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平成16年度第8回森林づくりの費用負担を考える懇話会会議概要

(表)
● 日時: 平成16年11月30日(火曜日)17時30分〜19時30分 ● 場所: 県庁別館(職員会館)2階大ホール ● 出席者: 田中会長、荻野副会長、黒田委員、新川委員、増田委員、三谷委員以上6名(敬称略) ● 内容: 新たな森林づくりと費用負担のあり方について

会長:前回、11月18日の会議において、提言案及びその参考資料に関連して幾つかの修正が必要ではないかといったご提案をちょうだいしました。その上で、事務局の方で検討、補正等をお願いしました。まず、きょう提出いただきました提言案及び資料集に関して、事務局から、前回以降の修正点を中心にご説明をお願いしたいと思います。
事務局:資料に基づき説明会長:それでは、事務局からご説明いただきました点に関しまして、内容に関することや表現方法等について、ご意見等をちょうだいしたいと考えております。
委員:この週末に山に入ったのですけれども、そのとき、この中に書かれていない森林があるということに気がつきまして、ちょっとお伺いしたいのです。
住宅地のすぐ裏山に植林されているスギとかヒノキです。里山林といってもいいぐらいのところだけれどもスギとかヒノキがあって、全く手入れがされていなくて、倒木がある。近くに住宅があって物すごく迫っているのです。
こういった山は、今お伺いしたら個人の所有ではないかということです。これは里山の手入れにも入らないし、かといって針広混交林化のところにも入らない。でも、早急に何らかの手入れをしないと実際には危ないんじゃないかと思うのですけど、これはどうなるのですか。
事務局:人家の裏山の人工林は基本的には個人所有ですので、今説明しました3割の手入れができていない森林の部分に入るわけです。
そういう森林については、従来の仕事として手入れをしていただくように、森林組合と県、それから市町村と一緒になって働きかけをしていきたいという位置づけです。だから、従来の事業で実施していく森林整備であるというふうにご理解いただきたい。
委員:滋賀県では、環境林ということで森林をとらえ直すということだったのですけど、環境林という言い方だと、それこそ環境林だと思いますし、特に景観が物すごく悪いんです。相当紅葉している中に緑のパッチがあって、それが茶色く枯れているという状態で、水のための環境林というだけじゃなく、琵琶湖周辺の景観林としても非常にまずいんじゃないかと思うので、この仕組みの中で、例えばボランティアさんが入れるようになったら、随分変わるんじゃないかと思うのですが。
事務局:そういった整理の仕方、それも大いにやっていきたいと思っています。ただ、個人さんが持っているということで、それを是とするか非とするかというのはあると思いますので、個人に働きかけながらやっていきたい。
先ほど言いましたように両輪でやるということで、1つは従来施策、1つは新たな環境ということでやっていますので、仕分けをしながら進めたいと思います。
委員:第6回のときに、大きなくくりで環境を重視した森林づくりと県民協働による森林づくりという資料を出していただいた。このときは、環境を重視した森林づくりで2億2,000万円という数字で出していただいています。もう一方の、県民協働による森林づくりの方が3億8,000万円という概算で出していただいています。
ところが、今日いただいた資料では、6,000万円ほどが環境を重視した森林づくりの方に移っているという形になっています。これについてのご説明をお願いしたいと思います。
事務局:これについては前回の会議で説明させていただいたのですけども、里山の環境整備につきましては、前は県民協働の里山協定林のあたりの場づくりという形で整理をさせていただいておりましたが、これは森林づくりそのものであろうということでしたので、環境を重視した森林づくりの方に分類替えをさせていただいたということです。
委員:19ページ以下の「透明性の確保と県民の参画に向けて」のところで、以前から、こういう新しい税の導入については県民に広く負担を求める点で、幅広い応益と幅広い負担ということで議論をしているわけです。そのことから考えてみますと、税の考え方として、ただ単に財源を確保するということだけではなくて、こういう新税が超過課税の形で設けられることを通じて森林づくりの大切さであるとか、社会的な意義であるといったことを訴えかけていく。課税を通じての教育効果とかPR効果といったところはもう少し強調されてもいいのではないか。逆に、県民の皆さんに納得をしていただくための税として考えていくということが一つ大事じゃないかなと思います。
このままですと、透明性はできますが、県民の参画というのが審議会とか計画づくりとかのレベルでどうも止まってしまいそうですので、もう少し関心を持っていただくという意味での参画というところを強調されてはいかがかと。
あわせて、そのためにもぜひPR体制のようなこと、せっかくの提案ですので、やはり積極的に税の意味といったことを広報するとか、環境のこととこの環境税とセットで学習をするということがあちこちに散りばめられていると、県民による県民のための県民の税みたいな形になるのではないかという感じがしております。これが1つ目です。
それから2つ目に、透明性あるいは公開性を確保しようというところで、従来の森林審議会、それから流域森林づくり委員会は、どちらかというと審議会の方が専門性の強い諮問機関、そして流域の方は地域限定の幅広い委員会組織ということになりますと、県政全体の中で、森林の問題について一般県民の方が自由に発言をする、そういう場面が少ないかなという感じが個人的にはしております。このあたり、もう一工夫何かできないかなということを感じております。
もちろん現行の審議会等と二重、三重に重なってしまうようであれば、逆に仕方がないところはあるのですが、もう一方では、県民運動的に、こういう新税を通じて森林環境を考えるような推進体制というものが少し考えられないだろうか。例えば、今回の協働とか参画のところで、もう1つ方策として重ねられないだろうかということをずっと感じておりました。
このあたり、もしご議論される余地があるとすれば、少しご検討いただけるとありがたいと思っています。
会長:事務局の方から、加えてコメント等ございますか。非常に重要なご指摘かと思います。
事務局:直接の回答になるかどうかわかりませんけども、いずれ県民税均等割でご負担願うということになれば、決まったら、すぐくださいということには当然いかんわけでございまして、当然周知期間を置いてスタートすることになると思います。
ですから、その途中で、委員がおっしゃったようなことを十分説明しなければ当然理解してもらえないと思いますし、そういうプロセスで周知をしていくというふうに考えております。
もう1つは、この中に表現できるかどうかという部分がありますが、現段階ではまだ考えていませんので、何か表現があれば、最終調整をした上でお示ししたいと思います。
