文字サイズ

第7回森林づくりの費用負担を考える懇話会会議概要

■開催日時
平成16年11月18日(木曜日)18時0分〜20時0分

■開催場所
県庁東館7階大会議室

■出席委員
田中会長、荻野副会長、植田委員、黒田委員、増田委員、三谷委員以上6名(敬称略)

■内容
新たな森林づくりと費用負担のあり方について

(表)

(会長)
これまで6回にわたって会議を進めて、委員の先生方から多くの点でご指摘をちょうだいする中、少しでもいいものにまとめようというところで議論を進めてまいりました。
前回10月26日に会議がございまして、そろそろ提言という形にまとめ得るかどうかということも含めて検討していこうということになりました。そして、とりあえず事務局でまとめていただいた提言案をお示しいただいた上で、さらに議論を集約していこうというところにまいっております。
それでは、事務局から、本日の資料「滋賀の新たな森林づくりと費用負担のあり方について」説明をお願いします。

(事務局)
資料に基づき説明

(会長)
かなり詳しい紹介をしていただきました。特に議論いただきたいのは、最初の方で報告をいただきました提言案を基本にしながら、記載内容あるいは表現方法等も含めて、委員の先生方が気になられた点、あるいは質問等がございましたら、自由に意見をちょうだいしたいと考えてます。

(委員)
これまで議論されたところを割合よく目配りなさっていただいていると感じました。新たな森林づくりの費用負担をどう考えるのかがこの懇話会のメインテーマであったわけですけども、それについて2つの柱で議論してきた。新たな森林づくりの新たな森林とは何かということが1点、もう1つは、新たな森林づくりはどういう管理システムをつくっていくのかということが1つです。
新たな森林づくりの、その森林をどういう森林にしていくかということについては、いわば、その場所へ行って森を見て、この森がどんな形をしているのかということを見ればわかるというものであるのに対して、後の方は、森林づくりのどういう管理システムをつくっていくのかという、主としてそれを実現していくための手段、人の側の仕組みをどうするのかということだと思うのです。

いずれも「新たな」という言葉が頭にかかっているのですけども、実は本来的に森林が森林の機能を十全に発揮させるためには、こういうやり方をやらなくちゃならないと考えられるということからいうと、従前に林業施策としてやられてきた施策のあり方に対する反省を込めてということがあったのかなと思うのです。
その中で、今、特にやらなければならないことをやる。例えば環境林という言葉であったり、資源の循環利用という言葉であったりするわけですけども、さらに里山と奥山を新たにつけ加えていくということは、滋賀県の森林全部を対象とするということだと思う。今までこの対象にならなかった部分、奥山とか里山というところも対象にしていく。
それから、従来は人工林化していくことが森林づくりの主な命題であったのですけども、そうではないという反省がこもって、長伐期化だとか、針葉樹と広葉樹を混ぜる混交林として自然林に近い形のものに誘導していく。これらは、確かに従来型の林業施策として取り上げられてきたものから見ると、新しいやり方というふうに評価できると思うのです。

もう1つ、新たな森林管理システムの方は、特に最近強調されているのが県民全体でとか県民協働によるということで「県民の」ということ、つまり、これは森林所有者の個人の財産運営といいましょうか、企業経営という形ではなくて、森林の社会的な機能、社会的な責任を発揮させるために、私権を制限するということにおいて社会性を発現させようということだと思うのです。これは、林業が不振であるからということが何度も述べられるのですけれども、私どもは、むしろ社会的責任ということをしっかり考えた方がいいと感じるのです。
それで見ますと、13ページに「ボトムアップ」という言葉が使われているのですけども、確かにその森林がどういう姿をしているのかということを現場で把握して、実現していくということを考えると、机上の計画ではなく現場で森林のあり方を決めるという作業が必要だと思うのです。そういう意味で、ボトムアップ型というのがぜひとも機能するように、これからの事業展開をしていく上で気をつけなければならないところです。新たな仕組みというもの、ここのところでは流域森林づくり委員会をイメージいただいているようですけども、それは従来の行政手法と違った評価ができるとすれば、そこの部分については多くを期待したいと思うのです。

ただ、それが本当に新しいことなのかといいますと−−行政目標に対してどういうことをやるのかについて現場が満足できるものであるか、現場をちゃんと見ているかどうかということは常に問われることなので、これが新しいものというふうにわざわざ言わなければならないというのは、ちょっと気になります。ですけども、従来型のトップダウン型の運営をしてきたことに対して、その反省を込めて、こういう新しい仕組みが本当に働くかどうかということにぜひとも努力をしていただきたいというお願いを込めて申し上げます。

