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平成20年度第3回しが協働推進ボード

協働を進める取り組み

平成20年度第3回しが協働推進ボード(平成21年3月6日)

  • 日時:平成21年3月6日(金曜日)15時~17時30分
  • 場所:県庁別館 しが協働ル~ム
  • 出席者:
  • (民間委員)浅野委員、石井委員、堤委員、新川委員
  • (県委員)森口委員、福永委員
  • (事務局)藤原、上山(オブザーバー)阿部協働コーディネーター
  • (意見交換)土木交通部監理課 森野参事(同部企画員)
  • 配付資料
  • 資料A:「平成19年10月25日ボード提言」に関する対応状況
  • 資料B:平成19年度協働事業調査の結果概要/H19-20NPO協働事業・H20多様な主体との協働事業一覧
  • 資料C:平成21年度多様な主体との協働関連事業の予算見積状況(取扱注意)
  • 資料D:「滋賀県協働提案制度の創設に関する提言書」(平成21年1月6日・滋賀県協働提案制度検討委員会)
  • 資料E:「市民活動支援を考える研究会」報告案の骨子
  • 資料F:「公共事業において協働を進めるための提案」(平成20年9月・しが協働推進ボード)
  • 資料G:〃に対する検討結果(平成20年11月27日土木交通部)
  • 資料H:農業農村整備事業における住民参加の取組(農政水産部耕地課)
  • 当日資料1:参加型公共文化施設計画・京エコロジーセンター・奈良県上牧町事例・IBAエムシャーパークプロジェクトの事例(委員提供資料)
  • 当日資料2:協働推進指針の策定について(協働コーディネーター提案資料)

1.「平成19年10月25日ボード提言」に関する第2回ボード以降の対応状況

人事異動による県委員紹介の後、事務局から資料A~Dに基づいて説明した。

<主な発言>

事務局:統一テーマによる職場研修では、所属によってはかなり否定的な意見に終始していて、NPOに対する凝り固まった偏見で人材育成指導員が誘導している事例があった。また、県が協働を進めようとするのは財政的な理由で苦しくなったからであり、行政側の都合ではないかという意見が多かった。ただ、一つ良かったのは、一人でも協働事業の経験者やNPO活動を行っている職員がいる所属では、その人の発表によって、他の職員の理解がクリアになっているという研修結果も出ている。
協働コーディネーター:研修の難しさだが、職場研修をすることは良いことだが、“研修が終わりました”だけになる。自分には関係ないとか、そんなことをやらなくても仕事上は困らない。もう少し、協働型県政に変えるということが何なのかを言い続けないといけない。管理職の役割だと思う。職員の中に、プランニングはまだ職員の専権事項という思いがある。コラボレーションという言葉が一緒に汗を流すという意味になると、どうしてもそうなる。そうではなくて、一緒に作り上げるとか、そういうところまで行かないと、多分進まない。
委員:いろんな団体や県民から提案を受けた事業をやるために、今まで自分たちが計画して積み上げてきた事業をやめないといけない。そうすると、これまでやってきたことを否定されていると受け止めるのではないか。そういう観点でものを見ると、なかなか受け入れたくないという意識がある感じである。協働によって成功体験をもっと積み上げる必要がある。

2.「市民活動支援を考える研究会」での検討状況

事務局から資料Eに基づいて説明した。

<主な発言>

委員:市町村がまちづくりを推進するなかで、NPO・まちづくりに関する情報について大変困っているようだ。やはりシンクタンク機能は必要ではないか。地縁型のコミュニティと地域全体のコミュニティにつながりをもたせるにはどうしたらよいか。どこがまとめ役として推進していくか。多様な目的意識を持った団体、NPO以外の自治会組織やまちづくり推進協議会も立ち上がっていって、そういうものも含めて、市民活動というひとくくりにしながらこれを推進していく必要があるのではないか。そのなかで、どのようにお互いに役割を分担しながら明確化するかというのがポイントである。
委員:市民センターを支援するのは相当難しい。具体的にどう支援するのか、そこが最大のポイントである。
委員:市町村域のセンターに直接県が何をすべきかというのは難しい。
協働コーディネーター:県と違って、まだ滋賀県内の市町村域ではNPOへの委託がほとんどない。実際に事業が動き出すとサポートできるのだが、団体にニーズがないのかもしれない。

3.「公共事業において協働を進めるための提案」に対する土木交通部の回答に関する意見交換(農政水産部に関する報告も含む。)

