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令和2年度第1回滋賀県総合教育会議の開催結果

開催日時

令和2年5月13日(水曜日)午後2時から午後3時まで

開催場所

滋賀県庁他(ウェブ会議)

出席者

  • 知事 三日月大造
  • 副知事 由布和嘉子
  • 教育長 福永忠克
  • 委員 土井真一
  • 委員 藤田義嗣
  • 委員 岡崎正彦
  • 委員 窪田知子
  • 委員 野村早苗
  • 滋賀県立大津高等学校長 森美穂

議題

・臨時休業中の学びの保障等について

会議録

(福永教育長)

それでは定刻となりましたので、ただ今から令和2年度の第1回総合教育会議を開催させていただきます。本日はウェブ会議により実施をさせていただいております。本日のテーマにつきましては臨時休業中の学びの保障等について意見交換を行って参ります。よろしくお願いします。本日は、ゲストスピーカーとしまして、滋賀県立大津高等学校の森校長先生にご参加をいただいております。森先生には、大津高校で実践されている休業中の学習支援についてお話しいただく予定となっております。どうぞよろしくお願いいたします。それでは総合教育会議の開会にあたりまして、知事からご挨拶をお願いいたします。

 

(三日月知事)

新型コロナウイルス感染症対策ということでこういう形式になりました。これからもウェブでできるなら積極的に導入してはどうか、という面もありますので、おそらく今日ご議論いただく様々な学習や教育課題についても、そういう課題でもあり、悩みでもあるのですが同時に可能性でもあると思いますので、そういう視点に立った議論ができればと思います。とはいえ、学校で一緒に学ぶ、友達の顔を見ながら同じ空気を吸いながら一緒に学ぶ、という機会が、3月、4月、5月で大きく失われている、奪われている、損なわれている。この状況に対して、やはり教育行政を担う者としてどう取り組んでいかなければならないのか。このことについては、もちろん、国のいろんな考え方や姿勢もあるのですが、やはり県としても、主体的に、現場起点で、さまざまな施策を考えていきたい。また何より子ども、現場目線で、皆さんと一緒に、いろんな施策取組をつくっていきたいと思いますので、この点よろしくお願いをいたします。教育大綱を昨年度、皆さんとのご議論の上、定めて、初年度スタートをいたしました。特に読み解く力というものを高めようということで、さまざまな取組を展開しようとしていますし、今年度は中止になりましたけれども、学力の問題ですね。ややもすると、他府県と比べられて、学力テストの正答率における滋賀県の相対的地位が低いのではないか。もっと現場もしくは先生、教育委員会は具体的な施策を展開せよという、そういうお声も寄せられるのですが、僕らが大事にしないといけないのは、やはりその子どもの学び、一人ひとりの学び、その年次・学年におけるその子どもの到達度合い、こういうものを、もっともっと見てですね、寄り添って、高めていく。そういう教育を追求していきたいなと思います。ですから私は、学力というものを少し解いて、学ぶ力を向上させよう、学力の根っこにある学ぶ力というものを向上させる取組、その一つの基礎要素である読み解く力というものを高める取組を展開しようとしているということについては、教育委員の先生方はよくご理解いただいているのですが、今年度新たに教育委員会にこられた先生方などは、少し、十分伝わってない面もあるのかもしれませんので、その点、申し上げておきたいと思います。
 最後に一つ。私が折に触れ、総合教育会議で申し上げているのは、「人は人の中で人となる」という、そういう考え方です。と同時に、じゃあ集団でなきゃだめなのか、一人でいちゃいけないのか。決してそういうことではなくて、一人ひとりの個の学び、一人で思索活動するそういう活動も、ぜひ、充実支援していきたいと思っておりますので、その点また、さまざまな課題等がございましたら、お知らせいただければと思います。ぜひこういう形で、由布副知事とともにですね、しっかりと、この総合教育会議に参画してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。私からは以上です。

 

(福永教育長)

はい、ありがとうございました。それでは本日は、全体で1時間、議題につきましては50分程度の時間を予定しておりますのでよろしくお願いいたします。本日の進め方といたしまして大津高校の臨時休業の実践事例、また、現時点での県内の高等学校の状況等を踏まえまして、臨時休業中、そして、学校が再開された後の学習支援の方法について考えていきたいと思っております。流れといたしましては、まず森校長先生からお話をいただき、事務局から、現時点での県内の学校の状況について説明を行った上で、皆様と意見交換をさせていただきたいと思います。それでは、森校長先生よろしくお願いをいたします。

 

(森校長)

