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「働くこと」「ともに働くこと」を大切にしよう!

ご来庁の皆さん、職員の皆さん、こんにちは。滋賀県知事の三日月大造です。

湖国滋賀も新緑が眩しく、山々の色も様々で「山笑い」、麦が穂をつけ、田植えが本格的に始まりました。

今日は雨ですが、春から夏へ、爽やかな季節ですね。5月の知事談話をお届けします。

 

今日は5月1日、メーデーです。「働くこと」「ともに働くこと」を大事にしたいと思います。

まずはじめに、このテーマでいくつか所感を述べます。

 

新年度、令和6年度、新体制でスタートして1か月が経ちました。

新しい職場、新しい立場、新しい仲間、そろそろ慣れてきましたか?無理せず、何より声かけ合って、いろいろな話もしながら、助け合って仕事をしていきましょう!

歓迎会や、団結懇親会は済みましたか?ランチミーティングもいいでしょう。「一緒に食べること」で仲良くなれます。仲間になる、チームを作るための企画なども考えてくださいね。

今、「GW期間中」でもあります。休みを取ったり、ご家族で帰省したり、行楽に出かけたり、と。それぞれに充実した時間を過ごし、英気を養っていただけたら、と願います。

 

同時に、宿直当番、各種イベント、美術館や博物館、医療福祉機関や水防待機など、皆さんがお休みの時も仕事をしてくれている人びと、職員の皆さんに心を寄せ、感謝します。

私自身、この1か月、家族の介護に多くの時間を費やしておりますが、献身的に寄り添い支えてくださる介護従事者の皆さんの存在とそのご尽力に、とても助けられています。

 

「働く」ということでみれば、県庁の仕事は多様です。

その中でも、給与の支払い、物品の調達、諸経費の支払い、出納の整理、支出の審査、工事の発注や検査、公文書の管理、文書の収受や発送、休暇制度や福利厚生のための仕事、庁舎や公有財産の管理、端末やシステム等の保守運用…などなど、県庁職員が働く土台の環境を整え支えてくれている職員の皆さんにも心から敬意を表し、目立たずとも大切な作業や仕事を怠らず、しっかりと行ってくださっていることに感謝したいと存じます。

 

「働き方改革」にも引き続き取り組んでいきます!

物流ドライバーや医師等の時間外労働の上限規制も4月から始まりました。

社会全体で、受容・対応していくとともに、技術の革新や組織や仕組の改善により、不都合な影響をいかに緩和してくか?行政の知恵の出しどころです。

 

県庁においても、時間と空間に着目して、長時間勤務や過重労働の是正、職場環境の改善などに注力していきたいと思います。

特に、今年度からは「県庁のオフィス改革」に着手し、効率性はもちろんのこと、これまでに十分考慮されてこなかった快適性も追求し、若い世代からも「選ばれる県庁」を目指した取組をつくり積み重ねていきたいと考えています。

そのための一歩として、デジタル化やペーパーレス化、溜め込んだ書類を捨てる・整理するペーパーストックレス化、そのことによる時間と空間の生み出しをしませんか?職員の皆さんに呼びかけます。

大規模な自然災害、被災時にも機能する庁舎のあり方や整備の検討も本格化させます。

 

先日は、滋賀県にも縁がおありの企業、「ITОKI」様の東京オフィス(ショールーム)を視察させていただき、羨望とともに、たくさんの学びと刺激をいただきました。

一つずつ具現化していきたいと思います。

 

そして、働き方改革は「休み方改革」です。

休養はもちろん、家事や育児の分担、子どもたちの学びや私たち大人のリスキリングにつながる「休み方」を一緒に考えていきましょう!

分散して連休を作り、体験活動を充実させるラーケーションについても検討を深めていきたいと思います。

 

先日、東京で開催された人口戦略シンポジウムに出席し、地方自治体の持続可能性分析レポートに基づく問題提起や議論を拝聴いたしました。

20歳から39歳の女性の人口の減少率をもとに、2100年に8,000万人となる日本の人口動態や消滅可能性自治体が示され、そのことを前提とした社会・経済のあり方を議論していくことの必要性が強調されました。

ブラックホール型と称された東京など大都市への集中をいかに是正していくのか?少子化の流れを変えて人口減少の速度を緩めるための取組とはなにか?

 

今こそ都道府県の出番です!「関西広域連合」の一員として、広域行政の視点も持ちたいと思う。

人口が、子どもの数が減少するからこそ、一人ひとりをより大切にする視点を大事に、性別による役割分担の意識の改善や、ジェンダーギャップの解消にも力を入れて取り組んでいきたい。

 

同時に、課題は可能性。ピンチはチャンスです!

データに基づき、まず現状を直視・共有して議論をすること。市や町と悩みを共有し、課題克服に向けて一緒に知恵を出し、汗を流すこと。

様々な努力や取組により移住や関係人口が増加するなど、変化への兆しも確認しつつ、外国人県民との平等な共同生活についても放置黙認せず、制度を構築していくことから始め、今日、生まれる子どもが成人する2050年や、老後を迎える2100年の滋賀県のあり様についても議論を積み重ねていきたいと思います。

 

先月はたくさんの句を詠みましたが、一番、人気が高かったものを紹介し、知事談話を終わりにしたいと思います。

 

行く春と天下をとりにいく成瀬

 

行く春の名残を惜しみつつ、成長・充実の夏を一緒につくっていきましょう!