会長:一般県民の発言の場等の検討については、まだ現段階ではこれ以上の考えはないということで、今後検討するということに恐らくなろうかと思いますので、その点はご容赦願いたいと思います。
委員:今のところに関連して、9ページの「<2>新たな費用負担による事業の要点」の2つ目の段落で、「さらに、事業の実施に当たっては、透明性、公平性を確保するとともに、県民の意見が施策に反映されるシステムを検討する必要がある」となっています。これは少し気になる表現です。システムを「検討する」と。つくるかつくらないかはこれから先の話だというのでは、ちょっと約束違反になると思います。これは、県民協働ということで県民がやるんだ、県民全体がやるということを今までずっと議論してきているわけですから、ここは「県民の意見が施策に反映されるシステムをつくる」、「どういうふうにしたら、県民の意見が本当に反映するのかということについて、一生懸命これから検討する」というふうな表現にしてもらわないと。20ページの「<2>事業過程の透明性の確保と県民の参画」のところには流域森林づくり委員会をつくると書いてあるわけです。
そうすると、流域森林づくり委員会と森林審議会の役割はどうなるのか。流域森林づくり委員会でやることは何なのか、そういうところをしっかり検討することによって、県民意見を反映する仕組みをつくる。これをちゃんとやってもらわないと、これまでも議論されておりますけれども、税金をとって、下手をすると普通税、一般税の中へ入ってどこへ行ったかわからなくなってしまう。お金の使い道の方でも考えないといけないけれども、どういう事業をするのかというところにちゃんと反映する仕組みを考える、それをぜひ考えていただきたいと思うのです。
ですから、9ページの表現は改めていただかないと困ります。
それから、私、税は専門でありませんので、今まで税のところに関して発言するのはほとんどしてこなかったのですけども、今、行財政改革について非常にやかましいですね。ここ数日の間にも三位一体改革がどうのこうのというのが出てきた。三位一体というのが何かということを、くだくだしくここで議論する必要はないと思うのですけれども、幾つかの柱があって、今まで所得税をとって国の財源にしていたやつを、補助金はやらんから、かわりに財源を移譲するとか何とかなっていますね。そのことは行政の方ではそう言えるかもしれませんけども、県民の方からいうと、そういうことが一体これから自分らの生活にどうかかわっていくのか。
つまり、三位一体改革が進めば進むほど県民は重税に苦しむことになっていくという話になると、先行的にあらかじめ税金をとれる仕組みをつくっておこうというようなことはちょっと困るということになりかねない。そこのところは、今まで余り議論されていなかったのですけれども、論理としてどういう組み立て方になっているのかなと気にしております。
委員:関連しまして、7ページのところですが、要はこれまでの林業施策の体系にない環境林の整備云々とありまして、これまでの林業施策の体系にないから、要するに県民全体に新たな負担を求めるというふうに読み取れてしまうわけですね。受益の部分は別にしましても。
行政の新たな施策を持ってきて、これまでの体系にないから新たに県民に負担を求めますという論理も私はちょっとひっかかるのです。その辺もあわせて、ご説明いただけたらありがたいと思います。
事務局:税源移譲の関係で、国民から見れば負担の度合いはどうなのかということですが、今言われています税源移譲は、交付税とか所得税の方から、いわゆる県、市町村の住民税に移譲するということですので、県民側から見れば税負担として変わりはないということです。
7ページ、新たな林業施策の体系にない環境林という表現の仕方になるのですけど、この欄では今までの林業の振興施策としてはやってこなかった、新しい森林づくりですよということが基本的には言いたい部分です。
その部分については、従来型の予算しかございませんので、新たな事業を展開する場合にはプラス部分の事業費が必要になり、その部分については県民の負担を検討いただいていますということで、今回こういう懇話会をやらせていただいた、そういう考え方です。
委員:多分、先ほど委員さんがおっしゃっているポイントは、1つは従来施策についても相当見直しをするということを言い、その中で選択と集中をしていく。ある意味では、従来施策を見直して、もちろん従来のものでやらなきゃいけないものがありますが、当然一般財源がその中に出ていますから、その一定部分については新しい施策に当然振り向く。ただし、それでも足りないから6億円を集めようというような議論であれば、多くの方は納得されると思うのですが、従来の枠は別枠ですからとっておきます、従来の事業をどんどん進めますという説明では、転換をしようというのに、ただ単に新しい事業をやりたいから新しい金をよこせという話かとこういうことになって、行革も何も全部無視してやっておるのかという議論にすぐなってしまいます。
その点で言えば説明の仕方がまずくて、例えば資料集19ページの一番下のところに、既存財源を一生懸命削って、下に小さい枠で間伐3割増と書いてあります。こういうところは、実は従来の考え方ではなくて、新しい施策の枠でこの部分をぜひ考えていきたいとか、あるいは内容は従来事業の枠だけども、新しい施策に即した森林保全のあり方に中身をぜひ変えていきたいということをここで言っていただくと、実は努力して何割かは6億プラスの事業というのができてきますよ、ただし、従来事業の枠は民有林中心ですから、そちらの方については新しい考え方に従って、しかし従来の事業枠の中でできるものは、どんどんそちらの方に転換していきたいとか、そういう理屈が立てられると、多少は納得も得やすいと思います。
事務局:基本的には見直しをして3割増やしながら、今まで手入れができていなかった森林を何とか従来施策の中でやっていきたい。見直しをしながら森林の管理をして、環境に優しい森林づくりを従来枠でやっていく。その中にプラスして新たな部分もございます。
見直しをやる事業につきましても、実際問題、予算的には十分に対応できないという部分がございますので、新たな施策とは体系が違うという言い方をしましたけど、今のご指摘を参考に書き直させていただきたいと思います。
委員:今の19ページの資料を開いているのですが、既存事業と新規事業に分けて議論されているのですけども、新規事業の中で、環境重視の森林づくりというところで、3つあります。針広混交林への転換、長伐期林への誘導、これはいずれも今は造林地になっているんです。要するにスギかヒノキが植わっている。ただし、それは手入れができていないということです。それで、既存事業でやった手入れ不足林というのを、既存事業で何で面倒をみないのかいうことがあります。既存事業で森林施策としてやられてきたところ、人工林の仕事としてやっているところが、面積的にとてもじゃないけど、これまでの75億円でカバーできないぐらい大変な事業量になっていて、一生懸命やっても、手入れ不足のところはどんどんできてくるという事情があるはずなんです。
