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更新日:2017年9月4日

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家畜防疫を推進するための指針

家畜防疫を総合的に推進するための指針家畜防疫を総合的に推進するための指針を次のとおり定めたので公表する。

平成13年9月6日農林水産大臣臨時代理 国務大臣林寛子

家畜防疫を総合的に推進するための指針

近年、我が国における家畜の伝染性疾病の発生は、ワクチンの開発、普及等予防技術の進捗、防疫体制の向上等により総じて平静に推移してきたところであるが、我が国の畜産は、経営規模の拡大が急速に進展し、家畜畜産物が広域的に流通するようになっており、ひとたび伝染性疾病が発生した場合、急速かつ広範囲にまん延し、その被害が甚大となるおそれがある。
このような中、平成12年3月には、我が国では92年ぶりとなる口蹄疫の発生が確認され、家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号。以下「法」という。)の制定以来、初めてその発生に伴うまん延防止措置が全国的に実施された。
また、貿易の自由化が進展し、海外からの家畜、畜産物、飼料原料及び資材の輸入が増大している中で、口蹄疫等の悪性伝染病の侵入の危険性は依然として高く、海外においては牛海綿状脳症等の新たな疾病の発生もみられている。
このような情勢に的確に対応し、伝染性疾病の発生予防措置及び家畜伝染病のまん延防止措置を効果的かつ効率的に実施するためには、国、都道府県(以下「県」という。)、市町村、関係団体(畜産に関係する団体をいう。以下同じ。)、家畜所有者、獣医師及び関係業者(家畜商、と畜場・家畜市場開設者、食肉・乳業者、動物用医薬品・飼料の製造業者・販売業者等の畜産に関係する業者をいう。以下同じ。)それぞれの家畜防疫の基本的な推進方向、役割分担等を明確にし、より密接な連携の下、総合的に家畜防疫を推進していく必要があることから、本指針はその考え方を示すものである。

1家畜防疫の基本的推進方向

(1)事前対応型の防疫の推進
ア 国及び県は、関係機関、関係団体等と連携し、全国及び地域の伝染性疾病の発生及び浸潤状況の把握並びに防疫技術及び防疫体制の整備の確立に努める。
イ 関係団体、家畜所有者及び関係業者は、国、県政び市町村の助言及び指導の下、全国の伝染性疾病の情報を活用し、健康家畜の流通、農場及び関係施設での車両の消毒等の一般衛生管理の徹底、ワクチン接種の励行等効果的な自衛防疫の実施に努める。

(2)危機管理の観点に立った対応
ア 国及び県は、広域にまん延するおそれのある伝染性疾病の発生に備え、事前に発生時の具体的対応方法及び役割分担を定め、関係者に広く周知するとともに、衛生関連情報の収集、分析及び提供体制、病性鑑定体制、防疫資材の備蓄及び供給体制、家畜死体の処理体制の整備等に努める。
イ国及び県は、伝染性疾病の発生時には、適切な情報提供に努め、市町村、関係機関等と連携して迅速かつ的確な防疫措置を推進するとともに、必要に応じ経営安定対策を講じるよう努める。
ウ国は、家畜の新疾病について、海外の疾病発生に係る情報の収集及び提供並びに調査及び研究に努め、国内での新疾病発生時には速やかに試験研究、情報収集等を企画・推進し、適切なまん延防止対策等を講じるよう努める。

(3) 国内の伝染性疾病の清浄化の推進
国及び県は、国内に既に浸潤している伝染性疾病について、その特性、浸潤状況等から判断される技術的な清浄化の可能性を検討の上、家畜所有者、関係団体等の合意文は協力を得ながら、伝染性疾病の清浄化の推進に努める。

(4)海外からの伝染性疾病の侵入防止
国は、海外の政府機関、研究機関、国際獣疫事務局(OIE)その他の国際機関との情報の交換並びに動物又は畜産関連物資の輸入状況の把握及びその危険度分析に努め、的確な輸入検疫を実施する。また、県は、輸入家畜の着地検査を実施し、伝染性疾病の侵入防止の徹底を図るように努める。