それでは、大津高校の事例発表をいたします。皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。まずはじめに、新型コロナウイルス感染症対策にかかる臨時休業中の本校の家庭学習支援等の概要についてお話いたします。4月8日に休業期間が5月6日までとなり、2、3年生は10日に各教科の授業ガイダンスで当面の学習課題を、1年生は13日と14日の登校日で、高校の学習の仕方や、休業中の課題について説明をいたしました。家庭学習支援や健康観察について、8日から具体的な対策の検討を始め、10日頃から授業動画などをつくり始めました。登校日を見合わせたことから、生徒への学習支援、課題配布や健康確認など、計画的に、円滑に進めていくため、各家庭のインターネット環境の有無や、学習教材に、生徒に届けるための郵送料金など、心配されることはありましたが、工夫しながら、できるところから、臨機応変に取り組むことにいたしました。実践事例の一つとして、滋賀県立大津高等学校YouTubeチャンネルを利用した授業動画の配信があります。一つの動画の時間は約3分から10分程度で、学習・課題学習のプリントの内容の理解、思考していく過程でのヒントやアドバイスになるよう、また、本校生徒の実態に応じた中身になっています。配慮事項として、家庭にインターネット環境のない生徒へは、授業動画DVDの貸し出しを行い、登校可能な生徒には、学校での学習環境を準備しています。IDとパスワード、QRコードは、家庭学習の課題プリントに印刷して郵送したり、新しい授業動画のURLは学年メールで生徒に連絡して、学校のホームページに掲載するなどを行っております。次に、音楽・英語・物理・数学の、授業動画の一部をごらんください。

 

――(動画)――

 

授業動画の作成は、生徒がわかりやすいように、ポイントとなる授業画面に5分位の説明原稿を事前に作成して録音をいたします。そして再生して、アニメーション画面と説明が一致しているか、生徒にとってわかりやすいか、集中できる内容か、声の大きさや聞き取りやすさ、こういったことをチェックして、繰り返し修正してから、YouTubeチャンネルにアップします。5分程度の授業動画の作成には、15時間から20時間かかりますけれども、慣れてくると、大体半分ぐらいで、上手にできるようになると聞いております。5月12日現在、本校生徒のインターネット接続状況は、回答した生徒は全員接続できるということでした。

はじめ、各家庭のインターネット環境を懸念して対策を検討していましたけれども、実際には自宅で、スマートフォン、パソコン、タブレット端末などを利用しているという結果でした。二つ目の事例は、学習課題をPDFにして、学校のホームページに掲載し、学習できるようにしたり、手づくりのワークプリントや授業の補助的なテキストなどを郵送しました。生徒からの質問については、電話・登校生徒への個別指導・学年メールでの回答などで対応しています。

これは5月の学習課題です。4月27日に、休業期間が5月31日まで延長になりましたので、5月初旬に課題をレターパックで郵送しました。2、3年生は、4月の課題を提出するために、返信用のレターパックライトも同封しております。これは、3年生の化学のワークシートです。動画の配信だけでなく、他にもいろいろな工夫ができるのではないかと作成をしました。出題した課題の説明を、1時間の授業をイメージして作成しています。授業でできる発問や作業の指示を2、3ページに1回程度提示するようにしました。生徒が登校したときに、数名、どうだったか聞きましたけれども、おおむね好評でした

家庭学習支援の課題と工夫についてですが、生徒が目の前にいるのとは違いますので、どの程度理解できているのか、どこでつまずいているのか、どこまで進むことができているのか、学習内容がどのくらい定着しているのかなどの確認が円滑に行えないことが課題です。学習課題の中には、確認テストを入れて振り返りをさせたり、提出させることで、担当教師が確認して、アドバイスをすることが可能になります。また、実際に学ぶ内容の全てが、授業動画で代替できるものではありませんので、生徒の実態に応じた学習プリントと、動画をセットにして学習に取り組んでもらうことで、理解につなげていくための問いかけや解説、演習などを組み入れながら、生徒の「わかった」を増やしていけるように工夫をしていかなければならないと考えて取り組んでおります。

これは、実際の健康観察の流れです。ウェブページに掲載と同時に、メール配信でURL、ID、パスワードを送信します。生徒は、送られてきたURLにログイン、質問に答えて送信ボタンを押します。学校では、養護教諭が、教員用のウェブページで、生徒の回答を確認します。確認結果を担任に伝え、担任は未回答の生徒や気になる生徒へ電話で連絡をして状況を確認、結果を養護教諭に伝えます。以上が健康観察の流れです。実際の生徒の画面です。メール発信で送られてきたURLにアクセスすると、左のログイン画面が表示されます。IDとパスワードを入力すれば、右の画面になります。質問に答えて、1番下の送信ボタンを押すと送信完了になります。学校では、養護教諭と担任は生徒の送信した内容を一覧で見ることができます。これを元に必要に応じて生徒に電話で連絡をとり、状況を確認します。健康観察は4回実施し、そのうち3回はこの方法で実施いたしました。生徒の個人情報が含まれるため、送信されるデータと、保存されるデータは難読化しております。また、保存されたデータは、健康観察終了後は速やかに別の場所に移動しています。5月11日から段階的に必要な登校日を設けるようになりました。本校では、今週から自習室を開放しており、午前午後それぞれ3時間、約50名の生徒が登校して、教師に課題の質問や進路の相談をしたり、各自の学習に取り組んだりしております。

これで、大津高校の事例発表を終わります。ありがとうございました。

 

(福永教育長)

はい、ありがとうございました。それでは続きまして、県内の学校の状況について、事務局より説明をいたします。

 

(高校教育課長)

高校教育課長の冨江でございます。よろしくお願いします。臨時休業中における県立の中学校、高校の学びの保障の現状と課題につきまして、説明をさせていただきます。

去る5月1日付けの文科省通知におきまして、可能な限り感染リスクを低くしながら、学校における教育活動を行うための、学校運営上の工夫のあり方が示されました。この通知を受けまして、5月8日に県立学校に対して、11日月曜日からの週以降に、地域や学校の状況を踏まえ、感染予防に最大限配慮した上で、段階的に必要な登校日を設けることができることとしました。