そこのところをしっかり言っていただかないと、既存事業でやったことのしりぬぐいを、何で新規事業の中でやらんならんのかという議論になってくるような気がするのです。特に、長伐期林への誘導は、森林土壌の安定により水源かん養機能が高度発揮されると書いてありますけども、長伐期林ということは大径材をつくることにほかならないわけですから、それは新しい森林づくりの分け方の中でも、循環利用林に入るわけです。そうすると、ここのところはかなり難しい議論をしないといけない。間伐材の搬出と利用と、間伐材を出すというのは従来の林業で考えないといかんことがあるはずです。これが、従来の既存事業の中では面倒をみられないようになっているということです。
実際、現場現場へ行ってみると、その山の中ではこういうことが起こっている。言うなれば、既存事業を支えていた森林計画というのが乱暴極まりないところがあった。それをちゃんとするために、流域流域に、隅々まで森林の事情がわかるようなところで森林づくり委員会をつくって、そこで森林計画をするというのが新しいやり方として、森林づくりにちゃんと生きていくということが、どこかで担保できるような仕組みが要るのかなという気がします。
会長:今のご指摘というのは、従来の議論は要するに、売れるいい木をつくるという観点からつくってきた。今回の新しい取り組みは、いわば林業をするものとは違うのだということ、当然そういうものとしてこれまで議論をしてきた。そういう位置づけでこれから考えるわけですけども、そういうものがより明確になる、あるいはそういうことが担保できるものをしっかりつくっておく必要があるのではないかと、そのような積極的な意味合いからの提言をなさったと私は理解しているわけです。
そういうような形で、今回いわゆる環境の観点から新たな森林づくりをしていこうという、その部分を文言上もより鮮明に、かつ今後の施策形成の中でも明確になるようにと、そのようなご指摘かと思いますので、そういうふうにさせていただければよろしいかと思います。
委員:過去、長いこと議論してきたわけですが、提言案を集約するに当たりまして、私なりに思うところがありまして、私個人の委員の意見ということでまとめさせていただいていますので、配付させていただいていいですか。
会長:はい。
委員:配付していただけますか。(
委員:配付していただけますか。(委員の意見書<PDF形式:10k>を配付)要は、表現の問題ももちろんあるのですが、先ほど7ページの問題も申し上げましたけども、林業施策の体系にない新たな施策にいくのに、県民の方に負担をお願いするのは妥当であるという、どうも最初に負担ありきのような印象を私が持ち過ぎなのかもしれませんが、読みながらポイントを申し上げていきます。
この懇話会は、大変有意義な議論が重ねられてきたと思います。特に、県の方は琵琶湖森林づくり条例をお作りになりまして、これまでの林業政策を大きく転換されようという意気込みでもあっただろうし、その中には環境を重視した森林づくり、あるいは県民の協働による取り組みを進めるという、2つの大きな柱を盛り込まれたのではないかなというふうに受けとめております。
今回の議論になっております、環境林の整備と里山環境保全というような環境重視の森林づくりというのは、県民はもちろんですけども、琵琶湖下流域の住民まで事業効果が及ぶということでもありますし、もちろん地球環境の保全の上でも意義深いというふうに思います。
しかし、新たな施策の実現と県民の森林づくりへの参画を高める経費について、安易に県民に新たな負担を求めるべきだとは私は考えません。
第一には、既存の林業施策を見直して捻出すべきだと思っております。前回、見直していただきたいというお願いをして、間伐3割増という話も今回初めて出てきたわけですよね。そのように見直していただければ、ある程度出てくるんじゃないかなと。まずそれを優先したというところをもっと盛り込みたいということです。
もう1点は、琵琶湖森林づくり条例が、これまでの林業施策を大きく変えようという基本理念の部分があるということは、先ほど申しましたように、見直しと予算の使途も大きく変える必要があるんじゃないかと、そういうふうに思っております。
環境重視の森林づくりに2億8千万円、県民の協働による森林づくりに3億2千万円、計6億円という標準的な費用試算が示されたわけです。これは前回18日の提言案の中にも入っておりますが、既存施策の見直しによる新たな施策への財源手当の可能性につきましては、今回3割増というのが出ておりますけども、これまでは余り議論を尽くされたという印象は持っておりません。
要は、県民の方々に新たな負担を求めるのか、求めないのかということで、懇話会としては、ある意味では歴史的に見ても重大な提言をするということになっているわけです。
繰り返しになりますけれども、1つは既存施策の見直しによる財源充当の可能性をもう一度探ってほしい。それから、ほかに財源がないのかということです。これは林業施策以外のことも含めての話です。例えば啓蒙的な森林づくりの施策が盛り込まれているわけですが、これはある意味で言いますと、林業施策の中じゃなくても、例えば教育予算の中とか、そういうほかの部分でも消化可能なものもあるんじゃないでしょうか。そういう部分の精査は行われましたかということです。
要するに、そういう既存施策の見直しであるとか、他財源を含めた全般的な財政の洗い直しをやって−−新たな森林づくりに充当できる財源がゼロということはまずないと思うのです。それを点検して、それが少しでもあるのであれば、6億というふうに言われておりますが、そこの部分に充当されますと、県民の負担というのは幾ばくかでも減るんじゃないか。ある意味では、県の方ももう少し血を流していただいた上で、県民の方に負担をお願いするというのが基本姿勢ではないかなというふうに思っております。
例えば、京都市から疏水感謝金が出ておりますが、これは一般財源として土木費に入っていると聞いているのですけども、直接的には水源かん養という点で使われた方が趣旨としてはいいんじゃないかと私は受けとめています。2億2千万円ほどあると聞いていますが、そういうものを充てれば、県民の方への負担のお願いというのはもちろん減りますし、もう少し工夫していただいたら、ひょっとしたら6億そのものも、県民が新たな負担をしなくても済むかもしれないと受けとめもしております。
施策で、新たな展開、劇的な展開を特に望みたいと。スクラップ・アンド・ビルドで、今までのものは今までのもので置いておいて、新たなものは新たな負担をお願いするという姿勢は、私としては納得できませんので、提言案のまとめに入る節目でもありますので、一応こういう意見をまとめてご提示させていただきました。
会長:ありがとうございました。まず、コメントをちょうだいしましょうか。
