Blank scanの収集時間の違うデータを用いることによる脳血流画像の変化として、5分(21M counts)以下では、5%以上の誤差を認めた。10分(430M counts)では2%程度の誤差であったが、20分以上(860M counts)では、おおよそ1%以内となった。収集時間を長くすることによりstandard deviation(以下、SD値)は小さくなるが、血流値が微増する結果となった。
また、cross calibrationおよびnormalizeによる脳血流の変化として、基準の2ヶ月前データによるrCBFが5%程度の誤差を認めた。この誤差はcross calibrationfactor(以下、CCF)の影響を受けたものと考えられる。しかし、CCFの変化は前月と比較しても2%程度であり、normalizeの影響も関与しているものと思われる。その他のデータでは、2~3%の誤差範囲の結果となった。
Blank scanの収集時間が極端に短いデータを用いるとrCBFは5%以上の誤差を生じるが、ある基準以上の収集時間であれば、安定した定量値が得られる。また、cross calibrationやnormalizeも、データによって5%程度の誤差を生じるが、CCFの変化率やnormalizeのサイノグラムをチェックし、データに大きな変化が見られたなら、後日scanのやり直しを行うことにより、検出器の状態を把握することが必要である。今回の検討では、改めてcorrection dataの重要性を認識できた。
本研究は、第45回日本核医学会にて発表した
1) Kanno I Murakami M, Miura S, Hagami E, Shoji Y, Hachiya T, Aizawa Y, Takahashi K, Iida H, Sasaki H, et al. Laboratory system of positron nuclear medicine. A design concept of Akita Nohken PET Center: kaku Igaku 22:119-127,1985.
2) Frackowiak RS, Lenzi GL, Jones T, et al: Quantitative measurement of regional cerebral blood flow and oxygen metabolism in man usiug 15O and positron emission tomography; theory, procedure, and normal values. J Comput Assist Tomogr 4:727-736,1980.
3) 藤埜浩一他:PET画像の標準化ガイドラインに関する研究班報告.日本放射線技術学会雑誌 61(1),42-54,(2005)
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