文字サイズ
拡大
標準
縮小
色合い
標準
青地に黄色
黄色地に黒
黒地に黄色
  • サイトマップ
  • 携帯サイト
  • Foreign Language
  • お問い合わせ先一覧

ここから本文です。

更新日:2011年10月14日

パレットしが 

 

8月に彦根市で行われた関西復権プロジェクトでの講演会。彦根城などで撮影が行われた映画「プリンセス・トヨトミ」(2011年初夏公開予定)の話や、「偉大なる、しゅららぼん」の構想などを語りました。

「偉大なる、しゅららぼん」
高校1年生になった主人公日出涼介は、湖東にある本家へ一人引っ越し、石走というまちの、お城の本丸御殿に住むことになる。日出家の人々、石走で長年敵対する棗家の人々とともに、琵琶湖から授かった不思議な力と対峙する。

広報誌「滋賀プラスワン」2010年11・12月号掲載

小説家 万城目学さん

史書にも載っていないような
奥深い歴史を感じます

関西を舞台にした作品を次々と発表し、その土地の歴史を絡めた独創的な世界観が話題を呼んでいる万城目さん。最新作は、 湖東地方を舞台にした「偉大なる、しゅららぼん」。ミステリアスなストーリー展開が注目されています。

 

* * *

滋賀でしか描けない
神秘的な風景があります

大阪で生まれ育ち、大学時代を京都で過ごしたので、関西を舞台にした作品をいくつか書いてきました。今回は湖の民の話という構想があり、幾度か訪れて親しみのある琵琶湖を描きたいと思いました。「偉大なる、しゅららぼん」は、琵琶湖から不思議な力を授かった人々の話。歴史深い琵琶湖の神秘を鍵に、ストーリーが展開していきます。

執筆にあたって、彦根や竹生島などに何度も足を運びました。芹川沿いを自転車で走ったり、近江八幡では水郷めぐりをしたりして、さまざまな風景や土地の歴史からヒントを得ました。とくに、湖上に開けた空や、船に乗って湖から見る山などの描写は、ほかの地方ではできないことだと思います。

また、江戸時代の湖を生かした城の造りを再現したいと思い、「石走城」という湖に臨む架空の城を作品中につくりました。滋賀の風景を見慣れたみなさんにも、この作品からその魅力や歴史を再発見していただけるかもしれません。

湖と人とのつながりを
感じてもらいたい

先日、彦根で講演をさせていただく機会があり、「偉大なる、しゅららぼん」が多くの方に注目されていることを改めて感じました。地元の方々は、ご自身のルーツやまちの歴史に誇りを持っている方が多いように感じます。みなさんとお話ししていると、滋賀には史書などでは知り得ぬ歴史がまだまだ残っていそうな気がして、興味がつきません。物語は、まもなくラストを迎えます。読み終えたあとに、湖と人とのつながりや歴史を想像し、琵琶湖に対する畏敬の念が増すような作品にしたいと思います。

* * *

まきめ まなぶさん
1976年生まれ。大阪府出身。2006年「鴨川ホルモー」でデビュー。「鹿男あをによし」、「プリンセス・トヨトミ」、「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」など、映像化された作品、直木賞にノミネートされた作品多数。現在、琵琶湖・湖東地方を舞台にした長編小説「偉大なる、しゅららぼん」を「小説すばる」に連載中。

→ インタビュー・対談 一覧