5月11日からの週の登校日の設定状況でございますが、登校日を設定している高等学校は、大津清陵高校や河瀬高校を初めとする、そこに挙げました21校。登校日を設定している県立中学校は、県立守山中学校1校となってございます。登校日には課題の配布や確認、解説や、個人面談等を行っています。登校させる際には、学年により登校日を設定し、クラスや出席番号により、分散登校や時差登校を実施し、教室内の人数を少なくする工夫をしております。

また、休業中には各校でICTの活用を進めております。教員が作成した動画配信を実施している学校は、大津高校や堅田高校など22校、県立中学校3校で、さらに、教員が作成した動画配信を予定し、準備を進めている学校は11校ございます。さらに、民間事業者が提供している学習ツールを利用したり、インターネット環境が整わない生徒たちへの対応として、テレビのNHK講座を活用している学校も10校ございます。学校作成動画サイトや、NHKの学習講座等への案内として、例えば、八幡高校では、このように、学校ホームページ上にリンクを貼り、動画等を視聴できるようにしております。また高校教育課では、学校で動画を作成する際の参考にできるよう、指導主事による授業動画を作成し、校務情報ネットワークの掲示板に置いております。各学校では、1週間から2週間程度を単位とし、「教材の配布」「相談・指導」「回収」「確認・評価」のサイクルを実施し、臨時休業中の家庭学習において、今年度の学習内容の指導を進めているところです。

6月1日に学校が再開した場合、長期休業期間の短縮や土曜日等の授業、学校行事の精選などにより、20日程度の授業日を設定し、授業数を補うこととしております。

現在の課題としましては、6月以降学校再開しましても、引き続き、分散登校などの工夫が必要であると考えております。また、オンライン授業を併用しつつ、探究的な学びをいかに進めていくか、研究していく必要があると考えています。また、進路指導をどうしていくかや、インターハイなどが中止になったことに対して、高校3年生にとって、これまでの成果を発揮する場をつくるなど、部活動引退の区切りをどのようにつけさせるのか。感染症拡大防止策をとりながら、学校行事をどのように構成するのか、そういった課題があると考えております。以上です。

 

(私学・県立大学振興課長)

続きまして、私立高等学校臨時休校中の学びの保障につきましてご説明を申し上げます。資料3をご覧いただきたいと思います。臨時休業を行う私立高等学校の対応状況表でございます。臨時休業を行っていただいている私立高等学校は9校ということでございます。この9校に関しましては、県立学校の状況、あるいは所在する市町の状況、そういったものを勘案されて、各学校のほうで設定をされているというものでございます。こちらを見ていただきますとわかりますように、6月1日から再開ということで、県立学校と同等の対応をされているところが多いという状況でございます。また、登校日の対応ということでございますけれども、分散登校を行っておられるところが多いという状況でございます。また、臨時休業中の学びの保障を1番右の欄に書いてございますが、各校の状況はこういうことでございますが、主なもの、代表的なものを次のページ「私立学校のICTの活用事例」ということでご紹介をさせていただきたいと思います。

まず立命館守山高校でございますけれども、5月11日から6月5日までオンラインによります授業の本格実施をされているところでございます。全学年におきまして、ZoomあるいはClassiというツールを用いましたオンライン指導を実施されているところでございます。また指導される教員の方は、在宅にて遠隔の指導を行っているということでございます。授業につきましては、年間カリキュラムに沿って実施するということでございまして、生徒は出席の確認、あるいはレポートや宿題を提出して、それをもとに学校は点検・評価を行うということをされているところでございます。続きまして、近江兄弟社高校でございます。全生徒に対しまして、課題等の郵送を行っておられます。そして、全学年でGoogleClassroomというソフトウェアを使われまして、授業動画の配信等を行っているところでございます。また、適宜電話あるいはSkypeを利用いたしまして、面談等も実施されておられるところでございます。私学の状況は以上でございます。

(高校教育課長)

続きまして、資料4でございます。高校生が抱えている悩みや不安について、各学校から挙げていただきました。

まず学習面では、学校再開後に授業について行けるだろうか、専門科目の実習や資格取得に向けての学習が十分にできるか、といったことが挙げられています。また、家庭にパソコンやWi-Fi環境がなく、オンライン授業で学習進度に差がついてしまうのではないかという不安の声もありました。

部活動ではインターハイが中止となり、3年生の最後の大会がなくなったのが残念だ、これまで頑張って積み上げてきたものを出し切る場がない、といったものがございます。

進路面では、スポーツ推薦で大学に行こうと思っているが、大会がなくなり、実績などをどう評価されるか。両親が自営業をされている生徒が、このままでは経済的に立ち行かなくならないか、自分は進学できないのではないかといった不安を訴えているということでした。さらに、高校1年生は1学期末に文系理系の選択をすることが一般的ですが、まだ授業を受けてないので選択することが難しいとの不安もございました。

その他には、定時制の高校生の中には、アルバイトを解雇され収入がなくなり、生活に困っている生徒もいるとのことです。また、クラスでの人間関係ができていない、登下校時の交通機関での感染が心配だ、県立学校間・公立と私立・都道府県の間で学校の格差が広がるのではないかという不安の声もありました。以上です。
 

