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更新日:2014年2月25日

酸性雨情報

酸性雨調査

石油や石炭などの燃焼によって、工場や自動車などから大気中に放出された二酸化硫黄(SO2)や
窒素酸化物(NOX)などが酸化されて硫酸(H2SO4)や硝酸(HNO3)となり、降雨に溶け込み酸性雨 となります。

測定項目 説明
pH
(水素イオン濃度指数)
水溶液の酸性・アルカリ性の度合いを表す指標で、
0から14までの数値で示されます。pHが7で中性、7より小さな数値になるほど酸性が強くなることを、また7より大きな数値になるほどアルカリ性が強くなることを表しています。
大気中の二酸化炭素(CO2)が蒸留水に溶け込み平衡状態になった場合のpHが5.6であるところから、pHが5.6以下の降水を酸性雨と呼ぶ場合が多く見られます。
イオン成分 雨水中のイオン成分の量を調べて、酸性物質の由来や土壌・水域への降下後の影響を考えるのに役立てます。
海塩由来硫酸イオン
(ss-SO42-)

海水に含まれていた硫酸イオンが降水に溶け込んだもので、降水の酸性・アルカリ性への直接的な影響はありません。

非海塩由来硫酸イオン
(nss-SO42-)

降水の酸性化に関係している硫酸イオンです。多くは石油や石炭が燃焼されることによって排出された二酸化硫黄(SO2)が大気中で酸化されることにより生成した硫酸イオンが、降水に溶け込んだものです。

硝酸イオン(NO3-)

非海塩由来硫酸イオンとともに降水の酸性化に関係しているイオンです。多くは自動車排気ガス等に含まれている窒素酸化物(NOx)が、大気中で酸化されることにより生成した硝酸イオンが降水に溶け込んだものです。

塩素イオン(Cl-) 多くは海水に含まれていた塩素イオンが降水に溶け込んだもので、降水の酸性・アルカリ性への直接的な影響はありません。
アンモニウムイオン
(NH4+)

多くは大気中のアンモニアガス(NH3)が降水に溶け込んだもので、硫酸イオンや硝酸イオンにより酸性化した降水を中和します。

海塩由来カルシウムイオン
(ss-Ca2+)

海水に含まれていたカルシウムイオンが降水に溶け込んだもので、降水の酸性・アルカリ性への直接的な影響はありません。

非海塩由来カルシウムイオン
(nss-Ca2+)
多くは道路粉じんや春先の黄砂等に含まれていたカルシウムイオンが降水に溶け込んだもので、酸性化した降水を中和します。
マグネシウムイオン
(Mg2+)
ナトリウムイオン(Na+)
カリウムイオン (K+)
各イオンとも多くは海水に含まれていたものが降水に溶け込んだもので、降水の酸性・アルカリ性への直接的な影響はありません。

 

酸性雨調査結果

調査地点いずれも、ろ過式採取装置による調査で、基本的に1週間単位の採取です。
高島市今津高島合同庁舎屋上
大津市柳が崎琵琶湖環境科学研究センター屋上

年間降下量(平成19~平成24年度)

地点 年度 降水量(mm) pH 年間降下量(mmol/平方メートル/年)
平均値 最小~最大 H+ ss-SO42- nss-SO42- NO3- Cl- NH4+ Na+ K+ ss-Ca2+ nss-Ca2+ Mg2+
高島市今津 H19 2049 4.51 3.95~5.11 63.4 8.2 42.4 51.0 160.2 41.8 137.0 4.7 3.0 9.5 16.2
高島市今津 H20 1879 4.64 4.09~5.95 42.8 8.9 33.8 42.4 162.8 43.0 147.5 6.3 3.2 10.3 18.6
高島市今津 H21 1743 4.74 4.21~6.34 31.4 6.9 32.1 48.5 127.6 52.2 114.8 6.2 2.5 12.2 13.6
高島市今津 H22 2065 4.68 4.18~5.91 42.4 7.6 28.3 42.1 143.7 35.7 126.0 4.4 2.7 6.6 14.4
高島市今津 H23 2514 4.71 3.86~6.18 48.5 8.8 29.2 41.9 165.6 36.5 146.0 6.3 3.2 5.7 16.9
高島市今津 H24 1965 4.52 3.89~5.25 58.4 10.0 34.0 44.1 197.0 34.2 165.9 4.9 3.6 6.7 18.9
大津市柳が崎 H19 1475 4.60 3.83~6.07 36.4 1.9 33.5 48.9 31.3 57.5 32.2 5.7 0.7 11.1 4.6
大津市柳が崎 H20 1611 4.66 4.13~5.63 34.7 1.5 25.1 38.7 24.2 46.6 24.8 4.9 0.5 7.9 3.4
大津市柳が崎 H21 1420 4.89 4.20~6.21 18.3 1.3 18.7 34.0 20.5 46.1 21.3 5.7 0.5 7.4 3.1
大津市柳が崎 H22 1617 4.90 4.32~6.86 20.4 1.4 16.7 30.3 23.1 36.2 23.3 3.8 0.5 6.8 3.1
大津市柳が崎 H23 1739 4.77 4.17~6.00 29.3 1.2 18.3 31.4 19.5 32.4 20.7 3.2 0.5 6.1 2.7
大津市柳が崎 H24 1428 4.65 3.80~5.56 31.4 1.4 21.4 35.1 24.1 32.7 23.3 3.0 0.5 7.3 2.8