(会長)
全体を鳥瞰した形でコメントをちょうだいしました。

(委員)
まず1つは、使途を明確化することがすごく強調されていました。透明で明確であるということは確かに大事な点だと思うのです。しかし、明確だったらいいのかという問題はちょっとあるような気がするのです。なぜかといいますと、多分一般の県民の思うことは、単に明確であるというだけではなく、本当に望ましいところに使われるということが大事なことではないかと思うのです。つまり一番大事な点は、何に使うべきかということに県民がかかわるという点ではないかと思うのです。そのために納税するということだと思うので、書き方の点で少し気になったわけです。全部、使途を明確化する方法という言い方になっています。

実は今、一般的に環境税の議論が国のレベルでもすごくなされていて、さまざまな世論調査とかアンケートとかを随分とられているのですけれども、その中の一つの特徴というのは、環境対策に使ってほしいという意見がかなりあるんです。今度出ている国の案は、一面で環境対策ですが、もう一面で社会保険料の軽減というのが出ていまして、それをどう評価するかという問題は別途ありますが、つまり自分の考える本当に望ましいところに使われるのかどうかという点なので、一番大きな点は、決めるところにかかわりたいということだと思うのです。
それで、森林について、本当に望ましいと考えているところに望ましい負担の仕方で使われていくのか、そういう制度的な仕組みが担保されるようなものになっているかと言われたときに、その点は考慮の余地があるのではないかなと思いました。

(会長)
今ご指摘のところも、当初からのご指摘かと思いますし、またそれも入れながらずっといろんな議論もしてきました。それに関連して、事務局の方から特にコメントはございますか。それこそ県民協働でどういう仕組みをつくるかとか、森林づくりをするためのいろんな要望、どういうふうにみんなでつくっていくかというようなことも随分考えた上で、当初よりは随分と検討が深まっているのではないかという印象があるのですけども、それ以上に何かコメントがあればお聞きしたいと思います。

(事務局)
県民が望まれるところに費用が使われるという形ですが、基本的に思っているところは、流域森林づくり委員会で議論をいただいた中で、その意見を吸い上げる方法を考えていきたいというふうに考えているところです。
それを受けまして、今ございます森林審議会のところで議論しまして、新たな施策を展開していけるように進めていきたいと考えます。

(会長)
流域委員会で考えられていることと、先生が感じられたことがなじまない。どこで違いがあるのかなということがもしあれば、今後の参考にもなりますので、先生の方からもう少しコメントをちょうだいした方がいいかと思います。

(委員)
1つは表現の問題があります。使途を明確化するということが一番メインの問題では実はないということだと思うのです。使途が明確だったらいいのかというと、そうではなくて、もしお考えになっている流域森林づくり委員会というのが大変うまく機能して非常に望ましい使い方になるとすると、そういう使い方を決める手段というか、これが従来とは違うということになるので、そのことを書いた方がいいという気がします。その結果として使い道というのは当然明確になるわけです。

ただ、一方でそう言いながら、もちろんこういう税としてとったものですから、使途もどこで決めるかというと最後に議会が決めるという問題があるわけですから、同時にこの委員会がどのようにかかわっていくのだという点まで議論は進んでいくのだろうと思うのです。
ですので、いろいろ試みていかないといけなくて、基金をつくって、基金の使い方みたいなことをどこでやるかみたいなことは余り書かれていない。参考資料のところに、流域森林づくり委員会というのはいろいろ議論すると書いてありますが、要するに、基金を何に使うかということはどこが決めるんだという問題とかかわった問題だと思うのです。いろいろ議論はしたけれども、それは聞き置くんだというのが果たしていいのかという問題がやっぱりあると思うんです。しかし、議会が決めるのも当然だという面もあると思うので、どういうふうに整理しながら考えるのかという問題、それをうまい形で協力し合える、あるいは刺激し合うような関係がうまくできるなら本当はいいと思うのです。

