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協働を進める取り組み

ラウンドテーブルしが

第23回「甲賀地域の特性を活かした地場産品・産業の情報発信などについて」協議概要

  • 期日:平成21年(2009年)3月3日(火曜日)
  • 時間:14時00分~16時00分
  • 場所:滋賀県甲賀県事務所4階 4A会議室
  • テーマ:「甲賀地域の特性を活かした地場産品・産業の情報発信などについて」

開会

県民活動課から「ラウンドテーブルしが」とテーマの趣旨および会議運営ルールの説明

出席者

  • NPO・関連団体等関係者
  • 甲賀郡農業協同組合 北田 松司氏
  • 多賀町商工会 西澤 哲氏
  • 特定非営利活動法人 淡海地球環境研究会 大矢 浩司氏
  • 特定非営利活動法人 環境と農業の融合を考える会 鹿深の杜 南 治 氏
  • 特定非営利活動法人 環境と農業の融合を考える会 鹿深の杜 墨田 利晃氏
  • 特定非営利活動法人 甲賀の環境・里山元気会 松本 源吉氏
  • 特定非営利活動法人 甲賀文化輝き 松島 津由子氏
  • 特定非営利活動法人 甲賀文化輝き 松島 烈 氏
  • 特定非営利活動法人 瀬田川リバプレ隊 冨岡 親憲氏
  • 特定非営利活動法人 歴史の道 東海道宿駅会議 福井 真理氏
  • 農業法人 有限会社甲賀もち工房 河合 定郎氏
  • 淡海ネットワークセンターおうみ未来塾9期生・甲賀水源の自然を守る会 片山 慈敏氏
  • 甲賀忍術研究会 渡辺 俊経氏
  • 信楽歴史街道をたずねる会 水谷 光明氏
  • しがらき狸学会 大平 正道氏
  • 稚木の会 糸井 豊美氏
  • 世話人
  • 特定非営利活動法人 市民がささえる市民活動ネットワーク滋賀 阿部 圭宏氏
  • 特定非営利活動法人 おうみNPO政策ネットワーク 仲野 優子氏
  • 淡海ネットワークセンターおうみ未来塾2期生 鬼塚 孝治氏
  • 行政職員・事務局
  • 甲賀市 市民活動推進課 築島 照和氏
  • 滋賀県南部振興局甲賀県事務所農産普及課 三添 美紀代
  • 滋賀県南部振興局甲賀県事務所農産普及課 忠谷 浩司
  • 滋賀県南部振興局甲賀県事務所農産普及課 川村 藤夫
  • 滋賀県南部振興局甲賀県事務所田園振興課 橋本 進
  • 滋賀県県民文化生活部県民活動課 上山 輝幸、松永 隆士

協議結果

今回は、「甲賀地域の特性を活かした地場産品・産業の情報発信などについて」というテーマで、冒頭の県事務所事業担当課からの関連施策説明と多賀町商工会の方による参考事例の情報提供に基づいて、様々な視点から課題を抽出し、今後のあり方について意見を出し合った。
この中で、出席者の皆さんから多くの意見を出していただいた結果、甲賀地域が抱えている共通の課題が浮かび上がってきた。
それは、甲賀地域には、非常に魅力的で特色のある地域資源が多くあるが、旧町エリア同士の連携や地域全体のコーディネートが不十分であるということである。
つまり、「忍者」、「東海道」、「信楽焼」、「茶」、「薬」など極めて豊富な歴史、文化、産業の資源があるにもかかわらず、他地域と比べて「甲賀地域」を一つにまとめるキーワードが今のところ無く、県(圏)外から来る人に地域を紹介するための十分な連携や情報整理・情報発信ができていない。このために、各町それぞれが特色のある地域づくりを引き続き進めていただくことと並行して、甲賀地域全体でするべきことや出来ることの抽出、見極めをするコーディネーターの存在の必要性が唱えられた。
また、今回のラウンドテーブルのような、NPO、関係団体、企業、行政などの多様な主体が、地域共通の課題について話し合い、ネットワークを築いていくための場が、常に必要とされていることを実感した。
しかしながら、今後もラウンドテーブルに出席された皆さんをはじめとする、甲賀地域のまちづくりにかける熱い思いを持った多くの方々の知恵が活かされ実行力が発揮されれば、元々様々な面で恵まれた環境にある甲賀地域は、昨年2月の新名神高速道路開通を契機として、より一層の発展が期待できるものと思われる。

