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第3回森林づくりの費用負担を考える懇話会会議概要

■開催日時
平成16年7月7日(木曜日)10時0分〜12時0分

■開催場所
滋賀県庁職員会館大ホール

■出席委員
田中会長、荻野副会長、黒田委員、新川委員、増田委員、三谷委員以上6名(敬称略) 

■内容
費用負担のあり方について(資料に基づいて事務局より説明の後、審議) 
 

(会長) 
事務局の方から大きく2つの柱で、環境に配慮した森林づくりの推進という視点と、もう1つは新たな県民参加のシステムづくりという2つの視点に従って新たな事業をどう展開するかということで、既存の事業とは違った新しい事業の必要性についてご説明をいただきました。 
これについてご議論をいただきたいと思います。 

(委員) 
事務局の説明は大変わかりやすいと思いました。大変わかりやすいがゆえに、実はお尋ねとお願いが出てまいりました。 
最初の費用負担の考え方については、細かい点については多少異論があるのですけれども、事務局の方でどういうふうに今までの議論を整理なさったかというのがよくわかりました。それを受ける形で新しい施策として、費用負担でやられたものをどういう経費に使うのかというご説明のところです。 
これはお願いですが−−最初に、環境に配慮した森林づくりの推進というところで3つおっしゃったと思うのです。3つの森林のあり方といいましょうか、ちゃんと言うと、森林施業を伴う施策としては2つ、それから間伐材の搬出と利用ということで1つということだと思うのです。印象として、これはやっぱり林業振興でないのかという感じをどうしても持ってしまうのですね。 

例えば針広混交林への転換というのは、林業振興ではないというご説明になるのだろうと思うのですけども、にもかかわらず、ここのところは、かつての林業政策としてやられた人工林、いわば不成績林化している森林をどう天然林化してくるかということのように聞こえるのですけれども、そうでしょうかということです。 
そうだとすると、本来的な意味での里山と奥山ということに注目なさるということがあったのですけども、施業として里山と奥山をどうするのかということは、「環境に配慮した森林づくりの推進」というところで議論しなければならないんじゃないかということがあるのですけども、そこですね。 

それから、もう1つ、針広混交林のところでお尋ねですが、これは問題になっております公社造林をここの中に含めるのか含めないのか。あるいは、公社造林というのは全然別枠で考えていくのかというようなことについて、ご説明が要るのかなという気がいたしました。 
それから、「新たな県民参加のシステムづくり」の中で、森林づくりということに随分力点が置かれているように思うのですけども、県民のボランタリーなボランティア、NPO、NGOの活動の場をつくるというニュアンスがどうしても抜けないのかなという気がするのです。森林づくりへの参画ということの一番大事なことは、森林政策そのものに県民が参画するということだと私は思うのです。 

そうすると、例えば、県民が森林づくりに参画できる体制づくりとして、資料2の7ページのところにある仮称森林づくり委員会というのは、メンバーとしては森林組合、森林所有者、NPO、一般県民、研究機関、企業、事業体と、かなりいろいろお考えいただいておりますけども、こういうのはアドバイザーとして参画する県・市町村と別個の機関として、こういうものをつくるというお考えのように聞こえるのです。ここのところは、県の森林政策を企画立案するための県民が参画する委員会というような位置づけが要るのでないのかなというふうに感じました。 
じゃ、例えば現在の森林審議会の役割とどう違うのかというようなことの議論が必要になってくると思うのですけれども、これは森林審議会の役割なり、やり方なりを、新しい要素を入れていくということで変えていくというような議論にもなるのかもしれません。この辺のところは、新しい委員会というものを県の政策立案過程の中から違うところへ、こういうのをつくると、仕組みが面倒くさくなるだけではないかなという感じが出てしまいました。 

あともう1つ、この仕組みづくりのことに関係するのですけれども、最初の方の森林づくりにありました間伐材の流れ、ここのところをいろいろ工夫されました。実に巧妙に間伐循環券を発行して、エコマネーみたいなものだというような話がありましたけども、この仕組みはわざわざ複雑に見せているのですか、それとも、考えていったら複雑になるということなのか、そのあたりはわからないのですけども、これは動くのかなという感じがしてしまいました。それで、こういう複雑な仕組みを新たにつくるために、新たな財源を使うということは本当に適切なのかなという感じがしました。 

最後に、総額が3億から6億というお話があったのですけども、3億から6億という金額が、森林施策としてどういう意味を持っているのかということをもう一度考えてみたいと思うのです。前回、森林予算はどのぐらいあるのかというご説明がございましたが、3億から6億というのは、やり方によっては意味のある額であるというふうに私には見えるのです。 
ここのところで議論する必要があるような気がするのですけども、意味のある金額だとすると、本当に意味あらしめるためにどうするのかという議論、つまり、いろいろ挙げていって、これをやったらいい、これをやったらいいという、いわば八方美人的なやり方でやっていく一つの方法ですが、どうしてもそうなっていくかもしれないけども、山が変わるために本当に何をしなくちゃならないのか。 
今、滋賀県の山は大変な状態になっていると私どもには見えるのです。それは何かと言われたら、人工林でせっかく植えたものが全然手入れされていない。だから、役に立たないものになっていくのを手をこまねいて見ているのかということを言っているのです。 