(会長)
恐らく、その趣旨を十分表現の中に組み込むということになろうかと思います。
さらに、第2の問題提起をされた、要するに住民と議会がどういうふうに意思形成にうまく絡んでくるのか、ある程度動かしてみないとわからないというところがあろうかと思いますけども、そういう点での意識の形成ですとか、あるいは、議会の側にもやはり住民がつくっていくんだということを十分考慮してもらえる体制ですとか、十分にとってもらえるような配慮をお願いするといったことも必要になろうかと思います。

(事務局)
今、基本計画で1年ごとに見直す、また5年ごとにプロジェクトを見直すというシステムづくりをやっています。それを森林審議会の中でチェックをかけていこうということで考えております。
これも同じような形で、審議会を通じましてチェックを進めていきたいと考えております。

(委員)
これまで議論をいろいろ重ねてまいりまして、従来の林業施策では今の荒廃は食いとめられないし、よくないという話だったと思うんです。ところが、13ページの「これまでの林業施策とはその目的が異なって、対応できない」というのはわかるわけですが、「政治的な判断を伴う内容なので、判断できない」ということを書いておられます。この辺が非常に不満に思っているのです。
確かに、その政治的な判断はいるとは思いますが、従来の林業施策だけでは対応できないわけですから、ある程度、従来の林業施策も変えていかなくてはならない部分があるという認識での議論もあったと思うのです。それは大きく言えば、6億という事業費の試算額にも影響する部分ですけど、従来のもので幾分こちらの方へ転換していければ6億という大前提はちょっと変わってくる可能性もあるわけです。その辺、この説明で県民の方に納得していただけるのか非常に疑問に思ってます。

先ほど事務局の説明にもあったのですが、19ページに、「新たな森林づくりの展開は、必ずしも既存事業とは別個に行われるものではなく、普及啓発活動など既存の事業と協働して行うことでその効果が期待されるもの」と、これはこのとおりだと思うのです。極端なことを言いましたら、6億円のうち普及啓発に係る部分は既存の部分とあわせてやれば、6億は要らないということになるかもしれないわけです。そういう考え方も成り立つわけですから、その辺の説明をきっちりしないと6億の根拠が非常にあいまいになってくる。そうすると、税額もいろいろ算定していただいて一応の額が出ておりますが、そこも変わってくるということです。だから、この説明で納得いただけるのかどうかについては非常に疑問に思っております。

それと、下流域のこともかなり申したのですが、下流域についてはもう少し踏み込んでほしいという部分もあります。要するに、重要だけれども時間がかかるから、まずやるのだという短絡的な言い方になってしまっているわけですが、この部分ももう少し努力姿勢を見せてほしいということです。行政当局もこれだけ努力するんだというところを見せないと、県民の理解は得にくいと思います。
それと、前回、「事務局としてなぜ転換見直しができないかという話につきましては、またしっかりと書かせていただきます」とお約束いただいたわけです。だけど書けていない、それはどうなったんだということです。

(事務局)
見直しの部分ですが、普及啓発の中でご指摘のように、新たな部分と、これまでやってきた部分と二通りがありますということがあります。
今回、試算させていただいている部分につきましては、これまでの普及啓発にない、新たな部分しか試算はしていないということでして、従来からある部分については、従来の普及啓発をやっていこうという考え方です。ですから、新たな施策に対しましてその部分を充当する。例えて申しますと「もりっこスクール」とか、国補事業でやっている事業もございます。21校ぐらいに森林環境教育をやっていただいている。それとは別に、今度は体験学習という宿泊的な受け皿をつくっていこうという新たな施策を展開していきたいということで挙がっている部分です。その辺が十分書けていない部分であろうかとは思いますが、そういう考え方です。

(会長)
この前から委員の先生方は極めて重要なご指摘をなさっていると私は思っていて、その中で6億円の数字の説得力ということに関連して、参考資料の中にもどういう事業をするのかということで、大きな2つの柱、そして7つの事業を提案していただいている。
それについては、基本的に従来になかった新しい形の事業をするのだということで、ずっと今まで議論をされてきたのではないかと思うのです。もちろんそれを前提にした上でのご指摘で、では従前の事業にむだ遣いはなかったのか、改めるべきことはなかったのかと、ある意味ではもっともなご指摘をなさっている。もちろんその部分の検討も事務局はしていただいた上で、従来施策の体系にはない、あるいは従来の財源では措置されていない新たな施策を展開するんだという形で提案をいただいているということと思います。ただ、その表現が適切かどうか、過不足なくできているかどうかについては、もう一度きちっと精査していただく必要があることは当然かと思います。これが1点。