協議内容(概要)

【話題提供】
(その1)

県南部振興局農産普及課から、県の施策・事業等の概要を説明。

  • 甲賀では現場で農業者と直接相対してアドバイスや、農業者の自立のお手伝いをさせていただいており、協働で取り組むことができた事例を少し紹介する。
  • 1点目は、「『おいしが うれしが』キャンペーン」という地産地消の取り組みをセブンイレブンジャパンと県との包括協定などで行っている。「滋賀の恵み弁当」で使う材料を滋賀県にしかない物で探していたところ、県庁を介して地元の現場とも連携をとり、甲賀の伝統野菜「下田なす」を材料として使用していただいた。
  • 2点目は、地産地消とともに農業から発信していく食育に取り組もうということで、「甲賀・湖南食育推進協議会」を立ち上げている。同協議会では、学校給食に食材を提供する活動をする「生産部会」、学校教育における食文化継承や農業体験活動を行う「学校活動部会」がある。主に教育委員会が中心になるが、子育てを支援するグループの協力を得て活動を進めている。もう一つは、各地域・家庭における食育啓発活動を行う「地域活動部会」がある。主に健康福祉を担当されているところや、医師会、薬剤師会、調理師会、健康推進員にも参画いただいて、色々な立場から食育を推進していこうとしている。また、「食育畑」という場を設けて学校給食を通じ
  • 最後に、「産官連携」による「近江米めん」の開発なども「甲賀もち工房」を中心に行っていただいている。
(その2)

