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当科の内視鏡手術教育への取り組み

1.内視鏡手術の質を高めるためには

当科では安全で質の高い内視鏡手術ができる消化器外科医を育成することを目標に掲げています。安全で質の高い手術を行うためには、以下の1から3を繰り返すことが重要だと考えています。

1「術野外での練習」:

(例)

・ドライボックス:縫合結紮(90秒以内)、鶴を折るなど

・ハンズオン:模擬組織を使用した実践

・ダビンチシミュレーター:縫合、3rdアームを使用した練習項目で98点以上

2「手術・解剖を理解する」:

・手術ビデオの編集

内視鏡手術ビデオカンファレンス(2回/月に開催しています)

3「定型化した手術の実践」

2.ハンズオントレーニングについて

主に後期研修医を対象に定期的にハンズオントレーニングやダビンチシミュレーターのトレーニング講習会を開催しています。ハンズオンセミナーでは模擬組織を用いて実際の手術を体験することができます。

【過去、直近の予定】

2023年12月はTAPPのハンズオンセミナー

2024年1月は結紮講習会、ダビンチシミュレーター講習会

2024年4月はラパコレのハンズオンセミナーとステープラーのハンズオンセミナー

電気メス講習会なども予定しています。

3.内視鏡手術の種類と難易度

実は内視鏡手術は高難度であっても基本手技は変わりません。普段から基本手技を意識して行うことで初めて中難度、高難度の手術を安全に行うことができるようになります。ロボット手術も同様であり、習熟度に応じて手術機会が与えられます。

4.内視鏡外科学会技術認定医に関して

2024年3月時、当院では3名(谷、戸田、山田)の消化器・一般外科の内視鏡外科学会技術認定医が在籍しており、安全で質の高い手術を指導できる体制があります。

指導医の元で安全な手術が行えるようになれば、若手外科医の希望に応じて内視鏡外科学会技術認定医取得(胃、大腸、ヘルニア)に向けてのサポートを積極的に行っています。

5.指導医の役割

指導医の役割は、手術の質を落とさずに若手外科医に適切な機会を与えること、学会や研究会に参加して常に新しい知見を取り入れアップデートし、施設を牽引していくことが求められると考えています。

6.当院の各領域の取り組み

上部消化管・・・当院は京都大学消化管外科が主催する京都食道胃外科グループ(KEGG)の参加施設です。京都大学関連施設とともに、食道癌と胃癌の臨床試験に参加しています。また、最近では滋賀ロボット胃切除研究会(SRGC)を発足し、近隣施設の上部消化管の代表者と協力して滋賀県内の医療技術の向上を目指しています。(代表者:戸田孝祐)

下部消化管・・・京都大学消化管外科で確立された内視鏡手術手技をもとに手術をおこなっています。京都大学外科関連施設のコアメンバーとして大学と連携し、定期的に開催される臨床外科セミナーや各種勉強会を通して下部消化管疾患についての治療や手術手技のアップデートを行っています。また大学主導の臨床研究に協力施設として積極的に参加しています。臨床研究テーマを当院から提案することや、自施設のみならず協力施設の臨床データを使用した研究をおこなうことが可能です。大学の枠をこえて滋賀県内の病院による下部消化管手術研究会にも参加しています。(代表者:山田理大、佐々木勉)

ヘルニア・・・他施設のヘルニア技術認定医の先生方と複数の施設の若手外科医に対して定期的なTAPP指導を行っています。他の若手外科医の先生との交流を深めることができ短期間でTAPP手術手技の向上を図ることができます。(代表者:戸田孝祐)

7.地域への働きかけ

滋賀県立総合病院は地域医療の中核病院として、年に一回、滋賀の子供たちに内視鏡手術を体験してもらっています。

ご質問、ご要望は外科 戸田までお気軽にお問合せください。

滋賀県立総合病院外科

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