もう1点は、13ページの最後の段落で、この懇話会の守備範囲でないと言った意味は、滋賀県が取り組んでいるさまざまな施策のうち、場合によっては別の分野を削って、森林というのは大事だからもっと力を注入しよう、滋賀県全体で森林政策そのものの比重を高めようという判断をするか、しないかというのを実はちゃんとしてほしいという思いです。それを、この懇話会でしようというのは到底無理な話です。しかし、全体の組みかえ等、そういう問題も含めて再度検討した上で、この問題の重要性ですとか、新たに負担を求めるということについても検討いただければということで、やや表現がショートカットしているのではないかという私は気もするのです。もともとの趣旨はそういうことで、十分議会も含めてご検討いただきたいということかと思います。

(委員)
表現の仕方なのかもしれませんが、それでしたら書き方はいろいろあるわけです。従来施策の見直しも含めて財源の捻出をやれとか、そういう書き方の方がいいわけです。
だから、高度な政治判断を伴う内容であるから云々ということで、前回、展開の見直しができないという話もしっかりと書かせていただくと言いながら、こういうことでは非常におかしいんじゃないかという意味なんです。
その方向性を書くということについて異論を唱えるつもりはありません。だけど、こういう形で、従来のものは見直しませんと言い切っているのと等しいわけです。それでは、おかしいんじゃないですかと申し上げているのです。

(会長)
それも、全くご指摘のとおりと思います。ここは、読んだ方が誤解を生じないように、今の趣旨をきちっと生かす形で表現をしていきたいと思います。

(委員)
結局、滋賀の森林状況について、一応参考資料で簡単な概説みたいなことがあるんですけれども、ではその森林について、県がどういう取り組みをしているかということになると、具体的な予算でどのぐらい、どういうふうに使っているのかという問題があるわけです。
それに対して、今度追加的にということだから、本当はその関係がよくわからないといけない。一番望ましいのは、この税の趣旨からすると税にかかわって森林への関心が飛躍的に高まって、今の森林施策のあり方とか、あるいは自分自身がどういうふうにかかわるかということについて、もっと関心を持ってもらうということを念頭に置いているわけです。だとしたら、そういう資料も必要になってくると思うのです。それ自体がいいのかという問題をある意味では厳しく問われてくる可能性を持っているわけですが、しかし、それはいいことなので、資料にもそういうものが入るべきじゃないかということも思った次第です。

もう1つ気になりましたのは、課税の仕組みのところで水源のかん養機能に着目してという議論を少ししておられまして、そこが「受益の程度と負担の関係を表すような定量的な判断基準を見いだすことは不可能と思われます」という書き方をしているわけです。それは言いかえると、可能だったら、その方がいいという意味が含まれていることになると思います。「受益の程度と負担の関係を表すような定量的な判断基準を見いだすことができれば」、水の使用量がちゃんと把握できたら、そっちでやった方がいいというような論理になっているように思います。本当にそうでしょうか。
ちゃんと把握できたらそっちがいい、できないから仕方なくこういう税にしているのだということなのか、そもそもそうじゃないということなのか、かなり意味が違うと思います。その点は、はっきりしておかないといけないと思いました.

(会長)
ご指摘なさった第1の部分に関しては、私も事務局の方に、従来の森林に対する施策は何があって、そして今回新しいのはどうなのかという新旧の区分けと、そして従来のものに対する財源措置等についてどうなっていて、しかし今回の施策は従来では全く対応ができないと、そういうものもやはり目に見える形で、少なくとも参考資料の中には入れた方がいいということで、きょうもその旨を申し上げたところです。
それは非常に重要なことだと思います。しかも懇話会の中で、たしか1回、その種の資料も準備いただいたこともあろうかと思います。せっかく準備いただいていますので、それもきちっと資料として入れていただくということになろうと思います。あとの部分に関してもしコメントがあればどうぞ。

(事務局)
まず、今回の新たな森林づくりは、荒廃した森林の公益的な機能を維持・増進していくという森林環境全体の施策のために必要な経費ということで、特に水源かん養のための森林をつくるという話ではありません。
しかしながら、地方税の場合ですと応益性の原則ということで、例えばその施策を行った結果、水源かん養という形で特に定量的な判断基準になるものであって、水道料に反映できるのであれば受益と負担の関係が明確になって、一定ご負担をいただけるのでないかということで検討をさせていただいた次第です。水源かん養林だけの整備という趣旨ではありませんので、よろしくお願いいたします。