多賀町商工会から、甲賀地域における参考事例として、多賀町における地域活性化事業等の概要を説明。

  • 多賀では、おもてなしの気持ちで町をつくっていこうとしている。町内では既存の縦割りの組織がある中で様々なグループが活動している。
  • 「自立(律)」と「持続」をキーワードとして進めてきた。NPO法人が地域でのつなぎ役を担っている。
  • 紹介する事例としては、1「古民家の活用」、2「ITサポート・情報発信」、3「農林資源の活用」、4「産学連携の取り組み『多賀タウンプロジェクト』」がある。
  • これらの取り組みは、10年ぐらい前から自然発生的に盛り上がってきた。
1「古民家の活用」について
  • 門前町では8つほどの古民家の活用をしている。地域資源、歴史資源等をどのように使うかを考え、生活者だけでなく、商業、福祉の機能も含めて、ギャラリー、休憩所、トイレ、喫茶店等をつくり、補助金をもらった事業以外では、地元住民に出資をいただいて運営している。そこにはまちづくりの専門家等シンクタンク的な役割の人や、商業、農業等のキーパーソンがおられる。また「絵馬参号館」では、地元の主婦と学生で「藝やCafe」を運営し、市民活動・コミュニティの拠点となっている。
  • また、門前町だけでなく、そこからさらに賑わいを拡げていきたいと思っている。近江鉄道の駅から多賀大社までの通りを「絵馬通り」と名前を変えたが、古い参道に入ってもらって地域の情報発信に取り組んでいきたい。
  • 商店街や点在している古民家を通じて「農」と「観光」を連携させるため、農家、NPO法人を主体に田舎暮らしの提案や、授産施設等での米粉を使ったパンづくりなども行っている。なお、多賀は歌舞伎や狂言のルーツとなった文化資源である「猿楽」の発祥の地であり、これの活用も図っている。
  • もうひとつは農山村地域であるが、多賀は彦根と強いつながりがあり、井伊家と関わりのある「一圓屋敷」を管理している。河内の風穴に入る所に多賀「里の駅」があり、「野鳥の森」の運営と「そば」の取り組みとを一体的に取り組もうとしている。また、「多賀クラブ」という地元で30年くらい農業をされている女性の団体も立ち上がっている。里の駅の案内や毎月大きなイベントをされており、一圓屋敷の実践的活用と多賀そばのブランド化にも取り組んでいる。
2「ITサポート・情報発信」について
  • NPO法人の協力をいただき立ち上げたIT社会におけるサポート組織として「Iスキップ」が国道307号沿いにある。ここでは地域のことを一番わかった人にやってもらえれば良いと考えている。
3「農林資源の活用」について
  • 多賀の「そば」が、先日の品評会では全国3位になった。山間地では白い花が咲いており、お客さんにたくさん来てほしいということで取り組みをしている。
  • 山の資源の活用では、多賀は90%が森林であり、「ききと」という組織で地域材の循環システムを作った。それから、もともと多賀に縁のあった人が、NPO法人モスグリーンEcoを設立し、CO2問題について多賀から発信していこうとしている。山の中で獣害があってどうしても作物が出来ない地域や、休耕田を使ってコケを栽培し、温暖化対策に貢献しようとしている。地域の資源をうまく使われており、都市部に対しても非常に役割を果たしている。
4「産学連携の取り組み『多賀タウンプロジェクト(TTP)』」について
  • 学生と産官の連携活動で、地元の「土」の人と、外から来られる「風」の人によって風土ができる、という捉まえ方で県立大学の学生がまちづくりに入っている。それぞれ活動の分野は違うが、こういった市民の活動がないと進まない。その意味で横の連携は大事である。
  • それぞれの学生は4年間しか関わらないのだが、非常にアイデアを持っている。ワークショップや間伐材を使って町を賑わせる取り組みなど。半分遊びの要素もあるかもしれないが、学生の新鮮な目で刺激を与えてくれる。純粋さや熱心さが、まちづくりの気運を高めている。
5 さいごに
  • サービスエリア(SA)の活用は非常に大きい。イルミネーションをして町との一体感を出したり、絵馬掛けをやっている。多賀そば、野菜、米の販売等もしている。町との一体感を大切にし、SAを多賀の町の一角として捉えている。また、SAから里山を通って多賀大社に行く道を作ろうとしている。地元の女性が観光案内人になろうという組織が出来つつある。
  • 精神論になるが、いかにまちづくりのモチベーションを上げていくか、気持ちをどう高めるかが大事。言葉だけではなく、極力、絵や写真によってイメージを伝えることを大切にしている。また、関係者間で揉めるのはスピード感やリズム感の違いであり、価値観だけでなくリズム感を大事にしないといけない。「~しなければならない。」から「~したい。」「~しよう。」へ持っていく。
  • 農商工連携、地産地消などの事業をしていくと、国の所管省庁は違うが、コアがしっかりしたら結構横断的に色々なメニューがある。
【ラウンドテーブル】
甲賀地域のさらなる活性化に向けた全般的な課題について

世話人:「ラウンドテーブルしが」の進行は世話人が持ち回りでしているが、今回のテーマについては、色々な場面で横の連携をされている多賀町での取り組みが参考になるかと思い、以前のご縁もあって商工会から来ていただいた。
また、自己紹介を通して色々なキーワードが出てきた。安全・安心、自律(立)、協働、地産地消、忍者、新名神、下田なす、食育、羽二重餅、お茶、ツリーハウス、ミュージカル、わりばし炭、農業法人、歴史、伝承、地域資源など。甲賀は多賀とすごく似ている部分があるということで話してもらった。個人的には、甲賀地域にはすごく資源があって、頑張っておられる方が多くいるが、横につながっていない感じがする。うまくつながると多賀以上の地域の活性化につながると思う。そういった観点から、こういうところが課題だとか、こういうことができたらいいなとか、地域課題として思っていることで、どなたか意見はないか?

