協働を進める取り組み

ラウンドテーブルしが

第27回「協働による公共施設の運営と利活用について」協議概要

開会

県民活動課から「ラウンドテーブルしが」とテーマの趣旨および会議運営ルールの説明

出席者

  • NPO・関連団体等関係者
  • 特定非営利活動法人 HCCグループ 高峯 陽子氏
  • 特定非営利活動法人 おおつ市民協働ネット 森川 稔氏
  • 特定非営利活動法人 経営支援リエゾンオフィス 中出 弘一郎氏
  • 草津コミュニティ支援センター 目野 輝人氏
  • 東近江NPOセンター 田中 佑希子氏
  • 世話人
  • 特定非営利活動法人 市民がささえる市民活動ネットワーク滋賀 阿部 圭宏氏
  • 淡海ネットワークセンター おうみ未来塾2期生 鬼塚 孝治氏
  • 行政職員・事務局
  • 米原市 政策秘書課 大塚 祐司氏、武藤 梨加氏
  • 滋賀県 県民活動課 上山 輝幸、松永 隆士、小寺 隆志

協議結果

今回は「協働による公共施設の運営と利活用について」というテーマで、冒頭のラウンドテーブル世話人からの話題提供に基づき、様々な視点から課題を抽出し、今後のあり方について意見を出し合った。
ここで、多くの意見を出していただいた結果、公共施設の運営を担っているNPO、関係団体の方々が日頃苦慮されている様々な実態が浮き彫りにされ、管理運営を任せている行政にとっては、少々耳が痛いコメントも多く出された。また一方で、運営者の皆さんが、施設をより有効に活用するために日々色々な工夫をされていることも知ることができた。
しかしそれらは、全体のほんの一部に過ぎず、今後は、公共施設を実際に管理運営されている団体の方々と施設を所管する行政の職員が、頻繁かつ率直に情報交換・意見交換していくことが大切であると感じた。
なお、今回は公共施設を利用する立場の人たちの意見を聴くことができなかったことから、改めてこのような機会を設ける時は、運営に携わる方と行政関係者だけでなく、利用者としての住民の方々も交えた三者で話し合いができればと考えている。

協議内容(概要)

【話題提供】

世話人の阿部氏から、公共施設に係る管理運営の現状と問題点などについて説明。

  • 現在の管理運営の難しい問題としては、単に公共施設といっても幅広く、今日来ていただいている参加者の皆さんの団体のように、主にソフト事業を提供・展開されているところから、駐車場・駐輪場などの専らハードを管理するものまであり、また、施設の規模についても、年間数億円の管理費が必要とされるホールから、小規模の施設までがある。これらが各自治体では、一本の仕組みの中で同じような基準で十把一絡げに対応されている面がある。
  • 指定管理者制度については、改めて何を目的に導入されたのかについて立ち返って考える必要があるし、施設の設置目的に合致した管理運営が本当になされているのか、それに見合った指定管理の出し方になっているのか、もう一度考えていく必要がある。制度自体に無理が生じている場合もあるし、実際、無理をして指定管理者になってしまったけれども大変だ、という話も聞く。ここには、ある種の公共を担っていくという難しさがある。
  • 行政の評価を見ていると、指定管理を導入したことによりコストが安くなったというのを第一の評価にしている所が結構多い。県内はともかくとして、全国的に見ると、「安かろう悪かろう」というのが実際にたくさんある。
  • 行政側の問題としては、制度全般の一義的な窓口は行政改革の担当課が担っているケースが多いが、個別の施設の担当部署は別にあり、そこが施設管理の責任を持ち、どのような形で指定管理を出していくかを考えていく、ということになっている。その中で、施設をどうしていくかという戦略が十分に構築できていないケースがある。
  • また一つの問題は、施設の制度設計、どう活用していくのかというビジョンが、行政のみで考えられて、それに対して市民が疎外感を抱く場合が多いことである。本当は、このような時代なので、古い施設については、施設をつくった当初の設置目的が今のままでよいのか、場合によっては、施設の設置目的変更なども考えていくべきであるが、なかなかそこまでされていないのが現状である。
【ラウンドテーブル】
公共施設の運営に関する現状と問題点について