(幼小中教育課長)

続きまして幼小中教育課から、小学校中学校のこれまでの取組について、臨時休業中および学校教育活動再開後の教育課程の編成、学習支援等にかかる市町教育委員会との連携についてご説明をさせていただきます。

3月に臨時休業が始まって以降、県教育委員会としましては、市町教育委員会への支援や連携として、市町への情報の発信および、各市町の取組と共有を行ってまいったところでございます。

まず、教育課程の編成についての支援ですが、年度末の各教科等の指導状況の確認や、教育課程の編成方法についての発信、また、休業中の、各市町や学校の取組事例の共有、家庭学習における学習指導の進め方についての発信など、これまでから行ってまいったところでございます。また、児童生徒への学習支援としましては、県の総合教育センターのホームページに、補充学習プリント「ガッテンプリント」をダウンロードできるようにしたり、4月には、学習支援コンテンツということで、「子どもの『学びの場』」を開設し、子どもたちの目的に応じて活用できるようにしているところでございます。

また、指導主事等による授業動画の配信を行うとともに、他の市でつくっている場合の動画状況についても共有を進めていこうというようなことで今進めているところでございます。

発信しました資料の一つについてご説明いたします。この資料につきましては、臨時休業中の学校と家庭での学習の流れをいかにつなげていくかということで、その参考となるものを各学校にお配りしたものでございます。1、2週間を単位に、上の矢印のような流れで進めていくというふうにしまして、地域や学校の状況に合わせて、内容や組み合わせを検討しながら、実施できるようにしているところでございます。今後の教育委員会の取組としましては、市町の状況を把握し、引き続き市町教育委員会の情報発信および取組の共有を一層継続していくとともに、それぞれの市町によって状況が異なりますので、その状況に応じた適切な支援を行ってまいりたいと考えております。具体的には、教育課程の編成についての支援として、想定される教科書の未指導分とその回復措置についての参考資料等を定期的に送付するなど、その時々の状況に応じた情報を提供する予定でございます。また、児童生徒への学習支援としましては、びわ湖放送様と連携して、授業動画のテレビ放送を開始するとともに、学校教育活動再開後は、児童生徒の補習等を行うために、学習指導員の配置も行ってまいりたいと考えているところでございます。以上でございます。

 

(福永教育長)

はい。それでは以上で説明を終わらせていただきまして、これより意見交換に入らせていただきます。ここまでの森校長先生のお話、また事務局の説明を受けまして、皆様からご意見をいただければと思います。まず教育委員の皆様からご意見がございましたらお願いをしたいと思いますので、ご意見がございます方は挙手をいただければと思います。

 

(藤田委員)

ありがとうございました。今日はこのようにテレワークでの教育委員会になりました。良い試みだと思っておりますけど、その中で今日のテーマが、休業時の学業保障を中心として、どのようにやっていけばいいかということについて、森校長先生が、今取り組んでおられることを見ていまして、努力なさって、非常に早い取組で進めておられるということも非常に敬服いたします。ただこの取組がほかの学校と共通ではないと思いますので、そういった点では大いに参考になるだろうということで、いろいろな課題をいただいたのですが、今回のテーマに合わせて少し認識しておくべきところをお話ししたいと思います。それはこのコロナによってということだけではなくてですね、大きな時代の認識としては、変革のパラダイムは、第4次産業革命とか、ソサエティー5.0社会に向かっていくということを、政府含めて、世界の中の日本としてやっていこうという中にあるわけですね。ところがこのソサエティー5.0を実際実行していこうと思うとなかなか難しいのですけれども、今回コロナという状況によって、自然にソサエティー5.0のほうに一歩踏み出せる環境が整ったと思います。これが大前提にあると。そういう意味では働き方改革は、そのまま学び方改革につながっていく。その内容が、今日の議論につながっていくのだろうと認識しています。そう考えますと、まず休業時の学力の保障を私なりに整理しますと、その前提というのは、それぞれの学年で、教科書を基準にして学力を成長させていく、養っていくことになっていると思うのですけども、問題はその進捗状況を、学校に来られなくなったので、どういう風に工夫をしていくか、どう学力を保障するかということだと思うのです。学びというのは学力だけではないと思いますけども、とりあえず学力のところ、知識に焦点を合わせますと、要は在宅で手段を講じるということだと思うのですね。学校に行けないということは。企業だったらテレワークを進めるということになっていると思うのですが、そういう意味では、本来の学校でのエデュケーション、すなわち本人の持っている能力を引き出していくという本来の教育を考えたときに、教え方と、教えられることによる引き出され方を、在宅で恐らく考えていかないといけない、手段を講じていかないといけないという中で、森先生の話を聞いて、非常に工夫しておやりになって、初めての取組にしてはよく頑張ってらっしゃるなという気がいたしましたのですけども。そう考えると、教え方については、教材とかコンテンツ、教師の力量に左右されて、教室でやるのと違ってネット上でやっていかなければなりませんから、工夫が必要だと思いました。