NPOほか:多賀町商工会の話を聞いて、歴史が豊かだと思った。全体が一つのまとまりを持った地域の中でやっておられる。一方で、甲賀地域はそれぞれが独立した地域。一つずつの町における提案としては良いが、甲賀市に置き換えるとどうか。例えば、地元の町のことは知っているが、市内の他の町のことは、あまりわからない。
ところで、多賀では年間何日くらい賑わっているのか?

西澤氏:概ね正月の期間、地元の月1回のイベントの日、土日である。平日、特に月火水は非常に厳しい。地元あってのことなので地元のための取り組みという意味もある。本当に100日もない。

NPOほか:良い話を聞いたし真似たいとも思う。しかし、甲賀地域の場合は有名な神社などが分散してあるが、同じような形でまとめるのは難しい。

農産物を通じた地域活性化・情報発信について

NPOほか:農協を中心に団体として椎茸などの野菜を売らせてもらっている。よく売れるのだが、ここの良さを活かして売っていきたい気持ちがある。あとは、県で環境こだわり農産物のレッテルがもらえるのだが、面積が広くないと認められないと聞いた。そういう点も考えていただいて、地産地消の良い物を皆さんに買っていただくためであれば、(基準の見直しなども)考えてほしい。
NPOほか:地産地消の関係で色々な農産物を提供している中で、甲賀市の旧町単位で資源や歴史的なものがすごくたくさんある。ところが、それを甲賀市で一つに、というのが難しい。まず各町単位で資源の掘り起こしをして、色々なやり方で可能になるのでは。
配付資料にあるペットボトルの緑茶だが、環境こだわり農産物で琵琶湖をきれいにしようという取り組みの一環で、行政と地元の大手スーパーと農協、さらに淡海環境保全財団が関わっている。「近江三方よし」でなく、「五方よし」ということで、消費者の方にも喜んでもらえる取り組みでもあり、関心も高まって消費も伸びる。単に作ることだけでなく、色々な意味で連携を取るということが大事。今は連携した態勢で農産物の販売があまり出来ていないのが現状である。「食育畑」は商標も取っていて県とも協力しているが、次への糸口がなかなか見つからない。商工との連携がうまく取れないのが一番問題なのかなと思う。
NPOほか:多賀では今、協議会を立ち上げている。町内に、工業団地があるのだが、会社が一番に考えなければならないのは労働者の健康であり、地元で労働者の健康は任せてくれと言っている。農家の方と委託契約をして弁当屋で仕出しをやっていただき、みんなで食べている。環境こだわり農産物の認証やブランド化も大事だが、昼間人口が増えており、その人達の口コミでも拡がる。多賀の農家が健康を守る、と言うと結構買ってもらえる。
大きな会社でもリストラをされて社員食堂を閉めている所がある。それを狙っているのが大きな弁当屋やコンビニエンスストアである。
NPOほか:地元のお年寄りが作られたのだが形がいびつな物などは、安全でおいしく、それを食べたいと思う人も多い。それをやっているのが三重県の小山田村である。たくさんはないが大変繁盛し、地域活性化に非常につながっている。温泉に来る客だけが買っている。甲賀にはそのような仕組みが無い。使い分けをどうするのかが課題である。

