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更新日:2016年9月29日

谷口林業

歴史

当時の枝打ちの様子

谷口の歴史を示すものはほとんど残っていませんが、徳川時代にはこの谷口集落が天領であり、伐採が厳しく制限されていたことから皆伐は行われず、独特の択伐施業のもととなった、また、同じような択伐施業をしている岐阜県関ヶ原の今須林業と何か関係があったのではないかと、推測されています。


地元では「谷口の山は見事である」と話題になっていましたが、広く全国に紹介されたのは、昭和28年頃、京都大学の佐藤弥太郎博士が調査されてからのことです。

しかし、もともと谷口林業は択伐林経営を行うために、森林施業を計画的に実施してきたわけではありません。小規模経営の森林所有者が多く、必要な時に必要な分だけ、伐採が行われていました。その結果、残った木が大きくなり、現在の大径木になったと思われます。

現在は伐採はほとんど行われていません。他地域と同様に、山林の保育に携わる篤林家はほとんどいなくなり、森林組合への委託造林が主流となっています。

 

当時の記録を残す資料から、造林技術などをご紹介します。

 

  • 択伐とは:皆伐と異なり、定期的に大径材を伐りだしていく伐採方法のこと。森林に大きな変化をもたらさず、国土の災害防止・風景保持につながる。

  

場所

谷口林業の場所

谷口林業地は滋賀県の東北部長浜市谷口町にあり、旧村名を田根村と言ったことから、「田根林業」とも呼ばれています。この谷口集落の東南には県下の秀峰伊吹山や七尾山があり、西側には戦国の武将「浅井長政」の居城となった小谷山を望むことができます。

 

アクセス

  • JR東海道新幹線「米原」駅から車で約40分
  • 国道21号線より国道8号線に入り、長浜市から車で約20分
  • 北陸自動車道長浜ICより車で約15分
  • JR北陸線「虎姫」駅から車で約10分

 

 

 

 

 自然条件

谷口集落

  • 当地域は、伊吹山系に囲まれて小盆地の中にあり、森林は海抜200〜500mの範囲にあります。 
  • 山地は、秩父古生層に属し、基岩は砂岩、角岩、粘板岩よりなり、土壌は表土が深く、肥沃な林地です。
  • 年平均気温は13.5℃、降水量は2、000mm以上あり、スギの生育に適しています。
  • 雪は11月下旬より3月上旬にかけて降り、平均積雪量は1m以内です。しかし、当地域の南南東に位置する伊吹山の影響を受けて、水分を多く含んだ湿雪が降ることから、しばしば降雪による冠雪害を受けることがあります。

 

 

森林施業の特徴

太径木の用材生産

太い、立派な木です

谷口林業は択伐林経営を行うために、森林施業を計画的に実施してきたわけではありません。小規模経営の森林所有者が多く、必要量のみを伐採し、その伐採跡地に数本の自家養苗した大型苗木を植栽してきました。その結果が、今日の林相を形成しています。

 

 

 

小規模経営

谷口集落は現在40数戸の農林家があり、私有林147ha余りにはほとんどスギが植えられています。従って、1戸当たりの平均所有面積は約3.0haと、林業経営というほどの規模はありません。最大でも約10haの所有規模です。(他に共有林が88ha)

 

高蓄積の備蓄林業

谷口の迫力ある木々

私有林の約9割前後を占めるスギ林の蓄積は、 約116000立方メートルに達していて、年平均生長量はha当たり28立方メートル見込まれています。 しかし、近年は伐採はほとんど行われることはなく、蓄積は緩やかな増加となっています。

 

 

 

 

造林技術

苗木

さし木品種として、タロウエモンスギ(田根1号)・オオスギ系(田根2号)が用いられています。その形状からみてウラスギ系の特徴が認められます。当時、この地域に自生するスギの中から選び出されたものといわれています。
品種の特性は下記表のとおりです。いずれも耐雪・耐陰性が強く、択伐林仕立てに最適の品種と考えられます。

  

品種 タロウエモンスギ(田根1号) オオスギ系(田根2号)
葉色 薄い(黄味) 濃い(濃緑)
針葉の形状 短い・やや内側に曲がる 長い・内曲がり
樹皮 赤褐色・細く縦に裂ける 濃赤褐色・細く縦裂
品種固定時期 200年前 50年前

 

品種の違い

 

タロウエモンスギ(田根1号)

オオスギ系(田根2号)

 

 

 植栽と保育

枝打ちされた林内

苗木には、大きなさし木が用いられます。伐採後の植え付けということで、植え付け本数が少ないため、ほとんど各戸で苗木が養苗されていました。(近年は伐採される林家はなく、養苗はされていません。)

さし穂は3年生の枝を約30〜40センチに切ったもので、山裾の田の畦畔をさし床として利用していました。2年後の春に床替えし、更に大きく仕立てて山行き苗としていました。(現在は活着率がよいので、青ざしで挿し木が作られています。) 豪雪地帯であるので雪起こしは幼齢木に行われていました。

 

  

枝打ち

昔の山道具です

林地を有効に活用するために、上層木は極度に枝打ちを行います。これは、下層木に陽光が入って成長を促すこと、末落ちの少ない年輪のそろった長材を作り、単位面積当たりの生産量を増し、高い立木価格で売ることに主眼がおかれています。

植栽後12〜15年目に1回、20〜23年に2回目を、その後数回の枝打ちを行い、40年以降も続けられるという強い枝打ちが行われています。

枝打ち用具には、足掛け縄(径7ミリ、長さ5mの麻縄)、ガニ足(足の滑り止めのため鉄製で作られた木登り用具)、手斧(刃渡り11cm、重さ約0.6kg)が使われていました。

 

 

 

間伐

明るい林内です

昭和50年代後半までは大面積の植栽は行われず、小面積での植栽が行われていました。 これは、各戸でさし木が養苗されていたので、数量が限られていたからです。よって、間伐作業は特に必要とされていませんでした。 (植栽本数も1箇所当たり数本が植えられるだけでした。)

しかし、昭和50年代後半からの拡大造林は地元森林組合(滋賀北部森林組合)が担当していて、以後の間伐も森林組合がほとんど行っています。

 

 

主伐

樹齢290年!

材木価格の低迷から、近年では余程のことがない限り、伐採されていませんが、最近(H16)森林組合が委託を受けて取り引きした、標準的な谷口スギの市場価格は次のとおりです。

  • 元玉:末口52センチ×材長5.0m  170,000円/立方メートル
  • 2番玉:末口42センチ×材長4.0m  95,000円/立方メートル

※本当たり435,000円

 

 

見事な大径木です 

 

 

 

 

 

 

 

 

(写真は樹齢290年のスギです)

 

 ■視察をご希望の方は、湖北森林整備事務所までご連絡下さい。

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滋賀県湖北森林整備事務所 

電話番号:0749-65-6617

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