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アール・ブリュット~滋賀からの発信~

2010年3月から翌年1月まで、フランス・パリ市のアル・サン・ピエール美術館で開催された「アール・ブリュット・ジャポネ」展では、滋賀県をはじめ20都道府県から、主に障害がある人たちの絵画や陶芸など約800点が展示され、好評を博しました。(主催:アル・サン・ピエール美術館、日本側事務局:滋賀県社会福祉事業団(ボーダレス・アートミュージアムNO-MA))

滋賀県には、「この子らを世の光に」と障害者福祉に力を尽くされた糸賀一雄氏をはじめとする多くの先人の努力により、先駆的な取組が進められ、福祉施設等における造形活動の中から、多くの作品が生み出されてきた歴史があります。その作品の中から、アール・ブリュットと呼ばれる作品も数多く表出しています。

こうした歴史や風土、障害児・者福祉施設における造形活動、地域性など優れた特性や条件を持つ滋賀が、福祉と文化芸術をつなぐ取組を進め、アール・ブリュットの拠点として、国際的に意義ある役割を担い、また、アール・ブリュットが県民の誇る文化となるよう、その素晴らしさを内外に発信していきます!

※「アール・ブリュット(ART BRUT)」とは・・・

フランスのジャン・デュビュッフェ(Jean Dubuffet 1901ー1985)という芸術家が考案した言葉で、日本語に訳される場合には一般的に「生の芸術」とされ、「美術の専門的な教育を受けていない人が、伝統や流行などに左右されずに自身の内側から湧きあがる衝動のまま表現した芸術」と解釈されている。 (アール・ブリュット発信検討委員会報告書より抜粋)

アール・ブリュット

アール・ブリュット推進に向けて

1.アール・ブリュットの魅力発信事業

(1)展覧会の定期開催(2012年度~・ 近代美術館)

近代美術館

滋賀県立近代美術館主催で、アール・ブリュットに関する展覧会を定期的に開催することとしています。

2012年度:お出かけミュージアム・キャラバン事業(2か所)

  1. 2013年2月26日(火曜日)~3月10日(日曜日)、会場:長浜文化芸術会館(長浜市)
  2. 2013年3月13日(水曜日)~3月24日(日曜日)、会場:藤樹の里文化芸術会館(高島市)

2013年度:お出かけミュージアム・キャラバン事業(1か所)

  1. 2013年6月12日(水曜日)~6月23日(日曜日)、会場:あいこうか市民ホール(甲賀市)

(2)県立施設での作品展示「ふらっと美の間」(2012年度~2014年度)

県立施設の入り口などに5点程度のアール・ブリュット作品を展示・紹介するコーナー「ふらっと美の間」を設けています。作品選定および展示業務は、滋賀県社会福祉事業団(現:社会福祉法人グロー)に委託して実施しています。

2012年度:8か所(県庁本館、滋賀県公館、びわ湖ホール、ピアザ淡海、県立図書館、琵琶湖博物館、文化産業交流会館、県立大学)

2013年度:10か所(上記8か所+道の駅琵琶湖大橋米プラザ、びわ湖こどもの国)

2014年度:12か所(上記10か所+希望ヶ丘文化公園青年の城、県立平和祈念館)

※2015年度からは「県民自らが語るアール・ブリュットの魅力発信事業」に移行

(3)ガイドブックの発行(2011年度~)

アール・ブリュットの魅力を広く伝えるため、「アール・ブリュットガイドブック」を作成し、広く配布しています。

(4)アール・ブリュットアジア展の開催準備(2012年度~・ 近代美術館)

近代美術館

滋賀県立近代美術館が新生美術館として再スタートした後、アール・ブリュットアジア展の開催することを目指し、その準備としてボーダレス・アートミュージアムNO-MAと連携して作品調査を行っています。

2012年度:2012年10月3~7日(台湾で6作家を調査)

2013年度:2014年1月13~16日(マレーシアで4作家を調査)

アール・ブリュットアジア展の開催準備

(5)戦略的発信事業への支援(2013年度~)

アール・ブリュットを国内外に発信するため、社会福祉法人グローが行う事業で特に発信力の高い先進的な取組(海外での展覧会事業など)を支援します。

(6)広報・パブリシティ活動(2011年度~)