もう一つ引き出し方について、理解していくときに疑問が出ますので、そういう疑問を導くため、成長力を引き出すために、テレワークのような働き方をどのように教える側と引き出される側、要するに教師と生徒の間で、この両面性を上手くつくり出していくかということが必要です。これは学校に行けないので当然ながら、距離的、時間的な空間を埋めていくということが大事だと思いますので、その必要性から成果を出していく、その成果こそが学力の差を埋めることになっていると。このように考えると、それを実現していくための課題としてはですね、質・量ともに、インフラというのは非常に重要視されると思います。今のインフラでいくと例えばZoomを使ったり、LINEを使ったりYouTubeを使ったりSkypeを使ったり、あるいはGoogleのClassroomとか、携帯とかいろんなものが、距離的、時間的空間を埋めるツールとしてはあるんですけれども、多分学校としては急にこういう状態になったので、その中で身近で使えるものを一生懸命使って、使い勝手の良いものの中で一生懸命苦労されてるのが今の校長先生だと思います。それを、今後はどのようにしてその課題を考えていけばよいかということは非常に重要です。これは要するに、ついこの間まで企業は働き方改革、働き方改革と言っていましたけれども、それはそのまま学び方改革につながってるということを、今回のコロナの影響で、そのように感じます。

 

(福永教育長)

はい。すいません。ちょっと時間の都合もございますので、他の委員の方々、よろしくお願いします。

(岡崎委員)

はい、森校長先生ありがとうございました。今藤田委員が言われた事と同じことなのかもしれないのですが、今回の取組をされた中で、子どもたちの成長力を引き出すところについてですが、教室で生徒の顔や体の動きを見ながらやる授業と、一方通行の動画配信を駆使して行うのでは違いがあると思います。

子どもたちのフィードバックをとらえながら、またサポートする体制は組まれていると思うのですが、そこは教室のように、人の中で人を育てるという環境とは全然違うものがあって、何か先生方の大きな課題がないでしょうか。もう少しこうしたいとか、改善したい事とか、費用面、仕組みとか、何か明確な課題が出ていますか。

 

(福永教育長)

今の点について、森校長先生なにかお答えを。

 

(森校長)

よろしいでしょうか。それではまず課題ということは、やはり学校で動画をつくって、生徒に送りますけれども、それは先ほどもおっしゃっていただいたように一方通行だけで、生徒がそれを見てどうだったかっていうのは、学校に来てくれたときに話を聞くことができます。そしてまたわからないところは電話で聞いてくる、メールで質問を送ってくる、それに教師が答えるという、今はそういうやりとりをしていますが、それが本当にオンライン授業で、教師と生徒が実際に、今日の会議のような状況で、顔を見ながら進めていけると、生徒の疑問をある程度引き出し、思考を深めるヒントを出すことができますし、同じ動画配信を見ている子どもたちが同時にグループで見て、それぞれ意見交換ができると、またそれも、お互いの考え方が共有できて、学びのステップアップの一つにつながっていくと思うのですけれども、まだそこまでの教育環境が、ICTのほうで整ってはいない状況ですので、今ある中でできることは何かということで、努力をして、先ほど発表させていただいたようなことを行っているのが実際であり、課題でもあります。

 

(福永教育長)

はい、ありがとうございました。岡崎委員、いかがでしょうか。

 

(岡崎委員)

私もそうだと思います。取り組み始めたことなので、先ほどの事務局からの報告もあったと思うんですけど、何かのツールだけでこの事態を乗り切れるという状況ではないのかなと。やはり、こういった動画配信とか、Zoomとか、それから電話やメール、いろんなものを駆使してやりとりを、今までにないものを補いながら、試行錯誤をしていく必要性があるのかなと。ですから後は、県がどういったことで各市町の学校に、それから各家庭にサポートができるのかというのが、これから本当に見つめていかないといけないと思っています。

もう一つだけあるのですが、先ほど説明いただいた6ページのインターネットの接続に関する状況を見ると、数字を見ると、大半の子はインターネット環境は大丈夫なんだけれども、やっぱりスマートフォンでの動画配信を見ているのかなというのが、数字から見えたんですが、その辺りはどうなんでしょうか。

 

(福永教育長)

その点はいかがでしょうか、森校長。

 

(森校長)

はい。お答えいたします。ほとんどの生徒がスマートフォンで動画を見ています。インターネットの環境でパソコンを持っておられるお宅が多いですけれども、印刷がうまくいかない場合も実際にはあるようです。だから全ての環境がどの家庭も整っているというわけではないというふうに思っております。以上です。

 

(岡崎委員)

ありがとうございます。

 

(福永教育長)

はい、それでは他の委員さん、いかがでしょうか。野村委員どうぞ。

 

(野村委員)

ありがとうございました。私は高校、中学、小学校、幼稚園といったいろいろな学年で変わってくるのかなと感じまして、その中でやはり、授業動画のテレビ放送をびわ湖放送さんと連携して取り組んでくださっているという、事務局のほうのお話なんですけれども。どの家庭にも届けられて、特にやはり小学校や中学校が、ネット環境が無い中でも、皆さんのご家庭に届けられるというところ、地域によっては、ケーブルテレビを活用されているところがありますし、草津市さんも何かされてるようなところもありましたけれども、その辺りももっと活用していきながら、県としてもいろんなことを発信していけるところが整っていけば良いと思います。ネット環境を使った中で一方的に受けるだけになってしまい、お顔を見ながら授業をするようなことは、どうしてもなくなってくるんですけれども、どの家庭にも届けられるということで、繋いでいっていただけるというのは、良い取組だなと感じさせていただきました。