それから、もう1つ物すごく気になるのは、いっぱいつくった公社造林をどうするのか。それから、もう1つ、これから10年ぐらいの間に物すごく問題になるだろうと思うのが里山のタケですね。それらに意味のあるお金の使い方という、つまり山にお金を使うという仕組みができないのかということ。それから、もう1つその仕組みをつくるために従来型の、県あるいは林野がつくった森林政策というものを予算をつけておろしていく、「おろす」という言葉をお使いになるのですけども、そういうことだけと違って、本当にボトムアップの森林政策というものをつくる気があるのか。 
それがもしも本当にあるのだとすれば、一般市民、一般県民の意見を聴くということを基軸にした政策立案過程を組織化するということが本当にできないのかなと。 
ですから、たくさんお書きになった中で言うと、「里山の竹やぶのことを何で書いてないのか」という言い方をしているのと、それから委員会づくりのところは本気にやってくださいということをお願いします。 

(会長) 
きょうの事務局がご報告いただいたことに関連して、理念あるいは枠組みにかかわってのご指摘をいただいたと思うのですが、今のご指摘に関連して事務局の方から説明をお願いいたします。 

(事務局) 
ご質問がありました第1点目の林業振興施策ということで、環境林につきまして、どういうものを対象にしているかということだったと思うのです。現在私たちが考えております環境林の整備というものは、人工林の中で間伐のできていない森林について強度間伐していこうということを考えております。そこで、不成績林の整備のあり方というのは、もう混交林になっているということで、自然の遷移に任せておく方がいいのではないかというふうな考え方を持っています。公社につきましては、前回にご説明させていただきましたように、今回の費用負担につきましては公的管理に関する部分については対象としないということで、私有林の部分についての森林整備を対象にしていこうという考え方でやっていますので、公社は対象としないという考え方でございます。 

それから、県民参加のシステムづくりの件ですが、仮称ではございますけど「流域森林づくり委員会」の役割につきまして、いろいろご提案をいただきました。現在、私たちが考えておりましたのは、地域のチームづくりについてリーダー的な役割でいろんなことを考えていただこう。そして、林業施策への参加につきましては、森林審議会という整理をしていたところですが、その組織2つを合わせたような形でというご提案がございましたので、この辺につきましては今後の検討課題と思ったところでございます。 

それから、間伐材の搬出です。これは基本的に地球環境、間伐材そのものが持っている化石燃料に置きかえた評価とか、CО2を例にするときの評価をそのまま持っていくこともなかなか困難かなと考えております。その間伐材で何かすることによって、森林整備、間伐が進んでいく方法はないかを考えたシステムで、搬出しました木材の間伐券によりまして、次の間伐の推進につながるという循環を考えたときに、こういうエコマネー的な限定した使い方でやってみようかという思いであります。 

あと、森林予算の関係のことをいろいろとご指摘いただきました。事務局といたしましては、今の県の予算でいきますと、国費絡みの予算が9割以上になっていまして、一般財源で使用できるお金というものは本当に限られたものであるというような現状を前回お話しさせていただきました。現在もそういう形で進んでいるところでございます。以上、ご参考にしていただければと思います。 

(会長) 
少し補助的に言っておられますが、ご質問との関係で確認ですけども、林業振興という施策というのは今回の森林づくりに入っているのか、入っていないのかというふうに言われると、ここは基本的には入っていないという理解、やや表現が不適切があるかと思いますけど、林業を振興するという観点ではなくて、環境をどういうふうに整備するのかという視点の施策だと、こういう理解でよろしいわけですね。 
要するに、非常にデリケートな表現になるというのは私も十分わかっていて、どう表現したらいいかわからないところがある。少なくとも公的な負担を求めるという方向性に向けての議論というのは、専らいい環境をつくっていくということで森林が果たす役割をもっと強めていくという観点から施策としてつくったと、こういう理解でよろしいわけですね。 

(事務局) 
はい。今回の費用負担につきましては、環境面からの理屈でつけたものを考えています。ただ、並行してやっています基本計画は林業振興も入っています。特に環境林というのは、放置森林をいかになくすかという面から、森林所有者に働きかけをして、なくしていく努力をしていきたいと考えています。 

(会長) 
例えば、滋賀県の森の3割は十分手入れがされていなくて放置されているから、その部分についていわば強制的に間伐をして、要するに管理を強めていくと、こういうことが大きな柱の1つだ理解していいわけですね。 
その次に、お答えで触れられなかった点で、里山の整備ということでご質問があったかと思うのですが、里山の竹やぶの問題をどのように考えるかと、つまり今、考えているプランの中に入っているのか入っていないのかを含めて、説明をお願いします。 

(事務局) 
里山の整備につきましては、この費用負担の中では、基本的には里山協定林という形で、里山保全グループが行う部分的、局地的な森林整備について負担をいただきたいと考えています。 
全般的な里山整備の仕方につきましては、一般会計の費用の中から整備を進めていくというような位置づけをしております。 

(委員) 
そのとおりでいいと思うのですけど、ただ、林業施策として従来からあった既存のもので賄えるならば何もわざわざ新たな費用負担を言うことはない。その中で、この部分は従来型の経費負担だという予算では賄えないということをずっと言っておいでになってきて、そういうご説明として、資料1の分で、これはなるほどよくわかるというふうに来たけども、具体的にこれにお金を使いますと言われるところになると、これは林業振興と違うのかというふうに見えてしまうということを申し上げたわけですね。 
里山のところについて言うと、逆に林業の経費で負担するというお答えになりますと、これは難しいなと。なかなか素直に分けて見えにくくなってくるのと違うのかなと。私は、単純に人工林にしたところ、それから里山と奥山というふうに山を区分して、奥山にわざわざ手をつける必要は今のところない。でも、いろいろな保全というのは必要だと思うのですけども、きちんと保全策を講じるというのが奥山林です。人工林のところが問題です。それから里山が問題です。 

