞれ総会や研修会を実施しています。さらには、毎年12月の人権週間には全国で活動している企業連絡会が一堂に会する全国集会が行われます。
加えて大きな取組の一つが県の受託事業として行う地域リーダー養成講座です。これは職場内の啓発推進リーダーを養成することを目的に、宿泊研修も含め延べ4日間実施しています。座学の他にフィールドワークやグループ討議も織り込みながらより実践的で、職場に持ち帰ってからも啓発につなげていただけるようなものにしたいと考えています。
さらに機関誌「さざなみ」を毎月発行し、全会員企業様にお届けしています。今までは活動報告的なものが多かったのですが、これからはもっと会員の方に情報を発信したり共有したりできる紙面にしていきたいと考えています。多くの企業さんに加入していただいているので、読んでいただいて色んな「気づき」や「きっかけ」になればと思っています。
それから啓発冊子を2種類作っています。「同和問題一問一答」と「はぐくむ人権かがやく企業」です。前者は社内研修の補助マニュアルとして活用していただくための教材になります。企業では、定期的な転勤も多くありますので、新しく指導者や窓口担当者となられた方のお役に立てばと思っています。
後者は、今まで話してきたような滋賀同企連の成り立ちや取組、研修のポイントなどをまとめたリーフレットになります。これを活用して新規加入を勧めたりもします。これは2006年に作成されたものですので、できれば今年度改訂したいと思っています。

同和問題一問一答

Q:たくさんの取組をされていますが会員の皆さんの反応はいかがですか。

3年毎に全加盟企業を対象にアンケートを実施し、その結果をふまえて課題を検討する委員会を設置しています。アンケートにより、さまざまな職場があり取組体制に差があること、勤務形態の違いや時間的制約から研修の実施に苦労しておられることがわかります。ただ同様の条件で色々な取組をされている企業もおられますので、そういうところをできるだけ紹介し、参考にしてもらえるようにしていきたいと思っています。従業員数も20人くらいのところから1000人以上のところまで規模も様々ですし、ブロックにより取組に違いもあります。できるだけ活性化できるよう取り組んでいければと思っています。

Q:一企業としての関西電力(株)の取組を聞かせてください。

滋賀支店同和教育推進委員会で承認された同和教育基本計画に基づき、一般社員研修の他、新入社員、新任管理監督者、役付社員など階層ごとに研修を行っています。昔はビデオ研修が中心でしたが、やはりコミュニケーションを図りながらということが重要だと思いますので、今は外部講師による研修を受けた役職者が各職場内で同様の研修を行うという形をとっています。アンケート等を見ていますと、ハラスメントの問題が一番身近で意識も高いようですが、どの人権課題もいつ自分に関わる問題になるかわからないので、そのときに正しい判断ができるようきちんと理解しておくことが大事だと考えています。

Q:研修などの際心がけていることはありますか。

ディスカッションのテーマはこちらで決めていますが、細かなやり方は各職場の実情に応じてということにしています。またテーマを決める際にも従業員の希望を聞きながら偏りがでないようにしています 。
役職者の方も自分が受けた研修だけでは不安な部分もあると思いますので、できるだけ話の裏付けになるような資料や勉強のきっかけになるようなことを情報提供するようにしています。

高尾さんと高島さん
左:高嶋代表幹事右:高尾事務局長

Q:最後に滋賀同企連代表幹事としての思いをお聞かせください。

同企連の活動は、理事会社や各ブロックの幹事会社の皆さんが中心となりますが、主役は各会員企業の従業員だと私は考えています。その上で今年は情報発信のあり方を見直し、もう少し密に双方向で情報が共有できないかと思っています。
また幹事を務められる方でも、初めて就任された方もおられますので、どれだけ我々と共通認識を持って同じ目線で取り組むことができるかが重要です。まず同企連の代表、副代表、幹事がしっかりと情報を共有し、さらにそれぞれ加入していただいている企業の方にも同じ情報を持っていただきたいと思います。そうすればその企業の従業員の方々にも必ずや伝わるのではないでしょうか。
滋賀県には近江商人の心得として「三方よし」というすばらしい言葉がありますが、会員企業の従業員一人一人にとっても、それぞれの企業にとっても、同企連という組織にとっても、よい影響が与えられるような活動をしていきたい。そのためにもう一度原点に帰って認識を新たにしていただくということに力点を置いて、今年1年がんばっていこうと思っています。

☆☆☆人権カレンダー7月☆☆☆

  • 企業内同和問題啓発強調月間

同和問題の早期解決に向けて就職差別の撤廃と企業内での研修がより一層充実・強化されるよう、統一的な啓発行事を実施します。

  • 青少年の非行・被害防止滋賀県強調月間

「地域の力で子どもをまもり、はぐくむ」という観点に立って、地域が一体となった青少年の非行と被害防止活動を推進するため、関係機関・団体等の有機的な連携の下に青少年の非行防止と被害防止に関する諸施策および諸活動を集中的に実施します。今年度の重点施策には、「インターネット上の有害情報から青少年を守る施策の推進」「青少年の万引きを抑止する対策の推進」を掲げられています。