事務局:非常に論理的で、かつ説得力あるご意見をちょうだいいたしました。きちんと的確にお答えできるかどうかわかりませんが、1つは既存事業と新たな事業という分け方をしておりますが、既存事業につきまして当然ながら常に精査を加え、見直しをし、効果的な施策を組み立てるというのは当然と理解しております。そういう努力はそれなりにいたしているつもりでございます。
今回も、県の財政が非常に困難な状況の中でそんな作業をやっておりますが、いずれにしても、約20万ヘクタールという滋賀県の山を守るのには、総体として十分な財源がございません。そういう中で、どう効果的に選択と集中をしながら適切な山づくりをしていくかということが求められているわけでございまして、現在持っている予算の見直しをする中でも十分じゃないといいますか、点検を加えながら治山事業でございますとか、あるいは林道であるとか、また造林事業といった、今回ご議論いただいた環境を重視した山づくり以外の部分でも、非常に重要な山の事業がございます。そういった事業につきましても、きっちりとした施策を展開していくためにも、既存施策の見直しをし、適切な予算執行を図りながらそっちへ回していくと、そういう選択をとらざるを得ないという部分もたくさんございます。間伐もそうでございまして、今回新たな施策としてご提案をし、ご議論いただいています間伐施策といいますのは、間伐したものを山の外へ持ち出しまして効果的に使っていくための施策ということでご議論いただいています。
その前提となります山でどんどん間伐をしてもらう、この部分につきましては、既存の施策でやっていくと。こういう施策を充実するためにも十分な見直しをしながら、当面環境を重視するという意味では、少し治山事業なり林道事業を抑えて、そっちの方に回そうというような工夫をしながら取り組んでいるということがございます。
それから、新規事業でございますが、先ほど来、どういう意味合いを持つかということでご議論いただいております。1つは、従来の施策体系にないという事業ということで記述をいたしておりますが、まさにそういうことです。
あと、こういう形で特定のお金に対しまして、それを基金に積み立てをして執行させていただこうということになるわけでして、これは時々の財政事情とか予算編成にとらわれないで、確かなところで県民の皆さんの山づくりへの参画を確保していきたいと、そういうような意味合いを持つという意味でも、新たな施策展開の一つになるんじゃないかと思っております。
それから、先ほど教育的ということがございましたが、まさに啓発的な意味合いを持たせるという意味も、なるほどと聞いておりましたが、そういう意味合いを持つという意味での新たな負担ということでご議論いただいたのかなと思っております。
それから、下流負担の話でございますが、これはさっき申し上げましたように非常に難しい課題です。現在、下流の方から山づくりについては幾つかのご協力をいただいております。県には2つ造林公社がございますが、1つが滋賀県造林公社でして、こちらの方は下流の大阪、兵庫を中心に社員としてご参加いただいて、必要なお金を融資という形で協力いただいております。もう1つはびわ湖造林公社でして、こちらの方には融資金をいただいており、その融資金でもって山づくりを進めております。そういう形で、これまでから上流の山づくりについてご理解をいただいております。
それから、ご指摘のありました疏水感謝金でございます。これも実は過去の経緯がございまして、土木交通部が窓口になり調定をしておりますが、決して土木関係の金に充てているということではございません。一般財源ですからどこに行ったかわからないと、確かにそのとおりでございますが、京都市の方からは特に水質が心配です、水道の水が臭くて弱っておりますというような声もちょうだいしておりまして、そういう声を踏まえながら、私どもとしては使わせてもらっているという実態です。
そういう状況の中で、今後、どういう形で協力関係をつくっていくのかということになるわけですが、今回の税議論の中では、あくまで滋賀県という行政体の中での取り組みになりますから、それでもって下流負担を求めるということはできないわけですが、流域全体で流域の山づくりをどうするかというのは非常に重要なテーマだと思っておりまして、かねがねから下流の方にそんな問題提起をいたしております。
ちょうど水フォーラムが終わりまして、そのきっかけで上下流が随分と流域全体で水問題を議論するというような関係ができております。今、関係機関等で、そんな意見交換の場を頻繁に持っておりますが、そういう中でも一つのテーマとして議論いたしておりまして、もう少し議論を重ねながら、今後、流域全体としての水環境をどういうふうに作っていくのかということについて方向性を見出す取り組みをしたいと思っております。
委員:要は、環境林への施策の重点移行というのは、滋賀県らしい、滋賀県が特色を出せる施策だと思うんです。造林公社の話もございましたけど、確かに下流域の融資とか、そういう形でというのは承知しております。ただし、造林公社が非常に多額の債務を抱えている状況の中で、ある意味では立ちいかないような状況になっているということから見ても、従来の林業施策は限界があるのかなと。それで、森林づくり条例などで大きく踏み出されたのは、滋賀県の一つの見識でもあるし、特色をお出しになっていると思います。
そういう意味で言いますと、県民の方にその負担をさっと求めようというんじゃなくて、まずは県の方で、これはできますというものをもっと示していただいた上で、さらにこの部分が必要ですので、この部分について協力を、というのとは全然違うと思うのですね。
その姿勢が余り私自身は感じられないので、今回提言案をまとめるという段階になりましたから、ちょっとまとめた形で印象を書かせていただいているということです。
事務局:意味のあるお答えはできないのですが、確かに既存施策も当然ながら、森林づくり条例の精神を踏まえまして、どういう形で施策体系を組み立てていくかというところがあるわけです。
今回の森林づくり条例を踏まえた取り組みが、今回の新たな負担だけとは私ども理解しておりません。既存施策につきましても当然ながら、条例の精神を踏まえて点検し見直しをしながら組み立てするということでやっているつもりです。確かに十分その辺を説明したかといわれますと、まだできていないところが率直にあるかと思います。実は、ちょうどそれは今の予算作業の中でやっているということもございまして、反省しながら今後留意をしていきたいと思います。
それから、公社の問題は当初からご指摘いただいておりました。これにつきまして、私も非常に重要かつ深刻な課題だと理解しておりまして、今回の議論とは少し切り離しをいたしまして、解決のために努力をしていきたいと思っておりますし、それなりにいろんな議論をしているという段階です。
会長:今お聞きしている中で、委員のご質問というのは、実は私自身も当初から、つまりこの問題もクリアにしないといけないという形で絶えず問題提起をさせていただいてきた問題ですし、もちろん県の方で精査もされながら、いろいろ検討もしていただいたというのが今の状況かと思います。