里山は、これまでどちらかというと田んぼにくっついたものという扱いをされておりますから、従来型の森林業政策の中に入ってこなかったですね。薪炭林というくくり方があったのですけども、それを意識して里山、例えば低林作業で萌芽更新をする薪炭林あれは薪(たきぎ )をとるところですけど、薪切りというのを林業施策でやったかといったら、それは余りやらなかったんじゃないですか。 
だから、里山というのは、もともと言うなれば林業施策の中に入っていなかった。そこの部分をちゃんとやってないと滋賀県の環境林としての意味をなくしてしまう。環境部分をつぶしてしまうという危機感みたいなものを私なんかは感じるのですけども、それに適切な手が打てるのかということなんですよね。 

それから、人工林のところは、今までですと林業のためにやった、つまり木材生産のために始まったはずですけれども、現状は何にも動かない。必ずしも正確ではないのですけども、滋賀県では「林業」は死語になったといわれるような状態というのを前提として考えるとすると、せっかく山に木を植えて木材をつくろうということ自体、それは林業をやるということであったけども、林業を放棄してしまったということは、大事な人工林が持っている環境林としての価値もつぶしてしまう。本当にひどいことになりますから、環境林の機能を強化していくために、せっかく木を植えたのだから、その木がちゃんと育つように手入れをしていくということについて、万一そこのところで林業ができてくれば次の時代は林業でやってくださいということでいいのですけども、今ある森林そのものについては林業地として出発したけども、環境林としてつぶれかけているのを環境林として成り立たせるのだということじゃないか。 

そのために、林業がもしも回復できたとしても、今ご説明があったように長伐期でいい価値のものができたときに、それが仮に高い値段で売れたとすれば、その分は持ち主さんと環境林施策との間で、ある意味分収契約というようなことでやることになるんじゃないかと思うのです。そういう考え方はないですか。 
つまり、私は分収林という言葉を使ったのですけれども、例えば公社造林を分収林でやっておられる分収契約に当たりますよね。その林分を決めて、この面積についてはという分収契約をするのだけども、そうじゃなくて持ち主さんが放棄しちゃった、森林所有者が放棄した場所について、このままほうっておいたら環境として価値がゼロになるから、その環境林としての価値を公的管理、要するに強制的に間伐すると。 
その分は当然費用は負担するのだけども、それでいい森林になって、いい木材ができて売れたら、全部こっちが取り上げてしまうというのとは違って、幾らかは山主さんに、山を持っていることによって環境の価値を発揮したという、これは直接支払い的な考え方になるのかもしれないですけども、その辺、どういう考え方を取り入れたらいいのかわかりませんが、ということじゃないですか。 

(会長) 
恐らく、事務局が用意いただいた部分については、こういう形で整備をすることによっていい木材ができてくるということは、基本的にイメージとしてこうなることについては想定していないという組み立てですね。 
現実に、そういう長いスパンで考えると本当にいい木材ができればそれにこしたことはないのですが、むしろ今の問題というのは、放棄されて環境を悪化しているという観点から、手入れを十分にされていないところをどうするのかというのが当面の問題で、それ以降のことについては余り考慮がされていないし、現時点ではそれで考えようと、そういうふうな一応理解はしているのですけども、今のご意見等に関して、特にコメントがあれば事務局の方から。 

(事務局) 
超長期の分収の話ですけど、これはやはり50年とか、そういう話になりますから難しい話がございます。 
基本的に木材生産を目的としない協定を結んで、その中での施策として混交林に持っていくというような考え方で進めておりますので、そこまではお話しできますけど。 

(会長) 
今の話は、環境に配慮した森林づくりの推進というところを中心に進めているので、そのあたりに当面集中してお話をいただきたいと思うのです。 
今、お聞きしている範囲では、要するに滋賀県の森林の3割は十分手入れがされていない。そうすると、3割の手入れされていないところについては、公的な観点から強制的に間伐を進めていくというようなことをしたい。これについては、少なくとも国も全くその手当をしていないし、滋賀県においても今までこういうような手当は全くしていない。つまり財政的な手当もしていない。そういうことだったというのが1点ですね。 

もう1つは、2つ目に書いている長伐期林への誘導というのは、3割ではなくて、残りの7割で、ほとんどもうけというもうけにはならないで森林の経営化、それなりに持っている人を対象ということになるのですね。その中で、今まで仮に40年ぐらいで伐採するというふうになっていたのを、70年まで伐採しないで置いておくということで森林組合と公的機関との関与で、そういう形で、つまり70年なら70年を想定して長伐期林に変えていく。 
このためには、例えば通常の40年までの期間の伐採等については、国なら国の従来の補助等もあるけれども、それを超えた部分については、それを補助するといったような施策というのはないから、その部分について上積みする形で、新たな施策としてつくって補助していくと、こういう理解でよろしいでしょうか。 