文化などの地域資源を生かした情報発信とまちづくりについて

NPOほか:平成16年に合併したが甲賀市は恵まれていると思う。5つの町には非常に特色があり、それぞれの特色を生かしたまちづくりを目指してミュージカルを作った。しかし、あまりにも各町の特色があって、しかも守り過ぎる。先ほどの方も言われたが、すべてがそれぞれ独立のもとで完結している。それらを一つにつなごうとするならば、「文化」が必要。歴史もそうである。例えば、甲南町は忍者で有名だが、忍術屋敷と食文化を一緒にしていかに忍者を活かしていくか、などが地域の課題かと思う。
NPOほか:「忍者」というキーワードで、今は「忍術」に特化しているが、もう少し文化的な拡がりを、ということか?NPOほか:忍者を活かすならば、色々な手法がある。「忍者」「米」などのキーワードを活かしきれていない。各町が関連が無く独立したまちづくりをしているが、ここで「文化」という関連を持ったものを入れると連鎖を起こしていく。彦根は「ひこにゃん」で成功した。長浜には「黒壁」がある。甲賀には一つの大きなキーワードが無い。もっと具体化してそれを関連させることが良いのではないか。必ずしも忍者だけでなく、何かで活かせば良いと思う。
世話人:例えば、多賀では「絵馬」が地域をつないでいくツールとしてあったが。
NPOほか:3月20日に甲南ICができるのだが、甲賀市はやはり忍者であり、甲賀忍者は世界に通じる。でも、観光客が「ああ、忍者の町に来たな。」と感じるような、忍者が町の全体にはなっていない。バラバラなのはやむを得ない面もあるが、そろそろもう少し周辺に拡げて大きな枠で連携を図らないと、いつまでたっても甲賀市としてのテーマができてこない。
NPOほか:皆さんが横のつながりを言われており、私も10年前からそう思っているができていない。だったら横につながらなくてもいいのでは、と最近思っている。お互いを知って、それが横のつながりになるのかもしれないが、連携しなくてもバラバラで良い方法がないか、今模索している。何もかもが個々で、それが特色でもある。個々のままで何とかならないか? ずっと出来ていないのだから、もう良いかなと感じている。
世話人:甲賀は必ずしも横でつながらなくても、という意見があったが。
NPOほか:やはり、地域の特色を活かした文化や産業に関しては、地域の横のつながりが大事である。私がいる「東海道伝馬館」は土山の旧東海道沿いにあり、地域に役立つ場所にしたいと思っている。例えば場所を提供して地域コミュニティの拠点にしたり、特売品を販売したいとも考えている。場所があるのでできると思うが、提案するにあたっては、地元商店に不利益を及ぼしては駄目だし、道の駅との関係や、祭りの時の人の流れなど、色々な人が関わらないといけない。十何年も前から取り組んでいるが、このたび新名神が出来て、県外の観光客がかなり入って来ている。そういう人達のために、本当にもっと土山のことを知って欲しいと思っても、連携ができていなくて、すごく観てもらうところが少ない。例えば観光ボランティアにしても、土山と水口などとの連携はできていない。そういうことに対して、土山に来たら、甲南、水口のここがありますよ、といった、連携して全体でやることがあり、単独の町で出来ないこともある。今日の会議のように、皆が意見を出し合える場や、圏外に向けて発信していくためのコーディネーターが必要である。それが商工会の人だったり、農協の人だったり、どれが適切かなどを見極める人が必要。リーダーのような人がいないので、そこが問題。そういう人がいたら良いなと思う。
NPOほか:桜なら各町に良いものがあり、桜を観たいと言われると案内をするのだが、甲賀でそれがつながると素晴らしい。でも、実際に他から来た人にはわからない。せっかく良い町が5つあるのだから、例えば桜でつながって圏外に発信しても良い。それが産業、観光を踏まえた活性化にもつながる。今はつながるものが無いというのが現実である。
世話人:整理をすると、地域資源があるのにまとまって情報整理・発信がされていない、ということか。
NPOほか:各町が困らないから、それでいけるからである。また、交通の便も良く人口も多い。だから今のままで満足している。
世話人:そこに情報のコーディネーターがいれば、拡がりが出てくるのではないか。
NPOほか:地元の方々の意識改革も必要だと思う。
行政:旧の町ごとに「守り」に入られているという意識を感じた。各町で特徴的なものがあるのだが、観光協会や商工会もバラバラに動かれており、そういうところが来ていただいていると、通じるものがあって良かったのかと思った。
NPOほか:先日、某自治体の幹部を訪ねた時に、部屋の中に「八方美人は八方ふさがり」という言葉があった。我々は多くの資源を持っているが、八方美人になり過ぎていないか。一つひとつテーマを決めて、その中できちんとやっていかなければならない。例えば、観光客へのアンケート調査で地元の町に来た目的は?と聞くと、3分の1は、これといった目的が無く、ただその町に行きたかっただけ、という人である。その中でテーマに沿って、つながる仕組みをつくらないといけない。それがないと、「何が有る。」という形として見えてこない。
行政:甲賀は各地域の魅力がすごく豊かだが、行政がこの豊富な資源と課題を共有して、地域づくりの計画段階から住民が主体的に関わる仕組み、それを実行し検証してさらに発展させる仕組みが必要である。