pHの平均値は、加重平均値(1年間分の降水を全部混ぜ合わせたとした場合の値)です。

SO42-とCa2+の海塩由来と非海塩由来の算出法
降水中のNa+はすべて海塩起源であるとし、海塩由来の成分濃度の比率は、海洋→大気(雲)→降水で変化しないと仮定し、 降水中のNa+、SO42-、Ca2+の濃度(μg/ml)を測定して、以下の計算式により、それぞれの濃度(μg/ml)を算出します。
[ss-SO42-(海塩由来SO42-)濃度] = 0.251 × [Na+濃度]
[nss-SO42-(非海塩由来SO42-)濃度] = SO42- - [ss-SO42-濃度]
[ss-Ca2+(海塩由来Ca2+)濃度] = 0.038 × [Na+濃度]
[nss-Ca2+(非海塩由来Ca2+)濃度] = Ca2+ - [ss- Ca2+濃度]

figure1 

平成23年度(2011年度)の陰イオン成分年間降下量

figure1-1

平成23年度(2011年度)の陽イオン成分年間降下量

pHの階級別出現率と年間値の推移

pHは降雨など水溶液の酸性・アルカリ性の度合いを表す指標です。現在、全国でみられる降雨はおおむね酸性化されていますが、大気中にはアンモニアや炭酸カルシウムのようなアルカリ性物質も存在し、これら物質による降雨の中和作用があり、そのため酸性化された降雨がかならずしも汚染された降雨だと言い切ることはできません。そのため、降雨の汚染を考えるには、pHや降雨に溶け込んだ各種イオン成分を総合的にとらえる必要があります。

table3

平成23年度(2011年度)のpHの階級別出現率
(高島市今津と大津市柳が崎の総計)

pH5.6未満の降雨の出現率は、平成24年度は100%で、平成23年度は92%でした。平成23年度と比較して平成24年度は、硫酸イオン等の雨を酸性化する物質がやや増加し、アンモニアのようなアルカリ性物質がやや低下したため、pHがやや低下しましたが、長期的な低下傾向は示していません。

table4

pHの地点別年間平均値の推移
年間の加重平均濃度です。

table5
nss-SO42-の年間降下量の推移
(大津市と高島市の地点について)

table6
NO3-の年間降下量の推移
(大津市と高島市の地点について)

現在の調査地点である高島市今津と大津市柳が崎のpH年間平均値は、ここ数年、やや高い傾向が見られていましたが、平成24年度は5~6年前と同レベルでした。
nss-SO42-の年間降下量は、両地点とも平成20年度から3年間減少傾向が見られていましたが、平成23年度からやや上昇傾向になりました。
NO3-の年間降下量は、大津市柳が崎でnss-SO42- と同様に平成20年度から減少傾向であったものが、やや上昇しています。
降水のpHや各種イオン類の降下量については、今後も長期的な傾向について観察していく予定です。

月別変化 --- 5年間(H20~24年度)の平均

table7

降水量の月別変化

上図は、5年間(平成20年度~平成24年度)の月毎の降水量を同一月毎にまとめて平均し、表したグラフです。
梅雨時期の6月と7月は、今津、大津柳が崎とも降水量が多くなっています。冬期は、大津市柳が崎では降水量は少ないのですが、日本海に近い高島市今津では梅雨時期と同じぐらいに多くなっています。

 

 

table8

Na+ の月別加重平均濃度

table9

Na+ の月別降下量

table10

Cl- の月別加重平均濃度

table11

Cl-の月別降下量

上図は、降水量と同様、5年間(平成20年度~平成24年度)の月毎のナトリウムイオンと塩素イオンの降水中の加重平均濃度と降下量を同一月毎にまとめて平均し、表したグラフです。
加重平均濃度とは、その月の降水を全部混ぜ合わせたとした場合の濃度(μmol/L)です。降下量は、1m2あたりに降下する量で以下の式で算出します。
降下量(mmol/m2)=加重平均濃度(μmol/L)×降水量(mm)/1000
Na+とCl-は、海塩粒子からの寄与がほとんどであると言われており、日本海に近い高島市今津では、加重平均濃度、降下量とも季節風の影響により冬期に顕著に高くなっています。
内陸部の大津市柳が崎では、冬期に加重平均濃度が高くなっていますが、降下量の増加は僅かしか認められません。

table12
nss-SO42-の月別加重平均濃度

table13
nss-SO42-の月別降下量

table14

NO3-の月別加重平均濃度

table15

NO3-の月別降下量

nss-SO42-とNO3-の元となる物質は、石炭や石油の燃焼によって工場や自動車などから排出されます。
上図は、nss-SO42-とNO3-の5年間(平成20~24年度)の月毎の降水中の加重平均濃度と降下量の平均を表したグラフです。
両地点の8月と大津市柳が崎の12月1月は、nss-SO42- とNO3-の加重平均濃度が高くなっています。これは、少ない降水量で大気中の物質が溶け込むためであると考えられます。
しかし、高島市今津では2~4月にかけて、降水量がそれほど少なくないにもかかわらず、nss-SO42- とNO3- ともに加重平均濃度が比較的高くなっています。県北部に位置する今津が、柳が崎よりもこの時期に季節風による大陸からの影響をより強くうけていることが考えられます。

お問い合わせ

滋賀県琵琶湖環境科学研究センター 

電話番号:077-526-4800

ファックス番号:077-526-4803

メールアドレス:de51200@pref.shiga.lg.jp