(会長)
その部分に関して、私の方から個人的に申します。定量的な判断基準を見出すことができれば水の使用量に応じて課税を求めるという考え方は、この原案ではとっていない。要するに、基本的には森林が持つ県土を保全するというようなことからすると、およそ受益者負担というような要素を入れる余地はない。
したがって、このような均等割の超過負担という形で負担を求めていただくということが実は最もふさわしいし、一人一人の生活にかかわってくるというところから、やはりそのようなことと考えていただくのが一番ではないかというのがベースにあるということです。
ただ、ここで書いていただいたのは、そういう理論的な可能性をつぶすために一応叙述をしていただいたという関係にあるのではないかというのが、私の理解です。

(委員)
もちろん私もそういう考えを持っているわけです。ここは全体的に受益と負担の関係でというふうに話が進んで、それが難しいのでみたいに出てくるものですから、そうではないということです。
もちろん、一方で多面的機能を持っているけれども、その中の代表的なものとして水源かん養があって、その理論的かつ実際的な可能性について検討してみた場合にはとか、そういう書き方で一定検討した結果というものについて記述することは悪くはないと思いますけども、最も望ましい課税の仕方をやはり考えたのだということをはっきり打ち出さないといけない。仕方がないのでこういう税にしましたみたいな書き方になってしまうと、それは全然趣旨が違ってくると思います。

端的に言うと、滋賀の森林を維持しないといけないのだと、これはどうしてもやるべきことなんだということをはっきり打ち出さないといけない。それは、県条例・計画、そういうものの中で明確にされていて、そのための財源調達ということになっていると思うので、それをどういう形でやるのが最も望ましいかというふうにした方が、私ははっきりすると思います。

(会長)
その部分について私個人が持っている思いは、いわゆる受益者負担を過剰に強調することが、この場合には余り適当ではない領域だと考えてますので、今のお話を聞いて私もそういう感じもしました。
そこは、税金として負担する場合についても、個別の領域に着目するという要素は極めて小さいし、またこの事例については、するのは適当ではないんだということをはっきり示した方が論理としてもすっきりすると思いますので、そこは叙述を少し工夫していただければと思います。

(委員)
新しく追加されたアンケートについてちょっと気になったところがあります。
2つのアンケートがあって、24ページの方が新たに追加されたものだと思うのですけども、これを見ますと、森林の多面的機能については大体の人が理解している。そして、森林の荒廃もよくわかっていますと。しかし、負担をしてもよいという人が大体50%で、したくないという人が50%いるというのがすごく気になっているのです。負担をしてもよいという人の割合の中から、50%の人が500円、1,000円というふうに負担してよいというのが、次の森林づくり費用負担に関するアンケート調査、つまり興味のある人たちの結果と非常に似ているということで、アンケートとしては納得のいくような結果が出ているのかなと思うのです。
けども、ちょうど県民の半分、本当に半分かどうかわからないですけど、大方半分がしたくないと答えているところで、どういうふうにして皆さんを説得するのかということが気になったことです。

それから、資料8ページのところに、「間伐が必要な状態です」という項目があって、平成9年から間伐の実施面積がだんだん増えている。12年から5カ年で1万ヘクタール、これが全体の何パーセントになるのかわからないですけど、ここはどこがやっているのでしょうか。こういうのを見ると、何だやっているじゃないかと思う人もいるんではないかと。例えば、この資料でいくと、間伐はどんどん進んでいるのではないかと思うのではと。

(事務局)
アンケート調査の中で、負担をしないという方が44.6%ございます。私たちもこれを見たときに半分は理解していただいているけど、約半分の方がご理解いただいていないと。
このためには、やはり普及啓発という部分が大きな役割をすると考えており、県民の皆さん方にご理解をいただくために、いろいろな手法でやっていかなきゃいけないと考えているところです。

それから、8ページの間伐面積の推移ですが、基本的に齢級構成を見ますと間伐が必要な森林がたくさんあるという中で、15年で約2,000ヘクタールに増えてきています。これは、5カ年計画で間伐に重点を置いた施策を展開しております。基本的に、年間どれぐらいの間伐をしなければいけないかと申しますと、大体3,000ヘクタールは手を入れなければいけない。そのうち、2,000しかできていないという現実があります。そこをもうちょっと増やしていきたい。これから既存施策の中で間伐に重点を置いた見直しをやっていこうというのが今回の提案です。