土木交通部から資料F、Gに基づいて説明があった。

<主な発言>

協働コーディネーター:モデルぐらいはできないかという思いはある。直接NPOに委託することまでは言っていないので、コンサルタントにNPOと組んでやるとかなら、指名の条件にも関係ないしできないか。
土木交通部:下笠道で開かずの踏切があって、その対策としてのJR立体交差化事業では、計画の段階で利用者、高齢者、障害者の方々に、橋梁形式か地下道形式かのアンケートをとった。また、地域のワーキングや検討委員会の意見を聞いて、計画、設計段階から参加してもらった。そういう意味では、皆さんに取り組んでもらったということから愛着を持ってもらっている。草津の地下道のミュージアムでも、もともと落書きがしてあったが、県が一方的にしたのではだめで、地元に使ってもらうことを考えると、防止対策としては一番ソフトなやり方かと思う。今後もそういう方向であるべきかと思う。維持管理という意味では、管理者としてもメリットがある。地元の方にも喜んでもらえる。
協働コーディネーター:静岡県が公共事業で協働をうたっている。
委員:全国的にはいくらでも事例がある。
委員:「当日資料1」が今の議題に関連するので紹介したい。参加型公共文化施設ということで、市民に出てきてもらって、ワークショップをし、文化施設の位置づけを協議した中で、設計の段階から住民意見を集約して建設された事例が2つある。例えば岡崎市の場合、交流センターを、愛知産業大学の先生が基本設計から住民の意見を集約して取り組んだ。特に、この場合は地域の交流センターなので、単に施設づくり、ハコモノというだけでなく、子どもたちを含め、ひとづくりという観点で取り組んだと聞いている。ここで、住民参加の場合、特に進行役であるファシリテーターが大きなポイントである。推進役の指導力でスムーズに進行されると思う。
続いて、京都にあるエコロジーセンターだが、これは環境保全活動センターで、ここでもパートナーシップによる学習と活動ということで、計画段階から多くの市民が関わり、特にここでは、提案だけでなく評価にも参加しているところがポイントである。市民グループが今までに環境に関して関わってきたことを展示するスペースがあるが、経験をもとにしながら作られたということが特色である。特に、先ほど言った評価については、次のページに評価シートがあり、将来像を見据えながら、目的意識を明確にし、評価尺度を組み込みながら、中長期的な計画で実施されているのが大きな先進事例である。
続いて、奈良県の取組みである。奈良県の上牧町の総合保健施設で、住民投票で決定された事例である。それに似通ったのが、IBAエムシャーパークの事例である。これはドイツの事例だが、5、6年前にこのプロジェクトが来られ、大津で文化交流のシンポジウムを開催している。ここは、10年間で地域にある炭坑が廃坑になって経済も疲弊したものを再興したいということで、第3セクター方式で行った。民間主導でプロジェクトチームをつくり、自然環境を保全しながら、住環境の快適化、産業振興を図り、廃坑になった建物をイノベーションと言って工場を博物館に用途変更したり、レストランや文化施設にしたりした。今ある既存の建物を有効に使った。特に、ドイツ政府自身が産業遺産に対して文化的価値を高めようという国策もあって、エコロジーとエコノミーを考え、単なる観光振興ではなく、住みよい住環境もつくりながら、文化遺産を守っていった。そこでの住民の関わりは、世界に呼びかけてプロポーザルし、それを展覧会方式として貼り出しながら良いものを住民が投票し、チェックし、意見を聞いて、住民参画型のまちづくりで取り組んだ。そこにNPOが関わった。いろんなセクターが協働しながら作られた。事業費が新築よりもかなり利口にできたと聞いている。かつ、現在ある資源を有効に使って住環境にも配慮している。こういった発想が世界的に広がると感じた。
県内では、八幡商業高校の事例はヴォーリズ建築なので、限られた文化遺産でもあり、建築課から県民にPRしたいという強い思いもあり、NPOに委託をいただいた。県民がイベント的に参加しながら、タイルを貼ってほしいというイベント的な委託を受けた実績がある。
もうひとつは、近江八幡市から受けた。八幡公民館事業を民間ベースで運営し、住民自治のまちづくりを発信しようということで、公民館づくりに住民が参加しながら愛着が持てる公民館にしようということで、市民が建築に関わった。歴史の道をつくったのだが、デザインタイル貼りをしようということになった。子どもから年配まで参加して直接ハードに関わった。子どもが大人になっても愛着を持つという仕掛けを図った。
委員:建築と土木では状況が違う。都市計画ともまた違う。都市計画は都市計画区域内だが、広域になると、農村、森林が入るとまた違う。でも、我々はまちづくりとしてはそんなことに関係なく、生活単位で動く。そこをどう組み立てるかによって、そこで関わる課が変わってくる。土木と建築は発想が違う。構造計算ひとつとっても考え方が違う。土木には土木の参加の仕方がある。そのあたりの共通理解が必要かもしれない。