アール・ブリュットの魅力および滋賀県の取組について、新聞や雑誌に記事が掲載されるよう、広報活動を行っています。

(7)アール・ブリュットを巡るトークシリーズ開催(2011年度)

アール・ブリュットの多様性や固有性に着目しながら、毎回多彩なゲストを招いて、様々な視点からその魅力を伝えるトークイベントをシリーズで開催しました。

  • プレ企画 2011年6月18日「アール・ブリュットの魅力と美術館」(於近江八幡市)
  • 第1回 2011年7月9日 「アール・ブリュット作家の共通性と個別性」(於近江八幡市)
  • 第2回 2011年9月3日「アール・ブリュットが生まれる瞬間―現場から―」(於岩手県)
  • 第3回 2011年9月24日「アール・ブリュットを訪ね歩く ボーダーを超える実践的取り組み」(於近江八幡市)
  • 第4回 2011年10月1日「コミュニケーションの回路としてのアール・ブリュット」(於彦根市)
  • 第5回 2011年11月19日 「芸術人類学から見たアール・ブリュットの現在」(於明治大学野生の科学研究所)
  • 第6回 2011年11月26日 「アール・ブリュットとの出会い そしてその可能性について」(於近江八幡市)
  • 第7回 2012年1月28日「医療・福祉を地域に開くアートプロジェクトとアール・ブリュット」(於湖南市)
  • 第8回 2012年2月18日「美術コレクターから見たアール・ブリュットの魅力」(於近江八幡市)

(8)美術旅館の推進(2012年度~2014年度)

美術旅館の推進

アール・ブリュット作品のファンとなり、施設内に作品を展示しようとするホテルや旅館等宿泊施設の取組を推進するため、宿泊施設と造形現場やボーダレス・アートミュージアムNO-MAとの出会いの場を設定し、作品展示を促進しています。作品展示にかかる費用は宿泊施設が負担し、作品の選定や展示業務は滋賀県社会福祉事業団(現:社会福祉法人グロー)がサポート。滋賀県は、アートツーリズムに繋がるモデル事業として、ホームページや県広報誌、雑誌等による広報を行います。

2012年度

2館塩野温泉、尾上温泉旅館紅鮎で展示開始
広報掲載:県広報「滋賀プラス1」1月号、「都市問題」裏表紙、「リーフ」4・5月号各1頁

2013年度

新たに1館おごと温泉びわ湖花街道)で展示開始
広報掲載:「Meets Regional」4月号

※2015年度からは「県民自らが語るアール・ブリュットの魅力発信事業」に移行

(9) 美術旅館で談話会(2012年度)

アール・ブリュットの魅力を観光客や県民に伝えるため、美術旅館を会場にアール・ブリュットの魅力を紹介するトークイベントを開催しました。

2012年度:塩野温泉(2013年3月14日)、尾上温泉旅館紅鮎(2013年3月15日)

(10) 映像コンテンツ制作(2015年度~2016年度)

アール・ブリュットの魅力を広く伝える映像を制作します。
ロングバージョン・ショートバージョン(日・英・仏語)

(11)県民自らが語るアール・ブリュットの魅力発信事業(2015年度~)

  1. 県内でのアール・ブリュット作品の展示
    2015年~2016年 「観に行こう!滋賀のアール・ブリュット」 (設置箇所)
    2016年~2017年「アール・ブリュットに出会える場所」(設置箇所)
    2017年~2018年「会いに行こう。アール・ブリュット」(設置箇所)
  2. アール・ブリュット魅力発信事業費補助金(2015年度~2016年度)
    アール・ブリュット作品の展示およびその魅力発信に資する活動を行う企業、団体等に対して助成金を交付します。

(12)キテ・ミテ中之島2016での展示

京阪電気鉄道株式会社主催のアートイベント「キテ・ミテ・中之島2016」において5月21日(土曜日)から6月19日(日曜日)に開催される「みんなの駅美術館」に滋賀県から作品を初めて出品しました。

場所:京阪電車中之島線大江橋駅(大阪市北区中之島2丁目1番40号)

キテ・ミテ中之島2016での展示1
キテ・ミテ中之島2016での展示2

2.アール・ブリュット振興事業

(13)アール・ブリュットネットワークの構築(2012年度~)


