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【イべントレポート】名木「渡岸寺の野神ケヤキ」治療研修会

けやき治療
とき:平成23年11月24日(木曜日)ところ:高月町

主催:(財)滋賀県緑化推進会、滋賀県
協力:滋賀県樹木医会

「渡岸寺の野神ケヤキ」が治療されることとなった経緯

高月町の「渡岸寺の野神ケヤキ」は、地元の方から大切にされてきた伝承樹齢300年の古木ですが、樹勢の衰えが目立ってきたため、樹木の健康状態について心配する声があがっていました。
そこで(財)滋賀県緑化推進会の「淡海の巨木・名木次世代継承事業」の一環として、この「ケヤキ」を治療することとなりました。
この機会を利用し、巨樹・古木の保全に関心の深い方々を対象として、樹木治療の技術を学ぶ『名木「渡岸寺の野神ケヤキ」治療研修会』を開催しました。

「渡岸寺の野神ケヤキ」にまつわる話

「野神」とはなんでしょうか?
巨木を野神として祭る習慣
巨木を野神として祭る習慣は、湖東から湖北にかけて見られる習慣である。巨木は神ではなく神が宿る寄り代である。春の「オコナイ」、お盆過ぎの「野神祭」が主な祭りである。巨木を祭る習慣は五穀豊穣を願う農業祭であり、民衆の中から自然発生的に生まれた習慣である。従ってその祀り方や儀式の詳細は成文化されておらず、場所、地域、時代により当然変化している。
野神は集落の入り口や境、用水の分岐点、歴史的に意義のある場所等、集落にとって重要な場所である事が多い。五穀豊穣を願うことから農業神(田の神)であることは理解できるが、これは同時に収穫後は山に帰る山の神でもある。こうした習慣の根底には日本人の素朴なアニミズム信仰があるものと思われる。(当日配付資料より)

ケヤキについては以下のような話があります。
ケヤキは強くて美しい
ケヤキは耐久性が強く圧縮にも強いので広葉樹でありながら構造材として使われる。材は木目がはっきりしており美しいので化粧材としても価値が高い(20万円/m3以上)。太い材(大断面材)は火事にあっても表面が焦げるだけで中まで燃えないため、建物が焼け落ちない。その為高価ではあるが城門、寺社仏閣など重要な建物に利用される。(当日配付資料より)

「渡岸寺の野神ケヤキ」の診断と治療

ケヤキの診断と治療は、滋賀県で活躍中の樹木医のみなさんが行いました。

現状

  • 道路工事によって根が切断されている。
  • 周辺土壌が踏み固められて空隙が不足し、通気性と透水性が悪くなっている。

治療方針

  • 土壌改良

研修会の内容

渡岸寺の野神ケヤキの治療研修

樹木医からの説明
1.樹木医の方から治療に対する解説を受けました。
掘り返し
2.踏み固められた周辺土壌を掘り返していきます。
掘り返し
3.根を傷つけないように丁寧に、放射状に掘っていきます。
土を柔らかくする
4.ある程度掘れたら、空気の力で土を吹き飛ばすエアスコップで根を傷つけずに土をほぐしました。
土壌改良剤を混ぜる
5.次に土壌改良材の「パーライト」や堆肥などを混ぜました。
土の埋め戻し
6.最後に余分な細かい根を丁寧に切り、新しい根が生えるようにして、土を埋め戻しました。

周辺の巨木見学

佐味神社の三本杉
7.ケヤキの治療後、地域に点在する巨木を見学しました。 「佐味神社の三本杉」(高月町柏原)
樹高測定
8.参加された方にスギの樹高を測る体験をしてもらいました。
治療後の渡岸寺の野神ケヤキ
9.「柏原の野神ケヤキ」(高月町柏原) このケヤキは幹周8.4mもある滋賀県最大のケヤキで、推定
柏原の野神ケヤキ
柏原の野神ケヤキ
(治療後の「渡岸寺の野神ケヤキ」 平成23年11月24日撮影)

ご参加いただきありがとうございました。
 

関連リンク
淡海の巨木資料館

お問い合わせ

滋賀県琵琶湖環境部森林政策課
電話番号:077-528-3918
FAX番号:077-528-4886
メールアドレス:dj00@pref.shiga.lg.jp