2家畜防疫実施体制の整備

(1)国、県、市町村、関係団体、家畜所有者等の果たすべき役割個々の農場等関係する場所での伝染性疾病の発生防止は、家畜所有者、関係業者が、その経済活動の一環として,又は社会的責務から自ら行うべきものであるが、公益的な見地から行われる法に基づく措置と併せ、それぞれ以下を基本として役割分担を行い、効果的な家畜防疫の実施に努める。
ア国及び県は、相互に連携し、次の取組を行う。
(ア)家畜の各種伝染性疾病の検査等による発生及び浸潤状況の把握
(イ)家畜防疫に関する情報の分析及び還元による自衛防疫の推進
(ウ)家畜伝染病発生時の防疫措置の企画、実施及び指導
(エ)国における的確な輸入検疫及び県における輪入家畜の着地検査の実施
(オ)家畜防疫に関する調査・研究の推進及び普及
(カ)病性鑑定体制の整備
(キ)家畜防疫の実施にあたる人材の確保
イ市町村は、次の取組を行う。
(ア)家畜所有者等が行う自衛防疫の推進及び連絡調整
(イ)家畜所有者の行うべき防疫措置の実施に対する支援
(ウ)県が行う防疫活動への協力
ウ自衛防疫活動の指導・推進を目的とする団体(以下「自衛防疫団体」という。)を中心に、関係団体は国、県、市町村等と連携し、次の取組を行う。
(ア)組織的かつ統一的に行うべき自衛防疫の実施
(イ)家畜所有者個々が行う自衛防疫の推進
(ウ)家畜所有者等への家畜衛生知識の普及・啓発
(エ) 防疫推進方向についての家畜所有者等の意見集約
(オ)県が行う防疫活動への協力
エ獣医師の組織する団体は、県等と連携し、その組織的推進を図るとともに、獣医師は次の取組を行う。
(ア)最新の家畜衛生知識の習得
(イ)家畜所有者への家畜衛生知識の普及・啓発
(ウ)関係団体が行う自衛防疫活動への協力
(エ)伝染性疾病を疑う症例の通報等疾病発生情報の県への提供
(オ)県が行う防疫活動への協力
オ関係業者は、相互に連携し、次の取組を行う。
(ア)健康家畜の出荷及び導入
(イ)農場及び関係施設入出場車両の消毒等一般衛生管理、予防接種、自主検査その他自衛防疫の実施
(ウ)異常家畜の有無の観察及び発見時の早期措置
(エ)県が行う防疫活動への協力

(2)国、県、市町村、関係団体、家畜所有者等の連携体制の整備
ア情報の収集及び伝達体制の整備
(ア)国は、海外の政府機関、関係団体等の協力を得て、海外における家畜衛生関連情報の収集ネットワークの構築に努めるとともに、国内向けの情報提供に努める。
(イ)相互の情報交換及び提供体制を整備し、通常時の自衛防疫活動の推進及び伝染性疾病発生時の円滑な防疫措置の実施に資する。
イ主要な伝染性疾病の防疫要領の整備
(ア)国は、主要な伝染性疾病の防疫方針、発生予防措置の実施、発生時の法に基づく殺処分、移動制限等のまん延防止措置の実施、家畜所有者、獣医師、関係業者等が行うべき措置、組織体制の構築等に関する事項について貝体的に記載した要領を定め、その内容を公表する。
(イ)県は必要に応じ、(ア)の国の定める要領を基本として、地域の実情を踏まえた県の防疫要領(以下「県要領」という。)を策定し、関係者に広く周知するよう努める。
ウ家畜所有者及び関係業者に対する家畜防疫意識の普及・啓発
県及び関係団体は密接に連携し、伝染性疾病の発生予防、伝染性疾病発生時の届出等の家畜防疫措置について家畜所有者及び関係業者が果たすべき役割についての普及・啓発に努める。
エ獣医師との連携の強化
県政び関係団体は、獣医師のための講習会、研究会等を開催するほか、県の施設利用の便宜を図るなどにより獣医師の技能レベルの向上を図ること等を通じて、獣医師との最新の家畜衛生知識の情報交換に努める。
オ病性鑑定実施体制の強化
(ア)国は、他の機関で診断が困難な疾病、新疾病及び重要な伝染性疾病の病性鑑定を行うこととなる独立行政法人農業技術研究機構動物衛生研究所(以下「動物衛生研究所」という。)の病性鑑定の実施体制の整備を推進するとともに、動物衛生研究所と連携して、最新の科学的知見等に即した病性鑑定手順を示した病性鑑定マニュアルの策定、家畜衛生講習会及び各種調査研究事業等を通じた県の技術水準の維持及び向上並びに必要な施設及び機器の整備を推進する。(イ)県は、県要領に基づく病性鑑定が実施できるよう、家畜保健衛生所の技術水準の維持及び向上並びに必要な施設及び機器の整備に努める。