NPOほか:当NPOは、会計に強い理事長を中心に、定年後の者が中小企業の支援を行う、ということで集まり、設立した。そんな中で指定管理の話があって、経営管理、NPO立ち上げの相談にも乗ることができるということで、手を挙げた。講習、コンサルタントをすると同時に、まちの活性化を狙っている。イベント等では、既存の地域の関係団体との協働に加えて、NPO等とも連携をしないといけないという意識を持っている。
NPOほか:当団体の運営施設は、近年リニューアルしたものであり、建物自体は10年以上前からある。以前は子どものための施設で自治体が直営していたが、施設の位置づけも変わった。市街地の拠点施設として、観光・商業・世代間交流の施設としてリニューアルオープンした。委託料(指定管理料)は市直営の時と同じくらいの金額である。施設の目的が変わったにも関わらず指定管理料は同じ水準で、事業費の部分が安い。また、自治体が施設に対して何を求めているのか、ビジョンや評価軸が曖昧である。NPO側から見ると、指定管理という大きな事業を受けたことで事務所的な拠点を得て、最低限の職員の人件費をもらうことができるというメリットはあるが、指定管理を通じて施設の設置目的に沿った十分な役割が果たせているかというと、まだまだであると感じている。
NPOほか:当団体が運営している施設は、当初は商業施設だったが、テナントがどんどん撤退していく中で、そこをどうすべきかということが自治体の課題になっていた。そこで、公共公益活動の拠点としようと位置づけがなされ、市民活動のセンターを実験的に運営した。利用状況を踏まえて、行政がこれは必要であると判断し、自治体担当者の熱心さもあって実現できた。
行政:自治体の財政状況が厳しい中、熱意のある担当職員がいるかいないかに懸かっている状況がある。
世話人:皆さん、料金や運営体制などの話はいかがか?NPOほか:当施設の利用料金は非常に安く人気があり、多くの人が出入りしており、稼働率はかなり高い。しかしながら、指定管理の条項で料金は勝手に値上げできない。行政の許可がいるという仕様書になっている。
NPOほか:当施設は、夜遅くまで開けているが、毎日遅くまで開けておく必要があるのか疑問を感じている。
世話人:閉館時間が早いのと遅いのとでは、働いている側にとっては全然違う。あまりお客さんがない中で開けているのが一番辛い。
NPOほか:運営開始当初、みんなで議論したときは遅くまで開けるべきと思っていた。当時、私自身は市民活動はもっと活発になるだろうと思っていた。あのころは熱気があった。あれから市民活動は右肩上がりではなく横ばいと感じている。当時は夜遅くてもワイワイと賑わうだろうと思っていた。あのときの勢いが無くなっている。不景気もあって、そういう状況ではなくなってきたというのも一つある。
世話人:お金が回っていかない。外から見たとき元気の無さを感じる。例えば、NPO法人数自体は増えているのだが、最近はセンターを利用せず自分達でやるという所が増えてきている。ある意味「自立」とまでは言えないが。情報が得られる所も増えてきた。このような中で遅くまで働いている側はしんどい。
NPOほか:協働による公共施設の管理運営というテーマだが、指定管理というのはNPOの財源としては非常に大きい。我々も施設の指定管理をやることによって、地元の若い人材が育ってほしいと思っているが、現実的には経費の問題がある。今の経費では、常勤で若い人が入って、そこそこの給料をもらうというのは無理。自治体財政が厳しいので難しいのは分かっているが、それは行政にも提言しないといけない。今のままでは指定管理者制度そのもの、地域の市民活動を支える人材を育てる、という意味では現在の指定管理料ではいかがなものかと思っている。
世話人:自助努力という面では、指定管理を受けている施設を活用して金を生み出すということが考えられる。貸館の利用率を高める以外にも、有料で講座をやるとか。そういうのはどれくらいあるか。
NPOほか:会計、NPO法人制度、コミュニティビジネス、パソコンなどの講座をやっているが、最近は無料では実施しない。ワンコイン500円をいただいて、参加者にコーヒーを一杯提供するなどしている。事業としては、収支均衡より少し赤字くらいである。