その中で、話を極めて単純化してみると、既存の政策について例えば縮小して、その部分を環境の方に回すという、現時点でそこまでの価値判断というところには至っていない。
それは、いろんな利害関係が当然おありですからというのが恐らく現状で、委員のご指摘は極めて端的に言うと、既存施策から一定部分を削って回したらどうだと、そういうご指摘にもつながるのではないかと思うのです。その部分の検討について、現段階の考え方が、既存施策から直ちに回し得るという状況ではないのだという理解をなさっている気が私はしているのです。ひょっとしたら間違っているかもしれませんが、それが1点。
もう1つは、全体の施策というか、森林以外の様々な滋賀県の教育だとか文化だとか、さまざまな施策の中で、この森林の比重をどうするかという問題については、恐らく当懇話会の範囲を超えた、例えば基本的には知事や議会の常任委員会に施策判断をしていただかないと、あるいはそれはどう考えているのかということを示していただかないと、ここでは議論は進まない。もちろん当委員会としては森林の比重は非常に重要だから、これについては予算措置も含めて、場合によっては予算の組みかえも含めて十分ご検討いただきたいということが言えると思うし、恐らく委員の先生方共通の思いかと思うのです。しかし、それ以上のことが言えるかどうか、現時点ではやや難しいかなという思いがしております。
もう1点は、単に言葉の綾になるかと思いますし、委員のお気持ちは重々私も理解するのですが、今回の取り組みが、例えば最初に県民負担ありきかというと、私は冒頭から、いや、それでは困るということをずっと申し上げていました。しかも、後半の税金部分の書き方も、他の県では、それこそ学生相手にも「そもそも税と負担金がありまして」という書き方はしない。実はこういう書き方をしたのは、きちっと丁寧に議論を積み重ねて、初歩的と言われようが何と言おうが、やっぱりそこをくぐっていかないといけないだろうと。要するに、結論がこうですということを言うよりは、議論のプロセスをやっぱり経ていただきたいと、そういう思いがあったということはご理解いただきたい。
委員の書いていらっしゃる精神といいますか、その方向性というのは私は非常に重要なことをおっしゃっていると思いますので、懇話会の中でもちろん書ける範囲できちっと精査して書くし、もしこういう基本的な方向でのご理解がいただけるのであれば、答申の段階で私は知事には率直に申し上げようと思う。優先順位をはっきりしないと、簡単にこれで県民が納得してもらうというふうに考えていただいては困りますから、特段のご配慮をいただきたいということを、私は率直に申し上げたいと思っています。別に、私はそれ以降の意見を封じる気は全然なくて、どうぞ、ご自由におっしゃっていただいて結構ですが、今までのところで、私が会長をしていて少し感じたことを申し上げさせていただきました。
委員:19ページのところで、これまでの施策プラス新たな施策という書き方で、左側はこれまでの施策が75億円、新たな施策が6億円というような表記の仕方をしちゃうと、全く新たなものがここにくっついたなというふうに県民の方は思うのかなと。例えば境界領域で、こういうふうに全く分離したという形ではなくて、もうちょっと表現の仕方があってもいいのかなと。多分、今まで全くやっていなかったことをぱっとやるわけじゃないので、新たな施策ということで6億円を別にくくるのは、私たちが見ているうちで、ちょっとおかしいかなというところがあります。
それから、お聴きしたいのですけども、県民の理解を得られるまでのスケジュールみたいなもの、これ自体が県民協働による森林づくりというところで打ち出しているし、そうならば、県民の理解というのは十分にもらっておかなければいけないのかなということもありますので、これからのスケジュールみたいなものもちょっとお聴きしたいなと思います。実際に、森づくりをして水源かん養ということができたとしても、多くの住民には水がきれいになったという還元ぐらいしかないのかなと。例えば、もし県民が800円を払ったとしたら、800円以上のものが返ってくれば、それはすごく喜ばしいことで、何か形として返ってくる、滋賀県人がそれで得をするというような形にすればいいなあと一瞬思いながら、その辺のところが気になっているところです。水がきれいになるということ自体は、データとかですぐに表現できるかもしれないけども、利用する人にとってみると、それほど水がきれいになったのかなというのはわかりにくいところがあるので、やっぱり雲をつかむような話になってしまうのではないかなというところがある。県民が理解するまでのスケジュール、私たちが提案してすぐに、これがどんどん進んでいくということの怖さも感じています。
会長:これ以降に考えているスケジュール等で、おおまかな見通しというのがもしあれば、あるいはこの段階である程度決定して以降、もう一回考えるというのであれば、素直にお話し願いたいと思います。
事務局:税サイドから言うのはちょっと変かもしれないですけど、要は税を負担していただくのが何で6億なのか、ここを十分に説明しないといけないと思いますね。これは、あくまでも多面的機能を回復するためにご負担いただくということで、いわゆる橋をつくるとか学校をつくるとかいう形では、やっぱり目に見えてこないですね。ですから、委員がおっしゃった後半の部分は、どういうふうな格好で県民の方が感じるかちょっとわかりません。
スケジュールで言うと、その周知の方法をどういうふうにやるか。それから、どういうふうな期間で周知できるかという部分がありますので、具体的には、いつ、どこで、県議会に諮るという話はまだ断定できません。この懇話会の提言の進みぐあいによってだと思います。
会長:ありがとうございました。特にございますか。
委員:私も思い切った発言をさせてもらいたいのですけど、実は税金については余り知らなくて、最近にわか勉強をしたところだから勘違いがあるかもしれないのですが、なぜ目的税でだめなのかということをもう一回考えてみたのです。さきに、森林環境税を県民均等割で乗せてとったところ(他県)のお金の使い道というのを今回ちょっと聞きかじってきたのですけれども、実際に森林保全のために使うお金としてとっている分は、森林所有者の反対があって許可が得られないということで予定どおり進んでいないという実態があるそうです。多くのお金は広報・啓発・教育事業に使われていて、それにほとんどかかっているという県もある。そしたら、この目的税は1億5,000万円のコストがかかるとは言いますけれども、これを例えば宣伝とか広報とか啓発に役立てたらどうでしょうか。目的税ということは、それぞれの県民に直接にものがいくわけですから、そのときにお手紙を一緒に入れるなり、広告を入れるなりすることができる。
もし均等割で乗せられますと、私らのサラリーマンだと、それに500円余分に乗るとか800円余分に乗るということだけで、払っている意識もどこかに消えてしまう。また、例えばマスコミとか、あるいはいろんなフォーラムなどで情報を返していただいても、十分に伝わらないことも考えられますよね。1億5,000万円のコストがもったいない、一番効率よく、低コストで、しかも予定どおりのお金が集められる方法が均等割に乗せることであるというふうに、とる側の論理で考えられているのではないかなとちょっと思ったのです。
