ほ場で主要病害を見分けるために
6月上旬頃より発生する。曇雨天が多いと多発し、多肥は発生を助長する。急性型病斑は伝染力が強い。多発するとイネが萎縮し、ずりこみ症状を示す。いもち病は、葉、節、穂首、枝梗、もみなど、根以外のすべての部位で発病する。
6月中旬頃より発生し、高温年に多い。前年多発したほ場では発生しやすい。病斑は周辺部が褐色、内部が淡褐色のだ円形で、最初下部の葉鞘にでき、上位に進展する。ひどいときは葉や穂も枯らす。
本田初期に発生し、浸冠水すると発生が多い。黄化・萎縮して枯死する。葉に白いかすり状の斑点ができる。
肥切れと関連が深く、収穫期前の発生が多い。主に葉に病斑をつくるが、穂首やもみにも感染し、ひどい場合は穂枯れを起こす。
強い風雨の後に発生しやすい。ひどい場合には葉全体が白変枯死し、遠目にもほ場が変色して見える。
汚染種子により育苗期から発生する。徒長して色が淡くなり、その後枯死する。枯死株からは胞子が飛び散り、周囲のもみを汚染する。
7月頃より発生する。病原菌はツマグロヨコバイによって媒介される。黄化・萎縮し、高位分げつや穂の出すくみ、不稔を起こす。
縦に長いひし形の病斑。
縦に褐色の線が伸びる。
丸みを帯びた病斑。
同心円状の輪紋がある。
葉の先端付近から両縁に波形の病斑が現れる。
下葉の先から赤褐色の細かい斑点ができる。
病原菌によるものではなく伝染しない。
(畦畔除草剤が葉にかかった例)
健全部と異常部の境目がはっきりしている。
薬剤により症状は異なるので周囲の状況をよく見て診断する。
出穂期前後の低温多雨や、止め葉での葉いもちの発生、多肥により多発しやすい。
出穂前に雨が多いと発生が多くなる。もみに黒いダンゴのようなかたまりができる。
出穂期が高温だと発生が多い。穂が直立したり、玄米が帯状に褐変することがある。
穂首の節や枝梗などに黒褐色の病斑ができそこより上部が枯死する。
手で穂を引き抜くと簡単に抜ける。
抜けた穂の根元には虫がかじった跡がある。
軸は褐変しないがもみだけが褐変する。
もみの基部は黒変する。
穂はアメ色に褐変する。
葉に病斑がある。
止め葉も枯れ上がり葉鞘に病斑がある。
主に汚染種子から発生し、高温多湿管理で多発する。葉いもちと同じく、ひし形の病斑がたくさんできる。
汚染種子から発生する。発病苗は徒長して色が淡くなり、本田に移植すると枯死する。
汚染種子から発生し、高温管理で多発する。葉の基部は白化し、苗の基部は褐変腐敗して枯死する。芯葉は簡単に抜ける。
数種の病原菌があり、汚染された用土や資材が発生源となる。
フザリウム菌
白色または赤色のカビが発生し褐変枯死する。
低温管理や酸度が低い育苗土で多発する。
ピシウム菌
地際部にカビは見られず、しおれて腐敗枯死する。低温多湿管理で多発する。
リゾープス菌
出芽時に全面が白いカビに覆われ、出芽や生育の不良、枯死をまねく。高温多湿管理で多発する。
トリコデルマ菌
最初白く、後に緑色となるカビが発生し、黄化、枯死する。
保水力が小さく酸度が高い育苗土で多発する。
汚染種子から発生し、高温管理や循環式催芽機の利用により多発する。葉鞘には褐色すじ状の病斑ができ、苗はわん曲する。腐敗の末、枯死する。
汚染種子から発生し、高温管理で多発する。もみ枯細菌病と似ているが腐らず、乾燥枯死する。芯葉は簡単には引き抜けない。