施設の運営者と行政との関係等に係る現状・問題点について

世話人:運営をされている中で、数値戦略や管理目標は持っておられるか。
NPOほか:自分たち自身のやり方については、私自身も経営のアドバイザーとして講演、指導をしている。自分たちのセンターのミッション、3~5年後のビジョンを議論した。自分たちがやっていくべき理想の姿を明確にして、課題について年度ごとの目標を立てている。施設利用の促進等、項目ごと、年度ごとに出して、具体的な年度の計画に結びつけている。その中では、市民活動関係の利用をもっと増やしたいと考えている。
世話人:よくあるのは、指定管理の初回で指定管理者が頑張ってコストダウンした結果、行政が2回目の公募に当たって、予算が厳しいのでもっと落とすということである。
NPOほか:行政側も、財政担当部署と施設所管課との調整の関係などもある。
世話人:経済全体で考えると、ますます厳しくなっており、経済を回すためには国としては財政出動しないといけないのに、事業仕分けなどにより、ますますお金が動かなくなっている。自治体が財源不足になるのは明らかである。自治体がお金を増やしていくために、お年寄りなどがまちなかに出て来るしくみづくりという意味での指定管理者制度の運用を、戦略的に行う必要がある。
NPOほか:指定管理者制度は、一つは民間の知恵を活かそう、そして経費の削減をしましよう、という発想から生まれたはずであるが、行政は経費の削減ばかり考えていて、我々は不満である。NPO法人に指定管理させることでどのようなメリットがあるのかが、あまり見えてきていない。市民活動団体がやるという良さを、なんとか活かせるような形の指定管理者制度の方法はないのか、そういうことを思っている。
世話人:何でも競争させていいのか、市民活動センターに民間企業を参入させていいのかという問題がある。NPOらしさをそこで活かすのであれば、NPO限定で公募することなども考えられる。必ずしもお金の話だけではない。
世話人:外部評価の結果などがあまり出てきていないのが問題である。使う側からすれば今まで通り行政がやっているのかと思う。そう思われるのは、行政よりももっと良い運営をやり、ノウハウも持っている指定管理者は、気分が悪いと思う。
その中で他の指定管理をやっているところと、もう少しスクラムを組んで言っていく必要がある。また、色々な意味でNPO同士でノウハウ交換をやる必要がある。2回目の公募時ははどのような戦略でいくか、など。行政が募集要項を出す前に申し入れをするとか、行政に働きかけて先手を打つことも考えられる。
NPOほか:気になっているのは、2回目になったら行政が値切ってくる可能性が高いことである。今から色々な段階で話し合いをする必要がある。
NPOほか:当団体は、肝心のお金の話は行政とは議論していない。今から思うと早めに出しておくべきだった。
世話人:指定管理者制度が始まるとき、どうなるか見えなかった。今は、ある程度成果も見えており、それを評価しないといけない。賢い自治体だと、ノウハウを持っているところにうちに来て運営して欲しい、ということになる。
世話人:行政が監査する立場の方も含めて指定管理の仕組みを十分にわかっていないことが多い。色々な意味でもっと勉強しないといけない。

まとめ

NPOほか:行政との協働がこれでいいのかと感じている。今後、行政の担当課とのタイアップを密にしていかないといけない。このような中で、公設公営でやれていなかったことが少しずつできてきて、なんとか数年経って前進してきた。
行政:もっと行政に言ってもらっていいと思う。生の声として聞きたいし、そこから協働が始まる。言われないとわからないこともある。行政側の抱える課題として、確かに従来型の委託と似たような感覚も残っていると思う。
行政:今日は、実際に施設を運営されているNPO等から公共施設の管理運営に対する色々な意見を聞かせていただいた。今後指定管理を進める中で、そういった声も踏まえて、必要に応じて聞く機会を持ちながら所管施設の運営に活かしていきたい。
NPOほか:一つは施設管理の制度そのものを、行政も含めてどうあるべきか勉強して、意見交換していかないといけない。市民活動のセンターは単なる施設ではなく機能である。単なる場所ではなく機能としてどういう役割を果たしていくか、改めて考えていく段階にある。今日来ていない県内の団体もあるので、またこういう機会を設けていただきたい。
世話人:今の若い世代が置かれている状況があまりにもひどい。指定管理に出すときの人件費もそれで食べていけるような状況にしないといけない。また、団塊の世代、リタイアされた方を、まちに引っ張り出す仕組みが地域の活気につながっていく。そういう意味で施設の管理運営のノウハウを持った団体をどのように支援していくか、そのような仕組みが必要である。
世話人:市民の中でも、公共施設の管理運営をやっている人、指定管理者になろうとしている人は、もっと勉強してほしい。関係者がお互いに協力してより良いものを作り上げていくべきである。公共施設の管理は身近になったが、このようなことを話し合える場が無く、ラウンドテーブルでも今まで取り上げたことが無かった。さらに、もう少し幅広い議論をしようと思うと、市民活動支援センターのネットワークを活用することも考えられると思う。
情報掲載日 2009年10月05日
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