アール・ブリュットネットワーク

アール・ブリュットの制作を支援し、作品を見出し、その魅力を発信していく一連のプロセスに携わる美術、福祉、医療、研究機関、行政等各分野の関係者間の交流を促進し、各活動の課題解決につなげるとともに、アール・ブリュットに関する情報発信等を行うことにより、アール・ブリュットを支える環境全体の底上げを図り、その動きを広げていくことをめざして、全国組織となる「アール・ブリュットネットワーク」の設立を呼びかけ、社会福祉法人グローとともに事務局を担っています。

2012年度:2013年2月10日(日曜日)、ネットワーク発足・設立記念フォーラム開催(於大津プリンスホテル、参加者320人)

2013年度メールマガジンの発行、会員交流会(2013年10月26日、2014年2月8日)、フォーラム開催(2014年2月8日、参加者200人)

2014年度メールマガジンの発行、会員交流会(2014年11月24日、2015年2月8日)、フォーラム開催(2015年2月8日、参加者200人)

2015年度メールマガジンの発行、会員交流会(2016年2月7日、3月21日)、フォーラム開催(2016年2月7日、参加者230人)

2016年度メールマガジンの発行、会員交流会(2016年12月10日、2017年2月12日)、フォーラム開催(2017年2月12日、参加者126人)

2017年度メールマガジンの発行、会員交流会(2018年2月11日、3月17日)、フォーラム開催(2018年2月11日、参加者200人)

2018年度メールマガジンの発行、会員交流会(2018年11月17日)、フォーラム開催(2019年2月10日)

(14)アール・ブリュット情報の収集(2012年度~・ 近代美術館)

近代美術館

滋賀県立近代美術館が、アール・ブリュットの調査研究等を行うにあたって必要となる、アール・ブリュットに関する資料、情報の収集を行っています。
また、ボーダレス・アートミュージアムNO-MAの作品調査に同行し、そのノウハウを学びながら作品情報の収集を進めています。

(15)作品アーカイブの検討(2013年度~)

新生美術館にアール・ブリュット情報拠点を備えるため、作品調査で収集した作品・作家情報等のアーカイブ方法の検討を行います。

(16)しがアール・ブリュットアドバイザーの設置(2012年度~)

滋賀県が行うアール・ブリュットネットワークづくりや、魅力発信の具体的な方策や取組等に対し、専門家のアドバイスを受けるため、2011年度のアール・ブリュット発信検討委員会委員をはじめとした専門家による「しがアール・ブリュットアドバイザー」を設置しています。

アドバイザー

  • 伊熊泰子(新潮社「芸術新潮」編集者)
  • 北岡賢剛(社会福祉法人グロー理事長)
  • 崎山美智子(公益社団法人滋賀県手をつなぐ育成会理事長)
  • 島先京一(成安造形大学准教授)
  • 末安民生(社団法人日本精神科看護技術協会会長)
  • 中村政人(東京藝術大学准教授・アーツ千代田3331統括ディレクター)
  • 服部正(甲南大学准教授)
  • 保坂健二朗(独立行政法人国立美術館・東京国立近代美術館主任研究員)

3.新生美術館構想の推進

(17)新生美術館基本計画の策定(2012~2013年度)

新生美術館基本計画の策定

滋賀県立近代美術館が、一層県民の期待に応え、特色ある滋賀の「美」の魅力を発信する新生美術館として再スタートすることをめざし、新生美術館に必要な機能や施設・設備について定めた基本計画を策定しました(2013年12月)。
このなかで、アール・ブリュットについては、美術館活動の柱の一つに据え、新生美術館がアール・ブリュットの発信拠点となることをめざすものとしています。

4.障害のある人の造形活動の推進

(18)障害者アート公募展「ぴかっtoアート展」の開催(2011年度~・障害福祉課)

ぴかっtoアート展
障害福祉課

障害のある人の芸術作品を公募し、多くの人々に紹介することにより、障害のある人の社会参加の促進と造形活動の裾野を広げるとともに、障害者理解を深めることを目的として、障害者アート公募展を開催しています。公益社団法人滋賀県手をつなぐ育成会に委託して実施しています。(展覧会場:イオンモール草津2階イオンホール)