(事務局) 
長伐期林につきましては、先ほどまとめをさせていただきましたように、40年とか45年での伐採サイクルを、70年、80年に延ばすということで長伐期化する。そうしますと、今までの保育期間というのは延びてきます。その延びる間につきまして、また間伐等が必要になる。その間伐とか手入れする部分に、今まで標準齢でありますと45年までにつきましては、国からその保育をするための準備費の手当というものがありました。その以後についてはありませんので、滋賀県独自の施策としまして、琵琶湖の水源かん養の長伐期化に対する準備のための支援をしていこうというのが今の考え方でございます。 

(会長) 
そうすると、環境に配慮した森林づくりの3つのうち、最初の2つは、そういう放置された3割の部分に対する対応と、そうでない苦しい状況の中でなお森林を持っている人に対して、なお環境という観点から。 

(事務局) 
申しわけありません。長伐期の部分につきましては、残りの7割だけでもなくて3割の部分も含めまして、両方でやっていきたいというふうに思っています。 

(会長) 
失礼しました。つまり、強度間伐を進めるということと長伐期への誘導という、2つの柱として出てくる。これは従来にない新たな施策であると。 
3番目は、間伐材の搬出・利用というところで、これで実際に動くのかなというようなご質問もあるし、場合によっては、動く、動かないの問題とは違う、これでいいのかといったようなご質問なり、ご意見もあろうかと思います。 
この「環境に配慮した森林づくりの推進」というところで、こういう形で3つ新たな施策として考えられている。これに関連して、ご質問なりご意見なりを、まずお伺いするということから進めたいと思うのですが、いかがでしょうか。 

(委員) 
確認を幾つかと、それからお伺いしたい点が幾つかあります。 
まず、今までのお話で大体わかったつもりでおりますが、針広混交林への転換というのは、基本的に環境林をつくるということで理解をしてよいので、そのための強伐をされる費用をとにかく新たに捻出しましょうと、こういう理解でよろしいわけですね。 
それから、2つ目の長伐期林への誘導は、あくまでも誘導というところにお金を使うのであって、長伐期のための事業にお金を出すという話ではないと理解してよろしいわけですね。つまり、長伐期林にしましょうということについて、合意をしていただいたり、調査あるいは計画づくりをしていただいたり、その費用を出しましょうという理解でよろしいわけですね。 

それから、間伐材のところ、これがよくわからなかったのですが、これはどこに、どういうふうにお金が要るのかというのが全然見えないですね。循環券だけでいくなら、別にお金を出さなくていいじゃないのという話はあるのですが、仕組みづくりのところで要るのか、どこにお金が要るのかなと思いながら、ちょっと気にかかっていたので、その点についてはお伺いをしたいというふうに思っておりました。 
それから、3億から6億の事業費ですが、恐らく最初の環境林のところにたくさんお金が要るのだろうなぐらいのことしか今のところはわからないですが、積算根拠がもしあれば、当然、大分幅のある議論だろうとは思うのですけれども、お手持ちのところでわかれば、3億ないし6億の内訳を教えていただけるとありがたいです。 

(事務局) 
循環券につきましては、今回、間伐を促進する中で−−環境にいい山をつくるために木を間伐するということでございますので、住みよい地球環境とか、そういうことも含めまして、その間伐材を利用していこうという趣旨で今回のシステムをつくりました。 
そこで、間伐材を搬出すれば森林所有者が赤字になるというような現状がございます。それでは間伐材の搬出はできないので、その分を循環券という形で間伐材(の搬出コスト)がゼロになるようにすれば、間伐材の搬出・利用が促進するんじゃないかという形で、その部分に補てんをするというものです。 

その循環券は、1立米当たり幾らにするのかという価値につきましては、上に書いています「循環型社会の構築に寄与」ということで、木質バイオマスエネルギーとしての利用、これは化石燃料に代替えしますと1立米当たり7,000円ぐらいの価値がございます。 
それから、CO2 固定費用というのは、これも代替法で、1立米当たり1万円というような価値がございますので、7,000円を限度に標準的なモデルケースで考えてみますと、スギ・ヒノキの35年生ぐらいの林分で間伐材を搬出しますと、搬出経費すべてで約63万円がかかります。それで、平均的な補助事業が四十六、七万ぐらいですから、持ち出し分は約15万円です。 

その間伐材が、市場で3,000円から8,000円ぐらいの価格で取り引きされているというような状況で、基本的に5,000円ぐらいかなという感覚で思っています。これで、ヘクタール当たり10立米ちょっとぐらいの材をつくったとして計算しますと、1立米当たり5,000円ぐらいの赤字というような状況でございますので、その部分をこの間伐券で循環できないかというのが、この考え方の資料ということでございます。それが4,000立米という考え方を持っております。 
2点目は、費用負担の内訳はどうかという話でございます。それで、環境に配慮した森づくりという部分、それと県民参加のシステムづくりに分けていますけど、その量は2分の1程度、県民参加の分が二、三%アップしているということで整理しております。 

(委員) 
もうちょっとわかりません。強度間伐のところが、例えば2分の1の80%ぐらいとか、それから「新たな県民参加のシステムづくり」−−こちらの話に入ってよろしいですか。 
この新たな県民参画ができる体制づくりのところ、どこに、どれぐらいいきそうなのか、ということが少しわかるとありがたいのですけれど。 