滋賀県らしい税金のあり方というものは、むしろ森林環境というのでなくて、琵琶湖環境でもいいんですけど、大きなくくりで環境を考えるお金を県民みんなが負担しましょうと。それに対して、いろんな情報を直接出していくというような仕組みもいいのではないかと思ったのです。
事務局:本編資料の17ページ以降のお話だと思いますけども、基本的には変わりありません、どっちのシステムを使っても。ただし、法定外目的税という全く新しい税金でやりますと、先ほど言いましたように1億5,000万円のランニングコストがかかるのです。ですから、6億で1億5,000万円といいますと、4分の1です。ということは、徴税コストが4分の1だったら税として成り立たない。最少の経費で税をいただくという、これは大原則があるのです。
均等割の制度に上乗せをするという方式ならば、今の制度でいくわけですから、コストは非常に安くつくわけです。そうすると、見えなくなるんじゃないかと憂慮されるのですが、これは同じ方法でどうでもできます。均等割に800円を上乗せさせていただきますよと、その800円はこういうところに使わせていただきますよというような納税通知を書けばできるわけです、例えばの話ですが。それは十分明確に透明性のある財源としていただいて、それを使うことはできます。そのために、基金制度というものをつくってやった方が一番いいのではないか、こういうふうな結論もできます。
法定外目的税は確かにはっきりしていいのですけど、ただ、ランニングコストが1億5,000万円もかかって、税としては成り立たないと判断せざるを得ないと思います。
会長:少し私の方からもコメントさせていただきます。最初に委員がおっしゃったある県ではということで、均等割の上乗せをしながら、その部分で上乗せした税収をいわば広報というか、効果がどうもありそうに見えない広報で、きつい言い方をすると、お茶を濁すような使い方をしているというようなことで問題だということをご指摘いただいたと思うのです。それは、均等割の上乗せをするという方式をとったから当然に広報になったというのではなくて、実は原点として、その県の森林をどうつくるんだという森林づくりについての十分な施策とか、そういう比重が余りない中で、差し当たり広報でいきましょうというふうに、むしろ使い道の比重がはっきりしていなかったということになる。つまり、税の仕組みとして、均等割の上乗せという方式を採用したことに伴う当然の結論だということにはならない。
もう1点は、今、事務局の説明にございましたように、やはり目的税をつくるということは、使い道がもちろんはっきりしますけども、はっきりするという効果は普通税としてとって、そのうちの一部を基金として固定するというのと効果は全く一緒になります。そういう点での違いというのは、恐らく思っていらっしゃるほど、つまり目的税をとるということと、均等割の上乗せをとるというときに決定的な違いがあるというほどのものではありません。私自身はそう思うのですが、論理の筋からいうと目的税をつくった方がいいと思う。しかし、そうなると、今説明いただいたように、仮に6億円とった場合でも1億5,000万円が徴収コストになりますから、差し引き4億5,000万円になるか、6億円の実質を確保しようとしたら、7億5,000万くださいといって計算をして上乗せする以外にない。そうしたら、一体何のためなのかと、形式論を重んじるばかりに必要以上に負担を求めることになるのも、やや形式張って困るのではないかというところで、いわば次善の策として今の住民税の均等割の上乗せ部分を、いわば母屋を借りて徴収する。しかし、実質としては、いい森づくりということを基本にした税収の使い道というのを考えましょうと、そういうような組立てになると思います。そういう意味で、単純に目的税がいいか、均等割の上乗せがいいかと、そういう選択ではどうもなさそうだというのが私の印象なんです。ただ、今おっしゃっているところは理解は可能です。
委員:全般にわたるということで申し上げたいと思います。先ほど委員がお書きになった意見は、いろいろなところで共感するところがあります。ただ、林業という面から見たときに、従来型の林業施策をやってきたにもかかわらず、林業がどうも成り立たなくなった。これは林業に従事してきた人だけの責任じゃないと思うのです。社会的に林業を取り巻く事情というか、それはいろいろ説明をしていただいているとおりですね。では、滋賀県の森林施策の取り組みとして、ここにお書きいただいたことで「うん、そうか」と納得できるかというと、私はまだまだ書き方が甘いと思うのです。これだったら、「従来施策やないか、従来型の森林事業じゃないか」という感じがどうしても残るのです。
具体的に申し上げた方がいいと思います。1ページの最初の書き出しのところ、「森林の多面的機能と人々の暮らし」で、森林というものはいいものだと書いてあるのです。これは結構ですけれども、森林というものはいいものだ、だから新規事業をやりますという論理だったら、それはだれも納得しないと思います。
その次に1行空けて、森林の多面的機能の評価額が日本全体では70兆円と。70兆円と書いてもらっても、普通の人のポケットに関係させて考えたら、70兆というのはどれだけのお金か見当がつかないです。こんなことを書く必要があるのか。その中に、滋賀県の場合には、森林を評価すると6,716億円と書いてありますけども、そのうちの水源かん養機能は2,833億円、土砂流出・崩壊防止機能は3,159億円、合わせて約9割と。9割というのは、何を合わせて、何に対して9割なのかということがわからない。
その続きに、地球温暖化云々、二酸化炭素云々と書いてあるのですけども、6億というお金を決めるときに、これが必要な数字だったのかというと、何にも関係ないと私には思えます。こんなことをして遊んでいる必要があるのかという感じが残るぐらいでした。
その次のところに、滋賀県の森林の現状と課題ということがあるのですけども、林業の現状としてこうだということはよくわかるのですけども、それがこれからやろうとしている森林の新規事業にどう結びついていくのかということが、本当にこれでわかるのかという感じがします。
2ページの下の方、「保水力等の低下により琵琶湖の水源かん養機能への悪影響」で、最初の段落はいいことが書いてあります。ここにいいことを書く必要はなくて、ここは課題を書くわけですから、今、滋賀県の森林はどうなっているのかと。林業がどうなっているのかじゃなくて、森林がどうなっているかということをちゃんと入れてほしい。
森林がどうなっているかというと、造林したところは手入れ不足で、その手入れ不足の森林が面積の何パーセントに当たるのか、75億を使って、この体たらくだということを書かないとあかんと思うのです。それで必要なところは、3ページの頭、「しかし、手入れ不足により」というところからが必要なんだと私は思う。