地域間の連携や大学との連携について

NPOほか:大津から来たが、今琵琶湖の南湖で水草の問題が起きている。水草が多くて船が通らない。守山でもそういう問題が起きている。甲賀でこんなことを話しても仕方がないが、お互い情報交換というか、甲賀で色々なことを思っておられるのに、同じ滋賀県だけれど、全然そのようなことが大津に届いていない。一方、大津の問題は甲賀には届いていない。直接、面してはいないが、琵琶湖の問題は甲賀の人も協力しないと解決しない。甲賀の問題も大津で手伝えることもあるかもしれないが、伝わってこないので難しい。
NPOほか:行政も金が無く、何をやってもダメだと言うが、あまり言わない方が良い。そういう風潮になってきているが、もっと前向きに考えるべきである。
NPOほか:今、新名神が出来たので、これから中京や京阪神からは日帰り圏である。その中で、やはり地域のガイドは必要である。他市町は大学と連携しているが、甲賀では大学との連携は無いのか? 学生が入ってきたらコーディネーターになるかもしれない。
NPOほか:大学との連携は、要するに地域がどういう問題を抱えているか、それを大学とどういう連携・共有するかがはっきりしていないといけない。はっきりしているものがあって初めて大学に働きかけないと、「何を連携するの?」となってしまう。すぐ近くに龍谷大学や立命館大学があり、新名神ですぐ来られるのに連携できていないのは、「何を連携するのか」というテーマが無いからである。
NPOほか:横の連携では、今、甲賀調理師会では、てんぷら油を回収して公共バスを走らせようとしており、今度はさらに市の学校給食センターの油も集めて年間でドラム缶100本を集めようとしている。甲賀調理師会は、甲賀市、湖南市にまたがっているが、やはりトップの方に意識があれば、広範囲に連携して動かれると思う。
NPOほか:現状を言うと、皆さんそれぞれの意識が似ている。旧町単位で資源は豊富で困っていないが、横のつながりができていない。それを感じている。ただ、歴史的に各町色々豊富なものがあるから、それはそれでアピールすべきである。今、天ぷら油を活用するという取り組みは大事であるが、歴史的には、農協ならお茶などがあるのだが、それを消費につなげるのは難しい。農協としては、「甲賀は一つ」ということを合言葉にしてきており、県外のJAにも出したが、知名度では「甲賀」というと話が早い。次に「信楽」と言うとわかってもらえる。そういう名前は大事にしていきたいし、「東海道」もある。歴史を大事にして、その上で横の連携をどうするかについては、何かそれを一つにまとめられるような組織的なものがあれば、まだまだもっと協調してやっていけるのかと感じた。
世話人:多賀とは違った取り組みでこのようなことがある、という逆の視点で何かないか?NPOほか:先ほど言われたように、無理矢理横の連携をする必要も無いと感じる。何故かというと、まず昔からのまち、自分のまちを愛しているから、そういう意見が出てきたと思う。そこで良いところを磨いて補完すべきと思う。すごく誇りとエネルギーを持っている方がおられることがよく分かったので、それは認めて、つながりを作っていけば良いと思う。多賀は合併していないが、彦根や長浜と連携しており、つながりを作ることが大事。多賀には朝来られると、食事は長浜、彦根でされる。地域連携ではやむを得ない事情があり、より付加価値を付けることを考えている。それで補完関係とネットワークを作る上で、近隣の地域と、1,500年のまちは湖東三山、1,000年のまちが多賀大社、500年が彦根、300年が長浜、といった歴史街道の視点でお互いが出し合っている。例えば、甲賀には「忍者」があるので、それを基に各町毎に補完関係を見出していただければと思う。
いずれにしても本日の皆さんの熱意には圧倒された。
世話人:NPOの視点では、立命館大学でボランティアコーディネーター養成講座をやっていて、学生が各地域に出て行くプログラムがある。今しているのは自分たちの地域の文化を掘り起こして屏風絵にする取り組みである。
だから、皆さんが地域内で頑張るとともに、外へ出て行って情報を発信しなければ大学へは届かない。市が積極的に戦略的な包括協定等を結ぶのであれば可能性はあると思う。今日は県の主催事業だが、これをきっかけに市の産業担当者を交えて、皆さんで独自にやってみても良いのではないか。
東近江市の地域情報化基本計画の業務に携わっている。情報化に関して30カ所の商工会等に回った。同じようなネットワークの話が出ていたが、情報化というのは割とローコストで色々なことができる。話し合っているのは観光産業ポータルサイト。それを組み立てないかという案が今委員会で出ている。また、まちづくり協議会が市内にあるので、そこを拠点に地域情報、それも自治会関連だけでなく、産業等も含めてすべて発信できないかと検討されている。まだ実体は無いが、そういう視点に立って、みんなが一度話し合うというのも良いのではないか。東近江では、一体化したまちづくりを盛んに言われているので、すべての計画が、全市でみんなが取り組むことができるようにされている気がする。多賀での話にあったが、「食」と「給食」、「文化」のような、関係しているものを事業化できるネットワークがあればと思う。
NPOほか:ここにいる方は、自分の地元のものを育てたいと一生懸命活動されている。地域の中で頑張られるのを駄目とは言えない。そういう形がまず最初にあって、それをどうつなぐかである。地元の町に観光ボランティアガイドを4月から置く。他町のガイドの方と交流しながら半年以上かけて10人を養成し、これから認定ガイドが出来る。それができて初めて分担できる。時間がかかったが、やっとできてきた。いきなり「これが無い。」とか「連携が悪い。」などと言っても駄目である。準備をしてきてここまで来た。これからそれをどうつなぐか、今はそのようなレベルにあると認識すべきである。