(事務局) 
環境林につきましては、基本的に伐採するための単価、ヘクタール当たり60万です。 
それで、100から300ヘクタールということで、6,000万から1億8,000万の幅がございます。そういう形で、やれるところと、やれないところがございますので、それぐらいの負担ということであります。 
それから、長伐期と間伐循環券を含めまして、これで6,000万から1億2,000万ぐらいというような標準です。 

(委員) 
間伐の方が四、五千万ぐらいですか。 

(事務局) 
間伐は、4,000立米の5,000円で、2,000万円。 

(委員) 
そうか、5,000円だけ出せばいいわけですね。あとは増えるだけ出せば。 

(事務局) 
あとは全部、普通の補助事業でやりますので、5,000円アップするというだけで、4,000立米を一応対象にしていますので。 

(委員) 
あと、新たな県民参加のシステムづくりのところで、半分ぐらい仮に使うとして、実際のお金の出し方を、それぞれどういうところに、どういうふうに出していくのかというのがポイントだろうと思うのです。きょうのご説明でも、県民が参画できる組織づくりのところで、補助金とか助成金とかが要るのかなという感じはするのですけれども、実際どこに、どれくらい考えておられたのか、お話をお伺いできるとありがたいのですが、いかがでしょうか。 

(事務局) 
組織づくりには、そんなにお金は要りません。200万とか、そういうたぐいです。 
里山整備につきましても、地区的にはたくさん一遍にはできないだろうということで、1,500万から3,000万円程度を今のところ考えております。 
それから、普及啓発につきましては、テレビ、ラジオ、ビデオ等々、フォーラム開催とか、そこで一応3,000万近いお金を使っていきたいというふうに考えております。あと、木の温もり、県産材等につきましても、学習机等々で4,000万から5,000万ぐらい、それから環境学習につきましては7,000万から1億8,000万、これはいわゆるレベルによって違うのですけど、そういうレベルで今のところ検討をしております。 

(委員) 
特に県民が参画できる体制づくりのところ、流域森林づくり委員会というのを今後それぞれの流域ごとに、ここにあるようないろんな意味合いの方に集まってつくっていただく。しかも、森林整備グループと協働していただいて、森林ボランティアの活動や里山の保全も、ある程度地域ごとの森林づくり委員会の自主的な活動の中で展開していただくということになると、私はここのところにかなり財源資金というのがないと動かないんじゃないかというのが、1つ気になっていた点です。 
 

それから、2つ目の里山保全グループの活動ですが、滋賀県内の幾つかの里山では、既に地域の方たちが自主的に里山を使って地元の方たちで整備をされ、そして小学校の子どもたちと一緒に環境学習をするとか、例だけですけど、幾つか先行事例が出ていますね。 
そういう活動を通じて、タケの繁茂というのをみんなで抑えていく、あるいは下刈りをしていく、倒木の処理をしていくというようなことを考えると、むしろ里山保全グループに、お金の流れをどうちゃんとつくっておくのかというのが、もう1つ重要じゃないかというふうに考えていたのです。 

ただし、あくまでも民の活動ですので、これをどういうふうに支えるのが一番地域の人たちのやる気も起こるし、それから継続的に里山を守っていけるのかという工夫ができるというのがポイントで、この事業をやったときに幾らというような格好ではなかなか進まないかもしれないという気もしておりまして、ここら辺は一工夫要るんじゃないかというふうに思っていました。 
それから、結局お金のかかる普及啓発、要するに今風のマスコミだとか、あるいは木製品というようなところにかなりお金がいきそうになる。今回の基金の使い方として、目に見えて使えそうなところというのは県産材を使うとか、あるいは体験学習の体制であるとかということで、あるいはテレビでやればどんと金も要るので、こういうところで使えそうかなという気もします。むしろ、こういうところは個人的には二の次、三の次でもいいのかなと感じたところがありましたが、ここら辺は、選択の問題もありますので余り申し上げられません。 

少なくとも最初の2つ、つまり流域森林づくり委員会というものをどういうふうにかけて、ここがしっかり働けるようにできるかどうか。もう1つは、これと協働するわけですから、里山保全グループに対して、どういうふうにお金の流れとか、活動の資金づくりができるようにしてあげられるかというのがポイントのような気がしていました。ここら辺だけ、もしお考えがあればお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 

(事務局) 
里山保全グループにつきましては、面的なグループの活動、これはボランティアさんとか、そういう活動だと基本的には考えております。その活動のフィールドにつきましては、最初の整備については公共事業的なものを使って一度整備していく。あと、使い方とか、そういうものについての管理はお任せしてやっていただく。その補助事業等々を使った森林整備も、一つはその中の視野に入っているというような形でございまして、あとの管理はそういうグループによって、使い方は皆さんで考えてやっていただくというようなことでございます。 
それから、森林づくり委員会につきましても役割は何々をするための、あえて言いますと、イベントとかそういう話、それから委員会を立ち上げて何をするかというと、現地での会合、それから意見交換とか、そういう話になってきますので、重要な役割の割にはなかなか金額が見えてこないようなところ、積算ではそういうふうになりました。 

(委員) 
お考えは大体理解をいたしました。でも、今のような理解のままですと、この流域森林づくり委員会も、それから里山保全グループも、そういうのができましたという、それでは動きませんよということが一番気にかかっています。どうやってこの組織がちゃんと動いて、そのあとの森林の問題にかかわっていってもらえるか。じゃ、何がとなりますが、ボランタリー的にも入ってくれるような人たちが増えるかどうか。こういう人づくりがやれないと、ただでさえ森林にかかわる人たちが減っているにもかかわらず、せっかく応援団をこうやってつくっても、それができないですよということを言いたかったということであります。 