 

(福永教育長)

はい、ではその他、窪田委員どうぞ。

(窪田委員)

ご報告ありがとうございました。検証についてはもう、大津高校さんのように、それぞれのところで先生方含めて本当に努力をされているところだと思います。私から、もしわかれば、県全体のことなんですけれども、一つは、県立の特別支援学校の現状と課題が整理されていたら、伺いたい、共有させていただきたいというのが1点です。

それから2点目は、幼稚園とかそれから、今、進路については、中学生、高校生の進路についての報告があったと思うんですけども、新小学校1年生になる今の年長児さんたちの進路についても、恐らく次年度の、特に障害があって、支援学級とか支援学校に行きたいとかその辺りついてはもう例年だったら、かなり動き出してる時期かと思うんですけれども、そういう就学前のお子さんたちの進路、教育への進路について、今、何かあったらお聞きしたいなと思ったのが2点目と。

それから3点目は、6月以降に、学校が再開、登校が再開したときに、例えば微熱で、登校を自粛したほうがいいなという判断をされる、特に高校の場合は公共交通機関を使ってくる生徒もいるかと思いますので。そういう場合に、欠席とするのか、それともでも微熱だったら、2週間ぐらい安静にしてもらって大丈夫だったからまたおいでという形にするのか、その間、子どもたちが学校に来て、授業もするし、並行してオンラインもしていくとか、何か6月以降のことで、もし高校の中でも今このように考えてるところがあれば、教えていただけたらと思いました。以上です。

 

(福永教育長)

はい、ありがとうございました。それでは、はい。

 

(特別支援教育課長)

まず一つ目の特別支援学校の現状と課題なんですけれども、この4月からは、スクールバスを13日から動かしまして、8日、9日、10日は登校しておりました、開校しておりますので。13日からは、スクールバスを運行しながら、一時的対応ということで、学校に預かってもらいたいというような福祉への対応の部分と、それから家庭での預かりが難しい部分で、学校のほうでの一時的な対応をしておりました。大体1日当たり200人ぐらいの、全児童生徒の1割ぐらいが、一時的対応で、特別支援学校のほうに通っていました。また、全てがスクールバスに乗ってきたわけではないので、保護者に送っていただいたという子どもたちもおります。一方で登校日のことについては、この間、停止をしておりましたが、5月の11日、今週から15校のうちの8校が既に登校日の設定をして、今週実施をしない学校につきましても、来週から設定を検討しているというような現状です。それぞれの学校にもう少し立ち入りますと、例えば草津養護学校で、訪問先の子どもたちにZoomを利用してるケースがあったりとか、守山養護学校の方でも、病院の方に入れないんですけれども、タブレットとかモバイルルーターを病室の方に持ち込んでいただいて、遠隔で学習しているとか。あるいは聾話学校でDVDを作って、それを郵送して、自宅で学習しているとか。そういったような取組を聞いております。今現状の課題ですけれども、今1番聞いておりますのは、進路の取組です。実習がなかなかできない。企業さんも受け入れに躊躇なさっておられる。こういった状況の中で、子どもの就業体験ができませんので、進路をどのように活路を開いていくのか、繋いでいくのかっていうようなところは、今、課題であるということを思っております。また、修学旅行などの行事のことも、課題だと思っております。

 

(福永教育長)

6月に、再開したときに熱とか出ていたらという。

 

(高校教育課長)

まず6月以降と、それ以前の登校日も含めてですけれども、登校前には家庭で体温を計っていただくということはお願いしております。もしも熱を計らずに学校に来た場合には、保健室等で体温を計る、検温をするという、健康観察を行っていただきます。そしてもし発熱等の症状が見られる場合には自宅での待機ということをお願いしまして、この場合には指導要録上は欠席日数とはなりません。出席停止、忌引き等の日数として記録されるという形で考えております。

 

(福永教育長)

よろしいでしょうか。

 

(窪田委員)

すいません。自宅待機は熱が下がるまでとすると、その先ももうしばらくという形になりますか。その子の学びのストップとしては。

 

(高校教育課長)

症状がなくなるまでは自宅で休養するよう指導してくださいということになっております。もちろんこれが新型コロナウイルスの感染ということであれば、当然その後の自宅待機もまた続くということになるかと思います。

 

(窪田委員)

ありがとうございます。

 

(福永教育長)

それでは、土井委員の方から何かございましたらよろしくお願いします。

 

(土井委員)

はい。大津高校をはじめ各学校、あるいは、各教育委員会には本当にご尽力いただいてると思いますので、心からお礼を申し上げたいと思います。また知事を初め、関係機関あるいは県民の皆様の努力で少し滋賀県の状態は安定してきているのかなという状況だと思うのですけれども、では今後の感染状況がどうなるかという点は非常に予想が難しいところで、とりわけまた冬の時期になればどうなるのかは誰もわからないという事態だと思うんですね。したがってそれを織り込んで、やはり対応を考えていかないといけないんだろうと思います。それで、幾つか意見を申し上げますと、一つはそういう状況ですので、今後学校が再開した場合に、授業時間をどうするか、あるいは、登校日数をどうするかという問題については、かなり余裕を見てお考えいただく必要があると思うんですね。4月、5月の不足分をどうするかということも喫緊の課題でしょうけれども、今後また再度こういう事態が起こる可能性もありますので、ぎりぎりいっぱいで組んでもらうと、また苦しい状況になりますので、余裕を見ていただく必要があるだろうと思います。