その次、土砂流出・崩壊による災害増加も、「しかし」というところから、森林が荒廃すると林内が暗くなってと、本当に今どうなっているのかということの現状の認識を書いてほしいと思います。
地球温暖化の進行というところに至っては、二酸化炭素の吸収量は8.6万トン、これは二酸化炭素換算のようですけども、これも本当に必要なんですかね。琵琶湖の水に直接的な関係はありますけども、地球温暖化に対して滋賀県の森林面積がどれほどの寄与をしているかということについて、書けば書くほど、「何だ、それぽっちか」ということになりはしないかと思うのですが、いかがでしょうか。
3ページの一番下のところで「環境に優しい資源である木材等の供給が困難」、これは林業の現状としては書けばいいですけども、林業がしんどいということを書けば書くほど、新しい事業をラショナライズ、合理的に理由づけるということにはならないんじゃないかというふうに感じて仕方がありません。
そういうふうに見ていきますと、森林というものはいいものだというのがあちこちにいっぱい書いてあるのですけども、滋賀県の森林はこのままいったら大変なことになるという危機感というか、即、手を打たないと、どうにもならんようになるということが読み取れるとは感じられないので、その点、大変不満を持ちます。
ですけれども、今までいろいろ資料をご提示いただいて、私は自分で滋賀県の山を歩きながら、本当に滋賀県の山に手を入れないととんでもないことになると。造林地がそうです。里山や奥山がそうです。そこのところに手を入れようとすると、従来持っていたお金の75億で手入れするところというのは、林地全面、20万ヘクタールに対してだけじゃないですね。さらに里山や人工林を手直しして、奥山までお金を払っていこうとすると、とてもじゃないけど75億で賄えるとは私には思えない。
ということで、試算されている6億が、どのくらい適切かということについては多少意見はありますけども、まずまずこのくらいだったらという感じがするものですから、書き方について注文がいっぱい残っていますけど−−結論として、やってください。
会長:ありがとうございました。要するに辛うじて及第だというような、優・良・可で言うと不可に近いかなと、そういうご指摘なのかもしれません。
いずれにしても、滋賀の森林の現状について、それを踏まえてということは当初からご指摘がありましたし、またそれに合わせて事務局の方もそれなりに努力をしていただいた。現状がこうなっていることを前提にして、先生のお知恵をさらに拝借して大なたをふるっていただいて、滋賀の現状を反映した文章表現ができるように、そこは先生の方にもぜひともお願いしたいと私などは思います。
これを読んだ県民の方が、いかにも、そのとおりだと、そういう気持ちを共有できるような表現なり工夫なりをしていただければというふうに考えております。
ずっとご議論をちょうだいしてきました。もちろんまだいろんな意見がおありだと思うのですが、基本的にこういう方向で答申するということでよろしいですか。つまり、ここで確認させていただきたいのは、厳しい率直なご意見をちょうだいしたと思いますので、それをこれに書き加えて、この基本線で提言するということでよろしゅうございますか。
委員:少数意見かもしれないですけど、そういう意見が出たという事実については、できればお書き加えいただいた方がありがたいと思います。
先ほどの先生のお話は森林づくりの立場からのもので、私の方では費用負担について県民の理解を求めてどういうふうにするのだという話で、ちょっと論点が違うのです。そういう意見があるということについて、私の気持ちとしては触れていただいた方がありがたいなと。
現に、県民の方のアンケートをとりましても、100%とは言いませんけども、かなりの方が慎重な姿勢を見せておられるわけですね。そういうものの反映があってもいいのかなと、私はそう思っております。
委員:懇話会の議論ですので、ここでの議論として多数意見、少数意見はあっていいと思いますが、一つにまとめるという必要があるかどうかということについては、少し柔軟に考えてもいいんじゃないのかという感じがします。ただ、本文の書きぶりで、どの程度少数意見を書いていくかということについては、会長にお任せをしたいと思っておりまして、そのあたりはちょっと配慮いただけるのではないかと思います。
論点としては、費用負担ありきというのがやはりおかしいぞという議論が1つ、それから、もう1つは超過課税でいくということについて、やはり法定外目的税が本筋だろうというご意見、そのあたりは少数だけれど、そういう意見もありますよということは言っていただいてもいいんじゃないか。別に会長に反論するわけじゃなくて、法定外目的税で普通徴収をやると、それぞれご自分で納税をしないといけないところがあって、教育効果からするとそっちの方がちょっとは上かなとか、いろいろくだらんことを考えるわけです。そういうことも含めて、少数意見で結構ですけれども、少し載せていただければというのが僕自身お話を聞きながら感じた点です。
それと、全体の流れの中でぜひ書き加えていただきたいというのが幾つかあります。この懇話会としては、一定の林野行政分野の枠の外で、条例に基づいてその中で考えていくということで、流れとしてはこれで結構です。けれども、やはり森林の危機的な状況に対して県はどう取り組むのかという話がまずあって、その次に、この森林問題について我々懇話会としては、もっと高い優先順位で取り組んでいただきたいという表現があると。しかし、そのことについては県政全体の問題で、ここではなかなか議論できないので、次のステップとして、我々として手持ち考えられる範囲で何をやらないといけないのか。そうすると、基本的には政策転換と、それに必要な費用をどう調達するかということを当面考えないといけない。そういう前提を置いた上で実際にやろうとすると、従来施策というのを根本的に見直して、全体を通じて新しい施策に移行していく、これが81億円ぐらいかかる。特に新しい施策部分として追加的にかかる部分については、なにがしかプラスをしないといけない。
そういう政策転換と、その中で従来のもので新たな政策に対応できるもの、しかし、従来のものを一生懸命頑張ってもなかなか進まないところ、これは大枠があるという前提での議論ですが、その枠の中で新しい施策にどうしても足りない部分がこれだけあってという議論があって初めて、じゃ、その6億円をどうしましょうと。その中で税の議論があって、効率の問題とか、それから現実的な対処の仕方ができるので、住民税の均等割分の超過課税という結論はこれでよろしいかと思っております。ただし、これについても少数意見がありました。というようなことを書いていただけると、何となく流れるのかなというのがあります。大変しんどい役割をお任せするのですが、その辺は会長にちょっと努力をしていただくということで考えたいというのがあります。