(3)緊急措置の実施体制の整備
ア防疫資材の確保
国及び県は、関係団体と連携して、注射関連資材、消毒薬等の備蓄等による防疫資材の確保に努める。
イ海外病防疫技術者の養成
国は,動物衛生研究所の協力を得て、海外病(海外で発生がみられる家畜の伝染性疾病をいう。以下同じ。)の防疫技術者の養成及び発生時の現地派遣体制の整備に努める。
ウ家畜衛生関連情報の整備
県は、市町村、関係団体等の協力を得て、まん延防止措置の迅速かつ的確な実施に必要となる家畜の飼養及び移動状況、予防接種種の実施状況、関連施設の所在場所その他家畜衛生関連情報の収集に努めるとともに、これらの情報を地図上に整理すること等により、その迅速な利用体制の整備に努める。
エ移動制限地域等の設定方法の検討
県は、移動制限の際の境界とすることができる道路、河川等の位置関係の整理に努める。
オ動員体制等の整備
(ア)国は、関係団体に対し、緊急時に必要となる協力事項について事前の説明を行う。
(イ)県は、市町村、関係団体等の協力を得て、県要領に沿った防疫措置に不可欠な獣医師及び関係者の動員体制の整備、防疫措置の円滑な実施のため協力を求めることがある警察等の関係機関等への事前の協力の依頼等に努める。
カ死体等の処理体制の整備
(ア)家畜所有者は、死体及び汚染物品の焼埋却等が速やかに実施できるよう、その処理方策の検討及び死体等の焼埋却場所等の確保に努める。
(イ)県政び市町村は、関係機関及び関係団体と連携して、家畜伝染病の集団発生等により多数の死体及び汚染物品が生じる場合を想定し、焼却、埋却及び化製処理が可能な施設のリストアップ、発生時の相談窓口の確認及び事前説明並びに関係団体等が行う死体等の運搬及び処理体制の整備についての指導・推進に努める。
キ防疫演習等の実施
県は、周辺県及び県内関係者の参加を幅広く求め、主要な家畜伝染病の防疫措置についての打合せ及び防疫演習を実施し、まん延防止体制の調整、周知、点検及び改善に努める。
ク一般消費者向け情報の事前準備国は、伝染性疾病発生時において、風評による消費の低迷を未然に防ぐよう努めるとともに、発生地域の不必要な行動規制が行われることがないよう、主要な伝染性疾病に関する一般向け提供資料の整備に努める。

3各防疫措置の進め方

(1)発生予防措置
ア発生の届出
県及び関係団体は、法第4条等に基づく届出伝染病等の発生の届出が、伝染性疾病の発生を早期に把握する上で極めて重要であることから、伝染性疾病の種類及び届出の方法について、家畜所有者、獣医師等に対して十分に周知する。
イ関連情報の収集
県は、関係機関及び関係団体と連携し、と畜・食鳥検査成績、家畜共済事故の発生状況等関連情報の収集に努める。
ウ新疾病発生時の対応
(ア)県は、既に知られている伝染性疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なる疾病の届出があり、家畜保健衛生所において新疾病であることが否定できない場合は、国と連携の上、必要な防疫措置を講じるとともに、発生農場の周辺の家畜について検査等を実施するよう努める。
(イ)国は、動物衛生研究所、関係県等と連携し、新疾病の原因究明等のための調査を行うとともに、当該調査結果を踏まえ、制度の見直し等必要な措置を講じる。
エ検査による発生及び浸潤状況の把握
(ア)国は、法第5条等に基づく発生予防又は予察のための検査を的確に実施するため、全国的に必要となる検査を企画し、推進する。
(イ)県は、地域の家畜衛生事情を踏まえ、計画的に検査を実施し、伝染性疾病の発生の状況及び動向を的確に把握し、その結果を速やかに公表するよう努める。
オ自衛防疫の推進
発生予防のための予防接種、消毒等は、家畜所有者又は自衛防疫団体自らが実施することを基本とし、国、県及び市町村は、法に基づく検査等を通じて得られた情報を基に、的確な予防接種等自衛防疫活動の推進が図られるよう努める。

