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野澤 正寛
日本救急医学会救急科専門医・指導医
日本小児科学会小児科専門医・指導医
日本外傷学会外傷専門医
日本航空医療学会認定指導者(医師)
日本小児救急医学会 SIメンバー
日本DMAT隊員・統括DMAT
災害時小児周産期リエゾン
臨床研修指導医
難病指定医
日本救急医学会認定ICLSコースインストラクター
京都大学医学部臨床教授
滋賀医科大学医学部小児科非常勤講師
聖マリアンナ医科大学医学部小児科非常勤講師
同志社女子大学看護学部非常勤講師
日本救急医学会
日本小児科学会
小児救急・集中治療委員会オブザーバー
小児医療委員会委員
日本小児救急医学会 代議員
心肺蘇生委員会委員
日本集中治療医学会
小児集中治療委員会搬送WG委員
日本小児突然死予防医学会
産後ケア施設における安全管理マニュアル作成WG委員
日本外傷学会
日本航空医療学会
日本臨床救急医学会
日本病院前救急診療学会
マスギャザリングイベント等に係る救急・災害医療体制検討合同委員会(日本小児科学会代表)
日本重症患者ジェット機搬送ネットワーク委員会委員(日本小児救急医学会代表)
長友 美佳
清原 亮太
当院の救急科は2021年4月に設立されました。これにより救急室に救急科専門医と看護師が常駐するようになりました。当院は県内で5本の指に入る病床数で、湖南医療圈(草津市・守山市・栗東市・野洲市)の中では最も多い病床数を誇っています。さらに、診療科は県内の多くの病院と比べても充実しており、様々な領域の傷病において他院に搬送することなく治療可能となる数少ない病院といえます。2021年以降は、救急科が専門的な救急医療を提供し、各専門診療科との架け橋となれるよう努めております。救急科設立前の救急車搬入台数は1500台/年程度でしたが、現在では約4400台/年の救急車に対応しています。当院の救急科医師は小児救急領域に対する専門性も高い特徴があります。2024年1月からは小児患者の救急車対応も開始しました。2025年1月の滋賀県立小児保健医療センターとの統合により、更に充実した小児救急医療体制を提供しています。当院が地域の皆様の安心にさらに寄与できるよう精進いたします。
基本的には救急車で搬入される患者への初期診療を行います。年齢・傷病領域を問わず、全身状態の評価と必要に応じた安定化のための処置を迅速に行いつつ、各診療科と連携しながら最適な救急医療を提供します。また、救急車で来院される患者さんやご家族の不安は多大なるものです。医師、看護師、技師、事務職員全ての職種が協力し、救急来院された患者さんやご家族の不安に寄り添った医療を提供します。
1.心肺停止患者の対応
心肺停止患者の救急車搬入に際しては、循環器内科と共同して診療にあたります。これにより、心肺停止の原因が心臓にあった場合に速やかに心臓カテーテルによる治療を行うことができる他、体外式膜型人工肺(ECMO)を用いた蘇生を行うことが可能となっています。
2.急性冠症候群の患者への対応
急性冠症候群が疑われる患者の救急車搬入に際しても循環器内科と共同して診療を開始します。救急科が全身管理を行いながら、循環器内科が心臓の評価、心臓カテーテル検査の準備を行うことにより、安全かつ1分でも早い閉塞した冠動脈の再開通を目指しています。また、当院は心臓血管外科も有することから、急性冠症候群に見えた症状が大血管病変であった場合も他院に搬送を行うことなく緊急手術や管理を行うことができます。2023年は病院到着から冠動脈の再開通までの平均時間(休日夜間を含む)は 63分となっています。
3.脳卒中患者への対応
脳卒中が疑われる患者の救急車搬入については、救急科による全身状態の評価と安定化を行ったのち、CTやMRIなどの必要な画像検査を迅速に行います。脳神経外科や脳神経内科と協力し緊急手術やカテーテルによる血管内治療、血栓溶解療法を行うことが可能となっています。脳梗塞については血管内治療・血栓溶解療法を病院到着から30分以内に開始することが可能です。
4.急性消化器疾患への対応
循環の破綻した消化管出血や、全身状態が不良となった肝・胆・膵疾患、腸閉塞などの急性期消化器疾患については、根治的な治療を行う消化器内科や外科と連携しながら、根治術までの全身状態の安定化を行っています。
5.がん救急への対応
がん救急とは、がんの進展や治療に伴って発生し、緊急治療を要する一群の病態のことを指す言葉です。がんそのものの増大進展により臓器が圧迫されることによる症状や腸などが閉塞して起こる病気、がんからの出血、がん治療の副作用や合併症など様々な病態があります。当院はがん拠点病院でありますので、がん治療を受けられているかかりつけ患者が多いのが特徴です。がん救急の領域であっても、救急科はまず全身状態を安定化させます。その後、早期に必要な専門的対応が何かを判断し、当該各科と連携を行います。また緩和的側面から救急医療を提供することも可能です。当院では安心してがん治療を受けていただくことができます。