(会長) 
ただいまのご指摘は、こういう県民参加のシステムづくりとして別に委員会をつくるとか、グループ活動を奨励するということについて、もう少し具体的に活動が効果的に動くように、どういうふうな制度としてつくり得るのか、その見通しと、そのための金銭的な一定の見積りというものがもう少しはっきりすればいいのではないかというご指摘です。 
これは、そのとおりだと私も思いますし、この分がもう少し明らかになれば、より説得力が増すのではないかと思います。 

(委員) 
冒頭の説明を聞かせていただいて、環境という観点と視点での森林行政の転換ということを前面に出されるということについては、よくわかりますし、評価もしたいというふうに思います。 
ただ、最後におっしゃった費用の関係ですが、3億から6億という費用の概算であるということでした。公社の1,000億に上るような負債を抱える状況を見ましても、本当にこれで実効が上がるのかなという点については、率直に疑問に思っています。 

前にも申し上げたのですけれども、いわば意識づくりのためのあり方みたいなところを、どうつくっていくかというところに主眼が置かれているのかなと思っています。当然、県民の皆さんに、県内の森林すべてを整備するような莫大なお金を負担していただくというわけではないですから、そうしますと、まだ当惑しておられるんじゃないかなという気がしております。 
それと、先ほど循環券の話がありましたけども、これは例の外来魚のノーリリースありがとう券が有名で、私は気になりましたけれども、それと同じ発想でいいのかなという部分があります。自然環境全体をおやりの中で、そういうものじゃないだろうというような気がしています。 
いわば私有林につきましても、いわゆる私有林から文字どおり民有林といいますか、官民もみんなのものであるという意識づけを持っていただいて、もし整備をしていい成果が出れば、配分の方法についてももう少し考えたらどうかというようなご提案もあったと思うのですけども、その契約方法のあり方なんかを具体的に出してもいいんじゃないか。 

循環券の発想で、前にも申し上げましたが私は放置山林の所有者ですけども、これで積極的にやろうとは思わないんじゃないかと思いますね。その意識づけの面でもう少し前面に出していかれた方が、少々費用がかかってもというような気持ちになろうかと思うのです。利益誘導というとおかしいですけど、そういう発想じゃなくて、あるいは個人じゃなくて、みんなで考えるような方法をもう少し探るべきじゃないかな、そういう気がしています。 
県民の参加につきましても、実際つくって機能しなければ何にもならないわけです。しかも、長伐期林なんか80年というような話が出ているわけですから、当初は確かにこういう格好かもしれませんけれど、将来にわたる裏づけの部分がないと、継続性という実際の活動も非常に疑問に思っています。そういう意味では、もう少し工夫が要るのかなと。 

それから、広報事業の話が出ておりましたが、例えば1億の事業を、どう1億5,000万の事業に見せるか、あるいは効果を出すかという部分も、逆にそのコストもありますので、そこはどうかなと。例えば、実際に費用的に10人の参加でやれる部分が、広報活動をやることによって15人なり20人なりの参加が得られるとすれば、別の効果が出てくると思いますので、冒頭にも言いましたけど、意識づくりの点からいきますと、特に初期は必要なことじゃないかなというふうな気がしております。 
それと、もう1点は、県民の皆さんに費用負担をやっていくことと、公社なり、あるいは行政がそれぞれやっていくことの役割分担をもう少しはっきりお示ししないと、何でその負担が要るのかというところについては、ご理解が得られないのではないか、こんな気がしております。 

(委員) 
今回の資料2については、すごく思い切って書かれたなというので非常に驚きましたけれども、ここまで思い切られても、数億円の予算では無理だというふうには思いました。先ほどまでのお話で、やっぱりもっと絞った方がいいと思うのです。一番大切なのは何と思うかということですが、私自身は森林の大切さの普及啓発というところが大切だと思っています。今まで滋賀県の方とお話ししてきて、余りにも湖に対する普及啓発は行き届いている反面、山とか森林に対しては非常にあいまいな知識と意識しかないということで、まずはここにすごく力を入れて、みんなで環境を守ることに関しての意識を高めるということ、それから森林所有者自身の意識も低いと思うのです。 

放棄林の原因はお金がもうからないということだけじゃなくて、自分たちが所有している山が環境に大きな影響を及ぼす山であり、本来的にはその手入れをし続けなければいけないという自覚が足りないと思うのですね。それがないと、こういう仕組みがあっても補助金があっても、なかなか動かないと思うのです。ですから、滋賀県民のその意識を変えるということがまずは大切じゃないかなと、広報事業とか。 
自分自身はずっと生涯学習の会を持っておりまして、いろんな森林学習を今までやってきましたけれども、子どもを連れていっても、そうはわからない。森林というのは、循環ということがわかる年齢にならないと、大切さがなかなかわからない。小学生を連れていっても、山で遊んで、わあ、楽しかったなだけで終わるので、高校生以上でそういう知識を身につけた者に対して、森林の大切さと森林で働くこと、それから費用を負担することの大切さを、もうちょっと年齢アップした層に集中的にやった方が私はいいと思います。 