(委員)
私はわかっているのですけど、多分県民の人が見たときに、そういうふうに思わないかなと。

(会長)
表現で少しどうするかというのを工夫した方がよろしいかと思います。

(委員)
要するに間伐しなくてはならない面積に対して、どれだけしているのかという2つの資料が要るということですね。これはさっき会長がおっしゃったことですけども、あえて私もそう感じたので申し上げますと、19ページの3.検討、「必ずしも既存事業とは別個に行われるものではなく」云々というところ、こんなふうに書いたら、わざわざ自分が一緒くたにするよということを言っているような感じがするのです。
また、もうちょっと下の方に、施策全体が通観できなくなりと書いてある。そうすると、新たな森林づくりと言っているけれども、既存事業でやっていた森林づくりを、この6億円を足して一緒にやるということにどうしても読めてしまう。
それで、資料の中に林業予算というのを何度かお出しになったのです。それが今回の資料には消えている。それにこんなことを書くと、これでいいのかなという感じがどうしてもします。それは工夫していただきたいという感じがします。

それから、資料はかなり不満が残りました。最初の方は、割合一般論になるようなことが絵で示してある。森林の評価額ということになると何となく本当かなという値が書いてあるだけで、本当に頼りにしなくちゃならないのは、6ページから後の、滋賀県の現状はどうなっているのかということだろうと思うのです。でも、滋賀県の現状のところ、8ページから後になると、既存事業で林業施策としてやったことに対してどうなっているのか、その実績が書いてあるにすぎないという感じがするのです。

実は、新たな森林づくりということを考えるとすると、何をベースにしてそれをやるんだということについて、つまりデータがない。データがないというか、従来型の林業政策を説明するための資料をここへ持ってきたのでは、だめなのではないかという感じがするんです。環境林にすると言ったけども、環境林にしなくちゃならないのはどこにあるのだということと、どのぐらいの面積があるのかということだと思うのです。
同じように、従来型の林業施策の中では全然触れてこなかった奥山林は何が、どのくらい、どこにあるのかということがわからんままにやるのかという感じ、里山もそうですね。里山も、どこに、どんなものがあって、何をしなくちゃならないのかということについての説明が、この資料にはかなり不足しているような気がするのです。

それがまず基本にあって、では、新たな森林づくりとして挙げる環境林というのは、針広混交林にするんだということですけども、どういうタイプのものにするのが望ましいのかということについて、ちゃんとしたデータがない。そこのところをどうやるのかということについては、新たな事業の中でそういうデータもつくっていく。それは県の森林がどうなっているのかということをアップ・ツー・デートに、新たにしていくということです。県には森林を調査なさる機関があるはずなので、そこのところは、しっかり働いてもらうということが要るのかなという感じがしてならないです。

(会長)
後段の部分は資料の補充も含めてあって、何かコメントがあればどうぞ。

(事務局)
資料の話ですけど、15ページの環境を重視した森林づくりの中に、滋賀県の森林の状況と、今後どういう目標でやっていくのだということを数量的にも出してきたつもりをしておりますし、これで進めていきたいという考え方を持って作成させていただいたところです。

(会長)
資料整備の問題と、もう1つは、これを拝見した人がすぐに理解できるかどうか。その両面があると思うので、そこは今どれだけの資料を持っているかということも含めて、もう一度ご検討いただいて、補充していただければよろしいかと思います。
最初のご指摘の部分については、今回は環境林をつくる等を初めとする、従来の施策にはなかったものをつくるのだということで、むしろそこを基本にして新たな事業をするために新たな負担を求めるんだというのがクリアになるように。例えば19ページの記述は、そういうふうにしないと、やはりもう一つ納得をしていただけない可能性があると感じました。

(委員)
この提言案は、物すごく説得力に欠ける案だと思うんです。説得力に欠ける理由は、一番最初に書いてある森林の荒廃とか、森林の手入れの必要性というのは、どんな環境問題の本にも書いてある、いわば導入部のだれでも読んだらわかるような、そういう話でしかない一般論です。
本当に滋賀県民が知りたいのは、滋賀県の現状、滋賀県の緊急性で、滋賀県が本当に困っているから、お金を出してよということに私たちが賛同できるような内容です。それは、今まで何回も資料を出してくださいと言ったけれども、出てこなかったことからわかるように、現状をきちっと把握した資料がないと思うのです。だから説得力はないです。