もう1点だけ、最後に5年間の見直しという話もありますけど、当懇話会としてできるだけ早くこういう政策転換とか、それから新税の導入に向けた準備とかを、僕自身の気持ちとしてはできるだけ早い時期にやっていただきたいという気持ちがあります。そのあたり、具体的に日程を出すところまでは我々としても無理ですが、極力早くその実施方針等々も固めていただいて、検討体制も、県としても大体のことは言ってもいいんじゃないかということを考えておりました。
会長:随分と重い宿題を課せられているような気がしておりますが、いわゆる少数意見があったというところまで明言をするのか、それが適当かどうかについては、私もまだ自分自身でも整理がついていない。要するに、こういう意見と、こういう意見との選択の中で、大勢としてはこういうものだといったような形になるのか、あるいははっきりとこういう少数意見があったと書いた方がよりいいのかというのは、恐らく技術的な処理になろうかと思います。
ただ、従前のこういう形の懇話会は、そういう制約は特にないですか。
事務局:はい。
会長:なければ、先生方のご意向を十分反映して、こういう点で留意する事項としてあった、ということで書かせていただこうと思います。私としては、少数意見があったと、はっきり書いた方が気が楽ですから書かせていただきます。ただ、そのあたり、県との調整を含めてお任せいただければありがたいと思います。
いろんな議論がございましたけども、基本的にこういう形で提言させていただくということで確認させていただきます。ずっと8回にわたって、しかもシナリオが全くない懇話会、私はこういう懇話会は好きでして、要するに皆さんの考え、知恵を出し合って作っていくというのは恐らく基本だろうと思います。そういう意味で、いろんな形で議論を尽くしていけた。しかも、何より滋賀の森林政策が大きく転換していく時代に、環境を重視した森づくりという事業内容とか、その費用負担というようなことを考える機会を、私なんかは与えていただいて非常にありがたく思っています。
特に、先生方には最後の最後まで非常にご熱心なご議論をちょうだいしまして、私はご協力を本当にありがたく思っております。そういう中で議論もございましたように、特に環境問題というのは、なかなか目に見えないところがあります。それは、目に見えないから目に見える形にするというのも一つの方向で、同時にこの懇話会で何度も強調されましたように、やはり広報したり啓発したり、あるいは税を負担するということを通して自覚を促すと。
いわば環境につながるのだという一種啓発的な要素というのも重視されるべきだろうし、表現としていいのかどうかはよくわかりませんが、環境問題に対する県民の理解といいますか、民度というのでしょうか、この議論というのは環境に対して意識が非常に強い県民性というか、そういう意識を私は常々いろいろ感じさせられているのですが、そういうことを改めて大事にするというのが今後の課題かなと思っております。
2つ目ですが、今申し上げましたように、林務緑政課と税務課のいわば共同作業になっていますし、これ以降もずっとまたやっていただかないといけないことになるわけです。実は行政の内部でよくいわれますように、縦割でなかなかうまくいかないということもございますが、一つの課題、環境を考慮した森林づくりをどうするのだという点で、行政内部で知恵を出し合って、またいろんな意見をちょうだいしながら調査もするという形でいくというのは、行政にとっても県にとっても、私はいい経験を積み重ねていただいているのではないかというふうに思います。
そういう意味で、行政が事務局として支えていただいたことに対して本当にありがたく思いますし、またこれ以降もこれの実施等も考慮して、さらにご尽力をお願いしたいというふうに考えております。
本来、もう一、二回ぐらい会議をしないといけないのかもしれませんが、基本的な方向というところでご了解をいただきましたこと、本当にありがたく思います。
私自身が非常に勉強させていただきましたけども、十分な配慮が至らずにうまく進行できず、先生方にご迷惑をおかけしたかもしれないと思います。もしそうであれば、おわびをしたいと思います。
本当に長い間、暑い暑いというふうに言っていた時から、あっという間に寒い季節を迎えまして、先生方のこれまでのご協力に感謝を申し上げまして、一応これで締めくくりとさせていただきます。
どうも、本当に長い間、ありがとうございました。
事務局(琵琶湖環境部長):それでは、県を代表しまして、私の方から一言お礼申し上げたいと思います。
委員の皆様方には、4月以来、森林づくりの費用負担を考える懇話会につきまして大変ご熱心にご議論賜りましたこと、厚くお礼を申し上げたいと思います。ご審議賜りました点は費用負担のあり方という大変難しいテーマでございまして、しかも多くの会議が夕方から夜にかけてという非常にハードな日程の中で精力的にご議論賜りまして、深く感謝申し上げたいと思います。
森林のあり方につきましては大変重要であるというふうに言われておりますが、その割には、これまで必ずしも活発な議論が行われていたというふうには言えないところでございます。それは、1つは山そのものが50年、100年という時間の中で語ると、そういう存在でありました。あるいは、公益と民益の境界が非常にわかりにくくなっております。そんなこともございまして、なかなかその議論がしづらかったというのが率直なところでございます。
今回、私どもの森林づくり条例の制定でございますとか、それから今回ご議論をいただきました費用負担であるとか、このような議論を通じまして、これから山を議論するときに、どういうふうなテーマを議論するのか、あるいはそのときに何に配慮しなければいけないのか、そんなふうなテーマなり論点が随分整理されたのかなと思っております。
同時に、県民の皆さんにかなり関心を持っていただけるというふうになったんじゃないかと思っておりまして、そういったことをしっかり踏まえながら、これから取り組んでいきたいと思っております。
そういう中で、費用負担のあり方というものにつきましてご議論賜りまして、大変重要なご指摘をいただきましたこと、それから今後意識しなければいけないということで大変重いご意見をちょうだいしております。私ども、真摯に受けとめまして、今後県民の皆さん、あるいは議会と十分議論をしながら、できましたら早い時期に結論に持っていきたいと、そういうふうに思っております。
皆さん方には、今後ともご支援、ご協力をよろしくお願いしたいと思っております。田中会長を初め委員の皆さん方には、これまでご議論いただきましたことに改めてお礼を申し上げまして、簡単ですがお礼のご挨拶とさせていただきます。どうも、大変お世話になりました。
事務局:委員の皆様、ありがとうございました。
今後の予定でございますけども、きょういただきましたご意見等、また会長と調整させていただきまして、提言書の修正作業を事務局の方でやらせていただきます。
できましたら、年内には会長から知事に提言書をお渡しいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。