(2)まん延防止措置
ア発生の届出
県及び関係団体は、家畜伝染病を疑う症例の早期届出を徹底するため、家畜所有者、獣医師等に対して、十分に家畜伝染病の病性及び発見時の届出の方法について周知する。
イ迅速な病性鑑定県は、国及び動物衛生研究所と連携し、病性鑑定マニュアルに沿った病性の決定を迅速に行うよう努める。
ウ防疫方針の決定
県は、家畜伝染病の発生が確認された場合は、国と連携しつつ、県要領に定めたまん延防止措置を基本として、発生状況、発生地域等の衛生関連情報を踏まえ、殺処分、検査、予防接種、移動制限等の法に基づくまん延防止措置を適切に指示又は実施するとともに、指導すべき自衛防疫の活動の決定等を行う。
エ情報提供
国、県及び市町村は、広域にまん延するおそれのある家畜伝染病が発生した場合は、発生状況と併せて、まん延防止活動の内容を周知する。また、それぞれの段階で関係機関、関係団体と連絡を密にするとともに、家畜伝染病の発生に関する情報について、報道機関等を通じて適切に公表するよう努める。また、公表の際には、人への感染の有無及び病性についても明示し,過剰な防疫対応及び風評が生じることがないよう、発生した家畜伝染病、防疫措置等に関する正しい知識の提供に努めるとともに、報道機関等にも協力を求める。
オ国の協力
国は、海外病発生時等において、必要に応じ、防疫技術者の派遣、防疫資材の譲与又は貸付け、家畜防疫員の派遣調整等必要な措置を講じる。
カ必要人員の確保
県は、家畜所有者が行う患畜等の殺処分並びに死体及び汚染物品の焼埋却等への協力を含め、防疫措置の実施に必要となる人員を市町村、関係団体等の協力を得て確保するよう努めるとともに、確保が困難な場合は、他県に対して、家畜防疫員の派遣要請を行う。
キ殺処分等の実施
患畜等の殺処分並びに死体及び汚染物品の焼埋却等は、原則として家畜所有者が行うこととし、県は、市町村、関係団体等と連携し、積極的に家畜所有者に協力するよう努める。また、緊急の必要がある時は、家畜防疫員自らがその一部又は全部を実施する。
ク検査、注射等の実施
県は、国と連携の上、病性に応じ効果的に検査及び予防接種等を実施することとし、その実施に当たっては、必要に応じ、市町村、関係団体等の協力を求めるよう努めるものとする。
ケ家畜の移動制限等の実施
(ア)県は、家畜等の移動制限及び家畜集合施設の開催等の制限を行う場合には、県要領に基づき、まん延防止効果が十分に発揮される最小限の範囲、期間、対象物等を定めて実施するよう努める。
(イ)家畜等の移動制限は、発生県が国及び関係県と連絡を取りながら行うこととし、その他の県が移動制限を実施する場合には、範囲、期間、対象物等について発生県の移動制限と整合性のとれた運用に努める。
(ウ)国は、県域を越えて家畜伝染病が広域にまん延するおそれがある場合は、関係県に移動制限に関する指示を行い、又は国自らが移動制限を実施する。
コ疫学調査
県は、効果的なまん延防止及び再発防止を図るため、まん延防止措置と併せ、国、関係県、関係団体、家畜所有者、関係業者等の協力を得て疫学調査を徹底して実施し、感染経路の究明に努める。

(3)自衛防疫
ア自衛防疫の推進
国、県及び市町村は、家畜衛生情報の提供、自衛防疫活動への助言、指導等により、効率的な自衛防疫活動の推進を行うよう努める。
イ日常の衛生管理
家畜所有者は、農場へ出入りする車両等の消毒、健康家畜の導入、予防接種の実施、伝染性疾病が発生した際の早期受診等日常の衛生菅埋の徹底に努める。
ウ自衛防疫の組織的推進
自衛防疫団体等は相互に連携し、国、県及び市町村の助言及び指導の下、次の事項を行うよう努める。
(ア)家畜所有者への伝染性疾病の発生、浸潤状況等の家畜衛生情報の提供
(イ)地域的に一定の接種率の確保が必要な予防接種の実施
(ウ)伝染性疾病の侵入防止、清浄化等について、地域ぐるみ又は家畜所有者自らで行うことが有効な自衛防疫活動の指導及び推進
(エ)広域に伝播するおそれのある家畜伝染病の発生時における消毒の実施等組織的な自衛防疫活動

4家畜防疫の円滑な推進

(1)家畜防疫に関する試験研究の推進
国は、より効果的な防疫対策の確立のため、動物検疫所、動物医薬品検査所、動物衛生研究所その他の試験研究機関の行う調査研究を促進するとともに、民間における防疫資材の開発力の向上等を促進するよう努める。

(2)防疫資材の円滑な供給と防疫コストの低減
ア国は、動物衛生研究所等による伝染性疾病の検査薬等稀少防疫資材の安定供給に努める。
イ国は、効果的な衛生管理の指導と併せ、多機能・省力型ワクチンの開発等より効果的な防疫資材の導入等の取組を促進するよう努める。

(3)家畜伝染病が発生した家畜所有者への経営対策等
国、県及び市町村は、関係団体と連携し、家畜共済制度への加入、海外悪性伝染病の発生した家畜所有者等の負担を軽減するための互助基金の造成等を推進するとともに、家畜伝染病の発生時には、これらの制度や融資制度の活用等による家畜所有者等への経営対策のほか、家畜市場対策、消費者対策等を適切に講じるよう努める。