それから次に、早急にしていただきたいのは人工林、放棄林の手入れです。このことに関して本当に思い切って、これを所有者が納得するのかどうかわかりませんけれども、この仕組みなら、例えば税金という形でお金の負担を求められても理解はできると思います。つまり、こういうことのために、みんなでそれぞれがオファーするということが理解できると思うのですね。 
間伐に関しては、間伐製品を買う側の消費者の話は全くなくて、間伐材を出す側に頑張ってこれで出してねという話だけで、視点が全然違うなとすごく思いました。実際、私は企業に働きかけて、間伐製品をインターネットとか宅配で売ってほしいということを既にお願いして、調査してもらったのですけれども、今、可処分所得が大変減る中、グリーン材をあえて買うということは非常に難しい状況になっているらしくて、同じ値段であればグリーン材は買いますけれども、割高なものは買わないというふうに選択はそうなっているそうです。そこは、本当にグリーン購入に対して熱心な企業だったのですけれども、自分とこではしばらく扱えないという返事だったのです。ですから、このような仕組みをつくっても、その先がなかったら、やっぱり動かないと思うのです。 
 

それと、里山に関してですが、これは今ボランティアの方も非常に頑張っておられるので、まずは目に見える形でここのところに力を入れてあげたら、動くものは動くと思うのです。 
流域委員会に対しては本当にいいアイデアで、私も一県民として参加させていただきたいのですけれども、やっぱり予算という割り振りでどれもこれも平等にというと、ちょっと足りないかなと思います。 
予算について、ここ何年間を調べさせてもらったのですけれども、琵琶湖環境部の予算の中で、琵琶湖に関する予算は物すごく大きいのですけれども、森林関係の予算はちょっぴりしかないんですよ。ちょっぴりしかなかったから、今まで資料が作成できなかったのかなあとすごく納得しちゃったんですね。これを、わざわざ別立てで森林環境税というふうにとって、別枠にしなくちゃいけない理由がやっぱりまだ納得できないんですよ。琵琶湖環境部の予算をでっかくとりまして、その中で琵琶湖と同じように平等にやっていくわけにはいかないのかというふうに、そこのところはわかりにくいですけれども、こう思いました。 

(事務局) 
1点だけですけど、間伐の利用につきましては、普及啓発の中の産地証明とか、そういうものをつくりながら、出先を使っていこうというような考え方を持っています。また、私たちの流通の方もうまいこと回りませんので、その辺も、そういう形で考えています。 

(委員) 
何となく結論が出そうなので、二、三、気にかかっているところだけ、これは単なる意見です。 
1つは循環券ですが、これは残念ながらそんなにうまくいくと思えないので、できれば間伐材の直接買取制度みたいな話ができないだろうか。それを消費者に向けて流通させる仕組みを県としてつくれないだろうかということを考える。そして、そこの経費として環境税を考えていくというようなスキームの方が、すっきりしていいような気がちょっとしていました。 

それから、後段の県民参画の体制づくりについては、基本的には、補助事業という形式ではなくて、むしろ森林環境基金のような基金づくりをされてはどうか。つまり、環境税で入るお金の半分ぐらいの額がこっちにかかるとすると、その半分ぐらいの額をマッチングファンドの形で県の基金としてお積みになる。そして、その中からいろんな活動をしてくださるところに基金からの助成の形で運用していくという方が、もちろん金額的にはしょせん1億とか2億とかという毎年の税額に相当する額しかないわけですが、そういう仕組みの方が、むしろ民の活動という観点で考えていったときには、より使いやすいですし、柔軟にその時々の必要性に応えられる。しかも、地域の人たちが欲しいというふうにお思いになられるような、そういう使い方ができるのではないかというふうに考えています。 

それは、普及啓発のところ、特に体験学習の推進は大事だと思います。それも例えば各学校がそれぞれいろんなプログラムをお考えになる、あるいはそれに対してプログラムをオファーする、そういう仕組みというのをつくっていくということを考えたときに、県がそういうプログラムを持っているわけじゃないし、学校もそんなプログラムを持っているわけじゃない。そうすると、森林組合であるとか、あるいは地域で活動しておられるいろんなNPOのグループであるとか、消費者のグループがあるかもしれませんが、そういうところが恐らくこれからの総合学習の中で大きな役割を果たしていくだろう。むしろそういうところにちゃんとお金が流れるような仕組みを考えた方がいい。そうすると、基金型の方が動きやすいんじゃないかということを感じました。したがって、後段の後ろ半分のやつは何とか基金の形にできないかなというのが、私の今のところの思いであります。 

なお、普及啓発の最後、「木の良さの体感」のところですが、これも学習の方に入ってもいいのですけれども、製品のルートとして間伐材の利用流通機構みたいなものをおつくりになると、むしろそっちの方でちゃんと手当てをした方が処理しやすいのではないかというような感じがしておりました。 

(委員) 
今回のデータは、前回に私がお願いしたようにフローで出していただいて、どういう流れかというのが非常にわかりやすくでき上がっているのですけども、それだけに今度は市民の方からの意見も結構たくさん出るんじゃないかなという心配があります。 
このあとに、一般市民の意見を聴くというところもありますし、それから県民自体がどういう反応を示すかというところでは、森林自体が水源かん養の低下とか、そういうようなことがすごく気になってくるか、先ほどの県民の答えというものに、今度は目に見える施策として、こういうものが1年のうちにきれいになりました、うまく動きましたよということの活動、そういったものがちゃんと提示できるような費用の使い方にしていただきたいなというふうに考えています。 