この文章でこれがわかるのはアンケートが2種類ありました。私は関心がありますよ、お金も出しますよと言った人にはわかるんです。だけど、本当に税金ということで費用負担を考えているのだったら、出すことは考えていないよと言っている50%の人に訴える文章でないとだめなんです。
この文章では、本当に滋賀県が持っている危機感が伝わってこないから、私が一消費者としてこれを読んだ場合に、「本当に、そんなん必要なの」と思ってしまうような内容です。この辺がやっぱり弱いところで、現状を言えないのだったら、これからしたいこと、何をするかということを見せてくださいということをお願いして、だんだんこういうふうになってきたと思うのですけども、それでもやっぱり説得力に欠ける資料だし、文章だと思うのです。

今、資料15ページの説明で、環境を重視した森林づくりの絵だけで、みんなが危機感を本当に共有できるかというと、できないと思います。何にも伝わってこないでしょう。手入れ不足森林が何パーセントあってということで、これで何が起こるのか、これをほうっておいたらどうなるのかということも書かれていないんです。これでは、なかなか私たちは、うん、とは言えません。
この中で、私が一番わからないなと思ったことは2つありまして、1つは6億円の妥当性です。これは突然出きた数字であり、6億円がどれだけ妥当な数字なのか、どうなのかということをきちんと検証してもらわないと。

それで何割負担ですか、3時1分ですか、2時1分ですかと言われても、もとのお金の妥当性がきちんと伝わってこない限りは、500円だったらがまんできますか、1,000円だったらがまんできますかという話だけでしかないんです。この辺が、今の時間の短さではきちんと話し合えない部分です。
それと、流域森林委員会ですけれども、前回の資料ではお金の采配ができるのかどうかということがあやふやでした。里山づくりのグループの委員会と、さらに上部組織として流域委員会があるみたいなことをおっしゃったのですけれども、実際にお金の権限もなければ何にもないのだったら、どれだけの力を持って本当に機能できるかがわからない。
その流域委員会のメンバーは物すごく問題だと思うのです。森林に関心のある人じゃなくて、関心がない人も入って一緒に話し合える委員会でないと、税金の使い道に対してきちんと県民の希望を乗せた使い方ができるかはわかりません。

(委員)
今ご指摘になられた点と関係すると思うのですが、新たな税というわけではないようにはしてあるのですけれども、実質的には新たな税という面を持っている。しかも、目的税的要素を持っています。使途特定型のものなので、検討しているものも、そもそも法定外目的税ではどうかということもあって限定されている。
その意味で、ご指摘になられた点は大変大事だと思うのですが、道路の特定財源のときがそうでしたけれども、やっぱり日本経済にとって緊急に道路を整備することが決定的に重要であると、そういうことの合意のもとでやる。すごく批判が強いのは、今、道路が決定的に重要なのかと、道路も大事だけども、例えば高齢化社会等いろいろあるのに、道路だけが特別の扱いになるのはおかしいじゃないかと、こういう議論になるわけですね。

ですから、やっぱりご指摘になられたとおりだと思うのですが、滋賀の森林の状態がいかに緊急なものであって、こういう形の取り組みをしないと、なぜいけないのかということは最も重要な点だと思います。それの説明として、確かに一般的な森林の価値みたいな議論をされてもわかりにくいというのは、そういうことがあるんじゃないかと思います。その点、やはり考えられてしかるべき点が1つあると思います。
そのことは、実は私の感覚で言えば一種の増税であります。やっぱり今の点で、増税というのは大変大きな意味を持っていると思うのです。ですから、負担の問題は大変大きな問題で、ヨーロッパでいろいろ環境税制改革というのをやりましたけど、ほとんど「税収中立」で何かを減税していることの方が多いですね。ですから、トータルの国民負担は増えないというやり方をするケースの方が圧倒的に多いということになっています。ですので、こう考えようということですと、余程の説得的な展開がされないといけないんじゃないかということですね。

同じような意味で、これは超過課税を利用するので、やっぱり負担の逆進性の問題もあるという気がします。一体だれに、どのぐらいの負担になるのかということも大きな問題だろうという気がします。この点も、何らかの検討をされた上で、提言にいかないといけないんじゃないかと思います。

