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更新日:2014年5月1日

 湖国をeyeして

 

姫野 カオルコさん

ひめの かおるこさん

1958年、滋賀県甲賀市生まれ。
県立八日市高校卒業後上京し、青山学院大学卒業。小学生の頃から作家を志し、1990年『ひと呼んでミツコ』で単行本デビュー。'97年『受難』が直木賞候補となって以降、2004年『ツ,イ,ラ,ク』、'06年『ハルカ・エイティ』、'10年『リアル・シンデレラ』が同賞にノミネート。今年1月、5度目の候補となった『昭和の犬』で第150回直木賞を受賞。現在滋賀に関する随筆を構想中とか。

公式サイト

外部リンク http://himenoshiki.com/(外部サイトへリンク)

広報誌「滋賀プラスワン」2014年5・6月号掲載

直木賞作家 姫野カオルコさん

滋賀には住んでこそわかる
味わいがある

幅広い作風と独自の世界観で、多くのファンを持つ姫野さん。今年1月には『昭和の犬』で第150回直木賞を受賞し活躍を続ける姫野さんに、故郷滋賀についてお話をうかがいました。

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滋賀の”あたりまえ“が楽しかった

姫野カオルコさん

▲ 直木賞受賞会見ではジャージ姿が話題に

18歳まで滋賀で過ごした私にとって、思い出といえば百人一首と琵琶湖でしょうか。近江神宮のかるた大会もあり、地元では小学生はみんな百人一首を覚えるのが当たり前のことで、かくれんぼや鬼ごっこのようにポピュラーなものだと思っていましたが、関東ではそうでもないことにとても驚きました。滋賀にいた時、友達と仲良く札を取り合って楽しんだことを思い出しながら、東京で百人一首のCDを聞いて一人で遊んだこともありましたね。

琵琶湖は、子どもの頃よく泳いだ思い出があります。関東の方には「琵琶湖って泳げるの?」とたずねられることもありますが、海みたいな波や広さがイメージできないのでしょう。海水ならヒリヒリするのに、琵琶湖の水は真水なのでやさしくて大好きでした。川もきれいで、釣りをしては小ぶりの鮎を、川原で串に刺して焼いてもらってよく食べましたっけ。あのおいしさと、川の水のひんやりとした感触を今も覚えています。


奥ゆかしさがまたいい

鳥居本駅味覚は6歳までに決まるそうで、つまり私も滋賀の味が一番だと感じます。鮎、もろこ、丁字麩、赤こんにゃく、滋賀の食べ物を人に教えつつ、自分が食べたくなる時があるんです。逆に他県の人に滋賀の良さを教えられることもあって、たとえば鉄道ファンの知人と鳥居本駅や新八日市駅を訪ねた時、こんなに美しい駅舎だったのかと初めて気づきました。

滋賀にいた幼い時から作家になると信じ、そうして書き続けて今年、直木賞をいただきました。会見で滋賀について聞かれ「いつも美人の隣にいる女の子が合コンに行ってる感じ」と答えましたけれど、京都の隣にいて控えめな滋賀の持ち味、奥ゆかしいけれど芯のあるところがいいと思うんです。自然も気候も素晴らしいうえに、そんな魅力がある滋賀が私は好きです。

私は自分の事情で滋賀を離れましたが、高校時代の同級生たちとは昔から仲が良く、今もつながっています。現在滋賀にお住まいの方々には、「いいとこに住んでるんやなあ」という気持ちで、滋賀に住むことを楽しみ、誇りにしていただきたいと心から思います。

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