ツキノワグマとの遭遇事故を防ぐために

 滋賀県の山野にはツキノワグマが生息しています。

この時期はツキノワグマが冬眠から目覚めるとともに、人が山野へ立ち入る機会も多くなることから、山野に入る際はツキノワグマとの遭遇に注意することが必要です。

 ツキノワグマは、本来は大変臆病(おくびょう)で温厚な動物です。「猛獣」だと思っておられる方もいますが、過度に恐れることはありません。とにかくツキノワグマとの遭遇を少なくすることが、被害の防止につながると考えられます。

(1) 人家のまわりやキャンプ場などでは、ゴミの管理を徹底してください。米ぬかや野菜くずなど、人が食べ物と思わないものもツキノワグマの餌になります。これらを放置しないよう、管理には十分注意してください。
(2) ハイキング、登山、渓流釣りなどで出た生ゴミは必ず持ち帰ってください。
(3) 人家のまわりで収穫の予定のない柿や栗の実やハチの巣は撤去してください。

(1) ツキノワグマに自分の存在を知らせてください。
ツキノワグマは、嗅覚や聴覚が人より優れ、人の接近をいち早く察知し、人を避けます。ラジオ、笛、鈴などで音を出して行動してください。

(2) ツキノワグマが生息する森林などには極力入らないでください。
ツキノワグマは明るい場所を避けますので、見通しのよい明るい場所で行動してください。ツキノワグマの糞や足跡などをみつけたら、迂回するか、引き返してください。山菜採りやタケノコ採りは、ツキノワグマとの遭遇の危険性が高くなりますので、特に注意が必要です。

(3) 早朝や夕方の外出は注意が必要です。
ツキノワグマは、人里近くに夕方に出てきて、夜間行動することが多いので、夜間 はできるだけ外出しないようにしてください。外出する場合には、単独の行動は避けてください。特に、農作物等の被害がすでにある場所での行動は危険です。

(4) 人家周辺でも注意をしてください。
人家周辺でも出没することがあります。周辺地域で出没情報がなくても、特に早朝や夕方は常に周囲に注意を払うよう心がけてください。

遭遇時に大声を出したり、背中を見せて逃げたりするとツキノワグマが驚いて興奮し、襲い掛かってくる場合があります。遭遇した場合には、目を逸らさず、ゆっくり離れるようにしてください。