もう一つは、計画と工事と管理というふうにざっくり分けると、計画段階の参加はまだまだできる。それがうまくいかないのは、参加の質がまだまだ問われていないから。コンサルタント会社にしか委託できない現状だが、コンサルタントもピンからきりまでであり、ワークショップを一生懸命やっているところもあるし、苦手なところもある。そこをひとつの評価軸にすることはできると思う。組む相手を強化しないといけない。NPOだったらどこでも良いというわけではない。年に1、2本でいいのでやってもらって、こういう審査の仕方が要るなあということを経験したりすると、計画の質を上げることができる。使って守ってもらうということが大事で、意見だけ言って何もしないのがざらにあるから、ある意味ではワークショップの失敗である。ちょっとでも関わったら一生懸命になる。そういう事例を作っていき、参加の質を高める必要がある。管理に関しては良くなっていくと思う。
委員:NPOとしても業者としても関わったことがあるが、一番に思ったのは、住民には思いがあるということである。生活、暮らしにも関わるのでよく御存じであり、意外と見ている。道路、水路もそうだし、暮らしに近い視点で見ている。業者的感覚で見ると頭に入っていない。時間がかかっても、話し合いをして理解してもらう。コンサルタントにNPOが関わって、協働の仕組みを少しずつつくる。仕様書づくりに活かすことが、手始めとして協働の突破口になるかと思う。一方で、作り手が社会やまちに目を向けていない。設計者にもそういうところがある。まちに勇気をもって出て行く。これから重要かと思う。
委員:建築では図面契約だからどう作るかは載せられる。無理にでもやっているうちに業者は格が上がるから、それが評価になる。土木工事ではそういうことが評価になっているかが問題である。発注段階で制度上載せられない。例えば、数字と単価があってスペックが決まるが、住民の意見を聞いても聞かなくても同じである。諸経費でやってくれたら載るというのと、もうひとつは採点である。社会性で載るだけでも違う。現場にとっては費用負担だから、工期は延びるし損をする。建築にはその要素が始めからあるが、土木には施主とやり取りしながらやるという、そういう発想がない。それは規模の問題もあるが、文化や制度が違う。その違いを乗り越えてできれば、土木の世界にもあった方がいいなと思う。制度として積算に組み込めるかということがモチベーションとして湧いてくれば、業者も一生懸命やると思う。そこが少し入ってくると、理念としての協働から一歩前に行く。手間を見てはどうか。積算を5%でも見る。その代わり審査を厳しくすればよい。図面の見直しは、土木は積算までさかのぼって全部見るから、ある意味では変更契約になる。住民の協議でまた変更になる。それを手間と思わずにやる。
事務局:土木と建築の違いという話と関連して、“農業土木関連も聞いてほしい”との宿題をいただいた。資料Hに基づき、耕地課から協働コーディネーターに話を聞いていただいた。
協働コーディネーター:農業土木の場合、基本的には公共施設ではない。農地、ため池だから違う。位置づけが同じ公共事業でも違う。ただ、県がまだ集落に直接入り込んでいる。直接施工もやっている。ソフトに関しては、提案公募もやっていて進んでいる。協働の質は別にして。工事についても、直接入って意見を聞いている。昔からそうだと思う。
委員:意見を聞くのは、昔は直接の農業者、権利者だけだったが、今は幅が広くなった。環境系の方とか非農家も入っている。業者も随分変わっているし、どう差別化するかという点では一生懸命考えている。
委員:市民意識、公共的な意識もボトムアップすることが大事である。なぜそういうことをするのか、意義も大事である。時間がかかるからやめようとなりがちだが、成功事例が出てきて検証しておくことが重要である。それをまたフィードバックし、活かしていく。積み上げにつながる。
事務局:土木交通部のヒアリングで、「先進事例を聞きたい」と言っておられた。近隣でいろいろあるだろうか?委員:ここらへんでいうと、三重県、宮川だとかが熱心である。住民が一緒になってやっている。激特事業 (激甚災害対策特別緊急事業)があったからである。参考にしてほしい。
土木交通部:いずれも、維持管理委託の範囲か?工事は無理である。
委員:計画段階で、例えば激特事業ではまちづくりと一体化するから意見が言いやすいとか、その後の利用の仕方、親水区間をどう作るかとかをプラン段階で一緒に議論しながら、計画を作っている。実際の施工はかなり大規模だから業者だが、逆に今度はいくつか出来上がってくると、河川敷公園の管理にしても、その他も地域の方々が管理するケースが多い。そうすると、あとの利用にも知恵が出てくる。計画時点で県と住民の間にNPOが入っているケースは、全国的にいくつもある。
事務局:“どういうNPOがあるのかも分かりづらい”“分かる術もない”という声を土木交通部のヒアリングで聞いた。
土木交通部:情報が問題で、NPOの情報が不足している。コンサルタントに紹介もできない。
委員:残念ながら、滋賀県にはない。
委員:一本仕事を作った方が良い。プロポーザルをやればいい。
委員:残念ながら、滋賀のここで地元のことがわかっていてワークショップできるコンサルタントがいない。
土木交通部:補助事業には会計検査があり、なかなか難しい。
委員:むしろ、検査前提でそれ向けのスペックにして、なおかつ地域の知恵が生きるというのが本来の土木事業だと思う。
事務局:今後も情報交換の機会があればいいと思う。ボードは今日で終わるが、橋渡しをしたい。
委員:土木が変われば、県庁は変わる。