それから、資料2のところですが、活動とか、それから費用負担金の流れは非常によくわかるのですけども、どこに費用がかかるのかというところの費用の流れがちょっとわかりにくいので、重点的なところに印か何かをつけていただくか、それか、金額をそれぞれにつけることはないと思うのですけども、例えば重点的にお金を投じたいというところには、めり張りのあるような形で表現していただいた方がわかりやすいかなというふうに考えました。 

(会長) 
それでは、きょうは先生方には非常に貴重なご意見を多数ちょうだいして、私が今日のご意見を全部きちっとまとめる自信がありませんので、私が思いついただけを少し申し上げます。 
1つは、先生方のご意見をお聴きしますと、前回までの議論からさらに、どういう新たな事業をするのかという点で絞り込みをしているということに対しては、かなり肯定的に、むしろ内容は明確になった。その当否はともかく、こういうことをしたいという点で提案があって、それについて議論を一歩前に進めるという点で今回の議論というのは意義があると思います。 

細部については、いろんなご議論がもちろんあるわけですが、基本的な方向としては、こういう方向というのは十分あり得る。つまり、滋賀県での新たな森林をつくっていくという方向性として重要な事業内容としてあり得るという点で、一般的には肯定的なご理解をお示しいただいたのではないかという印象を持っています。 
とはいえ、なおもう少し詰めないといけないことも残っている。ご議論があった問題の1つは、間伐材の搬出と利用に関連して、本当にそれがうまく回っていくのか。循環券は、そういうような形でするということが本当にそれでいいのか、あるいはそうではなく、場合によっては端的に直接管理の制度といったようなものを考えることができないのか。ときには、循環の仕組みをきちっとつくるという点で、公的な部分等で、もう少しできないかといったようなご意見等もあったというふうに思っています。 

もう1つの議論は、特にシステムづくりについては、今までの議論のメーンというよりは、むしろ今回どちらかというと、どういうシステムをつくるかということで、ある程度絞り込んで提案があったということとの関連もありまして、具体的にこういう組織がどうつくれるのか。あるいは、県民の自発的な取り組みと、こういう公的な援助の仕組みが、どういう形で組み合わせるのかというのがやや不鮮明なところがある、そういう点で多少課題があるというようなご指摘もあったと思います。 
さらに、3つ目ですが、今日の段階ではこの施策という優先順位ですとか、この内容についての合意が十分ない形での提案だということもあって、実はこの事業については幾らかというのは、かなりぼやけた提案にならざるを得なかったのではないかと思います。そういう意味もあって、今日のご議論を含めて、これを前提にした上で、事業サイドとしてはこれだけの金額だということのある程度詰めた金額といいますか、それをもう少し鮮明に出すというのが今後の課題であろうかと思います。 

さらに、今日の議論の最後の方では、仮に大きな事業展開の方向性はこれでいいとしても、それをどういうふうに財政的に手当するのかという議論、あるいはそういうような関心もかなり出始めているようにお聴きしております。 
1つは、財政的な支出面で、基金という、つまりシステムをつくっていくというときに、補助金という形でうまくいくのかというような問題提起が一方であると同時に、これは次の問題になろうかと思いますが、仮にこういうもの、今ここで提案しているもの全部かどうかはともかく、かなりこれを中心として公的な負担を求め得る提案をするときの1つは、どういう形式、負担−−例えばそれが税という形になるのか、どういう形になるのかということを含めた負担のあり方の問題というのが、次に問題になってくるのではないかと思っております。 
そのときには、ご指摘にもありましたように、森林の問題というのは、特に滋賀県の場合には琵琶湖の問題と非常に結びついておりますので、ある意味では琵琶湖環境税のようなものということにもなるのかもしれない。あるいは、森林は森林として、それはそれで別個に取り上げると、そういうようなことになるのかもしれない。 

それは、琵琶湖全体についての施策と、それをめぐるいろんな負担構造の問題とで、仮に公的な負担を求めるという場合には整理をする必要があるのではないかと思います。だから、最後の方の問題は、林務の問題というよりは、財政・税務との関係でどうなるのかという、そこの方がかなり役割が大きくなっていくのではないか。 
今日の議論を私のお聴きする範囲では、大枠のところでこういうのは十分あり得るし、これをさらに具体化するなり、不十分なところはもう少し精緻化するなりというところで、こういう方向で検討を進めようという点で、基本的にはご了解を委員の先生にはいただいたのではないかと私は理解をしておりますけれども、大きなところでは、そのようなまとめをさせていただいてよろしゅうございますか。 

じゃ、そうさせていただくことにしまして、今日、先生方からご議論をちょうだいしましたことを前提に、林務は林務の行政サイドで詰めつつ、今度はその負担構造の面で優先順位の組みかえといったような可能性はないのかとか、あるいは逆に、税、その他での負担構造というのをどうしたらいいのかということの関係部門との調整も始めながら、これから行政内部でその橋渡しのプロセスもご検討いただければと思います。 
そうすれば、一層この新たな費用による事業展開というところの意味合いですとか、比重ですとか、優先順位というのがさらにより鮮明になって、本当に実行可能かどうかが見えてくるのではないかというふうに思います。そういう点でご検討をお願いしたいと思います。 
それでは、一応、本日予定しておりました議論というところでは、このような形にさせていただきまして、次回以降の予定に関しまして確認をさせていただきたいと思います。