それからもう一つは、今までも出ていますようにICTの推進、これはやっていかざるをえないだろうと思います。問題としてはデバイスの問題、それからネット接続の問題、セキュリティーの問題などがあると思うんです。大津高校のアンケート調査を見ると、スマートフォンを含めればデバイスはかなり整っているという状況だと思うんですね。大学でもやってるんですけれども、やはり1番大きな問題は、接続の部分の通信容量と速度の問題で、各家庭によって、ほぼ無制限の容量を利用できるところもあれば、かなり限定されているところもあって、限定されると動画の受信が非常にしんどいという事態になりますので、いろんなネットによる授業を利用していこうとすると、この接続の部分をどうするかということを検討していただく必要があるんだろうと思います。家庭でそれが整っている場合にはそれを利用してもらうことが1番手っ取り早いんですけれども、家庭でそれが十分整っていないという子どもについては、学校に登校してもらうこともあると思いますが、特に高校の場合は、かなり通学距離のある子が出てきて、その不安を述べることもありますので、例えば地域の小中学校で空き教室があるとか、あるいは公共の施設で空間があるような場合に、Wi-Fi環境を提供できるのであればそこを使わせてもらうことができないかとか、そのあたりは県市町、いろんなところでですね、環境整備をすることを少し考えてみてもいいんじゃないかと思います。そうすればするほど、いろんなことが、利用できるんじゃないかと思います。提供するコンテンツについては既に動画の工夫をしていただいていて、これは非常に良いことだと思います。できれば、Zoom等を用いた双方向型の授業ができるのが1番良い状況だと思います。ただこれもかなり工夫で、開始前に少し余談でしゃべったんですけれども、このように、画像を見るとものすごく通信容量が必要なのですが、大学で実際授業している限りでは、今朝もこのツールで授業してたんですが、画像を利用せずに音声だけの利用にしますと、90分で40メガかその程度の容量で済むんです。そうすると、Zoomを利用しても音声だけの配信の場合ですと、通常の動画配信と変わらない程度になったりしますので、そういう工夫ができると、顔は見えないんですが、声でやりとりはできるといった工夫もできなくはないので、このあたりいろんな可能性を今後検討していただく必要があるんじゃないかと思います。最も理想的な状態は、やはりオンサイトで、子どもたちが、時間と場所を共有してコミュニケーションして活動することですし、1番子どもたちにとっても厳しいのは、本や資料を読んで、自学・自習するという状態なんですけれども、その間にいろんな段階がありますので、どの段階を狙っていくのかというのは、できるだけ、工夫をしていく必要があるのかなと思います。

最後の問題になるのは、これは大学でも問題になっているんですが、評価の問題です。小学校の場合はいろいろやり方があると思うんですが、やはり中学校高校になってきた場合に、定期試験を一斉試験で実施できるかという点が、感染状況との関係では大きな問題になってきますし、さらに定期試験に基づく成績評価と、今度は入試が連結するという話になってきますので、入学試験をどうするのかも大きな問題になります。高校生については我々大学が考えないといけないのですけれど、中学生については高校が考えないといけない、あるいは県教委が考えないといけないことになりますので、まだこれは、事態が予想できないんですけれども、早目にいろんなことを考えて、生徒の皆さんに伝えていかないと、いずれ不安が拡大していくとおそれがあります。この辺についてもご検討いただきたいと思います。以上です。

 

(福永教育長)

ありがとうございます。すみません、ちょっと時間が大分押してきたのですけれども、ここまで、各教育委員の皆さんからお話いただきましたが、由布副知事のほうからご発言ございましたらよろしくお願いします。

 

(由布副知事)

それでは簡潔に話させて頂きますけど、森先生ありがとうございました。森先生のお話の中で非常に、これが大事だなと思ったのはですね、「できるところからやる」「臨機応変にやる」。どうしてもやっぱり、みんなにインターネット環境がないからということで、なかなかできなかったということはこれまでもありましたし、また、公的機関としてもそういうところがあると思います。そういった臨機応変なところが非常に大事だなって思います。私も、今のこの学校の現状、休校の状況を見て非常に憂いていますのが、恐らく、公立の学校と私立の学校を比べると私立の学校の方がそういう、双方向の環境が整っていて、Zoomによる授業など行われるのであれば、やはり保護者の中にはですね、公立の学校への信頼感というものが低下して、やっぱり私立のほうがいいなということになってしまったりとか、あるいは住む場所を選ぶに当たって、非常に今後考慮されてしまうと思うので、やはりそういった観点も含めて、しっかりと取り組んでいかないといけない問題なんだろうというふうに思っています。課題は、今までもご紹介させていただいて、沢山あると思いますけれども、いずれにしろしっかり取り組んでいかないといけないと。