4.今後の協働推進について

事務局:話は尽きないが、今日で協働推進ボードは終わりである。よって、議題の4として、今後の協働推進についてということでフリーに話してもらえればと思う。「当日資料2」について御説明願いたい。
協働コーディネーター:“多様な主体との協働”と言い出した。協働提案制度ができるが、それで協働が進むということではない。指針が必要だと思う。ベースはモデル研究会の報告書で、これをNPOだけでなくもうちょっと広げる。特に、実施計画でしっかり書き込んではどうかと思う。もう一つは、ボードがなくなるのは具体的に議論する場がなくなるということだが、評価という面では協働が進んでいるかというチェックが必要だから、第三者的に見てもらう機関が必要かと思う。
委員:趣旨は分かる。評価しようと思うと指針がないといけない。定期的な場にするのか、個別にアドバイザー制度にするか。
委員:イメージ的には応援団か。
委員:当然、提案制度での評価も必要である。それ以外の事業も評価していく。提案制度は全部の職場を協働に巻き込む意味合いは持てる。
委員:理解してからやるのは無理である。やってもらわなくては仕方がない。今の仕事から見たらうっとうしいだろう。反発が出たのは良いことだ。そういう意味では、上からの見地で意見を言うのは必要かもしれない。
委員:県側の自己評価、相手方の自己評価があるが、それぞれ思いがある。別の視点で違う人が見て、この事業を見てこれはこうなのではないかということであれば、話が聞けるのかなと思うし、どうしても要るのかなと思う。
委員:客観的な目は大事である。
事務局:“多様な主体の協働”と言っているから、今まで作ってきたNPOとの協働の原則が全て適用できるのかどうかという点もある。手を広げているからこそ難しいことも見えてきた。
委員:NPOだけだとすぐに行き詰まる。地域コミュニティもある。現場はそうなっている。
委員:もうひとつは、事業をやって評価しても県民が知らないことが多い。そこをどうつなげていくか。まちづくり協議会を巻き込むべきである。
委員:協働の濃度をどうするか、濃度の出し方は難しいと思う。第三者評価ならどういう人の意見かで違ってくる。どういう人が来るかが楽しみだ。
委員:来年度に向けては提案型事業を完成させていく。職員の意識は大きい。でも研修だけでは無理であり、仕事を通して変えるのが早い。そういう意味で、提案型事業で完成形にもっていって、評価の話等をしていきたい。
事務局:今年度は3回という少ない回数の協働推進ボードだったが、本当に“ありがとうございました”というひと言に尽きる。御縁は続きますので、今後もよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

参考資料

情報掲載日:2009年03月27日
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滋賀県県民活動課NPO・協働推進担当

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滋賀県総合企画部県民活動生活課
電話番号:077-528-4633
FAX番号:077-528-4838
メールアドレス:cd00@pref.shiga.lg.jp
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