2011年度:2011年12月7~18日、応募252点

2012年度:2012年12月1~9日、応募209点

2013年度:2013年11月30日~12月15日、応募242点

2014年度:2014年11月26日~12月6日、応募260点

2015年度:2015年12月4日~12月13日、応募262点

2016年度:2016年12月2日~12月11日、応募343点

(19)障害者造形活動支援センターへの運営支援(2012年度~・障害福祉課)

障害福祉課

アール・ブリュットに関して、障害のある人やその家族、福祉施設からの相談、美術館や諸団体等からの問い合わせに対し、必要な情報を提供する等の支援を行うため、社会福祉法人グローが設置するアール・ブリュット インフォメーション&サポートセンター(略称:アイサ)の運営を支援しています。

(20)ボーダレス・アートミュージアムNO-MAの活動支援(2011年度~・障害福祉課)

障害福祉課

社会福祉法人グローに対し、企画展の開催や作品調査などボーダレス・アートミュージアムNO-MAの事業に対する支援を行っています。

これまでの主な取組

(表)
時期 取組の内容
2013年2月10日 アール・ブリュットネットワークの発足
2012年3月 障害福祉サービス事業所の造形活動における作品の著作権等の保護のための指針 ~著作権等保護ガイドライン~の策定障害福祉課)
2011年6月~2012年3月 滋賀県障害のある作家の権利保護のあり方研究会の設置・運営障害福祉課)
2011年6月~2012年2月 アール・ブリュットを巡るトークシリーズの開催(※NO-MAとの共催)
2011年6月~2012年2月 アール・ブリュット発信検討委員会の設置・運営、作品の発掘・収集・展示・収蔵のあり方や、発信のあり方について、専門家による検討を行うため、「アール・ブリュット発信検討委員会」を設置し、2012年2月に報告書の提出を受けました。以降の滋賀県の取組は、この報告書の提言内容を具現化したものです。
2011年4月 「美の滋賀」発信推進室の設置、アール・ブリュットをはじめとする滋賀の「美」の魅力を発信するため、総合政策部内に「美の滋賀」発信推進室を設置しました。
2011年2月 アール・ブリュット振興に関する提案を発表、「アメニティーフォーラム15」と同時開催された「アール・ブリュット・ジャポネ凱旋展」において、アール・ブリュット振興に関する提案を発表しました。
2010年11月~2011年3月 庁内プロジェクトチームの設置・検討、「アール・ブリュット・ジャポネ」展(2010.3~2011.1)の成功を受け、県庁内に「アール・ブリュットプロジェクトチーム」を設置し、アール・ブリュットの振興に向けて組織的な支援を行うための検討を行いました。
2008年10月25日~11月30日 企画展「アール・ブリュット-パリ、abcdコレクションより-」の開催(近代美術館)
2008年4月~2009年3月 第8回全国障害者芸術・文化祭「アートはボーダレス」の開催(※厚生労働省との共催)
2007年度 巡回展「アール・ブリュット/交差する魂」展への支援

政策提案

アール・ブリュットの振興について、国に対して政策提案を行っています。

(表)
提案項目 提案日 提案先
2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた滋賀県の提案、(神と仏の美、アール・ブリュットを日本らしい文化芸術として発信) 2014年2月19日 文部科学省
アール・ブリュットの総合的な振興について 2013年11月18日 厚生労働省、文部科学省
アール・ブリュットの総合的な振興について 2013年5月29日 厚生労働省、文部科学省
アール・ブリュット(生の芸術)の振興について 2012年5月29日 厚生労働省、文部科学省
アール・ブリュット(生の芸術)の振興について 2011年11月18日 厚生労働省、文部科学省
アール・ブリュット(生の芸術)の振興について~福祉と芸術をつなぐ施策の充実~ 2011年6月10日 厚生労働省、文部科学省
アール・ブリュット(生の芸術)の振興について~障害者の文化芸術活動への支援の充実~ 2010年11月26日 厚生労働省、文部科学省

お問い合わせ

滋賀県文化スポーツ部文化芸術振興課
電話番号:077-528-3341
FAX番号:077-528-4833
メールアドレス:sc00@pref.shiga.lg.jp
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