ここでは、単純に法人と個人の区別となっておりますので、確かに地域社会にかかる費用をみんなが負担するというのはあると思いますけども、その額がぐっと上がってくるわけです。というのをどう考えるかという問題はやっぱりあるなと思いました。
それから、もう1つ、この話の筋では森林所有者だけに森林の荒廃の責任を持たすことはできないと、これは全くそうだと思うのです。しかし、この方式だと森林所有者は何も関係がないようになっているのですね。

(委員)
私的な制限がかかります。自由に処分できないと。

(委員)
なるほど。つまり、この税によって行った事業の便益はどこに帰着するかという問題があるんじゃないかということが論理的にはあると思うのです。だから、そういう制限をされているのかなとも思いますが、つまり通常の環境税は財源調達によって何かをするというのと、もう1つこういう問題を引き起こしたところに一定の動機づけを与えるという両方を持っているケースが多いわけですが、この税はそうではなくて、その部分が全くない税なんです。単純に森林を何とかするための財源を集めるということになっているので、一種の公共事業みたいに進められる格好になります。その税が投入されて、当然その事業に伴う価値が生まれてくるという可能性を持つわけです。それをどう考えるのかということも、少なくとも理論的にはあると思います。それについて、どのように考えたかということも何らかの言及が必要じゃないか、どういうやり方をするのがいいのかわからないのですけども、そういう気がしました。

(会長)
時間の関係もございますので、この議論をどう処理するかについてお諮りをしたいと思います。
非常に判断の難しいところがございますけども、要するに滋賀の森林状況をもっと基本に据えて、今どれだけの緊急性、必要性があるのかということを少なくとも明確にした上で、そのためにどういう事業が必要かというのをもっとクリアに出す。
したがって、それで6億という負担になるんだと。それをどういうふうに負担するのかという話の筋と、そのための緊急性、必要性をもっとクリアに示すべきだというご指摘が最後の方にございまして、そのご指摘はいかにももっともでございます。

(委員)
それと、琵琶湖森林づくり条例の精神が費用負担を考える中に本当に生かされているのかなと思うのです。この条例をつくったというのは、国の施策だけじゃなくて、県独自の考え方なり姿勢を示そうという意気込みのあらわれだったと受けとめているわけです。
ところが、既存のものは見直さない、政治的判断云々と言われると、条例そのものの精神というのはどこへ行くのか。
だから、条例の精神を大前提として繰り入れた上で、県民の負担をお願いするような考え方にならないとだめだと思います。その大前提の部分が欠けているんじゃないかなと思うのです。

(会長)
いずれにしても、それぞれ委員の方の受けとめ方も少し違っているところがどうもおありで、そのあたりシビアにごらんいただいている方もいらっしゃるし、それほどでもないというふうに感じられる方もいらっしゃるでしょうし、そのあたりを含めて、もう一回議論しましょう。
要するに、きちっと議論をして、これでいいかどうかということを詰めた方がいいですね。つまり、大筋ではまあまあということで理解は十分可能なのですけども、やはりこの部分について不十分だから直せというふうに言われる以上は、その上で少し議論をした方がいいと思うのです。

次回は、今日ちょうだいした意見は十分考慮に入れて検討させていただきたいと思うのですが、せっかくここまで皆さんに議論いただいていることですし、ロジックとしてもできるだけ具体的に滋賀が当面している問題は何なのかというようなことを、この原案以上にもう少し鮮明に出るような形で議論をした方が、やはり将来にもいいだろうと思いますので、今日ちょうだいした意見を入れながら第2案をお作りいただいて、さらに委員の先生方の意見をちょうだいした上で、この次は11月30日にお集まりいただくということでお願いしたいと思います。
もちろんいろんな議論の難しさがありまして、例えば6億円の背景そのものを全部洗い直せということになると、今までずっと事務局から提案していただいたやつを一個一個すると、幾ら時間があっても済まないというところもありますので、そのあたりはある程度のところでのご判断をお願いしたいと思っております。

何度も申し上げましたように、まだ幾つかのロジックですとか、あるいは基本的な姿勢というところでやや疑念があるというままでは、会長預かりというところはやはりできかねますので、先生方にはお忙しいところ非常に恐縮ではありますが、もう一度ご検討をお願いします。
事務局には、それを含めて原案をもう一回練り直して、あらかじめ先生方にきちっとお読みいただく、その上でご発言をいただくというところまで持っていってということにさせていただきたいと思います。