また、ちょっとまた違う話で、学校が再開されると登校はできるわけですけれども、本人、あるいは親が感染することによって、濃厚接触者になって、学校に登校できない。そうなると生徒によって、学習の環境などこれまで以上に変わってしまうおそれがかなり大きいだろうと思うんです。そういったことにどうやって対応していくのかということもまた切実な課題として考えないといけないと思っています。

 

(福永教育長)

はい、ありがとうございます。すみません、藤田委員にお話聞きたいんですが、知事の日程の都合がございますので、知事の方から、ここまでお聞きになってお話がございましたらお願いいたします。

(三日月知事)

ありがとうございます。短い時間でしたけれども、やはりこの時期、ウェブという形ででも課題を共有できたことは大変有意義だと思います。ご参加と共に、現場での様々な戸惑いがある中でのご尽力に敬意を表し、また感謝を申し上げたいと思います。冒頭は述べなかったんですけど、昨日来、県内の教職員のハラスメント不祥事事案が出ておりますので、是非お互い襟を正すということについては誓い合いたいと思います。その上で、このコロナの問題は、長くなると思います。今少し落ちついてきていますけど、また再び第2波、第3波ということも含めて、対応していかなければならない課題になると思います。「元の生活に戻る」という、そういうことは、もうほぼありえないという前提で、さまざまな制度や仕組み、環境を整えていく、作っていくという前提で動いていく必要があると思いますので、この点、共に、認識を共有したいと思います。

ただ、既にジェネレーションCという言葉があるように、このコロナ世代に学齢期を迎えた子どもたちというようなことで、例えば、不足や不利益が子どもたちに及ぶことがないように、社会的にしっかりと、サポートをしていくこと。むしろこの機にこういう困難な状況で学んだからこそ、こういう育ちや、またこういう力が付いたんだという、こういう世代にむしろ引き上げていく、そういう視点でですね、さまざまな取組をしていきたいと思います。遅れの問題は、ややもすると、再開すると、この遅れを取り戻さんがために、現場の先生も頑張っていただく、生徒たちも頑張る。ただ、物理的に困難なことだとすれば、その見極めなり、そのフォローはきめ細かくする必要があると思いますし、何より格差の問題ですね、先ほど由布副知事もおっしゃいました、何人か教育委員の先生方もおっしゃいましたけれども、ICT環境が整っている学校とそうじゃない学校、整っている世帯とそうじゃない世帯、この格差を、やはりこれを埋めるのは、パブリック、社会の役割だというふうに思いますので、この点、少し大胆な予算づけやこの機の投資も含めて、しっかりと滋賀県としても対応していきたい。教育委員会としても、ぜひ遠慮なくですね、今日は恐らく森校長、相当いろんなことに、まずはやれることをやろうということでお取り組みいただき、その結果をご報告いただいたかと思いますが、これが例えば長引く、第2波、第3波に対応しなければならないということになると、恐らく今のままでは、もう限界を超えるというか、限界も既に超えているという、こういう状況だと思いますので、その点しっかりと行政としてもサポートしていきたいと思います。最後になるんですけど、もちろん学習も必要なんですけど、学習以外の活動ですね、全てが学習に通じるといえばそれまでなんですが、部活動ですとかいろんな行事、生徒のいろんな、悩みのところで吐露されていましたけれども、この部分への寄り添いですね。特に高校生なんかは、高校生自身がどう考えるのかということについても、よくよく耳を傾けてですね、もう修学旅行は行けないなとか、学園祭はできないな、だけじゃない補償というか、そういう面も、しっかりサポートしてあげられる、そういう年度にしたいと思います。今年度の学びを今年度でということについて言うと時間は限られていると思うんです。ぜひ滋賀県挙げて、今の子どもたちの学びをしっかりと応援していく、この体制をとりたいと思いますので、ぜひ、一緒に頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。

 

(福永教育長)

はい、ありがとうございました。藤田委員、申しわけございません。時間の配分の都合で、こういった形になりました。もし何かございましたら。

 

(藤田委員)

30秒ぐらいもらえたら。今現状の状況については、今説明がありましたとおりですし、知事のヒントにもありましたように、コロナだからどうこうと言わなくて良いようにしていくということと、ぜひですね、この現状の調査をして今のインフラを生かせるようにしながら、学力知識のPDCAの標準化をする。なぜかというと、学校の中ではそれできるんですけど、学校のカリキュラムと、家庭でできるカリキュラムの差を埋めて、保障していかなくてはならないので、そのPDCAを是非つくったらどうかということで、全体の最適化をする。学生が登校したときに、最適化とのギャップがどの程度出るかというのが見やすくなると思いますね。

それとこういう不安に関しては、人間というのは骨太で、環境に適応します。コロナだったからとか学校へ行けなかったからという整理をしないように、しっかり、いい子を育てるということが大事だと思います。言いたいことはまだありますけど、30秒ぐらいで終わりました。

 

(福永教育長)

はい、ありがとうございます。本日は短い時間でございまして、十分なご意見をお聞かせいただけなかったと思いますが、今いただきました意見をまた踏まえましてですね、改めてまた、教育委員の皆様方、そして知事、副知事ともですね、意見交換の場を持っていければと思っております。本日はこういう形で総合教育会議を終わらせていただきます。本日は皆様御苦労さまでございました。ありがとうございました。

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電話番号:077-528-4512
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