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じんけん通信(号外)

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じんけん通信

号外

2012年9月23日(日曜日)に東近江市の愛東コミュニティセンターで開催された「じんけんフェスタしが2012」で、“尾木ママ”こと教育評論家の尾木直樹さんが、「平和についてみんなで考えよう」をテーマに講演されました。その要旨を掲載します。

尾木さんプロフィール

法政大学教授・教職課程センター長

臨床教育研究所「虹」所長

1947年滋賀県生まれ。早稲田大学卒業後、私立海城高校、東京都公立中学校教師として、22年間子どもを主役としたユニークで創造的な教育実践を展開。この間の成果は180冊を超える著書、ビデオソフト、映画類にまとめられている。
「キレる子現象専門家会議」(東京都)委員、「青少年と放送に関する専門家会合」(郵政省、NHK、民放連)委員、「いじめ防止学習プログラム」開発委員長(新潟県)、「放送分野における青少年とメディア・リテラシーに関する調査研究会」(郵政省)委員、「放送倫理機構(BPO)」(NHK、民放連)の「青少年と放送に関する委員会」副委員長等歴任。 平成23年度ゆうもあ大賞、第4回ペアレンティングアワード文化人部門(2011年度)などを受賞。

2003年に法政大学キャリアデザイン学部教授に着任。2012年4月からは法政大学教授・教職課程センター長に就任。主宰する臨床教育研究所「虹」では、所長として子育てと教育、メディア問題等に関する現場に密着した調査・研究に精力的に取り組んでいる。最近は、情報・バラエティ番組などに多数出演し、「尾木ママ」の愛称で幼児からお年寄りにまで親しまれている。「尾木ママファンクラブ」も発足し活動中。2011年、「まいばらふるさと大使」に就任。

尾木さん

じんけんフェスタしが2012 尾木ママの「人権トーク」要旨

はじめに

今日のテーマのひとつは、“多文化交流”ということですが、これは時代を先取りしていると思いますね。OECD(経済協力開発機構)という経済組織があり、そこでは現代がどんな時代かということについて、

  1. 知識基盤社会の時代
  2. 多文化共生の時代
  3. リスクと格差の時代
  4. 成熟した市民社会の時代

の4点を挙げています。

こういったことを見すえて、教育や人権あるいは経済活動、文化活動というものをきちんと見ていくことがとても大切です。そこで、新しい領域を開拓しようという今、「平和」、「共存」をキーワードとして考えたとき、国や皮膚の色、宗教の違いがあっても、みんな人として尊ばなければいけないこと、仲良くすること、また男女平等や老人を大事にすることは、当たり前になってきています。

では一番難しいのは何かというと、大人と子どもの関係性ではないでしょうか。

大人は子どもを守らなくてはいけない。安全で安心できる学校、虐待のない安全で安心な家庭、地域をつくっていくことは大人の責任です。同時に、子どもと対等なところで、子どもの目線で、子どもの声を聴き取り、子どもが参加しながら、この東近江市をどうつくっていくのか、滋賀県全体をどう盛り上げていくのかということも大事ですね。

フェスタ3

子育てについて

 また、子育てで一番大切なのも、子どもの目線に立ってみるということです。人権教育、親と子どもの関係、学校の先生と子どもの関係で本当に欠かすことができないことだと思います。

例えば、子どもを叱らなくてはいけない場面では、子どもの目線を大切にして、いったん、「どうしたの?」と理由を聞いてあげてください。「どうしたの?」が尾木ママの魔法の言葉です。子どもの目線になるというのは子どもの心になるということです。そこでは子どもは苦しんでいる、ということを見抜いて共感してください。その方法は何かというと「相づち」です。そして、「そりゃ、大変だったね。」と相づちを打つ。そうすると、子どもは心にパワーが出てきて“ぎゅーん”と伸びてくれます。相手の心の動きと言葉に感動して、そこを「すごいね」と褒めるんです。

「負けて勝ち取れ」という近江商人のとらえ方、価値観がありますよね。「一見、引いて負けたように見えるけど、結果、『そうだね。』と相手に思わせるのが、コミュニケーションのコツ」ということです。親がそういう言葉をふっと言えて、余裕を持って「どうしたの?」とか「そりゃ、大変だったね。」と言えるよう、地域のネットワークによって、みんなで支え合っていくことが大事ですね。
 

会場からの質問(1例のみ掲載しています)

質問

世間で注目を集める事件が起こると、必ずといっていいほど、心ない人が事件関係者のことをインターネットに書き込んだりしています。そのこと自体いけませんが、間違った情報が流れていくことで関係者がさらに傷つきます。尾木ママはどう思いますか?

尾木さんの回答

本当にこれはインターネット社会の宿命みたいなものですね。ただ、携帯は持つなと言っても持つ時代です。大事なのは、もっと上手な使い手になること、良い方に活かしていくことで、そのためにはメディアリテラシー教育をしっかりしないといけません。大切なのは、「間違ったときには、こんなに犯罪性が強いんだよ。」ということも含めた両面の教育、これを学校でしっかりやらないと駄目だと思います。


 

フェスタ2

大津のいじめ問題について

 「大津市立中学校におけるいじめに関する第三者調査委員会」が今、5人の委員(後には6人)で立ち上がっています。

先日、学校を訪問したときに、職員室でみなさんに集まってもらって、私たち5人の委員が一言あいさつをさせてもらいました。そこで「先生方を取り締まりにきたとか、調査というと聞こえが悪いけど、悩んでおられる、困っておられる先生の横に寄り添って、一緒に問題を解明して、大津の中学校をどういうふうにしていくのがいいんだろうかという方向を出しましょう。」というお話をしました。それが全国の学校に共通しているので、全国の一つの展望、灯台になっていくのではないかと。「そのために来ましたから味方ですよ。」と言いました。そうしたら、涙を流している若い先生もいました。つらかったんだろうと思います。子どもたちも大喜びで、子どもたちの応援に来ているという感覚です。委員会をやるというより、「大津の子、尾木ママが来たよ。」というので、同じ空の下にいるというだけでも安心してくれればと思っています。
 

思いやりの心について

フェスタ1

よく僕ら日本人は、「仁」っていう言葉を使いますよね、思いやるということ。ところが、孔子は「恕(じょ) 」という言葉も使っています。「恕」というのは、もっと心を思いやるということで、分かりやすく言うと、自分がされたら嫌なことは人にするな、ということです。例えば、自分は、ヘビを持たされたとか、あるいは虫を食べさせられたことがあったとします。自分に“嫌”という感覚が無かったら分からないんですよ。だから、そういうのが嫌だと思える子に育てておかなければいけない。そうでないと、それは「ふざけ」になってしまうし、「遊び」になってしまうんですよ。

だから、いじめをしない、恕の心のある子に育てていけば、誰もいじめられる子はいない。今、いじめが起きても怖くない。すぐにストップできる。子どもたちがストップしてしまう。そういう日本が来ればいいなと思っています。

「恕」があれば、親切になり、相手の心になって思いやる言動をするようになる。そうなったら大したもので、親が子どもの気持ちになれたら、これが本物の「子ども目線」。そこまで行ったときに親子関係はすごくうまくいくし、子どもは、親が自分の気持ちを分かってくれる、共感してくれるという中で、エンパワーされます。どんどん勉強もできるようになってくるし、生き生きしてくるし、お友達もたくさんつくっていきますよ。
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