  • 社会を明るくする運動強調月間~犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ~

すべての国民が、犯罪や非行の防止と罪を犯した人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪のない地域社会を築こうとする全国的な運動で、今年はをテーマに実施されます。

  • 4日協同組合の国際デー

1992年(平成4年)、国連総会は1995年(平成7年)7月の第一土曜日を「協同組合の国際デー」と宣言しました。この日は、世界100カ国に7億6,000万人の傘下団体組合員を持つ国際協同組合連合の設立100周年にあたる日でした。 その後1994年(平成6年)の総会で、協同組合が経済・社会開発に不可欠な要因となってきていることを認め、各国政府、国際機関、専門機関および国内・国際協同組合組織に対して、この国際デーを毎年のものにするよう勧めています。

  • 11日世界人口デー

1989年(平成元年)、国連開発計画(UNDP)管理理事会は7月11日を「世界人口デー」と定めるよう勧告しました。1987年(昭和62年)7月11日の「50億人の日」から発展したこの日は、開発計画全体の状況を踏まえながら、人口問題が緊急で重大な問題であること、またこれらの問題の解決策を見出す必要に迫られていることに焦点を当てようとするものです。国連人口基金によると、2002(平成14年)年、世界の人口は63億人で、年間7,700万人の増加を続けています。国連の予測によれば、2050年の人口は74億人から128億人に達するものと見られていますが、最も現実的な数字は89億人であろうと予測しています。

■じんけん豆知識「ISO26000」

  • ISO26000とは

みなさんはISOという組織をご存じでしょうか。これは国際標準化機構というもので、ISO14000(環境マネジメント規格)、ISO9000(品質マネンジメント規格)など様々な国際規格を発行しています。
そのISOが2010年(平成22年)11月に新しく社会的責任(SR)に関する規約を発行しました。最近注目されているCSRとは違い、SRはその対象を限っていません。そのため、ISO26000は企業や自治体、民間団体など「あらゆる組織が社会の一員として果たすべき役割と責任」に関する規格になっています。また、これまでのISO規格では、「要求項目」に関して第三者機関による審査を受け合格すれば認証が取得できるようなっていますが、ISO26000には要求項目がなく、あくまでも望ましい姿を示し参考にしてもらうという形をとっています。

  • ISO26000と人権

ISO26000には、7つの中核主題があり、その一つとして「人権」が位置づけられています。ポイントとしては、人権が守られる社会を作るためには個人・組織両方の認識と行動が重要であり、直接的に人権侵害をしないのはもちろんのこと、結果的に他者が人権侵害をするようなことにつながっていないか※、他者の人権侵害によって利益を得ていないかなど間接的な影響についても考慮し改善しなくてはならないとされています。

※例えば自社が仕入れている商品の工場で児童労働が行われていないか、など。

この規格は「こうしなければならない」という審査・認証規格ではなく、「こうしてはどうでしょう」という手引き規格です。しかしこうして色々な組織が主体的に取り組んでいけば、人権が尊重された社会が実現するのではないでしょうか。

■イベント・行事案内

県内外で開催される研修会、啓発イベント等を案内します。

県内

  • 滋賀いのちの電話公開講座「いのちに寄り添う」

日時:7月3日(日曜日)12時半~16時半
場所:びわ湖ホール小ホール

県外

  • 堺市立舳松人権歴史館企画展「塩穴村の歴史から部落差別を考える~前近代~」

期間:5月2日(月曜日)~10月29日(土曜日)

  • 水平社博物館特別展「全国水平社創立への軌跡」

期間:5月1日(金曜日)~8月31日(水曜日)

http://www1.mahoroba.ne.jp/~suihei/sui04.html

  • 大阪人権博物館
  1. 企画展「部落の歴史と現在」…8月28日まで
  2. 共催展「写真展・屠場」…8月28日まで
  3. シンポジウム「屠場の記憶と記録」

日時:7月23日(土曜日)13時~16時

http://www.liberty.or.jp/

編集後記

先日障害者虐待防止法が成立しました。来年10月に施行となりますが、児童虐待の場合と同様、家庭や福祉施設、職場では虐待を発見した場合通報する義務が規定されています。この法律ができたきっかけは2004年(平成16年)に発覚したある福祉施設での虐待事件ですが、それ以前にも様々な事件があり問題になっていました。この法律を通じて、ただ虐待を監視するのではなく、社会全体で障害のある人やその周りの人を見守り支える社会になればと思います。

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編集・発行/滋賀県総合政策部人権施策推進課

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