まとめ・今後の展開について

世話人:今日は人数が多くて話し足りなかったと思う。「ラウンドテーブル」は結論を出す場ではなく、県行政とNPOとで進めていた「協議」の場づくりで、協働に進めるための種を探るものとして始めた。
なお、最近はなるべく地域に出るようにしているが、高島でもそうだったが、ひとつの地域の話に県を被せるとわかりづらい。特に今日のテーマに関して、農業の普及や林業、農村振興は、県が深く関与している分野で、さらに農商工連携で農協や商工会等が複雑に絡んでおられる。一方で「甲賀地域」がテーマと言ったが、湖南市の行政とNPOの方も来ていただき、もう少しエリアを拡げると県のあり方も若干見えたかと思う。また、今も非常に縦のラインが強く、例えば農業サイドの中でもあまり連携できておらず、まして商工関係との連携はなかなかできていない。これを突き破れるのは我々NPOかと思う。また、市行政の担当、県、農協、商工会、観光協会等のプラットフォームができると良いかと思う。今日は難しいテーマで、合併したといってもなかなか一体感を持ちにくい。そのような意味では、県の役割がまだあると思う。地域を跨いだ広域観光という話になると甲賀地域2市の連携だけでなく、調整役が必要かもしれない。
いずれにしても第二弾ができれば良いなと思う。甲賀地域のNPOネットワークが最近どうなっているかもわからないので。皆さんも市だけでなく、県にも言ってもらえればと良いと思う。
世話人:客観的には地域に素材が一杯ある一方で、プラットフォーム、共通の基盤がやはり必要とされていると感じた。
「ラウンドテーブルしが」は、課題抽出、きっかけづくりの場だから、これをきっかけとして、来年度第二弾があっても良い。甲賀地域の方からやりたいという話が出てきて、次につながれば良いと思う。
情報掲載日 2009年03月31日
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